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2011年5月30日 (月)

顧客満足度の低下

マーケティングリサーチ(MR)は、マーケティングの意思決定を行うために実施するので、意思決定に「十分寄与している」という意見が9%というのはあまりに低すぎます。

「ある程度寄与している」が71%あり、そこまで合わせた80%が寄与率と見れば低くもありませんが、トップボックスが4年間で19%から9%に下がってしまったのですから、何か大きな問題が起きていると考えるべきでしょう。

こちらの調査では、定量調査と定性調査に分けてユーザーの「満足度」も聞いていました。

定量調査の満足度は49%(「満足している」5%、「やや満足」44%)で、定性調査の満足度は60%(「満足している」16%、「やや満足」44%)という結果です。

当社は色々なお客様のCS調査もやっていますが、49%の満足度は決して高いといえませんし、定性調査より定量調査が11ポイントも満足度が低いのは、ネットリサーチの影響もあると考えるべきでしょう。

そして、MRの現場ではインターネット調査の問題が頻発していますので、意思決定の寄与度の低下や、低い満足度は、今の市場をよく反映した結果だと思います。

インターネット調査は生活者の意見を収集、分析するのにとても便利で有効な手段です。

しかし、安易な調査設計や、パネル管理、回収方法、データクリーニングを続けて行くと、インターネット調査なんてやっても仕方がないと、その調査手法自体が否定されてしまうことを危惧しています。

そして、インターネット調査はMRの主要な調査手法になっていますので、インターネット調査の否定はMRの否定になり、日本のマーケティングの仕組みまでおかしくなってしまうかもしれません。

マーケティングリサーチに係わるすべての人が危機感を持って、インターネット調査のクオリティ改善に向けた取り組みを始めるべきではないでしょうか。

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Takai kazuhisa

伊藤忠系シンクタンクの社内ベンチャーで、1999年にネットリサーチ会社のマイボイスコムを立ち上げて社長をやっています。会社を作ることより続けること、良い会社を目指して経営することの難しさ日々感じながら奮闘している毎日です。夜は神田や神保町あたりの居酒屋に出没し、休日は自然散策やアウトドアを楽しんでいます!