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2012年3月24日 (土)

従来型リサーチ会社の業務縮小

当社では先月から技術力向上を促進するため、リサーチャーの経験者採用を進めています。

今回の求人には思った以上のご応募があり、リサーチの技術と経験をお持ちの方に絞って面接をしているところです。

当社ではこれまでにも年に1回程度は中途採用をしていますが、今年は「従来型リサーチ会社」に勤務しているリサーチャーの応募が多くて驚いています。

そして、彼らから話を伺うと「現在の会社がリサーチ業務を縮小するので」とか、「会社がネット広告会社に買収されて、真面目にリサーチをやる環境でなくなった」とか、「会社がリサーチからコンサルに業態を変えるというので」、といった転職理由が聞かれました。

これは推測ですが「従来型リサーチ会社」も、リーマンショック後の大不況で経営環境が厳しいということもあるでしょうが、もう1つは急速にネットリサーチにシフトしたため、これまで収益源だった実査が外注になり採算が厳しくなっているのかもしれません。

しかし、リサーチ市場の品質は、長年の経験を持つ従来型リサーチ会社さんが、コツコツと真面目に対応することによって築いて来たものです。優秀なリサーチャーはそういう会社にこそ沢山おられます。

それを支えるリサーチ会社が業務を縮小したり、撤退したりというのは、日本のリサーチ市場にとって大きな痛手だと思います。

リサーチ業界がパネル力と、システム力と、営業力のある大きなインフラ方のネットリサーチ会社だけになったら、クライアントさんの細かい要望や、高度な要望には応えられず、更にクライアントの満足度や経営判断の寄与度が下がってしまうのではないでしょうか。

リサーチにはインフラも必要ですが、技術と経験を持ったリサーチャーが粘り強く対応することで始めて実現できることも沢山あります。そういう職人的な機能が崩壊してしまうことがないように願っています。

そして、当社はたとえ経営効率が悪くても、真面目にコツコツ頑張る人的サービスでも評価されるリサーチ会社を目指して努力を続けたいと思います。

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Takai kazuhisa

伊藤忠系シンクタンクの社内ベンチャーで、1999年にネットリサーチ会社のマイボイスコムを立ち上げて社長をやっています。会社を作ることより続けること、良い会社を目指して経営することの難しさ日々感じながら奮闘している毎日です。夜は神田や神保町あたりの居酒屋に出没し、休日は自然散策やアウトドアを楽しんでいます!