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2021年8月 6日 (金)

2020年度のリサーチ市場

日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)から第46回経営業務実態調査が発表されました。

こちらはJMRAの会員企業を対象に調査を行ったもので、リサーチ市場の統計などはないからこの市場を理解するのには1番良い資料だと思います。

今回の調査は2021年4月1日から6月1日に、会員企業109社に郵送調査で実施して90社が回答した結果です。

これによると2020年度の日本の市場調査(マーケティング・リサーチ)の市場規模の推計値は2,202億円で、そのうちのアドホック調査(個別調査)は1,350億円と推計されていました。

前期比ではマーケティング・リサーチ全体が96.1%で▲3.9%の減少で、アドホック調査は93.1%で▲6.9%の減少でした。

特にインターネット調査以外の「既存手法」の落ち込みが大きく前期比79%となっており、コロナ禍でグループインタビューや会場調査等の対面型の調査が出来なかったのが大きく影響していると思われます。

日本の2020年度のGDPは▲4.6%で、2008年のリーマンショックの時の▲3.6%より大幅な減少でした。

リーマンショックの翌年の2009年度のマーケティング・リサーチ市場は前期比93%まで減ったので、2020年度も大幅な落ち込みになると思っていましたが、やはり7%ほど市場は縮小していました。

また、この調査では「当面の経営上の問題点」についても聞いていますが、以下が上位の問題となっています。

 1位 新型コロナ感染症における影響  66%

 2位 売上不振            43%

 2位 中堅リサーチャー不足      43%

 4位 残業問題、働き方改革      39%

 5位 社員の調査スキル不足      29%

 6位 調査の価格安          28%

 6位 コンサルティング力不足     28%

新型コロナによって売上不振になり、リサーチ価格の低下や、社員のスキル不足や、残業や働き方改革の課題もあって、リサーチ会社の経営環境がかなり厳しくなっています。

それはマイボイスコムを23年間経営してきて強く感じていることでもあります。

リサーチ会社はサーベイが出来るだけでは生き残れず、「Consultancy & Storry teller」と言われるコンサル提案が出来る会社になるか、「New Research」という新しいテクノロジーを使ったサービスを作り提供できる会社になるかが求められているのだと思います。

マイボイスコムは、「テキストマイニング(TextVoice)」と「アンケートデータベース(MyEL)」でNew Researchを作り、その上で人材の技術力、コンサル力、提案力を強化して、コンサル型リサーチの提供できるリサーチ会社を目指します。

まだまだ足りないことばかりですが、皆様に役立つリサーチ会社になるよう努めて参りますので、これからもよろしくお願いします。

〇JMRA 経営業務実態調査 

http://www.jmra-net.or.jp/activities/trend/investigation/

〇マイボイスコム 

https://www.myvoice.co.jp/

 

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プロフィール

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Takai kazuhisa

伊藤忠系シンクタンクの社内ベンチャーで、1999年にネットリサーチ会社のマイボイスコムを立ち上げて社長をやっています。会社を作ることより続けること、良い会社を目指して経営することの難しさ日々感じながら奮闘している毎日です。夜は神田や神保町あたりの居酒屋に出没し、休日は自然散策やアウトドアを楽しんでいます!