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2021年10月12日 (火)

コンサル型リサーチ会社

リサーチャーの技術ステージは、以下の4つの段階に分かれると思います。

ステージ1:リサーチオペレーター

お客様から依頼を受けた実査と集計ができる。

ステージ2:初級リサーチャー

お客様の課題やリサーチ目的を正しくヒアリングして、最適な調査設計が想起出来て、分かり易い提案書が書けて、適切な調査票作成や調査レポートが書ける。

ステージ3:中級リサーチャー

お客様が求める事業の課題や目的やシナリオを理解して、集めた回答データの分析結果や、市場のデータも含めてロジカルな考察が出来て、4PやSTP等のマーケティング施策の提案や、売上規模の推定や、事業採算の考察や提案まで出来る。

ステージ4:上級リサーチャー(リサーチコンサル)

ステージ3の技術力があるとともに、お客様とのビジネスの潤滑なコミュニケーションが取れて、お客様からマーケティングの相談役として頼りになるコンサル的な役割が担える。

2021年6月に発表された日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)の「第46回経営業務実態調査」の経営上の問題点でも、中堅リサーチャー不足が2番目に多い問題となっていました。

 1位 新型コロナウィルス感染症の影響  59社 65.6%

 2位 売上不振             39社 43.3%

    中堅リサーチャー不足       39社 43.3%

これがどうしてかは明らかで、インターネット調査がアドホック調査の過半数を占めるようになり、リサーチの単価も納期も従来の4分の1位まで極端に安く短くなったからだと思います。

この単価だと沢山の案件を回さないと収益が出ないし、できるだけ効率的に業務を進めて、リサーチ技術者を育成しなくても対応できるデータの回収と集計を、自動化して提供するサービスが大きなシェアを占めるようになりました。

調査設計や、調査票作成、レポート作成や提案といった専門知識を持ったリサーチャーが時間をかけながら考えてやる業務は労働集約型で効率が悪くて、今の市場価格では採算に載らないというのがリサーチ市場の現状だといえます。

広告代理店や事業会社でもリサーチを専門に担当している方でしたら、調査設計も分析もご自身で出来るから実査と集計を早く安くやるサービスでも良いと思います。

しかし、リサーチの経験が少ない方が、マーケティング課題の解決のためにリサーチを行う際には、専門技術と知見を持ったリサーチャーが課題とゴールを共有しながら並走しながら業務を進める方が意思決定に役立つ結果が得られるし、お客様にとって効率的なリサーチになると思うんです。

それなので、当社はこの様なコンサル型リサーチの提供できる会社を目指して、中堅リサーチャーの育成に取り組んで参りたいと考えています。

マイボイスコム https://www.myvoice.co.jp/

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Takai kazuhisa

伊藤忠系シンクタンクの社内ベンチャーで、1999年にネットリサーチ会社のマイボイスコムを立ち上げて社長をやっています。会社を作ることより続けること、良い会社を目指して経営することの難しさ日々感じながら奮闘している毎日です。夜は神田や神保町あたりの居酒屋に出没し、休日は自然散策やアウトドアを楽しんでいます!