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2022年7月

2022年7月18日 (月)

食品値上と販売低下

日経新聞を読んでいて以下の記事が気になりました。

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原材料価格などの高騰を背景とした食品の小売価格の上昇が鮮明になってきた。パンや冷凍食品など主要60品目のスーパーでの店頭価格は6割の品目で1年前より上昇した。一方で値上がり品目の半分は販売額が減った。食品メーカーの相次ぐ値上げが消費者の買い控えや割安な商品へのシフトを招いた可能性があり、賃金が伸び悩む状況での価格転嫁の難しさが浮き彫りになった。 (出所:日本経済新聞 7月6日)

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円安による原材料の上昇や、ガソリンの値上げによる配送料の上昇で、食品の値上げが相次いでいることはニュースで良く耳にします。

5~10%の値上で原価上昇分をカバーして、売上のトップラインを引上げることで利益を確保したいという企業の判断も良く分かります。

しかし、値上がりした品目の半分は販売額が減ったのだそうです。

例えば8%値上したのに販売額が減ったということは、販売量が8%以上減少したということで、それだけ工場の稼働率も下がり更に原価を引上げて企業収益を圧迫します。

価格は4Pの1つで重要なマーケティング要因ですが、賃金が上がらない社会情勢の中で消費者が価格に対してかなり敏感になっていることの現れです。

企業も苦しいけど、生活者も苦しい、その中でどんな価格戦略を取るべきなのかは難しい課題です。

価格設定にはPSM分析(Price Sensitivity Measurement)を良くやりますが、今の様な環境変化の中でこの手法がうまく機能するのかどうかは分かりませんが、お客様の実態や購買心理にどの様な変化が生じているのかを細心の注意を払うことが必要なんだと思います。

そんな意思決定に寄与できるリサーチが提供できる様に、私達も技術力と調査設計力の向上に努めて参ります。

http://www.myvoice.co.jp/

2022年7月 6日 (水)

携帯電話会社のイメージ調査

携帯電話会社のイメージに関するアンケート調査(第20回)

Q4.貴方がもっとも「信頼できる」と思う携帯電話会社はどこですか?

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マイボイスコムでは2002年から毎年「携帯電話会社のイメージ調査」を実施しています。

直近の調査は2021年2月に実施していて20回目になります。

左のグラフは弊社のモニター「マイボイスパネル」に「貴方がもっとも孫頼出来ると思う携帯会社はどこですか?」という設問の回答です。

企業イメージをこの様に項目別に時系列で比較すると、生活者が企業に対するイメージは年々変化していることがよく分かります。

信頼性ではNTTドコモが49%で最も高く、2位が17%のau、3位が9%のソフトバンクでしたが、今回の80時間を超えるauの通信障害でこの信頼性のイメージがどの様に変化するのでしょうか。

このテーマはこれからも継続して実施したいと思います。

調査結果にご関心があれば下記のURLで調査結果をご覧下さい。

〇携帯電話会社のイメージに関するアンケート調査(第20回)

https://myel.myvoice.jp/products/detail.php?product_id=27106

2022年7月 4日 (月)

日本人の給与について

池上彰さんのテレビ番組を見ていたら、日本人の給与は20年間上がっていなくてOECD加盟の35か国中で日本は22位ということで、最近では韓国にも抜かれたというのに驚きました。

それで色々と検索したら3月のYahoo!ニュースに以下の記事がありました。

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経済協力開発機構(OECD)が公表する世界の平均賃金データによると、日本の平均年収は35カ国中22位となっています。 これは、主要7か国(アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・日本・カナダ)において下から2番目に位置します。

国税庁の民間給与実態調査統計では、令和2年の平均年収は433万円となっています。

この平均年収は正規雇用が496万円・非正規雇用が176万円と働き方による差はありますが、ここでは全体の平均として年収400万円超500万円以下の割合を出していきます。

(途中は削除)

通常、国が衰退しないためには経済の成長が不可欠であり、経済成長にあわせて物価や賃金も上昇していくのが自然な成り行きです。 ところが過去30年間、平均年収が400万円から変わっていない。 これが日本の現状です。(Yahoo!ニュース 2022/3/21)

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30年前は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という本がベストセラーになっていたほど日本経済は強かったので、私の世代ではその印象が強く残っています。

それが、企業業績の成長が止まり、経済の低迷が20年以上も続いています。

そして、日本人の平均給与は20年も約400万円のまま横ばいで、OECD加盟国の35か国中の22位まで下がったのですから情けない状態です。

低迷の原因が新しい産業が生まれなかったからと言われていますが、なぜ新しい産業や成長が生まれなかったのでしょう。

その1つの原因は日本人が今の豊かな生活に満足し、挑戦心や向上心が減ったからかもしれません。

ゆとり教育も始まり、日本人全体が今の生活が無難に続けばよい、あまり無理をしないで生きて行きたいという社会になったのも影響している様に感じます。

ゆとりある生活で無理なく働くというのも1つの国の選択でしょう。

しかし、国土も狭く資源もない日本が挑戦心と向上心を失うと、経済力は相対的に下がり、所得が上がらないのは仕方のないことかもしれません。

リサーチ会社の1社長が何を言っても始まりませんが、経済を作るのは企業であり、そこで働く人達の意識や行動から生まれる結果です。

それなので当社は挑戦心を持って事業に取り組み、会社を毎年成長させて、頑張ってくれている社員の処遇を改善するために微力ながら尽力したいと思います。

プロフィール

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Takai kazuhisa

伊藤忠系シンクタンクの社内ベンチャーで、1999年にネットリサーチ会社のマイボイスコムを立ち上げて社長をやっています。会社を作ることより続けること、良い会社を目指して経営することの難しさ日々感じながら奮闘している毎日です。夜は神田や神保町あたりの居酒屋に出没し、休日は自然散策やアウトドアを楽しんでいます!