ネットリサーチ会社 Feed

2024年3月 4日 (月)

不正なNo1調査に処置命令

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「満足度No.1」とうたった広告には合理的な根拠がなく景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして、消費者庁は1日、Wi-Fiレンタルサービス「イモトのWi-Fi」をてがけるエクスコムグローバル(東京・渋谷)など6社に再発防止や消費者への周知を求める措置命令を出したと発表した。

消費者庁によると、エクスコムグローバルは自社ウェブサイトや旅行ガイドブック「地球の歩き方」の裏表紙の広告で、「お客様満足度No.1」「顧客対応満足度No.1」などと表示していた。

しかし、同社に委託されたリサーチ会社がおこなったアンケート調査ではサービスを利用したことがない人も対象に含まれており、ウェブサイトの印象によって満足度が高そうな会社を選ばせていた。消費者庁は客観的な調査とはいえず、表示には合理的な根拠がないと認定した。(出所)日本経済新聞

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ついに不正な「No1調査」に対して消費者庁が再発防止等の処置命令が出ました。

処置命令が出たのは、エクスコムグローバル、飯田グループホールディングス、住宅情報館、一建設、飯田産業、アーネストワンの6社です。

〇消費者庁の処置命令 2024年3月1日

https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_240301_01_01.pdf

https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_240301_02_01.pdf

消費者があまり関与度のない商品やサービスを選ぶ際には、実際に使った経験のある方が満足されているのか、どんな評価なのかも大きな影響力がある情報と言えます。

これらの商品、サービスの広告等で「顧客満足度No1」と表示されていれば、そのことを信じて購入している消費者も少なからずいると思います。

それが正しい手法で実施された調査でなく、合理的な根拠のない調査結果だとしたら大きな問題だと言えるでしょう。

この様な間違った「NO1調査」については業界団体である日本マーケティング・リサーチ協会からも2022年1月に「非公正なNo.1 調査への抗議状」が出されて、関係する調査会社等に改善要望が出されたと聞いていましたが、その後も続いていることは残念なことです。

〇非公正な「No.1 調査」への抗議状 2022年1月18日

https://www.jmra-net.or.jp/rule/20220118.html

リサーチに携わっている立場から見ると、こんな調査は出現率からみて出来る訳がない、と思われるNo1調査が掲載されている広告を良く見かけます。

また、当社にも「No1調査をしたいのですが、、」という問い合わせがあり、最初からNo1という結果を求める様なお引合いは全てお断りしています。

リサーチ会社は正しい市場情報を提供するのが社会的役割であって、データの信頼性に担保する義務があります。

不正なNo1調査は徹底して取り締まるべきだし、この様な不正な調査結果で消費者を欺くような会社は信頼性という面でブランド毀損する様な仕組みが必要なのだと思います。

今回の消費者庁の処置命令で、不正なNo1調査が一掃されることを期待しています。

2024年2月 9日 (金)

成熟期のインターネット調査

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調査手法別の市場構成比(%)          
  2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
その他 13 11 10 8 10
電話調査 0 1 0 1 1
グルイン、質的調査 19 22 20 22 23
郵送調査 5 5 6 6 6
訪問調査、会場テスト 12 10 7 7 7
インターネット調査 50 52 58 57 55

(出所)日本マーケティング・リサーチ協会「第48回経営業務実態調査」

こちらのグラフはアドホック調査の調査手法別の構成比です。

インターネット調査は当社が創業した1998年頃から始まり、早さ、安さ、大量のデータ回収、双方向性、画像・動画の活用、リッチなFA取得等の優位性から急成長を続けて来ました。

昨年度のアドホック調査に占めるインターネット調査の構成比は55%と過半数を超えるまで成長しています。

しかし、時系列で見ると2020年度の58%をピークに微減になっています。

コロナ禍後の既存手法への回帰の影響もありますが、おそらくこれ以上、インターネット調査の比率が高まることはないように思います。

そして、大手インターネット調査会社で、昨年度に赤字に転落している事実も知って、この市場環境が急速に厳しくなっているのを実感しました。

私はマイボイスコムを創業してから25年に亘りその変遷を見続けて来ましたが、インターネット調査 = 新しい調査手法の成長市場、ではなくなりました。

当社システム化と細かい分業では早さと安さを実現する「装置型リサーチ」ではなく、スタッフの専門性で価値を作る「コンサル型リサーチ」を目指して来ました。

調査手法はインターネット調査が中心ですが、既存の調査手法や定性分析のツールや手法も取り入れて、お客様のリサーチニーズにお応えしたいと考えています。

2024年1月 1日 (月)

2024年 新年挨拶

明けましておめでとうございます。

お陰様でマイボイスコムは25回目の新年を迎えることができました。これも皆様のご愛顧のお陰ですので、心より感謝申し上げます。

日本マーケティング・リサーチ協会の「第48回経営業務実態調査」によると、2022年度のアドホック調査市場は1,439億円で前期比105%でした。その内訳はインターネット調査が796億円(前期比101%)、既存手法が642億円(前期比121%)です。

これまでは既存手法からインターネット調査にシフトする動きが強く、インターネット調査の伸びが高かったのですが昨年度で見るとインターネット調査はほぼ横ばいで既存手法が大きく伸びていました。これは過去3年ほどはコロナ禍で対面型リサーチが控えられて、出来るだけインターネット調査で実施していたのが、コロナ禍もほぼ終わり既存手法に戻す動きが強まった結果だと思われます。

インターネット調査は沢山の優位性があって成長し、同実態調査によると2022年度はアドホック調査に占めるインターネット調査の割合は55%と過半数を超えています。しかし、インターネット調査は万能ではなく、テーマによっては対面型の調査の方が適しているものが多くあります。対面型調査も含めた既存手法が出来るようになったのは良いことだと思います。

当社もヒアリング調査、グループインタビュー、会場調査等の既存手法も積極的に取り入れていて、本年度は喫食を伴う大規模な会場調査や、あるサービスの利用を踏まえたグループインタビュー等を多く実施しています。インターネット調査とこれらの既存手法を組み合わせた調査の依頼も多く、それらのリサーチニーズをワンストップで対応できるように体制を整えています。

もうインターネット調査会社と既存型リサーチ会社という区分はなくなり、お客様の課題やテーマに合わせて適切な調査手法を用いて対応することが必要なのだと考えています。また、多くのインターネット調査を中心としたリサーチ会社は装置化と分業での効率性を訴求してますが、当社はリサーチャーが最初から最後まで一貫して対応することが、リサーチの成功には重要なことだと考えています。

インターネット調査市場は早さと安さの競争が強く、日本のインターネット調査は世界で1番安くて早いと聞いています。この価格と納期だと装置化に進まざるを得ませんが、クライアントからはリサーチ会社の技術力が下がり、意思決定に寄与出来ないという評価が増えるジレンマを抱えています。

そのため当社は「アンケートデータベース(MyEL)」と「テキストマイニング(TextVoice)」の2つのデジタルマーケティング・サービスで固定収益を作り、Consultancy & StoryTellerと言われるコンサル型リサーチを実現する方針で事業を進めています。

「アンケートデータベース(MyEL)」は6万人の会員のマーケティング情報源になり、「テキストマイニング(TextVoice)」も大手の食品会社や飲料会社、流通企業、金融会社、リサーチ会社等への導入が進みました。この安定収益も活用しながらより良いリサーチサービス、技術力と対応力の強いリサーチ会社になれるように今年も尽力して参ります。

当社の経営理念は「生活者と企業のコミュニケーションメディアとして、クオリティの高い生活者情報と専門性の高いサービスで企業のマーケティングを支援し豊かな消費生活に貢献する」です。お客様に信頼されるリサーチサービスを提供し、サービスの品質で選ばれる会社にするため社員一同頑張って参ります。本年もよろしくお願いいたします。

2024年1月1日

   マイボイスコム株式会社

代表取締役社長 高井和久

https://www.myvoice.co.jp/feature/

Mvc

2023年11月20日 (月)

BtoBリサーチ

当社が提供している「BtoBリサーチ」の紹介ページをアップしました。

マーケティングリサーチというとBtoCビジネスの消費者の意識や行動を把握するイメージが強いと思います。

実際に飲料・食品、日用品、家電、通信等の消費財メーカーやサービス業の利用が多いという市場データもあります。

しかし、企業間取引のBtoBビジネスでもリサーチは必要で、当社の「マイボイスパネル」には仕事に関する登録属性もあるので、BtoBビジネスのリサーチも可能で、実際に多くの実績もあります。

こちらは仕事の種類で調査対象者を抽出したインターネット調査を行い、仕事の内容でセグメントした分析を行うサービスです。

自社の製品やサービスがターゲット層のビジネスパーソンにどこまで普及しているのかや、競合他社との企業ブランドの比較、新商品・サービスの利用ニーズや利用条件の確認等に役立ちます。

「BtoBリサーチ」にご関心があれば、下記ページをご覧ください。

(BtoBリサーチ)

https://www.myvoice.co.jp/service/menu/btob.html

以下の様な業種・職種・役職・従業員数等の項目で対象者を絞って調査することが可能です。
さらに予備調査を行うことで、特定の製品やサービス利用者へ調査することもできます。
以下はプロファイル情報の一部で、この他に個人の基本属性(性別や年齢、居住地区等)等の28項目の情報があります。
これらを組み合わせることで調査目的に合致したリサーチを提供します。

職業

会社員・役員/自営業/専門職/公務員/パート・アルバイト など

業種

農林水産業/建設業/製造業(11分類)/電気・ガス・熱供給・水道/通信業/卸売

・小売業(6分類)/運輸・郵送業/銀行/保険/不動産/その他金融/飲食・宿泊/医療/福祉 など

職種

経営者・役員/個人事業主/経営・事務企画/営業・販売/基礎・技術研究/

商品企画・開発/購買・仕入/製造・生産・品質管理/調査・広告・宣伝/

情報処理(システム)/物流・配送 など

役職

一般/主任・係長/課長/部長/経営者・役員/個人事業主

従業員数

4名以下/5~9名/10~29名/30~49名/50~99名/100~299名/

300~499名/500~999名/1000名以上

 

2023年8月21日 (月)

2024年卒の採用活動

当社が目指す「コンサル型リサーチ」の実現には優秀な人材を採用して育成することが不可欠ですので、昨年度から新卒採用を再開しました。

そして、今春は早稲田大学大学院と筑波大を卒業した、2人の優秀な新人が入社してくれて技術研修をしながら頑張ってくれています。

来春にも優秀な新卒者を採用したいと考えて、3月から採用活動を開始しました。

当社の学生さんに向けたメッセージは以下の通りです。

システム化、分業化が進んだ装置型のリサーチ会社より、専門性や対応力が求められるリサーチに取り組みたいという学生さんもいると思うので、そのことを訴求したメッセージにしています。

お陰様で150名を超える応募者があり、来春もとても優秀な複数の学生さんに来ていただけることになりました。

当社を選んでくれた方々が「あの時にマイボイスコムを選んで良かった。」と思ってもらえるようなリサーチ会社になれるよう、しっかり経営して参ります。

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コンサル型リサーチと、独自のマーケティングツールを提供しています。

マイボイスコムは1999年に社内ベンチャー制度で設立した伊藤忠グループのリサーチ会社です。インターネット調査を中心に、グループインタビュー、会場調査、ヒアリング調査等の各種リサーチと、「テキストマイニング(TextVoice)」、「アンケートデータベース(MyEL)」の独自のマーケティングツールを提供しています。

当社のリサーチは、システム化と細かい分業で早さと安さを目指す「装置型リサーチ」ではありません。お客様の課題や目的をヒアリングして、適切な調査企画を提案し、調査設計から実査、集計・分析、レポーティングと考察提案までトータルに提供する Consultancy & Storyteller の「コンサル型リサーチ」を目指しています。

主なクライアントは大手の事業会社と全国の大学で、広告代理店の業務は些少です。事業会社のマーケティング調査と、大学の学術調査が主な業務です。売上は企業が6割、大学4割で大学からの学術調査が多いのも当社の特徴です。また、伊藤忠グループのリテール事業やDX事業に関わるリサーチにも対応しています。

良いリサーチ会社は売上や従業員数が大きいことではありません。お客様に喜ばれご評価される付加価値の高い専門サービスが提供できること、そして、独自のサービスも開発して高い利益率と成長率を実現していて、社員が遣り甲斐をもって働ける会社だと思います。
当社の2021年度の顧客満足度は93%、成長率は117%、経常利益率は14.1%でした。2022年度も112%の成長率で、経常利益率は18.5%まで増えました。当社は顧客満足度と利益率でトップのリサーチ会社を目指しています。

マーケティングに関わる仕事に興味のある方、「コンサル型リサーチ」の企画営業やリサーチャーに関心のある方は、ぜひ会社説明会や採用面接にご応募下さい。1人が対応できる業務も大手リサーチ会社より広く、成長の機会も多いと思います。

会社説明会では私が会社の理念や事業戦略、業務内容等を丁寧に説明します。
若手社員と懇談する時間も設けますから是非参加して下さい。
皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。

                       マイボイスコム株式会社
                       代表取締役社長 高井和久

〇社長挨拶(ご参考)

http://www.myvoice.co.jp/company/message.html

2023年7月10日 (月)

当社の顧客満足度

リサーチは専門サービスを提供する事業です。

リサーチを提供させていただいたお客様のお役に立ったのか、ご満足いただけるサービスが提供できたのかが重要な指標になると考えています。

そのため、当社ではリサーチを提供させていただいたお客様に、毎月「顧客満足度調査」を実施してご評価とご意見をいただき、ご満足いただけなかった点があればご指摘に従ってサービス改善をするようにしています。

2022年度の総合満足度は4点満点(4=満足)で3.8をいただきました。

顧客満足度は95%(3.8/4.0)という結果です。

当社のスタッフは真面目に、専門性と誠意をもってサービス対応してくれているので高い評価をいただけているのだと思います。

この結果に甘んじることなく、今後も常にお客様の声に真摯に向かい合いながら、より良いサービスの提供に努めて参ります。

  営業の満足度 リサーチャー
の満足度
価格の満足度 総合満足度
2020年度 3.9 3.7 3.4 3.6 / 4.0
2021年度 3.8 3.7 3.5 3.7 / 4.0
2022年度 3.8 3.7 3.6 3.8/  4.0
3年平均 3.8 3.7 3.5 3.7 / 4.0

満足度の選択肢: 

4= 満足、3= やや満足、2= やや不満、1= 不満 の加重平均

 

  • 当方からの相談に対する柔軟なご対応と調査方法に関するご提案にたいへん満足しています。(情報通信研究機構様)
  • これだけの品質の調査を、これだけの価格でご提供いただけるのは驚異的である。 無料の集計ソフトがたいへん優れている。(労働組合様)
  • 弊社の要望に対し、臨機応変にご対応頂けた。また集計等のデータも丁寧にまとめられており、使用しやすく満足です。(総合商社様)
  • 対応の速さ、タイミングを見て適宜連絡いただけた。(システム会社様)
  • 営業担当にとてもスムーズな対応をいただいており、他社との価格差以上の価値を感じている。(製薬会社様)
  • 発注に対して迅速な対応をしてくださりました。文言なども修正していただき助かりました。何より調査のスピードの速さが良かったです。(大手新聞社様)
  • 様々な段階で十分な対応力をみせていただき、データも満足のいくものであったため。(私立大学様)
  • データ収集の割合のご提案や、倫理委員会への提出書類のご対応など、とても丁寧にご対応下さいました。(大阪公立大学様)
  • 担当者は当方の要望以上の提案もしていただき、とても助かりました。(私立大学様)
  • リードタイムが短い中での依頼にも関わらず、丁寧に、迅速にご対応頂き本当にありがとうございました。(ビール会社様)
  • 新商品のコンプトについて、一般消費者の支持率を回収しましたが、貴社協力のもと回収したいデータが回収できました。(食品会社様)

〇マイボイスコムとは → http://www.myvoice.co.jp/feature/

2023年3月31日 (金)

明日から25期目が始まります

いつもお世話になっております。マイボイスコムの高井です。
今日で2023年3月が終わります。社内ベンチャー制度で当社を設立したのが1999年でしたので、
今日で24期が終わり、明日から25期の事業を始めることが出来ました。これも皆様のご支援と
ご贔屓のお陰ですので厚く御礼申し上げます。 弊社の経営理念は「生活者と企業のコミュニケーションとして、クオリティの高い生活者情報
と専門性の高いサービスで企業のマーケティングを支援し、豊かな消費生活に貢献する」です。
この理念に近づくため来期もスタッフ一同尽力して参ります。

マイボイスコムはインターネット調査を中心に、グループインタビューや会場調査、ヒアリング
調査等のオフライン調査も提供しています。 リサーチャー対応の高品質なリサーチをリーズナブルな料金で提供します。 リサーチのことは何でもお気軽にご相談下さい。
これからもどうぞよろしくお願いします。 〇マイボイスコム リサーチサービス https://www.myvoice.co.jp/service/

〇ご挨拶
https://www.myvoice.co.jp/company/message.html
マイボイスコム株式会社
代表取締役社長 高井和久

2023年3月20日 (月)

リサーチの取組み姿勢

私達がリサーチの仕事をする時に、仕事だからちゃんと約束を守り、品質重視でサービスを提供することは当たり前のことです。

でもそれが仕事だからだという他に、そのリサーチがお客様にどう役に立ち、社会でどんな役割を担っているのかを考えて取り組むことも重要なんだと思います。

よくレンガ職人のたとえ話を聞きますよね。

レンガを組んでいる職人に、「何をしているのですか?」と質問したら、

ある職人は「見ての通りレンガで壁をを組んでいるのさ」と答えました。

そして、別な職人に同じ質問をしたら、

「俺たちは、歴史に残る偉大な大聖堂を造っているんだ!」

と答えたという話しです。

リサーチはお客様の重要な課題や大切な計画で、より良い意思決定に貢献するために存在しています。

企業からのマーケティングのリサーチでも、大学の研究のためのリサーチでも、

それがデータの回収だけでも、データの回収と集計だけでも、それはその後の事業や研究に大きな影響を与える情報であり、お客様のその後の活動と結果に責任があることです。

そして、その責務を果たすにはマーケティングや、リサーチや、データ分析の知識を学び、沢山のリサーチの経験を積んで、よりお客様の意思決定に寄与できるリサーチ会社になることが必要だと考えています。

リサーチの環境は厳しくて効率重視になりがちですが、やはりリサーチの社会的役割を意識しながら、自覚と責任と使命感を持って毎日の仕事に取組んで行きたいですし、当社の社員はこのことを良く理解して頑張ってくれていると思います。

仕事は自分の大切な時間を費やすことなので、「歴史に残る偉大な大聖堂を造っているんだ!」という様な社会的な使命感を持って取組めると良いですよね。

2023年1月 1日 (日)

2023年新年のご挨拶

明けましておめでとうございます。

お陰様でマイボイスコムは24回目の新年を迎えることができました。これも皆様のご愛顧があってのことで心より感謝申し上げます。

日本マーケティング・リサーチ協会の「第47回経営業務実態調査」によると、2021年度のアドホック調査市場は1365億円で前期比111%でした。しかし、これは2020年度がコロナ禍の影響で前期比93%が戻ったためで、過去5年間の平均成長率は1.4%の成長に留まっています。

また、インターネット調査も成長を続けて来ましたが、アドホック調査に占める割合は57%でもう飽和状態になっています。2021年度の市場規模は792億円、過去5年間の平均成長率は4.2%でしたが今後は2~3%の成長になると思われます。

アドホック調査の6割近くがインターネット調査となり、定量調査の75%を占めるまでに成長しました。そのため、企業のマーケティング調査でも、官公庁や大学の社会調査でも、インターネット調査なしでは遂行が難しくなっており、社会的役割が非常に大きくなりました。

当社はシンクタンクから出来たという生い立ちもあり、設立当初からデータの品質とリサーチャーによる技術の人的サービスを重視してやってきました。多くのリサーチ会社は装置化と分業での効率性を訴求してますが、当社はリサーチャーが最初から最後までクライアントと一緒に考えて一貫して対応することが、リサーチの成功には重要なことだと考えています。

この方針もあって当社のリサーチの4割以上が大学の学術調査という構成になっています。そして、昨年末に京都大学や大阪大学の著名な行動経済学の先生方を訪問した際に、当社で実施した調査データで研究をして、その結果が節電等の環境行政や、東北被災地の振興、コロナ対応等の行政にも生かされていると伺って、リサーチの社会的使命を改めて強く実感しました。

インターネット調査市場は早さと安さの競争が強く、日本のインターネット調査は世界で1番安くて早いと聞いています。この価格と納期だと装置化に進まざるを得ませんが、クライアントからはリサーチ会社の技術力が下がり、意思決定に寄与出来ないという評価が増えるジレンマを抱えています。

そのため当社は「アンケートデータベース(MyEL)」と「テキストマイニング(TextVoice)」の2つのデジタルマーケティング・サービスで固定収益を作り、Consultancy & StoryTellerと言われるコンサル型リサーチを実現する方針で事業を進めています。

お陰様で「アンケートデータベース(MyEL)」は6万人の会員のマーケティング情報源になり、「テキストマイニング(TextVoice)」も大手の食品会社や飲料会社、流通企業、金融会社、リサーチ会社等への導入が進み一定の固定収益が作れる様になりました。この安定収益も活用しながらより良いリサーチサービス、技術力と対応力の強いリサーチ会社になれるよう注力して参ります。

当社の経営理念は「生活者と企業のコミュニケーションメディアとして、クオリティの高い生活者情報と専門性の高いサービスで企業のマーケティングを支援し豊かな消費生活に貢献する」です。お客様に信頼されるリサーチを提供し、サービスの品質で選ばれる会社にするため社員一同頑張って参ります。本年もよろしくお願いします。

2023年1月1日

   マイボイスコム株式会社

代表取締役社長 高井和久

https://www.myvoice.co.jp/feature/

Mvc

2022年11月15日 (火)

ネット調査会社のサービス

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クオリティの高いデータの回収はもちろんですが、調査設計やデータ分析、レポーティングと考察・提案までできる「コンサル型リサーチ」の会社にしたい。

この20年間のインターネット調査の早さ安さの市場競争の中で、リサーチャーを育成することも、案件に多くの時間を使うことも難しくなり、伝統と技術力のあるリサーチ会社が沢山なくなりました。

数年前まで日本マーケティング協会が「マーケティングリサーチの現状」というユーザー調査を隔年で実施していました。

この報告会には毎回参加していましたが、ユーザー企業は今のリサーチ会社に対して、専門性や技術力が下がっている。意思決定に寄与できる比率が下がっている。という結果に危機感を覚えました。

日本のネットリサーチは世界で1番安いのだそうです。

そこまで安さを追求する必要はなかったはずですが、営業力と装置化で急成長したインターネット調査会社が低価格路線を強く推進したため、各社ともその水準に合わせざるを得ませんでした。

早く、安く、リサーチができる様にはなったけど、リサーチ会社の技術力が下がり意思決定に寄与し難くなったことは、リサーチ業界にとっても、クライアントにとっても不幸なことでした。

しかし、この2、3年は価格競争も少し落ち着いて、極端に安い金額まで値引する会社もなくなり、サービスの質的向上に各社が動き始めているように感じています。

これからは価格やパネルの大きさや、システムの競争ではなく、リサーチのサービス品質で各社が競い合う技術志向の業界に戻れると良いと思います。

少なくとも当社は、品質重視のコンサル型リサーチの実現に向けて努力を続けて参ります。

これからもご支援、ご鞭撻をお願いします。

 

2022年9月23日 (金)

求人のご案内です

マイボイスコムでは現在、企画営業とリサーチャーを募集しています。

ご興味があれば下記の求人情報をご覧下さい。

http://www.myvoice.co.jp/recruit/

マイボイスコムは伊藤忠系シンクタンクの社内ベンチャーで設立し、1998年の黎明期からインターネット調査に取り組んで来ました。

インターネット調査を提供しているリサーチ会社の多くは、リサーチの自動化、効率化を重視した装置型のサービスで、早さと安さを競っています。しかし、当社はシンクタンクから出来た会社でもあることから、調査設計や調査票作成、データ分析やレポーティングと考察提案といったコンサル型リサーチを目指しています。

そして、グループインタビュー、会場調査、街頭調査、ワークショップ等のオフライン調査も積極的に取り入れてお客様のリサーチニーズにお応えしています。専門リサーチャーが一貫して対応する高品質なリサーチを、リーズナブルな価格で提供するのが当社の方針です。

専門性の高いスタッフを育成することと、お客様に柔軟で丁寧なサービスを提供するには装置型リサーチと比べて工数がかかります。それを補うために当社では独自のデジタルマーケティング・サービスを開発して固定収益を作ることにも取組んでいます。それが2015年から開発を始めた「テキストマイニング(TextVoice)」と、1998年から毎月実施してきた約3,500件の1万人調査データを提供する「アンケートデータベース(MyEL)」です。

この2つのサービスで、マーケティング関係者でニーズが高まっている定性分析にも対応し、お客様の調査設計に参考となる調査データの提供も実現しています。

私達のコンセプトは「生活者と企業のコミュニケーションメディア」です。クオリティの高い生活者情報と、専門性の高いコンサルティングサービスで、 生活者の声「Voice」を企業や社会に結び付け、豊かな消費生活に貢献するのが当社のミッションです。

専門スタッフによる、柔軟で丁寧で専門性の高いサービスで、クライアントに喜ばれ、信頼され、選ばれるリサーチ会社を目指しています。

この様な考え方のリサーチ会社で働き、成長したい方、リサーチを通じて生活者の意見を社会や企業に伝えることで社会に貢献したい方に、ご応募いただきたいと強く願っています。皆様との良い出会いを心よりお待ちしています。

マイボイスコム株式会社

代表取締役社長 高井和久

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2022年7月 4日 (月)

日本人の給与について

池上彰さんのテレビ番組を見ていたら、日本人の給与は20年間上がっていなくてOECD加盟の35か国中で日本は22位ということで、最近では韓国にも抜かれたというのに驚きました。

それで色々と検索したら3月のYahoo!ニュースに以下の記事がありました。

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経済協力開発機構(OECD)が公表する世界の平均賃金データによると、日本の平均年収は35カ国中22位となっています。 これは、主要7か国(アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・日本・カナダ)において下から2番目に位置します。

国税庁の民間給与実態調査統計では、令和2年の平均年収は433万円となっています。

この平均年収は正規雇用が496万円・非正規雇用が176万円と働き方による差はありますが、ここでは全体の平均として年収400万円超500万円以下の割合を出していきます。

(途中は削除)

通常、国が衰退しないためには経済の成長が不可欠であり、経済成長にあわせて物価や賃金も上昇していくのが自然な成り行きです。 ところが過去30年間、平均年収が400万円から変わっていない。 これが日本の現状です。(Yahoo!ニュース 2022/3/21)

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30年前は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という本がベストセラーになっていたほど日本経済は強かったので、私の世代ではその印象が強く残っています。

それが、企業業績の成長が止まり、経済の低迷が20年以上も続いています。

そして、日本人の平均給与は20年も約400万円のまま横ばいで、OECD加盟国の35か国中の22位まで下がったのですから情けない状態です。

低迷の原因が新しい産業が生まれなかったからと言われていますが、なぜ新しい産業や成長が生まれなかったのでしょう。

その1つの原因は日本人が今の豊かな生活に満足し、挑戦心や向上心が減ったからかもしれません。

ゆとり教育も始まり、日本人全体が今の生活が無難に続けばよい、あまり無理をしないで生きて行きたいという社会になったのも影響している様に感じます。

ゆとりある生活で無理なく働くというのも1つの国の選択でしょう。

しかし、国土も狭く資源もない日本が挑戦心と向上心を失うと、経済力は相対的に下がり、所得が上がらないのは仕方のないことかもしれません。

リサーチ会社の1社長が何を言っても始まりませんが、経済を作るのは企業であり、そこで働く人達の意識や行動から生まれる結果です。

それなので当社は挑戦心を持って事業に取り組み、会社を毎年成長させて、頑張ってくれている社員の処遇を改善するために微力ながら尽力したいと思います。

2022年6月13日 (月)

リサーチ業務細分化の弊害

当社は調査設計や考察・提案のできるリサーチ会社にしたいと考えています。

しかし、リサーチの技術者(リサーチャー)を育てるにはかなりの時間や経験が必要です。

そこを少しでも早めるため大手リサーチ会社に勤務していた経験者を数名採用したことがあります。

いずれも大手で5年以上も勤務していた方でしたが、彼らは調査設計の基本的な考え方や、リサーチ全体の流れが理解できていませんでした。

それは、勤務していたリサーチ会社が生産性向上のために、リサーチ業務を細分化した分業体制にしていたからだと思います。

現在のインターネット調査の早さと安さに対応するには、リサーチ業務を細分化して複数の部署で流れ作業の様に対応して生産性を高めることが必要だったのだと思います。

業務を細分化すればしれぞれの担当者は1部の業務を収得すれば良いので、早く戦力化することができます。

それも収益を高めるための1つの経営方針ではあると思います。

しかし、それでは適切な調査設計や考察提案の出来るリサーチャーは育たないし、リサーチの仕事の意義や面白さも実感できないと思います。

最近はリサーチ会社を退社して事業会社に移る人が増えています。

リサーチ会社の仕事の意義や面白さが実感できなくなり、一方で事業会社でもデータを扱う仕事が増えているためリサーチ業界の地盤沈下が起きていると感じます。

リサーチャーが課題のヒアリングからレポート作成と提案まで一貫したサービスを提供することが、お客様の意思決定には不可欠です。

当社は若干生産性が下がっても、リサーチャーによる一貫サービスを目指して行きたいと思います。

2022年5月 9日 (月)

コンサル型リサーチの提供

日本マーケティング・リサーチ協会の2021年度調査によると、日本のアドホック調査の市場規模は1,350億円で、そのうち807億円がインターネット調査でした。

インターネット調査の構成比率は60%にもなります。

インターネット調査に次いで多いのは、デプスインタビュー、グループインタビュー等の質的調査ですし、質的調査の72%がインターネット調査で占められていますから、市場調査の多くがインターネット調査で実施されていることになります。

早くて、安くて、双方向性があり、大量のデータが回収でき、リッチなテキストデータも取れるインターネット調査は、良い調査手法であることは間違いありません。

しかし、調査手法として優れていても、調査設計や調査票作成、データ分析、レポーティング、考察提案はリサーチの専門的な知識と経験を持った「人」しか出来ない仕事です。

そこが曖昧であやふやだと、多くのデータを回収しても意思決定に寄与することは出来ません。

インターネット調査は従来型の郵送調査と比べて、時間も予算も1/4くらいまで削減されました。

そして、この厳しい競争条件の中で各社は、自動化、装置化、分業化を進めてきました。

それでもクライアントに調査設計や分析、考察の出来る専門性があれば、リサーチ会社はその指示に従って忠実に実査と集計をすれば良いですが、その様な機能がない事業会社には、リサーチ会社が適切な技術サポートをすることが必要だと思います。

マイボイスコムはこの様な「コンサル型リサーチ」の提供できるリサーチ会社を目指しています。

まだまだ技術力は足りませんが、効率が悪くてもあまり装置化、自動化、分業化に頼らず、リサーチャーによる一貫サービスでお客様の意思決定に寄与したいと考えています。

4月から新年度が始まりましたが、社員の技術力向上に努めながら一歩一歩前進して参ります。

リサーチのことは何でも気軽にご相談ください。

2021年11月17日 (水)

在宅でのリサーチワーク

新型コロナの第5波も収まり、徐々に日常を取り戻しつつあるようですね。

私は神田駅から通ってますが、神田の飲食店もだいぶ賑やかになってきました。

当社も去年4月の第1波の時は、政府が勧める通り「8割在宅」をやりました。

社員分のノートパソコンを購入して、テレワーク用のツールも契約しての取組みでかなり不安でしたが、思ったより業務はできた感じでした。

しかし、社内コミュニケーションが難しくて問題もあるため、第2波からは「2割在宅」にして、緊急事態宣言終了後は時差出勤での通常勤務に戻しています。

そして、全員が出社していて、何かあれば直ぐに相談が出来て、すぐに話し合える環境は大切だと感じています。

先日、ある大手リサーチ会社の役員と情報交換をしました。

彼らはまだ9割在宅を続けていて、その方も月に2、3回しか出社はせず、朝から晩までオンライン会議をしているそうです。

そして、同社は在宅勤務でもリサーチは出来るという判断で、今後も在宅勤務を続けると聞きました。

でも私が気になったのは「これまでにないほど若手社員が大量退社している」と伺ったことです。

入社してまだ数年の若い社員はまだ技術も経験も足りません。

そんな彼らが自宅で業務指示のメールを受けとり、1人で調査票を作ったり、回収の設定をしたり、データ集計したり、レポートを書いて、分からないことはチャットで質問するような仕事が1年以上も続いたらそれは面白くないし、辛い毎日だと思います。

こんな仕事が生活がずっと続くのか、、と考えたら辞めたくなる気持ちも分かります。

若い社員の不安や失望や大量退社があっても続けるほど、新型コロナはまだ怖い存在なのでしょうか。

私にはそうは思えないので、当社は緊急事態が出ない限り通常勤務を続けることにしました。

特に当社は機械的な装置型リサーチではなく、お客様の課題解決に取り組むコンサル型リサーチを指向しているので、関係者が集まって知恵出し出来る環境が不可欠だと感じています。

どちらが正しいということではありませんが、若手社員の失望や大量退社があっては、数字が出来ても会社経営が出来ているとは言えない気がします。

 

2021年10月12日 (火)

コンサル型リサーチ会社

リサーチャーの技術ステージは、以下の4つの段階に分かれると思います。

ステージ1:リサーチオペレーター

お客様から依頼を受けた実査と集計ができる。

ステージ2:初級リサーチャー

お客様の課題やリサーチ目的を正しくヒアリングして、最適な調査設計が想起出来て、分かり易い提案書が書けて、適切な調査票作成や調査レポートが書ける。

ステージ3:中級リサーチャー

お客様が求める事業の課題や目的やシナリオを理解して、集めた回答データの分析結果や、市場のデータも含めてロジカルな考察が出来て、4PやSTP等のマーケティング施策の提案や、売上規模の推定や、事業採算の考察や提案まで出来る。

ステージ4:上級リサーチャー(リサーチコンサル)

ステージ3の技術力があるとともに、お客様とのビジネスの潤滑なコミュニケーションが取れて、お客様からマーケティングの相談役として頼りになるコンサル的な役割が担える。

2021年6月に発表された日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)の「第46回経営業務実態調査」の経営上の問題点でも、中堅リサーチャー不足が2番目に多い問題となっていました。

 1位 新型コロナウィルス感染症の影響  59社 65.6%

 2位 売上不振             39社 43.3%

    中堅リサーチャー不足       39社 43.3%

これがどうしてかは明らかで、インターネット調査がアドホック調査の過半数を占めるようになり、リサーチの単価も納期も従来の4分の1位まで極端に安く短くなったからだと思います。

この単価だと沢山の案件を回さないと収益が出ないし、できるだけ効率的に業務を進めて、リサーチ技術者を育成しなくても対応できるデータの回収と集計を、自動化して提供するサービスが大きなシェアを占めるようになりました。

調査設計や、調査票作成、レポート作成や提案といった専門知識を持ったリサーチャーが時間をかけながら考えてやる業務は労働集約型で効率が悪くて、今の市場価格では採算に載らないというのがリサーチ市場の現状だといえます。

広告代理店や事業会社でもリサーチを専門に担当している方でしたら、調査設計も分析もご自身で出来るから実査と集計を早く安くやるサービスでも良いと思います。

しかし、リサーチの経験が少ない方が、マーケティング課題の解決のためにリサーチを行う際には、専門技術と知見を持ったリサーチャーが課題とゴールを共有しながら並走しながら業務を進める方が意思決定に役立つ結果が得られるし、お客様にとって効率的なリサーチになると思うんです。

それなので、当社はこの様なコンサル型リサーチの提供できる会社を目指して、中堅リサーチャーの育成に取り組んで参りたいと考えています。

マイボイスコム https://www.myvoice.co.jp/

2021年4月12日 (月)

インターネット調査の課題

私は伊藤忠系シンクタンク(現:伊藤忠テクノソリューションズ)で15年ほどリサーチャーをやり、社内ベンチャー制度でマイボイスコムを起業して、インターネット調査に22年携わってきました。

前職のリサーチャーでは、郵送調査、訪問調査、電話調査、グルイン、会場調査、海外調査等を何でもやりましたので、インターネット調査とオフライン調査の両方を体験しています。

インターネット調査とオフライン調査の両方に携わった経験者も少ないと思いますので、現在のリサーチ市場の現状と課題について思い付くまま書いてみます。

インターネット調査がなかった1990年代までは、色々なオフラインの調査手法を組み合わせながらお客様のリサーチ課題に対応していましたが、インターネット調査が普及することでその時間とコストが大幅に削減されました。

郵送調査では関連する統計や文献を集めて、日経テレコンで関連する記事なども収集して、お客様とも何度も直接打ち合わせをしながら調査を設計し、調査票も良く揉んでから印刷し、ラベル作成、発送、回収、チェック、パンチ、集計、レポート作成という手順で進めていました。

そのため、300件ほどの回収でも3ヵ月ほどの日数と、4~500万円ほどの経費がかかりました。

それが現在のインターネット調査では調査票設計からレポート作成で、30問、1,000件の回収でも3週間で100万円ほどですので、時間も費用も郵送調査の1/4位まで下がっています。

お客様にとっては、より安い経費で、早く、大量のデータで調査ができるので利便性が4倍も良くなったといえます。

しかし、リサーチ会社の立場では、お客様と課題や調査内容をしっかり相談する時間もなく、とにかく沢山の案件を効率的に回さないと採算が合わない。という厳しい環境で慌ただしく動かざるをえないというのが実感です。

その結果、お客様からはリサーチ会社の技術力が低下したとか、リサーチをしても意思決定に役立たなかった、という評価が増えているのは両者にとって不幸なことです。

日本のインターネット調査は世界で1番安いそうです。それは、リサーチ会社がリサーチの自動化による、早さと安さの過当競争をして来た結果です。

インターネット調査で大量のデータの回収や、双方向性の回収や、動画やサイトの活用、回答導線の制御、リッチなテキストの回収も素晴らしいことです。

しかし、これからは早さと安さと装置化が中心の競争でなく、意思決定に役立つリサーチサービスを目指した質的な改善が重要になると思います。

それは1部のリサーチ会社だけでは変えられませんし、お客様の理解も必要ですが、もう少し余裕のある時間と予算を設けて、もっとクライアントとリサーチャーがしっかり相談できて、よく考えた調査設計でリサーチができる環境に戻して行くことが必要ではないでしょうか。

当社は創業して23年で従業員も40人の小さな組織ですからリサーチ市場を変える力はありませんが、よりお客様に役立つリサーチサービスが提供できるように、自社で出来ることには全力で取り組んで参ります。

新年度もどうぞよろしくお願いいたします。

マイボイスコム株式会社

代表取締役社長 高井和久

https://www.myvoice.co.jp/

 

2021年1月 1日 (金)

新年おめでとうございます

新年明けましておめでとうございます。

お陰様でマイボイスコムは22回目の新年を迎えました。これも皆様のご愛顧のお陰で心より感謝申し上げます。

当社がCRC総合研究所(現:伊藤忠テクノソリューションズ)の社内ベンチャーで、インターネット調査の事業化に取り組んだのは1998年の4月でした。その前年の社団法人ニュービジネス協議会の「ビジネスプランコンテスト97」に、「ネットフォーカスグループの組織化による情報サービス事業」というプランで応募し、優秀賞を受賞したのが切っ掛けでした。

会社に掛け合って社内ベンチャー制度を作ってもらい、手探りでシステムを作り、モニターを集めて、Webアンケートの調査票を作って回答依頼のメールを送ってみて、それで本当に回答が集まるのか、ちゃんと分析できるデータで、企業に役立つレポートが作れて、お客様のお役に立つリサーチになるのかを1人で検証していました。

1997年にはインターネット調査はなく、日本のインターネット人口はまだ200万人しかいなくて、20代のお宅男性の玩具などと言われていた時でしたので、そんな偏った対象者に聞いたデータは使えるわけがないと否定されました。そのため今まで郵送調査で実施していた調査を、全く同じ属性の対象者に同じ調査票で回収して、分析結果を比較検証してお客様に説明して歩く毎日でした。

しかし、モニターはちゃんと真面目に回答してくれて、集計した分析結果は傾向値も明確に出て、郵送調査ともそんなに違わない結果が出ることに驚き、喜びながら準備作業を進めていました。

それから23年が経って、インターネット調査はマーケティング調査や学術調査で当たり前に使われる調査手法になりました。日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)によると、アドホック調査市場は1450億円で、そのうちネットリサーチが761億円で、市場全体の52.5%も占める主要な調査手法になっています。

一方でインターネット調査の早さと安さの激しい競争によって、リサーチ会社の技術力が低下している様にも感じています。お客様の課題に対して適切な調査設計を考えて提案し、適切な調査票を作り、回収データーのクリーニングもちゃんとやり、正しく集計分析してレポートを作り、お客様の意思決定に役立つ提案ができるリサーチ会社は少なくなりました。

当社もインターネット調査が中心ですが、早く安く機械的にデータを集めるのではなく、適切な設計や分析や提案のできるリサーチ会社を目指しています。2021年も市場競争は厳しいと思われますが、技術力と対応力でお客様に喜ばれ、信頼される会社を目指してこれからも尽力して行く所存です。

昨年は新型コロナで酷い1年になりました。今年は感染も早期に終息して、皆様にとって幸多い1年になることを祈念いたします。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

マイボイスコム株式会社 

代表取締役社長 高井和久

https://www.myvoice.co.jp/

 

2020年12月21日 (月)

インターネット調査での学術研究

「Go Toトラベル利用者の方が、新型コロナウイルス感染症を示唆する症状をより多く経験していることが明らかに」こんなコロナ感染の医学的な学術研究が発表されました。

この様な学術研究の結果を踏まえながら、医療政策やコロナ感染対策が検討されているのだと思います。

そして、最近ではこんなに重要な学術調査も今はインターネット調査で行われる様になりました。

当社は大学からの学術調査の業務がかなり多いのが特徴の1つです。

リサーチ売上の35~40%が大学の先生方のお仕事ですから、おそらくインターネット調査を主とするリサーチ会社としては、学術調査の割合が1番高いのではないかと思います。

大学の先生方の研究調査は非常に複雑な設計が多く、そして、データの品質が非常に重要視されます。

当社は早くて安くてシステムでの自動化を進めるリサーチではなく、リサーチャーが専門性と責任感を持って一貫して対応することと、回収データの品質管理を徹底することを基本的な価値として、設立以来23年間やってきました。

おそらくその方針が大学の先生方のリサーチニーズと合致しているのだと思います。

私達は学術調査を通じて社会のお役に立てるよう、その責務の重要性を強く自覚しながらリサーチ業務に取り組んで行きたいと思います。

〇学術調査(アカデミック調査)の紹介ページ(研究事例等)

https://www.myvoice.co.jp/service/solution/academic.html

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3.研究プロジェクトについて

本研究は、東京大学大学院医学系研究科 宮脇敦士、大阪国際がんセンターがん対策センター疫学統計部 田淵貴大、神奈川県立保健福祉大学大学院保健福祉学研究科 遠又靖丈、カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA) 津川友介の共同研究であり、The Japan “新型コロナ and Society” Internet Survey (JACSIS) 研究(研究代表者:田淵貴大 [大阪国際がんセンター])のデータを分析しました。

2020年8月末〜9月末にかけてインターネット調査会社を通じて行われたアンケート形式の質問表調査を用いています。この調査では、人口分布を考慮して全国からランダムに選ばれた15-79歳の28000人に対し、調査時点でのGo To トラベルの利用経験、過去1ヶ月以内の新型コロナを示唆する症状の有無を性・年齢・社会経済状態・健康状態と共に把握しています。

https://healthpolicyhealthecon.com/2020/12/06/go-to-travel-and-covid19/?fbclid=IwAR0rn2bxjNIlAatNZxdnPV1mdbBIgGC_ggbacvgcjbrvC9KSnZuv2sQOLd4

 

2020年12月10日 (木)

大学の学術調査

当社は設立当初からリサーチャーによる一貫したサービス対応と、回収データの品質管理に注力してきました。

そして、複雑で高い信頼性が求めら れる学術調査にも積極的に対応してきて、これまで約120の大学から1,000件以上の学術調査のご依頼をいただきました。

リサーチ業務の約3~4割が大学からのご依頼で占めているのも当社の1つの特徴です。

毎年4回お客様にCS調査をお願いしていますが、大学のお客様の評価は4段階評価の「3.8」をいただいていて、多くの先生方から毎年継続して調査の依頼をいただいています。

大学研究や、大学研究の助成をしている吉田秀雄記念事業財団の事例を紹介させていただきました。

CS調査のコメントも転記していますので、ご関心があれば下記の紹介ページをご覧下さい。

マイボイスコムは、大学の学術調査も通じて社会に貢献できるように、リサーチの技術力向上に努めて参ります。

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〇学術調査(アカデミック調査)の紹介ページ

https://www.myvoice.co.jp/service/solution/academic.html

< 学術調査の事例紹介 >

1.京都大学 経済学部・経済学研究科 依田高典 教授、村上佳世 研究員

<電源のベストミックスに関する消費者受容度の日米比較調査>
インターネット調査会社に登録しているモニター日米それぞれ4,000名からデータを回収した。日本の消費者は年齢・性別が偏らないように無作為に抽出し、米国の消費者は代表的4州からそれぞれ1,000名を無作為に抽出した。
データをもとに、原子力発電や再生可能エネルギーの比率に対する金銭的な支払意思額を計測するとともに、米国の消費者の支払意思額との比較を行っています。月間電気料金、温室効果ガス排出削減量、電源構成における化石燃料比率、原発比率、再エネ比率、水力比率などについて、数値設定が異なる二者択一で、回答者が望ましい方を選び、この選択を集計したデータを計量経済学的に分析する研究です。成果は、Elsevierの「Energy Economics」誌に掲載されました。
当社は本研究の日本での調査を担当しました。 (研究概要はこちら)

2.横浜国立大学 大学院国際社会科学研究院 

寺本高 教授<食品売り場に関するアイトラッキング調査>
インターネット調査で食品売り場の陳列パターンを複数提示し、より効果的な陳列条件となる閾値を探り、その調査結果からアイトラッキング調査で用いる食品売り場の陳列パターンを設定して被験者139人のアイトラッキング調査を実施した。そして、視線データの計測に加えて、被験者に売り場の写真を撮影してもらいSNSに模した専用ページにコメント付きでの投稿も依頼した。これらによって食品売り場の陳列パターンによる視認、感情評価、購買、SNSへの投稿までの一連の効果を明らかにした。 当社はインターネット調査と、被験者リクルーティング、アイトラッキングの機器と会場の手配と運営を担当しました。

3.公益財団法人 吉田秀雄記念事業財団 研究助成調査

吉田秀雄記念事業財団では広告・広報・メディアを中心とするマーケティング及びコミュニケーションに関連する分野の研究を対象に、選考委員会の審査を経て研究助成を行っておられます。
当社ではこの研究助成で実施する消費者調査の実務を担当しています。調査は財団が研究支援のため毎年継続しているもので、専用モニターパネルによる「共通調査」と、助成対象者ごとの「個別カスタマイズ調査」の2段階で構成されています。なお、調査データは一般向けに無償公開されています。(研究助成の詳細はこちら)

2020年11月 6日 (金)

簡易集計ツールの提供

インターネット調査を提供している調査会社の多くは、自社で回収をしたデータをお客様が集計分析できるツールを提供しています。

当社では10年前から「Speed CROSS」という簡易集計ツールを提供していますが、5年前に機能を追加した「Speed CROSS 2」をリリースしていました。

今回は更に以下の機能を改良した「Speed CROSS 3」をリリースしました。

マイボイスコムにネットリサーチをご依頼いただけると、以下の様な簡易集計ツールにデータを載せて納品できます。

皆様のアンケートデータ分析のお役に立てば幸甚です。

1)データ加工の操作性の改良、

2)検定機能の追加、

3)コレスポンデンス分析の機能追加、

4)自動レポートのコメント作成機能の追加

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〇Speed CROSS 3(スピードクロス3)

マイボイスコムの集計・データ加工・レポートを自動作成のツールです。

https://www.myvoice.co.jp/speedcross/

Speed CROSS 3は、マイボイスのモニター向け調査をご発注頂いたお客様に無料でご提供する簡易集計ツールです。調査終了後、お客様ご自身により単純集計表、クロス集計表、レポート資料などの作成が可能となります。

質問文や選択肢の編集、ウエイト値の設定を行います。

質問の作成やデータ修正、サンプルデータの削除等を行います。

データ閲覧やサンプルデータ削除、復帰を行います。

加工したデータを指定の形式に出力します。

GT(単純集計)表とグラフの作成を行います。検定も可能です。

5重クロスまでの集計表を作成します。検定も可能です。

PowerPoint形式のレポート表やグラフを出力します。簡単な自動コメントも表示可能です。

FA(自由回答)質問の結果を指定の条件で集計して出力します。

コレスポンデンス分析ができます。

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2020年7月 1日 (水)

マイボイスコムは22年目を迎えました

Service_index_2マイボイスコムは伊藤忠系シンクタンクの社内ベンチャーで1999年7月1日に設立して、お陰様で本日で22回目の設立記念日を迎えることができました。

設立時はまだインターネット人口も500万人ほどで、20代、インターネットは男性のおたくのツールなどと言われていました。

インターネットユーザーは特殊な人達だから、その様な人達にリサーチをしても代表性に問題があるので使うべきではないという意見が大勢を占めていました。

それが現在ではアドホック調査の過半数がインターネット調査で実施されるようになり、リサーチ市場は大きく変わりました。

インターネット調査は、早く、安く、大量のデータが回収できて、双方向性や音声や動画を活用した調査も出来るので、利便性の高い調査手法です。

しかし、日本のインターネット調査は世界で1番安いとも言われるほど低価格になり、早さと安さと、自動化の中で、しっかりお客様の課題を確認して、調査設計や調査票でデータを取り、そこからどんな分析で何が分かり、何が提案できるのかの考察し提案できる技術力があるリサーチ会社が減少してしまったのは、不幸なことだと感じています。

弊社は黎明期からインターネット調査に取り組み、グループインタビュー等のオフライン調査も含めて、高品質のデータと、専門サービスの提供に注力して来ました。

また、1998年7月から食品、日用品、流通、金融、情報通信等の自主調査を毎月実施しており、約3,000件の大規模調査データを「アンケートデータベース」で提供するとともに、近年ニーズが高まっている定性データ分析にも対応するため、独自の「テキストマイニング」の開発・販売にも努めております。

今日から22年目の事業を始めますが、設立当初の理念を忘れずに、リサーチの技術力やサービスの対応力といった専門サービスでお客様に役立ち、喜ばれて、選んでいただける様なリサーチ会社を目指して参ります。

当社のサービス概要をまとめた資料を作成しましたので、ご興味がありましたらご参照下さい。

これからもよろしくお願いいたします。

〇マイボイスコム ホームページ

 https://www.myvoice.co.jp/

 

2020年5月10日 (日)

意思決定に役立つリサーチ

リサーチはお客様の意思決定に寄与するものでないといけません。

お客様が広告代理店様やコンサル会社様であれば、お客様が基本的な調査設計をしてくれるので、リサーチ会社はきちっと実査をすることが役割になります。

これらの業務は大規模なパネルとシステムに強い、マクロミルさんや、クロスマーケティングさん、楽天インサイトさんが活躍しています。

当社は事業会社や大学のお仕事が中心で、特に学術調査のお手伝いが年々増えていて、今ではリサーチ業務の3~4割は大学や研究所関連の仕事になっています。

事業会社や大学の先生方は、こんなことをやりたい、こんなことを知りたい、判断したいという目的や仮設は明確だし、その分野の専門知識も豊富にお持ちですが、それをどんな調査設計でどんな調査手法でやれば良いかの知見が少ない方も多くおられます。

当社はそんなお客様に若干なりともリサーチ豊富なスタッフが、一緒に考えて提案しながら丁寧に進めることが必要なリサーチでお役に立てればと思っています。

早くて安くて、大量のデータを集められるのはインターネット調査の1つの価値ではありますが、仮説をもとにしっかり設計をしないと、これで何が分かるの??ということにもなりかねません。

そして、事業会社や大学の先生方の多くは、しっかりしたデータで判断の出来るリサーチをやるための提案とサポートを求めておられます。

そんなご要望に対して、Consultancy & StollyTeller の専門サービスが提供できて、役に立ち、喜ばれるリサーチ会社になるのが当社の目標であります。

日本のインターネット調査が先進国で1番安いという環境で、技術者を育成しながら複雑な課題に人的サービスで応えるモデルは難しい面もありますが、そんなリサーチ会社も必要だと思うので頑張って参る所存です。

何か複雑で面倒そうなリサーチ課題がありましたら、何なりとご相談ください。

当社は小さな組織ですが22年の実績と経験を活かして、誠心誠意を持って対応することはお約束いたします。

マイボイスコム https://www.myvoice.co.jp/

学術(アカデミック)調査 https://www.myvoice.co.jp/service/solution/academic.html

2020年4月18日 (土)

インターネット調査の変遷

22年前の黎明期からインターネット調査に携わってきましたが、振り返ってみると良い面と悪い面があったように感じています。

良い面はやはり手軽に早く安く大量の生活者情報が取れるようになり、動画や音声などの活用や、インタラクティブ性を活かした色々な調査が可能になったことがあります。

悪くなった面はリサーチの価格や納期が1/4~1/5まで急激に下がり、機械化や効率化を優先せざるを得ない環境の中でリサーチの技術力やノウハウが低下して、設計等の準備が不十分なリサーチが増えてしまったようにも思えることです。

もっと時間をかけてクライアントと相談し、時間もかけて良く考えて役に立つ調査結果を提供しようとしても、今のネットリサーチの市場価格と納期ではそれができません。

そして、インターネット調査の自社環境を持たないで、人的な専門サービスを提供してきたリサーチ会社が沢山なくなったのは不幸なことだった様に思います。

当社は1998年に伊藤忠系シンクタンクの社内ベンチャーとして創業して、インターネット調査の事業を始めました。

そこから7、8年は数社のベンチャー会社が取組んでいたのですが、当社の様にリサーチ経験からこの市場に入った会社では、リサーチとは何かとか、リサーチにとって大切なこととは、という価値観というか拘りがあって、そこを大きく変えられないところがありました。

しかし、リサーチに携わったことのない企業や創業者が、どうすれば事業を大きくできるかを考えた時に、システム化と自動化による早さと安さの訴求になり、その安い価格と短納期が業界の標準になってしまったように思います。

それでお客様の意思決定に役立つ良質なリサーチが提供できて、働く社員も自信と誇りを持って働ける環境が作れれば良いのですが、今のリサーチ業界は多くの歪みを抱えてしまっているようです。

毎日7、8件もの調査の依頼を行う多頻度回答や、数時間で回収を行う短時間回収、予備調査は2~3ポイント(円)、本調査でも30問に答えても30円という極端に低い謝礼で、リサーチャーも調査票の設計に必要な時間が取れない状態では、良いデータの回収もパネルの維持もできません。

この歪みは市場環境から来るので何とも歯がゆいですが、当社は自社で出来る範囲で高品質で専門的なリサーチサービスの提供に務めて行きたいと考えています。

そのために、独自の「テキストマイニング(TextVoice)」や「アンケートデータベース(MyEL)」を構築して固定収益を作ることで、リサーチワークに少しでも余裕を作り、リサーチャーの育成にもできるだけ注力することでやっていくつもりです。

小さくてもそんなリサーチ会社を求めているお客様もおられると思うので、厳しい環境ですが藻掻きながらも品質向上に向かって頑張って参ります。

マイボイスコム株式会社 

https://www.myvoice.co.jp/

2019年11月15日 (金)

コンサル型のリサーチ会社

インターネット調査が生まれたのは、当社が創業した1998年頃からです。

その頃はインターネット調査やネットリサーチという言葉もなく、自分がニュービジネス協議会のビジネスプランコンテスト97に応募した時には、「ネットフォーカスグループの構築によるマーケティング情報サービス」というタイトルで事業計画を出しました。

その頃はマクロミルも、クロスマーケも、楽天リサーチもなく、インテージもまだインターネット調査を始めていませんでした。

当社は1998年4月から事業準備を始めて1年以上経ってから、同じベンチャーのインフォプラント(大谷社長)や、インタースコープ(平石社長)もインターネット調査のビジネスを始めていることを始めて知りました。

その後、インフォプラントもインタースコープもヤフーに買収されて、その後、ヤフーがマクロミルも子会社化して一緒になり、その頃のベンチャー会社がすべてマクロミルさんになったのは若干寂しい気もします。

現在ではアドホック調査の5割がインターネット調査になり、1番大きな調査手法になっています。

インターネット調査は、早いし、安いし、大規模な回収もできるし、双方向のやり取りもでき、動画や音声も使えるため、リサーチユーザーにとっては多くのメリットがあると思います。

しかし、過剰な速さと安さの競争によって、リサーチ会社は応用力とか、考えて組み立てる力が弱ってしまいました。

そこにクライアント様の不満があると思われるので、その様なウォンツに対応できる「Consultancy & StoryTeller」の提供できるリサーチ会社になるのが当社の目標になります。

ただし、時間と予算に全く余裕のないインターネット調査だけではそれが難しく、リサーチサービスに余裕を作るために、5年前から固定収益を生み出せる「テキストマイニング」の研究開発に注力して来ました。

でも新たな分析の仕組みとツールの開発は、思った以上に資金や体力のいる作業でした。

あっという間に1億円近い事業資金がかかり、従業員が40人で1億8千万円の資本金しかない当社には重い負担となり、ここを補強するために伊藤忠さんに頼んで増資をしてもらい、グループの力も借りてこの事業を成功させて、「Consultancy & StoryTeller」の提供できるリサーチ会社にしたいと考えています。

リサーチ会社は益々装置型で、大きな資本や組織がないと成り立ちにくい事業になっています。

「Consultancy & StoryTeller」のサービスが提供できるリサーチ会社は必ず必要だと思うのですが、その様な会社が成り立ちにくくなった原因の1つが、インターネット調査の普及であったというところに若干複雑な想いがあります。

マイボイスコム https://www.myvoice.co.jp/

 

2019年10月 2日 (水)

意思決定に役立つリサーチ

私たちのミッション(Mission)

生活者の意見を企業や社会に届けることで、より良い商品やサービス、社会の実現を推進し、生活者の幸せや満足に貢献します。また、信頼性の高いサービスを提供し、お客様の意思決定に寄与することで、お客様の事業発展にも積極的に貢献します。

こちらが20年前から掲げているマイボイスコムのミッションです。

「信頼性の高いサービスを提供し、お客様の意思決定に寄与することで、お客様の事業発展にも積極的に貢献すること。」がしっかりできる会社にしたい。

そんな想いで21年間、この会社をやって来ました。

20年ほど前からインターネット調査が普及し、リサーチ会社は実査回収のスピードと価格の競争が中心になり、それによって人的な専門サービスを提供して来た「従来型リサーチ会社」はどんどん無くなりました。

会社は残っていても、以前とは機能や特色が大きく変わった会社もあるようです。

あの名門の電通リサーチもマクロミル傘下の電通マクロミルインサイトになり、R&D社もクロスマーケティング傘下の会社になり、スミスも外資系に売却されてなくなりました。

そんな業界再編によって、技術力と対応力をもったリサーチ会社は少なくなったと言われています。

しかし、マーケティングの課題をしっかり理解し、色々な調査手法にも対応できて、調査設計からレポーティングと提案まで対応できるリサーチ会社も必要です。

当社はそんな意思決定に役立つリサーチ会社を目指したいと思います。

マイボイスコムは今年の3月に増資を受けて、伊藤忠グループに戻りました。

伊藤忠グループにはリテール関連の事業会社も沢山あり、消費者ビジネスを強化するためのカンパニーも出来たりしています。

この様なグループの力も借りて、事業会社のマーケティングに役立つリサーチ会社にしていきます。

まだまだ実力不足ではありますが、マイボイスコムをこれからもよろしくお願いします。

マイボイスコム →  https://www.myvoice.co.jp/

2019年8月30日 (金)

アンケート調査の情報発信

マイボイスコムでは、自主企画で毎月12テーマの1万人調査を実施しています。

この調査結果は、以下の「アンケートデータベース(MyEL:ミエル)」から閲覧できて、集計結果や、レポート、ローデータも安価に販売しています。

アンケートデータベース(MyEL)には食品、日用品、流通、金融、季節催事等の1万人調査が、約3,000件蓄積しています。

こんな調査データがないかとお考えの時にはこちらをご覧になってみて下さい。

また、これらの調査結果は積極的にメディアにも発信していて、「Yahoo!ニュース」にも毎月10テーマほどが掲載されています。

マイボイスコムは「生活者と企業のコミュニケーションメディア」が企業コンセプトです。

これからも生活者の意見を社会に伝える役割を果たすため、メディア発信を続けて参ります。

これからもマイボイスコムをよろしくお願いします。

〇アンケートデータベース(MyEL) 

https://myel.myvoice.jp/

https://myel.myvoice.jp/products/list_all.php

=====(Yahoo!ニュース での調査結果の掲載例)=====

生命保険の申し込み、ネットや保険ショップ経由など多様化

マイボイスコムは、9回目となる「生命保険の加入実態」に関するインターネット調査を2019年7月1日~5日に実施。1万266件の回答を得た。 現在、加…

8月22日(木) 9時0分-経済総合(MONEYzine)

直近1年間にスマホで写真を撮った人は約7割、デジカメは約4割

マイボイスコムの「スマートフォンのカメラ機能の利用」に関する調査によると、直近1年間に写真を撮った機器を聞くと、「スマートフォン」は68.2%、「デジタルカメラ」は39…

8月21日(水) 18時20分-IT総合(アスキー)

あなたは週に何回「麺類」食べてる? 2019年最新調査、アレンジメニューもご紹介

…自宅で食べるのは「うどん」「ラーメン・中華麺」で7割 調査会社のマイボイスコム(千代田区神田錦町)が全国の約1万人の男女を対象に行った「麺類」に関する…

8月16日(金) 11時30分-ライフ総合(アーバン ライフ メトロ)

びっくりドンキー、いきなり!ステーキ、ブロンコビリー、ステーキ店を利用する時に重視するポイントは?

…今回紹介したいのは、みんなが大好きな「ステーキ」に関する調査。マイボイスコムの「ステーキ店の利用に関するアンケート調査」によると、直近1年間に利用した…

8月15日(木) 17時32分-エンタメ総合(@DIME)

炭酸飲料「週1回以上」飲む人の数が減少傾向に 2019年夏のアンケート調査、「カロリーゼロ」「甘さ控えめ」も

…過去5年、飲用者が減少傾向に 調査会社のマイボイスコム(千代田区神田錦町)が全国の約1万人の男女を対象に行った「炭酸飲料」に関するインターネット調査で…

8月15日(木) 11時30分-ライフ総合(アーバン ライフ メトロ) 

 

2019年6月10日 (月)

リサーチ会社の個人情報流出事故

リサーチ業界にとってとても残念な事故が起きてしましました。

マーケティングアプリケーションズ(MAPPS)社が運営するアンケートサイト「アンとケイト」から、77万人もの個人情報が流出したという発表がありました。

第三者からの不正アクセスによって流出したとのことですが、氏名や住所、メルアド、生年月日に、銀行の口座番号や、電子マネーの口座番号まで出てしまったようです。

不正アクセスによる事故ですが、インターネット調査は参加してくれているモニターの信頼と協力で成り立っているサービスですので、MAPPSさんだけでなく、リサーチ業界全体に与える影響も大きいと思われます。

弊社もモニターの方全員に、他社で個人情報流出の事故があったことと、パスワード変更をお勧めするご案内をお送りしました。

この5年間でモニターの協力率が半減しているという厳しい環境の中で、この様な事故が起きてしまったことで、モニターの協力率がさらに下がらないことを祈るばかりです。

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不正アクセスによるお客様情報流出に関するお詫びとお知らせ
株式会社マーケティングアプリケーションズ

このたび、弊社が運営するアンケートモニターサービス「アンとケイト」、「ポケットアンとケイト」において第三者による不正アクセスがあり、お客様情報が流出いたしました。 今後の調査の進捗に応じて対象件数や状況が変動する可能性がございますが、現時点で確認している事実と弊社の対応状況をご報告いたします。 ご利用の皆さまに多大なるご心配とご迷惑をおかけしておりますことを、深くお詫び申し上げます。 

1.被害状況

(1)流出アカウント数:770,074件

(2)流出内容
氏名(*2)、メールアドレス、パスワード、性別(*1)、生年月日、未既婚(*1)、子供の有無(*1)、個人年収(*1,2)、世帯年収(*1)、職業(*1)、勤務先業種(*1)、郵便番号、都道府県(*1)、市区町村(*2)、市区町村以降の住所(*2)、電話番号、銀行口座の支店番号(*2)、口座番号(*2)、口座名義(*2)、Pex ポイント口座番号(*2)、ドットマネー口座番号(*2) 等

(*1)該当する選択肢番号を選ぶ形式のため、具体的な職業・業種・職種、配偶者や子供の有無などは明記されていません 
(*2)任意項目のため回答頂いていた方のみ該当します 

2.原因

第三者より一部サーバーの設定上の不備を攻撃され、不正アクセスが行われました。 

〇マーケティングアプリケーションズ社のお知らせ

https://mkt-apps.com/news/20190524.html

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2018年3月 1日 (木)

インターネット調査×テキストマイニング

この数年でマーケティングの関係者で、「定性調査(質的分析)」への注目が高まってきているように思われます。

調査設計が前提の定量調査では見えないニーズや気付きを、非定型の定性情報から探して行く必要があると考えておられる方が増えているのかもしれません。

また、インターネット調査の自由記述(FA)でも、サイトのお問合せからでも、ソーシャルメディアでも大量の定性情報が取れやすくなったことも影響しているのだと思います。

そして、学習院大学の上田隆穂教授が中心で纏められた「買い物客はそのキーワードで手を伸ばす」という書籍でも、以下の様な「インターネット調査」と「テキストマイニング」を組み合せたアプローチの有効性が紹介されています。

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「価値創造型プロモーションの開発プロセスで用いるのは『ウェブ・モチベーション・リサーチ』と名づけた手法である。ウェブ・モチベーション・リサーチでは、インターネット調査会社を利用して多くの消費者を対象としてアンケート調査を行う。また、結果の解析にはテキストマイニングのソフトを用いて分析の省力化を図る・・・」 ※1 

「そこで必要となるのが、テキストデータの縮約だ。縮約とは、膨大なテキストを各質問の内容によってグループ化し、どういった意見が出てきたのかを見やすくまとめる・・・」 ※2 

「・・・テキストマイニングの最大の利点は、手間を大幅に省くことができるということだ。」 ※3 

【引用文献】「買い物客はそのキーワードで手を伸ばす」
       学習院マネジメント・スクール 監修 上田隆穂/兼子良久/星野浩美/守口剛 編著
       ※ダイヤモンド社 Amazon kindle版 位置No.843(※1)、No.1031(※2)、No.1071(※3)

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そして、当社にもインターネット調査で、大量の意見や要望、不満、イメージ等の自由記述を回収して、それを弊社の「テキストマイニング(TextVoice)」で分析して欲しい。というご依頼が増えてきています。

「〇〇について日頃不便だと感じていることを・・・」とか、「✕✕でこんな機能があればいいなと思うことを・・・」とか、「△△のブランドでぱっと思いつく印象を・・・」という設問で取った、大量の純粋想起情報には、確かにサプライヤーサイドでは気付かない、意外で、貴重なダイヤの様な情報が含まれているのかもしれませんね。

そんな、リサーチニーズに対応するために、マイボイスコムでは以下の様な簡易なパッケージを用意しています。

ご興味がありましたらサイトからお気軽にお問合せ下さい。

〇インターネット調査×テキストマイニングの『定性分析調査』
 業務範囲: 回収、集計(単純、クロス)、テキストマイニング
 設問数 : 10問(FAが1問)
 回収数 : 2,000件(約1,500件のテキストを分析)
 概算費用: 60万円 (税別)

 https://www.myvoice.co.jp/menu/txt-voice.html

マイボイスコム: https://www.myvoice.co.jp/

2018年2月 1日 (木)

Consultancy & Story teller

11月に開催された日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)のアニュアルカンファレンスで、米国リサーチ業界のオピニオンリーダーであるレイ・ポインター氏が「サーベイ市場は確実に減少し続ける。そして、リサーチ会社は「Consultancy や Story teller」で勝負をするか、モバイル、オートメーション、ビッグデータ、AI、アドバンスト・アナリティクス等の「New Research」で勝負をするかの選択が迫られている。」との講演をされました。

これまでのリサーチの世界にいると「サーベイ」が主業務であり、その市場の中でどう差別化を図るのか、どうお客様の役に立つサービスが提供できるのかを考えて実践する競争でした。

インターネット調査も10年前までは新しい技術サービスとして、市場に支持をされて成長もしてきましたが、それも「サーベイ」の範疇での技術革新でありました。

でもそのリサーチ市場の中心であった「サーベイ」は確実に減少し続けるので、「Consultancy や Story teller」で勝負をするか、「New Research」で勝負をするかの選択が迫られている。という提言は、納得性もあり、印象的で、私の頭の中にずっと残って考えさせられました。

当社が目指すのは「Consultancy & Story teller」の出来るリサーチ会社であります。

そして、「Consultancy & Story teller」を実現するために、アドバンスト・アナリティクスであり、オートメーションでもある「テキストマイニング(TextVoice)」と、ビッグデータやAIに役立つ「アンケートデータベース(MyEL)」で、「New Research」で固定収益ビジネスを作るためにもがいているところです。

沢山の従来型のリサーチ会社が衰退し、実質的に無くなっている中で、インテージさんがりっぱな会社に成長しているのは何故でしょう。

それは、パネル事業という安定した固定収益ビジネスを成功させて、その収益基盤をもとにアドホック調査のサービスも充実させて、新しいビジネス開発にも投資ができたからではないでしょうか。

従来型リサーチ会社は、リサーチ価格の大幅な低下と、インターネット調査の外部コストが重くて「New Research」を開発するだけの余裕がない会社が多い様に思われます。

そして、インターネット調査会社の多くは、リサーチのインフラ環境(パネルやシステム)の提供を主軸にしたサービスを展開しています。

弊社は、苦しくても何とか「New Research」の固定収益ビジネスを成功させて、しっかり人の技術とサービスで、お客様に役に立ち喜ばれる「Consultancy & Story teller」型のリサーチ会社にして行きたいと考えています。

なかなか難しいテーマですがベストを尽くして参りますので、これからもよろしくお願いします。

〇テキストマイニング(TextVoice)

https://www.textvoice.jp/info/

https://www.myvoice.co.jp/menu/txt-voice.html

〇アンケートデータベース(MyEL)

https://myel.myvoice.jp/

〇リサーチサービス

https://www.myvoice.co.jp/

2017年12月25日 (月)

インターネット調査 品質ガイドライン

日本マーケティング・リサーチ協会のインターネット調査品質委員会から「インターネット調査品質ガイドライン」が発表されました。

1.調査協力者を大切にする。2.調査協力しやすい調査票を設計する。3.時代に応じたインターネット調査を実施する。という構成で、アニュアルカンファレンスで委員長の星野崇宏先生(慶応大学経済学部教授)から説明を聞いた時も、とても良くまとまっているガイドラインだと思いました。

そして、内容の1つ1つはとても当たり前のことなのですが、厳しい市場競争の中で忘れがちなことを、もう1度原点に返って考える必要がある、とリサーチ業界に警笛を鳴らしてくれいる様にも感じました。

調査協力者を大切にする。なんて基本中の基本だと思うのですが、お客様との関係でモニターの皆様に過度な負担をかけてしまうこともあります。

今の謝礼水準の低さや、設問の多さや、巨大なマトリクスの利用など、インターネット調査に係るすべての関係者が問題を直視して、見直さないといけないギリギリのとこに来ているのだと思います。

当社はこちらのガイドラインを全社員に配布して、「何かあればこのこのガイドラインに立ち戻って考えよう」と社員に呼びかけました。

なかなか自社だけで変えられないことが多いのが辛いところですが、当社はこのガイドラインを極力順守して、より良いインターネット調査の提供に努めたいと思います。

下記のサイトで「インターネット調査品質ガイドライン」がダウンロードできます。

インターネット調査にご関心のある方は、是非とも目を通されることをお勧めします。

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インターネット調査品質ガイドライン

時代とともに変えていくべきこと、守るべきこと

1.調査協力者を大切にする
① 調査協力者あってのインターネット調査であることを理解する
② 調査協力者のプライバシーに配慮する
③ 回答負荷を意識した謝礼の支払いを心がける

2.調査協力しやすい調査票を設計する
 (調査ボリュームの軽減)
① 回答所要時間は10分以内を推奨
② 巨大マトリクスは使わない
③ マトリクス形式や自由回答を多用しない
④ スクリーニング調査では抽出に使わない質問を控える

3.時代に応じたインターネット調査を実施する
 (回答デバイスに配慮した調査設計)
① マルチデバイスで回答できるようにする
② 回答環境に配慮する
③ デバイス環境に対応したコミュニケーション
④ 無駄を省いたシンプル設計
⑤ まずは自分で回答してみる

おわりに

• アンケート調査が紙からPCを前提としたインターネット調査へと移行したとき、メソドロジーは変わったが、調査票の本質は変わっていない。かえって紙面の制約がなくなったことで、質問数やマトリクス設問が増え、調査票の肥大化が進んでいった。

• しかし今、PCからスマートフォンへという時代になり、肥大化してしまった調査票をいかにコンパクトにしていくかという難題が突きつけられている。

• JMRAインターネット調査品質委員会では、この難題を克服しない限り、日本のインターネット調査、ひいては日本のマーケティング・リサーチの未来はないと危機感を募らせている。日本のインターネット調査を持続可能なものとしていくためには、あらゆる調査関係者の理解が必要である。

• インターネットを取り巻く環境は、時々刻々と変化している。インターネット調査の運用の仕方も、この環境の変化を意識しながらも、時代が変化しても守るべきことは流されずに守りつつ、時代とともに変えるべきことは恐れずに変えていかねばならない。そして、新たなインターネット調査を取り巻く課題が出現したときには、速やかにこのガイドラインも見直すべきであろう。

〇インターネット調査品質ガイドライン
 時代とともに変えていくべきこと、守るべきこと

http://www.jmra-net.or.jp/Portals/0/rule/guideline/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E5%93%81%E8%B3%AA%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3_web.pdf

〇マルチデバイス時代におけるインターネット調査の在り方

http://www.jmra-net.or.jp/Portals/0/conference/past/%E3%80%90B2%E3%80%91JMRA%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E5%93%81%E8%B3%AA%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3.pdf

マイボイスコム: https://www.myvoice.co.jp/

2015年9月 1日 (火)

インターネット調査×テキストマイニング

学習院マネジメント・スクールの監修で、2011年11月に『買い物客はそのキーワードで手を伸ばす』という書籍が出ています。

そして、こちらには以下のような記述がありました。

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「価値創造型プロモーションの開発プロセスで用いるのは『ウェブ・モチベーション・リサーチ』と名づけた手法である。ウェブ・モチベーション・リサーチでは、インターネット調査会社を利用して多くの消費者を対象としてアンケート調査を行う。また、結果の解析にはテキストマイニングのソフトを用いて分析の省力化を図る・・・」 ※1
「そこで必要となるのが、テキストデータの縮約だ。縮約とは、膨大なテキストを各質問の内容によってグループ化し、どういった意見が出てきたのかを見やすくまとめる・・・」 ※2
「・・・テキストマイニングの最大の利点は、手間を大幅に省くことができるということだ。」 ※3


【引用文献】「買い物客はそのキーワードで手を伸ばす」 学習院マネジメント・スクール 監修 上田隆穂/兼子良久/星野浩美/守口剛 編著  ※ダイヤモンド社 Amazon kindle版 位置No.843(※1)、No.1031(※2)、No.1071(※3)

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最近、当社では新しい「テキストマイニング(TextVoice)」のASPサービスを開発して、5月からお客様にご紹介しています。

お蔭様でお客様の評判はとても良く、まだ発売して4か月ですが、食品会社、飲料会社、日用品会社、調査会社、コンサル会社等が導入していただけました。

そして、インターネット調査で自由記述(FAデータ)を大量に回収して、それをTextVoiceで構造的に解析したい。というご要望も多く、数社のクライアント様の案件で調査を実施ししましたが、とても面白い結果が得られたと喜んでいただけました。

上記の書籍で学習院大学の上田先生が『ウェブ・モチベーション・リサーチ』を提唱しておられますが、インターネット調査で大量のテキストデータを回収して、それをテキストマイニングにかけて分析する。というのは有効なアプローチだと思います。

お客様からご依頼をいただく調査では、インターネット調査で定量分析を行い、その前後でグルイン等での定性分析を行うケースが沢山あります。

もちろんグルイン等の情報を深化する定性調査も必要ですが、調査の目的によっては1,000人、2,000人といった沢山の生活者から、純粋想起のテキストデータを回収し、それをテキストマイニングする方が効果的なケースもありそうです。

「TextVoice」はテキストデータの構造分析が得意なので、「インターネット調査」×「TextVoiceでのテキストマイニング」をお勧めいたします。

興味があれば下記ページをご覧ください。

〇インターネット調査×「テキストマイニング(TextVoice)」
  https://www.myvoice.co.jp/menu/txt-voice.html

2015年5月 1日 (金)

「オンライン・テキストマイニング」できました!

新しい「オンライン・テキストマイニング」の分析ツールができました。

従来のテキストマイニングは、単語のカウントと、2つの単語の係り受けのカウントとマッピングでしたが、この「オンライン・テキストマイニング(TextVoice)」では、大量のテキストデータを、最大6つの言葉の組合せまで分類できるのが最大の特徴です。

6つの言葉の組合せには、5W1Hの多くが含まれるため、発言の背景や、利用シーンまで解釈がしやすくなります。

また、このオンラインサービスは、分析サイトにテキストデータのCSVファイルを読み込むだけで、以下の4つの分析結果が自動的に出てきます。

アンケートの自由記述データや、コールセンターのお客様のご意見・ご要望、SNSに発信された発言データ等の構造的な内容理解に役立つとご好評をいただいています。

新しいテキストマイニングにご興味があれば、下記の説明資料とサイトをご参照ください。

TextVoiceが皆様の顧客理解のお役に立てば嬉しいです!

〇「オンライン・テキストマイニング(TextVoice)」

https://www.textvoice.jp/info/

http://www.myvoice.co.jp/menu/text-voice.html

2014年12月 3日 (水)

日記調査のご紹介

単発のアドホック調査では日々の変化や、日々の正確なデータの回収や、思い出しでは見つけられない希少な気付きや不満、アイディアの発見を目的とした「日記調査」の依頼が増えてきました。

「日記調査」とは、同じモニターに、1週間、1ヶ月、数ヶ月の一定期間、商品使用の感想や、行動記録等を日記形式で回答いただく調査です。

毎日の回答をお願いする場合もあれば、週末や休日のみ回答をお願いする場合など、目的に応じて回答日時や期間を設定することができます。 また、選択肢や自由記述だけでなく、関連する「写真」をアップしていただくことで、より詳細な生活者情報を取得することもできます。

最近の実績では、日常の買い物で気づいたことを答えてもらうことや、ある商品カテゴリーの広告で目についたことを答えてもらうことや、週末の土日の夕食の写真を毎回アップしていただいて、その料理を作った理由をお聞かせいただくような調査を行いました。

購買の実態ベースのデータは、POSデータやパネルデータで詳細に提供されていますが、生活者が何にどの様な関心を持ったり、不便さを感じたり、気付きを感じているのか。

そんな「気持ち」や「理由」を継続的に追いかけてみたい時には、「日記調査」は有効な手段です。

こんな調査方法もインターネット調査があり、協力してくれるモニターがいるから実現できる調査だと思います。

〇「日記調査」のサービス http://www.myvoice.co.jp/menu/diary.html

日記調査(Diary-Research)の進め方

日記調査は、以下のような流れで実施します。

調査画面イメージ

回答する日のボタンを押すと、その日のアンケート画面に進みます。

〇インターネット調査のマイボイスコム  http://www.myvoice.co.jp/

2014年11月19日 (水)

写真(画像)調査のご紹介

以前から実施している「写真調査」のシステムを改良しました。

「写真調査」は、モニターの皆様に、お願いした写真画像をアップロードしてもらい、そのコメントなども記入していただく手法です。

これまでに週末の食卓や、自宅のパソコン環境、自宅でお気に入りの場所、商品などの写真をいただいて、なぜその料理になったのか、なぜその場所や商品がお気に入りなのかを詳しく書いてもらい、写真の画像情報と、選択回答と、コメントで分析を行っています。

また、グループインタビューに参加の方の条件確認で、この写真調査を利用したこともあります。

モニター自身が「ファッションセンスが良い」と答えているよりも、日常の服装の写真をアップしてもらい、何に拘っているのか書いてもらったもので判断する方が、各段とクライアントの条件に合った方を選ぶことができるようです。

また、当社のキキミミパネルや高感度パネルの皆様に、最近お気に入りの写真をいただいて、その理由をコメントいただくなんていうのも面白そうですね。

「写真調査」は使い方によっては、色々な場面で役立つと思いますよ。

写真調査でこんなことできないか、ということがあればお気軽にご相談ください。

〇写真調査(Photo-Voice) https://www.myvoice.co.jp/menu/photo-voice.html

1.写真のアップロード画面

アンケート画面での写真のアップロード画面は下記の様になっています。回答者がアップロードした写真の画像を確認してから送信できるので、誤った画像の取得を防止することができます。

2.調査票設問への写真の反映

アップロードした写真を調査票に反映して、その写真を見ながら設問に答えてもらうこともできます。

〇写真調査(Photo-Voice) https://www.myvoice.co.jp/menu/photo-voice.html

〇キキミミ調査(33-Voice) https://www.myvoice.co.jp/menu/33-voice.html

〇高感度調査(Hi-Voice)  http://www.myvoice.co.jp/menu/hi-voice.html

〇インターネット調査の マイボイスコム http://www.myvoice.co.jp/

2013年12月28日 (土)

マクロミル社の米国ファンド売却

今年は12月に入って、リサーチ業界にとってとても大きなニュースがバタバタと入って来ました。

その1つは電通リサーチと綜研が2011年に合併してできた電通マーケティングインサイト社が、マクロミル社の子会社になるという発表があったことです。

40年以上の歴史と伝統のある、技術力でも定評のあったあの旧電通リサーチがマクロミルの子会社になるだけでもリサーチ業界にとっては驚くほど大きなニュースでした。

 

そして、次はその電通マーケティングインサイトを傘下に収めたマクロミル社が、米国の投資ファンドのベインキャピタルに100%売却されるというニュースが12月11日にありました。売却額は513億円という巨額なものでした。

これによってマクロミル社は上場が廃止されて、筆頭株主のヤフーには110億円が入るのだそうです。

ヤフーはもともとインテージと合弁で作ったインテージインタラクティブ社でネットリサーチに参入していましたが、その後、インフォプラントとインタースコープの2社を買収してヤフーバリューインサイトを作り、マクロミル社との合併で同社の筆頭株主になっていました。

それが今回の米国投資ファンドへの全株売却で、ネットリサーチ業界から離れることになります。

ネットリサーチ業界再編の主役はヤフーなんだなあ、やはりネットリサーチも「リサーチ業界」よりも「ネット業界」の力の方が大きいのだなあと事ある毎に実感してきましたが、今回の株式売却でネットリサーチ業界から離れることになるようです。

でも、マクロミル社は米国系投資ファンドが100%の株式を持つので、またその後にどこかの企業に株式は売却されます。1部にはその最終的な売却先の候補は、カンターグループか、イプソス、ニールセンが有力という報道もあり、外資系リサーチ会社の傘下に入るのかもしれません。

 

マクロミルはとても組織が大きく、営業力も強くて、ネットリサーチ市場では価格決定力もあるほど強い存在です。

その巨大なネットリサーチ会社がどの様になるのか、それは、日本のネットリサーチ業界だけでなく、リサーチ業界、マーケティング業界にとって凄く大きな影響のあることなので、日本のマーケティング市場と、そして、同じリサーチ業界で働く同社社員にとって良い形になることを祈りながら、今後の動きを見守りたいと思います。

 

〇マクロミル社の米国ファンド売却の関連記事

http://byus.me/facts/286/questions/821

http://toyokeizai.net/articles/-/26995

2013年12月 3日 (火)

JMRAカンファレンス2013

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11月29日(金)に開催されたJMRAのアニュアルカンファレンスに参加して来ました。

このカンファレンスには2005年の第1回から毎年参加していますが、今年の参加者は約800名とこれまでで1番多い参加者であったと聞きました。

そして、これまでは9割くらいは調査会社の関係者でしたが、今年は全体の4割近くが調査会社以外の参加者になり、少しオープンな雰囲気になったようにも感じられました。

今年も色々な発表を聞いて、夜の懇親会でも色々な方と話をして、とても勉強になりましたし、この2年ほどでリサーチ環境が大きく変化したことを実感しました。

その1つがフェイスブック等の発展によって、クライアント様自身が直接ユーザーの声を聞くことができるオンラインコミュニティ環境を作ることが容易になり、ユーザードリブンの共創マーケティングが大きく進んでいるという点です。

先進事例として、ベネッセさんや、良品計画さん、サッポロビールさんの事例の紹介もありましたが、これもインターネットとインターネット調査の発展によって生れた新しい動きだと思います。

そして、これらの動向を後押しするように、「今までの調査会社は代表性に拘り過ぎていた」、「もっとコア顧客の声を重視すること、アクションアイディアに繋がることが大切である」、という意見も聞かれました。

この様な新しい潮流の中で、如何に有効な気付きやインサイトを提供できるのか。

リサーチ会社には、より高い次元の情報サービスが求められていることを痛感させられるカンファレンスでした。

〇JMRAアニュアルカンファレンス 

https://www.jmra-net.or.jp/conference/

2013年10月15日 (火)

インターネット調査のサービス対応

自分は1998年から16年もインターネット調査に取組んでいるのですが、最近、インターネット調査は本当にリサーチ市場を前進させたのだろうか?と思う時があります。

シンクタンクで15年間リサーチを経験してからこの事業を立ち上げた経験から、リサーチで1番重要なのは、しっかりした品質のデータを集めることと、課題解決のための調査設計力、分析力、提案力だと思ってやってきました。

しかし、お客様にとってサービスやデータの品質は見えにくいため、パネルの規模や、早さ、安さ、システムの利便性等の「リサーチインフラ」が市場競争の中心になっています。

そして、職人的な技術に拘っていた従来型のリサーチ会社の多くは縮小・撤退し、リサーチ会社の技術力は低下して、お客様のリサーチ会社に対する満足度や、意思決定寄与度もこの10年で大幅に低下※してしまいました。 (※日本マーケティング協会の「日本のマーケティングリサーチの現状」より)

結局はリサーチを使うお客様も、リサーチを提供するリサーチ会社も、あまりハッピーでなくなってきたように思えてなりません。 

私はスタッフの専門性とデーターの品質がリサーチの肝だという考えに変わりはありません。そして、それらが提供できる市場環境を作ることが、結局はお客様とリサーチ会社の双方にとって有益なのだと思っています。

しかし、現在のインターネット調査の取引条件では、技術者をしっかり育成して、リサーチ課題をお客様とよく話し合い、相談をして、考えながら業務を進めるだけの時間や費用は全くなくなっています。

このあたりに現状のジレンマを感じているのですが、やはり弊社は弊社がリサーチの肝だと思い続けてきた、スタッフの専門性と、データの品質、そして、独自サービスの開発、に拘ってやって行きたいと考えています。

インターネット調査の市場競争はとっても熾烈で厳しいですが、リサーチ経験者としての信念を持って頑張りますので、これからもマイボイスコムをよろしくお願いいたします。

http://www.myvoice.co.jp/

2012年12月28日 (金)

2012年の漢字とヒット番付調査

日本はまだ不況が続き、社会の閉塞感に悩まされていますが、皆さんにとって2012年はどんな1年でしたか?

マイボイスコムでは2010年から毎年12月に「ヒット番付調査」を実施しています。この中で2012年を漢字1文字に表してもらったところ、1位は「忍」で、次いで「苦」、「耐」、「忙」、「楽」という結果になりました。

2011年の調査では「災」「震」「絆」「悲」等が上位でしたが、昨年に比べると「楽」「新」「幸」「穏」等のポジティブな意味合いの漢字も上位にあがって来ています。そして、今年が「良い年だった」という意見も、2011年の44%から53%に上昇して、2010年の水準まで戻りました。

まだ厳しい状況に変わりはありませんが、やっと日本人の気持ちも大震災の影響から抜け出してきているのかもしれません。来年こそは良い年になるように、皆で頑張って行きましょうね!

「2012年ヒット番付調査」では、今年の漢字印象の質問以外にも、以下の様な項目があります。何れも自由記述(FA)で聞いた回答を、当社のリサーチャーがカウントしたものです。サイトには性別や年齢階層別にも集計した結果がありますので、参考になさって下さい。

〇2012年ヒット番付調査

https://myel.myvoice.jp/products/detail.php?product_id=17317

 

1)2012年で最も印象に残った出来事

  1位:ロンドンオリンピック

  2位:衆議院解散・選挙

  3位:韓国・中国との領土問題

  4位:野田政権・民主党政権の崩壊

  5位:政治の迷走、混乱

2)2012年に最も流行したと思う言葉

  1位:ワイルドだぜぇ

  2位:〇〇だぜぇ

  3位:ワイルド

  4位:近いうちに

  5位:iPS細胞

3)2012年で最も印象に残った著名人

  1位:スギちゃん

  2位:野田佳彦(首相)

  3位:橋下徹

  4位:吉田沙保里(レスリング)

  5位:石原慎太郎

4)2012年に最もヒットしたと思う商品・サービス

  1位:スマートフォン    6位:東京スカイツリー

  2位:iPhone5       7位:マルちゃん生麺

  3位:iPhone        8位:iPad

  4位:塩麹          9位:タブレット端末

  5位:LINE         10位:お掃除ロボット

5)2013年にヒットすると思う商品・サービス

  1位:スマートフォン    6位:Windows8

  2位:タブレット端末    7位:電子書籍

  3位:Wii U         8位:LTE

  4位:電気自動車      9位:iPad mini

  5位:太陽光発電     10位:iPad

 

如何でしょうか。皆さんの感覚とは合っていますか?

2010年と2011年の調査結果もありますので、興味がありましたらご覧ください。

〇2011年ヒット番付調査

https://myel.myvoice.jp/products/detail.php?product_id=16117

〇2010年ヒット番付調査

https://myel.myvoice.jp/products/detail.php?product_id=14917

 

今年もお世話になりました。

それでは、皆さん、良い新年をお迎え下さい。

〇マイボイスコム http://www.myvoice.co.jp/

 

2012年12月18日 (火)

テキストマイニング(Text-Voice)開始

アンケートの自由記述などのテキストデータは、生活者の生の声として重視されてきました。そして、ネットリサーチは自由記述のデータが取りやすく、リッチなテキストデータを集めるのに適した調査手法です。

しかし、自由記述は<自由に書かれた文章>であるため、定型的な分析に馴染まず、分析者が読み込み、分類するなどの大変な作業が必要でした。

また、いわゆる「テキストマイニング」ソフトは、文章を単語や2単語の組合せで自動で分解するものの、その2単語の組合せを<解釈>して有用な知見を得るには、かなりのノウハウが要求されます。

そして、お客様からは分析者の主観でどうにでも解釈できるので、分析者の考え方を裏づける情報として利用されることが多いとも聞いています。

これらの課題を解決するため、マイボイスコムでは、テキスト分析で独自の技術を持つ組織活性化研究所と業務提携をして、新たな「テキストマイニング・サービス(Text-Voice)」を始めます。

「テキストマイニング・サービス(Text-Voice)」の特長は・・

 1)最大6つの文章の組合せで分類するため客観的な解釈ができる

 2)発言の頻度だけではなく、発言の重要性や影響度も見ることができる

 3)性別や年齢等の基本属性と関連性の強い発言も抽出できる

 4)文章全体でどの様な発言があるのか、グループ化して整理できる

になります。

下記は、当社の自主調査で実施した「牛乳に関するアンケート調査(第5回)」で回収した「牛乳を飲みたくなるメニュー」の約7,000件のテキストデータを、当社の「テキストマイニング・サービス(Text-Voice)」で分析した結果(発言集計)です。

2単語の組合せと係り受けでなく、6つの言葉の組合せで、発言量(頻度)も発言の重要度も出るので、これまでのテキストマイニングのアウトプットと比べて、客観的な解釈がしやすいと思いませんか?

重要度 発言量   ターム1   ターム2   ターム3   ターム4   ターム5   ターム6

1.99    910     コーヒー  紅茶   入れて     混ぜて   飲む   牛乳
1.32    617     牛乳    好き    カフェオレ   飲む     必ず   多い
1.41    538     甘い    菓子    アンパン   食べる
1.41    447     牛乳    単独    飲まない   混ぜて   飲む
1.34    438     リラックス  飲みたくなる  飲む   便秘
1.37    217     朝食     一緒    サラダ    朝の    バナナ  習慣
1.24    156     クッキー  ケーキ   クリーム  ホットケーキ
1.90    143     風呂    のどが   渇いた
1.10    108     洋食    パサパサ  おやつ   餃子    クッキー
1.29    104     昼食    食後     習慣    飲む
1.12     96     寝る前   お酒     お茶    必ず    牛乳
1.70     89      パサパサ  フレークコーン
1.19     87     カフェオレ  インスタントコーヒー  全般   グラタン

1.11     85     主食     パン    ごはん    混ぜて
1.18     79     ホットケーキ  洋風トース ごはん  作る    ヨーグルト 

この他に、発言構造や属性での分類などの「分析結果のサンプル」もダウンロードできますので、ご興味があれば下記のページをご覧下さい。

〇テキストマイニング・サービス(Text-Voice)

http://www.myvoice.co.jp/menu/txt-voice.html 

マイボイスコムでは、ネットリサーチで回収したテキストデータや、クライアントが保有している大量のテキストデータなどを有効に分析するサービスを提供いたします。

 

〇マイボイスコム http://www.myvoice.co.jp/

 

2012年11月 8日 (木)

ネットマイル社がインターネット調査を譲渡

ネットマイルさんがネットリサーチから撤退し、ネットリサーチ事業をミクシィに譲渡することが決まったとの発表がありました。

事業譲渡は2013年1月を予定していて、ネットマイルさんがリサーチシステム「ネットマイルリサーチ」を新設分割し、ミクシィさんが新設会社の全株式を取得するのだそうです。

同社は2001年からネット上の共通ポイントプログラムの「ネットマイル」を使ったプロモーション事業を始めて、2005年からネットリサーチ事業(ネットマイルリサーチ)にも取組んでおられましたが、これからはポイントのプロモーション事業に特化していくということなのでしょうか。

当社もプロモーション系のアンケートのお引合があると、リサーチ会社の当社ではできないため、ネットマイルさんにご紹介したりしていました。

何度かお取引もあり、顔見知りの方もいましたので、若干寂しい思いもするニュースでした。

〇ネットマイル社、ネットリサーチ事業をミクシィに譲渡

http://biz.netmile.co.jp/news/press_2012/press_release121102.html

2012年7月 7日 (土)

パネルの基本属性の乖離

当社のパネルは約36万人で、回収率は24時間で32%、48時間で37%、72時間で40%です。しかし、1年に1度も回答をしていない非アクティブモニターも2~3割おられるため、最大回収数は約10万人となっています。

〇回収率検証調査の結果

http://www.myvoice.co.jp/feature/quality.pdf

10万人の回収力があれば、一般的な調査には十分に対応できます。

しかし、かなり出現率の低い対象者の調査や、回答者属性を絞った調査、そして、フレッシュサンプルでの継続調査の場合は、自社パネルで対応できないケースも出てしまいます。

その場合は、クライアントの了解をいただいて、他社のパネルサプライを使っていて、資本提携先のインテージさんとは詳細なパネル検証をして、回答データに問題がないと双方で確認しています。

そして、今回もっと大きなパネルも使えるようにするため、2社のネットリサーチ会社にパネル検証をお願いしました。全く同じ属性の対象者に、同じタイミングで、同じ設問を聞く調査データの比較です。

その結果、A社のパネルはほとんど当社と同じ回答傾向になりましたが、B社のパネルは「買い物の意識や行動」の回答が、何故か1、2割高めに出てしまいます。

その原因を探って行くと、性別、年齢との基本属性が登録と回答で15%も乖離していることが分りました。

男性の回答が女性であったり、20代の回答が30代だったりする比率が15%もあるのですから、回答傾向が1、2割ずれても仕方がないことでしょう。

今のネットリサーチ市場ではこんなこともおきています。始めてのネットリサーチ会社を使う場合は、調査票に性別と年齢の設問を入れて確認することをお勧めします。

 

(補足)パネルは基本属性のズレが全くないことはありません。間違って別な家族が答えたり、セキュリティのため年齢を1、2歳ずらしている人もいるようです。当社も4%、A社も5%の乖離がありました。

 

2012年6月23日 (土)

パネルによる回答水準の違い

当社ではあるクライアントのお仕事で、新サービスの浸透度を継続的に追いかける調査をやっています。

四半期に1度のペースで約2,500件の回収を行う調査で、より厳密に浸透度を測るためフレッシュサンプルでの回収計画となっています。

しかし、フレッシュサンプルでの継続調査は、しばらくすると特定階層のサンプルが足りなくなるのが頭の痛いところで、クライアントの事前了解をいただいて今回は外部パネルを使うことになりました。

今回の調査結果でサービス浸透度は約50%でした。前回よりもだいぶ浸透率が高まってきたという結果です。

しかし、その報告をした翌週にお客様から担当者に連絡が入りました。別テーマで従来型調査会社に調査を頼んでいて、そこでもネットリサーチをやることになったので、参考までに同じ浸透度の設問を入れてもらったのだそうです。

するとこちらの浸透度の調査結果は30%で、当社の結果より20%も低くなったと言うのです。

お客様としては、同じ条件の対象者に、同じネットリサーチで、同じ設問で聞いたのに、何故マイボイスコムは50%で、他社は30%の答えが出るのか??、と思われるのは当然のことです。

今回から外部パネルを使ったこともあり、何か問題があったのではないかと緊急会議を開いて、1)当社のパネルで同じ調査をやってみる。2)先方の回答データをいただいて検証する。の2パターンで原因を探ることにしました。

そして、すぐに当社のパネルでも同じ調査を行ったところ、こちらの浸透度も約50%という結果が出て、お客様からも「やはりこの結果で良かったのですね。安心しました。」というお言葉をいただくことができました。

新サービスの浸透度が50%と30%では全く意味が違います。それが同じネットリサーチという調査手法で出てしまうのが恐いところです。

回答結果が極端に低くなる原因としては、

1)設問数が非常に多い調査票で回答者の付加が重すぎた。

2)短時間回収で特定の特性のモニターのみ答えていた。

3)そもそもパネルのクオリティが悪い(真面目に答えてくれていない)。

等が考えられます。

しかし、他社のパネルの実態や回収の状況も分からないため原因が特定できず、後味の悪い思いだけが残りました。

従来型調査会社が使ったのはある大手のネットリサーチ会社です。

それなのに依頼するネットリサーチ会社によって、こんなにも大きな調査結果の開きが出てしまうことが、現在のネットリサーチ業界の問題を表していると思います・・・

 

2012年6月16日 (土)

慶應大学 清水ゼミの発表会

120614_1428~001慶應大学の清水ゼミの発表会に招待されて行って参りました。

清水聰教授とは長いお付き合いで、先生の研究テーマの調査や、「聞き耳・死神分析」のパネル構築や検証等で研究のお手伝いをさせていただいています。

清水先生が仰っている「欧米研究の検証ではなく、日本発のマーケティング手法を創りたい」という考えにはとても共感しますし、先生の様な最先端の研究者と連携することで生まれる価値もあるので、大変ありがたいお付き合いだと感じています。

その先生からゼミ生にできるだけ実践的なデータで演習をさせたいというご相談があり、昨年度からアンケートデータベース(MyEL)のデータを、ゼミの演習に使っていただくことになりました。

 

清水ゼミはとても学生に人気があるそうで、教室には3年生20人、4年生20人の優秀そうな学生さんが集まっていました。

今回の演習は3年生が5グループに分かれて、MyELデータ等を使って具体的な施策まで考えて発表するというものです。今年はMyELの2つの調査テーマの結合データを使った分析に挑戦していました。

コンビニレジ横調査とコンビニ利用調査のデータを使っての「エリア別のレジ横提案」や、牛丼チェーン調査と外食調査のデータでの「吉野家の新業態提案」、コーヒーショップとチルドコーヒーのデータから「スターバックスの販売戦略」などどれもユニークで具体的な提案ばかりで感心しました。

120614_1820~001皆さん優秀な学生さんであることと、好きなデータで自由にやらせてみるという清水先生の方針や明るく気さくなお人柄もあって、とても楽しく充実したゼミでした。

マーケティングを学ぶ学生さんにとっては、自分達で好きなデータが自由に選べて、色々なツールで分析でき、具体的な施策まで考えられる演習は、楽しくて仕方がないのかもしれませんね。

そして、私もMyELのデータが大学生の実践的な勉強の役に立つことと、2テーマの結合データを使えば、こんな風に色々な仮説検証ができるのだなあと改めて実感することもできました。

最後に全員からお礼を言っていただいて、慶応大学の校章が入ったお洒落なビスケットまでいただいて帰ってきました。

清水ゼミの皆さん、とても楽しく有意義な時間をありがとうございました!

 

〇慶応大学 清水聰研究会     http://keioshimizu.web.fc2.com/

〇アカデミック調査の実績      http://www.myvoice.co.jp/academic/index.html

〇アンケートデータベース(MyEL) http://myel.myvoice.jp/

 

 

 

2012年5月26日 (土)

1人1人のモニターの存在

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一生懸命介護された人ほど、その役割が終わってしまった時
「ああすればよかった、あれもしてあげればよかった…」そういうお話をよく聞きます。
その度に、家族に対する思いは終わる事は無いと痛感します。

逆の立場からの話です。私は24時間要介護で、自分の母と夫、二人の支えで生活しています。
闘病生活は人生の半分を超えて、二人がかりの介護になってからは15年が経過しました。
本心を母に伝えるのは難しい、親子だからこそ。そこで夫に事あるごとに伝えています。
『日常生活の中で、毎日の介護の中で、万が一は仕方のない事。
そのことで決して悔やまないで欲しい。
ここまで穏やかな生活が出来た事に感謝してるから…
ママには貴方から伝えて』

お母様も同じだったのではと、ふと思って。
老後や介護生活は色んな暮らし方、選択肢があります。
そんな中で実の娘であるXXさんと暮らした時間は、
どんなに楽しくて幸せだったか。
強い繋がりと深い愛情があるからこそ、ずっと後悔が付きまとう。
決してきれいに無くなる事はないのかもしれません。
でもいつか、思い出すのは二人で過ごした楽しい時間ばかり…
そんな時が来る事を願っています。
私自身が家族に対してそう願っているのでつい、横から失礼しました。

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こちらはモニター同士での意見交換のために、当社が設けている「フォーラム」での発言です。

亡くなられたお母様の介護について、もう少し何かできたのでは、と後悔をしている方に対するコメントでした。

そして、このコメントを書いた方は難病で、もう20年以上も寝たきりでご家族の介護を受けておられるのだそうです。それなのにいつも、自然で、穏やかで、前向きで、人に対してとっても思いやりのある優しいコメントをされるので、管理人の私も強く心を打たれています。

ネットリサーチはとても便利な調査手法です。

何百人、何千人、何万人という方々のご意見を、2、3日ですうっと集めることができます。

しかし、訪問調査や会場調査、郵送調査等よりも便利な分だけ、モニターのありがたみが実感しにくく、回答者の顔が見え難い調査手法なのかもしれません。

でも、生活者の意見や要望をしっかり汲み取り、それを社会に活かすには、リサーチャーが1人1人のモニターの個性や、生活、人生を感じながら、リサーチに取り組むことが大切なのだと思います。

ネットリサーチの便利な環境の中で、リサーチャーが1票1票の大切さを認識し、1票の回答の後ろには色々な個性や生活のある「人」がいることを実感しながら働くにはどうしたら良いかを、これからも考え続けていくつもりです。

 

〇マイボイスコム http://www.myvoice.co.jp/

 

2011年12月23日 (金)

スミスさんのリサーチ撤退

NTTデータスミス(元スミス社)がマーケティングリサーチ事業から撤退されました。

具体的にはリサーチ部門をドイツ系のリサーチ会社のGFK社に売却して、今後は情報システム事業に特化して行くということだそうです。

スミス社はもともと西友系のリサーチ会社で、リサーチ事業の歴史も長く、優秀なリサーチャーの多い会社という印象があります。それがNTTデータのグループ会社になって、今回は外資系企業にリサーチ業務が引き継がれたことになります。

先日のJMRAのカンファレンスで、ジーエフケー・カスタムリサーチ・ジャパンのリサーチャーが研究報告をされていました。とてもユニークな研究発表でしたので、どんな会社なのかと思っていましたが、元スミスのリサーチャーだったと後から分かりました。

スミスさんもネットリサーチに取組まれていたので、私も何度か情報交換をしたこともありました。伝統と技術力のあるリサーチ会社がなくなるのは寂しい気がします。

ネットリサーチ業界だけでなく、リサーチ業界全体も変化していることを実感させられる出来事でした。

 

(NTT データスミス社のニュースリリースの抜粋)

株式会社NTT データスミス(以下、スミス)はマーケティングリサーチ(以下、MR)事業を、2011年10 月1 日より、ジーエフケー・カスタムリサーチ・ジャパン株式会社(以下、GfK-CRJ)へ事業譲渡することになりましたので下記の通りお知らせします。
なお、スミスはMR事業を除く、情報システム事業など現行のすべての事業については従来通り継続いたします。

当該会社の概要

【株式会社NTTデータスミス】(2011年4月1日現在)
代表者 代表取締役社長 本間 洋
所在地 東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60-51F
設立年月日 1969 年9 月
主な事業の内容 マーケティングリサーチ事業/システム開発事業
資本金 94 百万円
従業員数 100 名

【ジーエフケー・カスタムリサーチ・ジャパン株式会社】
代表者 代表取締役社長 平野 享一
所在地 東京都新宿区西新宿6-22-1 新宿スクエアタワー29 階
設立年月日 2009 年9 月
主な事業の内容 カスタムリサーチ事業
資本金 80 百万円
従業員数 23 名(2011 年7 月末現在)

2011年12月 3日 (土)

リサーチ会社のインプット

良いリサーチサービスを提供するには、社員が主体的に学習して、新しい情報を収集し、付加価値を付けることがとても大事だと思います。

私はもう自分では案件を担当しなくなりましたが、こちらでもご紹介したIBM(SPSS)の「Business Analytics Forum Japan 」や、JMRAの「アニュアルカンファレンス」、それに、消費者行動研究学会のカンファレンス、日本マーケティング協会(JMA)のセミナー、JMRX勉強会等にできるだけ参加するようにしています。

そして、当社の社員にもこれらのイベントやセミナーには、できるだけ参加するように勧めています。それでも案件が忙しいため、大きなイベントでも10人位が参加するのがやっとという状態です。

しかし、それぞれのイベントやセミナーに行って感じるのは、ネットリサーチ会社の社員が非常に少ないことです。

アドホック調査の4割もネットリサーチが占める様になり、その役割が大きくなっているのに、勉強会や研究発表のイベントでは、従来型のリサーチ会社さんからの出席者の方が圧倒的に目立つのはどうしてなのでしょう?

1つには、ネットリサーチ会社には、リサーチビジネスというより、リサーチインフラを提供する「インターネットビジネス型」の会社が多いこともあると思います。

調査の設計や分析、レポーティング、提案は、従来型のリサーチ会社さんや、広告代理店さん、シンクタンクさんが行って、そこのデータ回収やパネルサプライをネットリサーチ会社が担当するという構造です。

そして、もう1つはネットリサーチ会社がスピード対応の中で、今日の明日のという短い納期に追われているため、なかなか半日、1日のインプットの時間が確保できないのが影響しているようにも思います。

学習して新しい技術や情報インプットしなければお客様に喜ばれる良いサービスは提供できないのに、学習する時間が確保できない、インプットしてもそれが活かせる業務でない、というあたりがネットリサーチ業界の矛盾なのかもしれません。

あるネットリサーチ会社では、今でも100時間近い残業をしているという話を聞いています。これでは忙しすぎて勉強しようと思ってもできないでしょう。

当社の残業時間はこの3年間で10時間ほど減少して平均35時間になりました。そして、リサーチのノウハウを提供する「リサーチビジネス」で生きて行きたいので、できるだけ社員に勉強する機会を設けて、技術対応で評価頂ける会社にしたいと考えています。

なかなか思うようには行きませんが、「勉強会やイベントには、参加しろ、参加しろ・・・」と言い続けるつもりです。

〇日本消費者行動研究学会 コンファレンス

http://www.jacs.gr.jp/conference/index.htm

〇JMRX勉強会

http://kokucheese.com/main/host/JMRX%E5%8B%89%E5%BC%B7%E4%BC%9A

2011年11月13日 (日)

インターネット調査会社の起業目的

私は15年ほどシンクタンクで従来型のリサーチに係わってきて、新しいリサーチサービスを作りたいという思いでマイボイスコムを設立しました。

しかし、同じネットリサーチ会社の創業者でも、色々な目的や思いで起業される方がいるのだなあ強く感じることがありました。

もう5年も前になりますが、あるネットリサーチ会社の社長と飲みに行く機会がありました。彼と飲みに行くのは初めてで、先方から情報交換をしようというお誘いを受けて伺ったものです。

その時にお互いの会社の状況や、ネットリサーチ業界や市場の動向などについて、をざっくばらんに意見交換をしましたが、何となく話のベクトルが違うのを感じました。

私はネットリサーチをどうすればもっと良いサービスにできるのか、どうやればスタッフの技術力が向上し、どうやればモニターの裾野が広がり回収率が高められるのか等に興味があり、その様な意見交換を求めていました。

しかし、彼から「私はリサーチをやったことにありませんし、リサーチそのものには興味がありません。私の興味はどうやって事業を大きくし、会社を大きくするかです。その目的でネットリサーチの分野を選んだのであって、ラーメンチェーンの方が事業の可能性が大きければ、ラーメンチェーンでも良いんです。」と聞いて大変驚いたのを覚えています。

そして、その会社は彼の狙い通り大きく成長して行きました。

起業の動機や目的は人それぞれです。そして、その考え方によってそれぞれの会社が何を大切にして、どの様なサービス提供や会社運営をするのかが決るのでしょう。

従来型のリサーチ会社であれば、そこの社長や経営者はリサーチの経験者であり、リサーチの職人的なところを持っていたと思います。

でも、現在のネットリサーチ会社にはその様な共通の経験値はありません。色々な価値観や基準で運営されている世界であることは間違いないと思います。

 

〇マイボイスコム http://www.myvoice.co.jp/

 

2011年11月12日 (土)

インターネット調査会社の収益

ネットリサーチには、「インターネットビジネス」と「リサーチビジネス」の2つの顔があると申し上げましたが、収益を出すには「インターネットビジネス型」が圧倒的に有利です。

リサーチの経費は固定費である人件費の割合が大きく、リサーチ会社は人手間をかければかけるほど収益が下がる収益構造となっています。

ネットリサーチによって実査の効率は大幅に向上しましたが、調査設計や調査票作成、分析や考察、提案は「人」にしかできません。それも色々と経験を積んだ専門性のあるスタッフでないと、お客様に喜んでいただくことはできません。

この専門性の高いスタッフを育成することと、お客様にご満足頂くリサーチをするために十分な作業時間をかけることがコストを引き上げてしまいます。そして、現在のネットリサーチの市場価格では、なかなか十分な作業時間がかけられないのが頭の痛いところです。

ネットリサーチによって、マーケティングリサーチの価格は大幅に低減しました。しかし、それによって、今までの様な作業時間がかけられないところに、お客様のリサーチ会社に対する満足度低下の原因があるようにも感じています。

ネットリサーチ会社で高い利益を確保するには、専門スタッフに頼らない、パネルサプライや、データ回収と自動集計ツールの提供といったビジネスモデルにするべきなのでしょう。

でも、ネットリサーチは色々なお客様が必要としています。すべてのお客様がご自身で調査設計ができ、正しい調査票が作れて、集計や分析やレポート作成に対応することはできないと思います。

リサーチの経験もなく作業を行う時間もないので、専門の会社に任せたいというお客様の課題解決に向けて、頭からお尻まで、専門性と責任感を持って、親切丁寧に対応できるネットリサーチ会社も必要ではないでしょうか。

当社はそんな「リサーチビジネス型のネットリサーチ会社」になりたいと考えています。

 

2011年11月 5日 (土)

インターネット調査会社の機能

ネットリサーチが出てくる前までは、リサーチ市場は各社が得意な専門領域(業界や調査手法)を持って棲み分けをしている、どちらかというと競争の少ない市場でした。

また、それぞれの得意領域で人的な専門サービスを提供する業態であるため、比較的小さな専門会社が多い業界でもありました。

日本マーケティング・リサーチ協会の「第36回経営業務実態調査」を見ると、現時点でも会員であるリサーチ会社の平均従業員数は49人で、調査業務従事者は37人となっています。

特定の分野や手法に絞ると、この位の業務量しか確保できなかったこともあるでしょうが、これ以上の規模になると、人的サービスの「質」が保ち難かったこともあったのだと思います。

しかし、2010年のマクロミルさんのヤフーバリューインサイト社の吸収によって、従業員が500人を超える巨大なネットリサーチ会社が出来ました。

また、この合併でマクロミルさんの筆頭株主がヤフーさんになったので、システムやパネルのリサーチインフラを提供する「インターネットビジネス」の性格が強くなるのではないでしょうか。

ネットリサーチは「インターネットビジネス」と「リサーチビジネス」の両方の機能を持ったサービスです。このどちらも求められているのがネットリサーチ業界であり、各社がどちらに軸足を置いてサービスを展開するかで会社の特色は大きく異なります。

当社は設立当初から「専門性の高いサービス」と、「クオリティの高いデータ」でお役に立つリサーチ会社を目指して来ましたので、これからもその方向で頑張って行くつもりです。

また、お客様の中には「インターネットビジネス」のリサーチインフラではなく、「リサーチビジネス」の専門サービスを求めている方が意外に沢山おられるようにも感じています。

 

〇マイボイスコムの経営理念

「生活者と企業のコミュニケーションメディア」として、クオリティの高い生活者情報と、 専門性の高いサービスで、企業のマーケティングを支援し、豊かな消費生活に貢献する。

http://www.myvoice.co.jp/profile/philosophy.html

〇第36回経営業務実態調査(2011.6)」

http://www.jmra-net.or.jp/trend/investigation/pdf/realities_36/gyoumujitai2011.pdf

プロフィール

フォトアルバム

Takai kazuhisa

伊藤忠系シンクタンクの社内ベンチャーで、1999年にネットリサーチ会社のマイボイスコムを立ち上げて社長をやっています。会社を作ることより続けること、良い会社を目指して経営することの難しさ日々感じながら奮闘している毎日です。夜は神田や神保町あたりの居酒屋に出没し、休日は自然散策やアウトドアを楽しんでいます!