マイボイスコム Feed

2011年5月15日 (日)

はじめまして

はじめまして、マイボイスコム社長の高井と申します。

当社は伊藤忠系シンクタンクのCRC総合研究所(現:伊藤忠テクノソリューションズ(CTC))の社内ベンチャー制度で設立し、1998年からインターネット調査に取組んでいます。

私がインターネットをリサーチに使えないかと考えた1997年は、まだネットリサーチやインターネット調査という言葉もなくて、マーケティングリサーチ(MR)の主な調査手法は、郵送調査や、訪問調査、電話調査、会場テスト、グループインタビュー、デプスインタビューなどでした。

インターネット人口はまだ5百万人ほどで、よく「インターネットは20代男性のオタクのツール」などと言われていました。

そのため、インターネット調査は「garbage in garbage out 」で、ゴミの様な情報を分析してもゴミの様な調査結果しかでないと言われ、それは邪道な調査方法で、そこに携わる人はろくな奴じゃないという感じで見られていたものです。

それが、社団法人日本マーケティング・リサーチ協会の調査結果によると、2009年度のアドホック調査市場で、インターネット調査の構成は36%になり、訪問調査の12%、会場テスト11%、郵送調査11%を大きく上回るまで成長しています。

そして、マーケティングリサーチだけでなく、官公庁の社会調査、大学や研究機関の学術調査等でも、かなりインターネット調査が使われるようになりました。

インターネット調査は市民権を得て、「生活者の意見を企業や社会に伝える」という重要な役割を担う存在になり、黎明期からネットリサーチに携わり、自分なりにこの世界に人生をかけてきた者として大変嬉しく思っています。

しかし、その一方で、市場が大きくなり、色々な企業がネットリサーチに係わるようになって、大きな問題や歪みも生じていて、「これで本当に良いのだろうか?」と疑問を感じることも増えています。

インターネット調査を利用しているクライアント様、モニターとして参加している方、調査結果をメディアでご覧になっている方など、沢山の方々が係わるようになりました。

それであれば、インターネット調査の生い立ちや、市場や業界の現状、ネットリサーチ会社の日常や調査結果を紹介するサイトがあっても面白いのではないかと思い、このブログを始めることにしました。

つたない文章で思い付きの話題提供になると思いますが、ほんの少しでも皆様の参考になれば幸いです。

それでは、よろしくお願いします。

〇マイボイスコムのホームページ

http://www.myvoice.co.jp/

 

2011年5月19日 (木)

インターネット調査の成長と課題

当社が取組みを始めた1998年頃が、インターネット調査の始まりだったと思います。

その頃は営業に行くと、お客様から「インターネットで調査をして大丈夫なの?」と必ず聞かれましたし、慎重なお客様はこれまでの郵送調査等と並行して実施して、調査結果の差異を検証したりしていました。

日本マーケティング・リサーチ協会の「第35回経営業務実態調査調査」(2010年7月)※」では、2009年度のマーケティングリサーチ(MR)の市場規模を1,672億円と推定しています。そのうちネットリサーチは394億円で、MRの24%、アドホック調査(1,041億円)の38%を占めています。

この数字で見る限り、インターネット調査はMRの調査手法として十分に市民権を得たといえるでしょう。そして、もう「インターネットで調査をして大丈夫なの?」とは聞かれなくなりました。

しかし、この3、4年前から、お客様のインターネット調査に対する不信や不満の声がすごく増えています。

「今回は予算がなかったので1番安い見積をくれたネットリサーチ会社に頼んだら、どう分析してもおかしな結果しかでなくて、結局そのデータは捨てることになった。」

「調査結果がどうも変なのでローデータを見たら論理矛盾のデーターが2割以上もあった。データクリーニング前のデータを間違って納品したのだろうと思って、頼んだネットリサーチ会社に連絡したら、データクリーニングは10万円のオプションだと言われて呆れてしまった。もう彼らには絶対に頼まない。」

「あるリサーチ会社に頼んだデータでレポートを作ってクライアントに納品したら、おかしなデータが2割以上も入っていて大クレームになってしまった。データ品質管理のマニュアルを作りたいので協力して欲しい。」

「マイボイスコムさんは、今回、誠実な仕事をしてくれました。客からようやったと言われれば本物です。ところで、XXという会社は駄目ですね。ある役所の調査で使っていますが、サンプルの質が悪くて、今、猛烈に激怒しています。」

これらはこの1年以内に、私がお客様から直接聞いたり、メールをもらったりした実際の話しです。

特に大学の先生方はデータを詳しく分析するため、データがおかしいことに気付くことも多いのでしょう。先生方からデータの取り直しを依頼されたケースもかなりあります。

インターネット調査市場が成長期から成熟期に入る過程で、何か大きな歪みが生じているように思えてなりません。

 

〇第35回経営業務実態調査 (調査手法別の市場規模等)

http://www.jmra-net.or.jp/trend/investigation/pdf/realities_35/gyoumujitai2010.pdf

2011年5月20日 (金)

ショッキングな調査結果「マーケティングリサーチの現状」

そんな酷い話をたびたび聞くようになり、何かネットリサーチの市場が変な方向に動いてしまったのではないか・・・、と嫌な胸騒ぎを感じるようになりました。

そして、この4月に(社)日本マーケティング協会が実施した「マーケティングリサーチの現状」という調査結果の発表会に行って、大きなショックを受けました。

この調査は同協会が1985年から隔年でMRのユーザー企業を対象に実施しているもので、今回で14回目というとても歴史のある調査です。

この調査の「MRが貴社の経営の意思決定に貢献していますか?」という質問に対して、「十分貢献している」というトップボックスの回答が9%で、始めて1桁になったというのです。

同じ調査項目の2006年の結果は19%で、2年前の2008年でも17%はありました。それが、たった4年間で19%→9%へと10ポイントも急低下したことになります。

思わず調査を担当した調査研究委員会の方々と、パネラーであったMRユーザー企業の皆様に「何故、意思決定への貢献度がこんなに急落してしまったのだと思いますか?」と質問をさせて頂きました。

それに対して皆さん深刻な顔で・・・、

「早く安く調査ができる環境になり、基本が守られていない調査が増えてしまった。」

「最近の不況でMR予算が大幅にカットされたため、安さ偏重になっていたことも影響していると思う。」

「ここ数年はいい加減に実施した調査の数字だけが一人歩きしていて大変困っている。」

とお答えいただきました。

これって、とてもとても大変なことではないでしょうか?

そして、インターネット調査会社の早さと安さを優先した取り組みが、影響しているように思えてなりません。

インターネット調査は急拡大をしましたが、ここでちょっと立ち止って、今のサービスは本当にお客様に役に立っているのか、本当に社会に役立っているのか、しっかり考えるべきところに来ていると強く感じています。

2011年5月30日 (月)

顧客満足度の低下

マーケティングリサーチ(MR)は、マーケティングの意思決定を行うために実施するので、意思決定に「十分寄与している」という意見が9%というのはあまりに低すぎます。

「ある程度寄与している」が71%あり、そこまで合わせた80%が寄与率と見れば低くもありませんが、トップボックスが4年間で19%から9%に下がってしまったのですから、何か大きな問題が起きていると考えるべきでしょう。

こちらの調査では、定量調査と定性調査に分けてユーザーの「満足度」も聞いていました。

定量調査の満足度は49%(「満足している」5%、「やや満足」44%)で、定性調査の満足度は60%(「満足している」16%、「やや満足」44%)という結果です。

当社は色々なお客様のCS調査もやっていますが、49%の満足度は決して高いといえませんし、定性調査より定量調査が11ポイントも満足度が低いのは、ネットリサーチの影響もあると考えるべきでしょう。

そして、MRの現場ではインターネット調査の問題が頻発していますので、意思決定の寄与度の低下や、低い満足度は、今の市場をよく反映した結果だと思います。

インターネット調査は生活者の意見を収集、分析するのにとても便利で有効な手段です。

しかし、安易な調査設計や、パネル管理、回収方法、データクリーニングを続けて行くと、インターネット調査なんてやっても仕方がないと、その調査手法自体が否定されてしまうことを危惧しています。

そして、インターネット調査はMRの主要な調査手法になっていますので、インターネット調査の否定はMRの否定になり、日本のマーケティングの仕組みまでおかしくなってしまうかもしれません。

マーケティングリサーチに係わるすべての人が危機感を持って、インターネット調査のクオリティ改善に向けた取り組みを始めるべきではないでしょうか。

2011年6月 1日 (水)

お客様のベクトルの変化

以前の様に数百万円の費用と2、3ヵ月の時間がかかれば、お客様も慎重になり、リサーチ会社とも十分な調整を行ってから実査を行っていました。

しかし、今のインターネット調査の早さと安さだと、「取り合えず、早くやってみようという調査」が増えてしまうのかもしれません。

そして、お客様の方で「取り合えず早くやってみた調査」に対して、「何となく意思決定には使えない結果だなあ」、「何となく満足できないサービスだなあ」、と感じてきているようです。

この3年ほどはリーマンショック後の不況で、MR予算が大幅にカットされた企業が沢山ありました。調査予算は減っても調べたいテーマはなかなか減らせませんので、リサーチ会社の選定で「まずはコスト削減」になったのは当然の流れだったと思います。

「マーケティングリサーチの現状調査」ではリサーチ会社選定の重視項目も聞いています。

2008年度の調査では、「コストの低減」が06年36%→08年55%(19%↑)と大幅に上がってトップになり、それまで1位だったリサーチャーの優秀さ」が06年46%→08年36%(12%↓)、「調査結果の分析力」が06年40%→08年28%(12%↓)、と質より価格に大きく振れました。

それが、今回の2010年の調査では、「コストの低減」、「リサーチャーの優秀さ」、「調査結果の分析力」の3項目が62~67%でほぼ横並びになりました。

2010年から設問形式が変わったため、2008年の調査結果と単純に比較はできませんが、2008年は「コストの低減」が「リサーチャーの優秀さ」の1.53倍もありましたので、「コスト重視」から「クオリティ重視」にクライアント様のベクトルが戻ってきたと推察できます。

この様なお客様のニーズの変化に、インターネット調査会社がどう応えていくか、そのことがMRとインターネット調査の今後に大きく影響してくるでしょう。

お客様のベクトルがクオリティ重視に動いて来た今こそが、インターネット調査業界としてクオリティ改善に動くチャンスのようにも感じています。

2011年6月 6日 (月)

インターネット調査会社の競争と品質

リサーチ会社はサービス業ですので、お客様により高い利便性を提供することは重要なことです。

これまでは、比較的効率的な郵送調査でも、調査設計からレポート作成までに2ヶ月はかかりましたし、400万円とか500万円の大きな費用も必要でした。

調査票等の印刷をする、発送ラベルを作る、郵送での発送をする、回収を持つ、回収票の確認を行う、パンチ入力をすると、どうしてもそれだけの日数と費用がかかります。

一方、インターネット調査は調査設計からレポート作成まで約2週間でできますし、費用も郵送調査の1/4~1/5でできますので、大きな利便性が提供できていると思います。

しかし、その早さと安さの行き過ぎた競争が、リサーチ会社として当然担保すべき、データのクオリティも保ちにくい市場環境を作ってしまったと感じています。

何故、早くできるのか?

それは、印刷がいらない、回収期間が短い、パンチがいらない、という要因があります。

一方、競合先よりも1日早い、半日早い、というレベルまでスピード競争が進んだために、リサーチャーがお客様の課題を共有できない、調査票をしっかり作る時間がない、数時間でデータを回収してしまう、データクリーニングをしない、というのは問題です。

何故、安くできるのか?

それは、印刷費がいらない、郵送費や調査員の経費がいらない、回答負担が少ないので謝礼が減らせる、謝礼送付の経費がかからない、パンチ代がいらない、という要因があります。

一方、お客様と打合せもしない、調査設計や調査票作成に時間をかけない、回答者への謝礼を極端に減らす、データクリーニングを省略して納品する、というのは大きな問題です。

安さや早さも大きな価値ですが、そのために必要なクオリティが担保できないと、本末転倒になってしまいます。

当社は「サービスとデータのクオリティ重視」を経営理念に入れてしっかり対応しようとしていますが、データの品質は目に見えないため、その違いがお客様にうまく伝えられない、証明できないのが難しいと痛感しています。

打ち合わせと調査設計にあと1~2日、実査期間にあと1日を増やし、ご予算もあと1、2割いただくことができれば、もっとご満足頂けるリサーチサービスが提供できると思うのですが・・・

このあたりはお客様と、リサーチ会社の双方が改善して行くべき課題だと思います。

 

2011年8月 6日 (土)

マイボイスコムの生い立ち

当社は伊藤忠系シンクタンクの社内ベンチャー制度で1999年にできた会社です。社内ベンチャーの会社ってあまりないと思いますので、少し紹介させて下さい。

私が15年ほどリサーチャーとして働いていたCRC総合研究所は、伊藤忠商事や第一勧業銀行が主な株主で、科学技術計算、情報システム、シンクタンクを主な事業とする会社でした。設立は1958年と古くて、最初は伊藤忠電子計算という社名でした。

従業員は1,000人ほどで、2002年には東証1部になりました。そして、2006年に兄弟会社の伊藤忠テクノサイエンスと合併して、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)という会社になっています。

リサーチは労働集約的で、業務が個人のノウハウに依存するし、なかなか生産性向上が図りにくい仕事です。情報システムなどと比べると収益性が低く、大会社の経費を負担すると利益が出すのが難しいという課題がありました。

また、担当役員はリサーチなどやったことのない元商社マンとか、元銀行マンが3年おきに変わります。ある時に会社の方針で、50人の組織を一気に120人位まで拡大したのを切っ掛けに、大きな赤字部門になってしまいました。

しかし、現場には全く危機意識がありません。親会社があるし、大赤字の原因も親会社から来た役員がやったことでしし、赤字でもシンクタンク部門はなくならないと思い込んでいました。何とか黒字にしようという機運もなく、大きな赤字は続きました。

それから数年後に新しい社長が伊藤忠商事から来て、「集中と選択」、「IT事業に特化する」という経営方針が出されて、シンクタンク部門はリストラされることになりました。

シンクタンク部門で働いていた100人ほどの社員は、社内異動や退職や解雇で、あっという間にバラバラになり、その当時はA社長は本当に酷いことをする経営者だと思ったものです。

でも、その後、A社長と直接接する機会もでき、自分も会社を経営する立場になって考えると、上場企業の社長としては適切な経営判断だったと思いますし、ずいぶんと悩み苦んだのだろうと思います。

リサーチの仕事は「生活者の声をしっかり市場に反映させる」、「国民や住民の意見を行政に反映させる」という重要な社会的役割があります。

そして、リサーチャーは、社会の先端の情報に触れることができ、お客様の課題解決に係わることができ、自分のノウハウや創意工夫、熱意でよい仕事ができる。面白くて遣り甲斐のある仕事です。

しかし、個業の集まりで規模の効率化が働きにくいため、大きな会社が取組むには難しいフィールドだったのかもしれません。

〇伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の沿革

http://www.ctc-g.co.jp/corporate/history.html

〇マイボイスコム http://www.myvoice.co.jp/

 

2011年8月 7日 (日)

リサーチ部門のリストラ

会社のリストラでこれまで積上げて来た仕事がなくなる・・・。

そんなことは今の時代では当たり前のように起きていることなのでしょう。

自分も15年近く携わってきたリサーチの仕事がなくなり、IT特化という会社の方針で、新設されたITコンサルティング室の部長補佐になりました。でもITやシステムなんて全然分からないし、興味もないし、これでコンサルなんかやっても役には立たないだろうと実感しました。

やっぱり20代でどんな仕事に携わったかが重要です。20代で経験した地道な仕事が基礎になり、そこに30代、40代での色々な経験を積上げていくことで、仕事の実力が決るのだと思います。

また、リサーチ部門がリストラされて1番辛かったのは、自分なりに一生懸命に仕事をして、長い年月をかけて信頼をいただき、色々なご相談を頂けるようになったお客様に、「会社の方針でもうリサーチの仕事ができなくなりました。申し訳ありません。」と言わざるを得ないことでした。

私の上司の室長も50代で商社の鉄鋼部門から来た方で、自分よりもITの「あ」の字も、コンサルの「こ」の字も分からない人でした。その室長からとにかく何でも良いからITを勉強しろと言われて、本を読んだり、高いセミナーにも出ましたが、実務経験がないとやっぱり駄目でした。ちっとも頭に入らないし興味も沸きませんでした。

30代後半から、これまでの経験やネットワークが活かせない世界で生きて行くのは、なかなかしんどいことです。毎日が何をやっていいかも分からず、自分の無力を感じる毎日でした。

そして、やっぱり自分が好きで自信もあり、色々と経験もしてきたリサーチの世界に戻りたいという思いが強くなりました。

人生は面白いもので、捨てる神あれば拾う神もあるんですね。悶々とした生活を半年ほど過ごした頃に、ネットリサーチを始める切っ掛けがやってきました。

2011年8月13日 (土)

インターネットで調査?

ITコンサルティング事業室は立上げたばかりで、社内の寄せ集め的な組織でしたので、あまり仕事もありません。上からは「ITを勉強しろ」と言われるけど、目の前に仕事がなければ勉強するのもなかなか難しいものです。

毎日、これで良いのだろうか?と思いつつ、良く分からない本を読んだり、あまり興味の湧かない受講料の高いセミナーに行く毎日でした。

これまではリサーチの仕事が忙しくて、10時、11時まで働いていたのが、夕方の5時にはちゃんと仕事が終わります。正確に言うと1日に4時間くらいは本を読んで、あとは社内をブラブラしていたので、ちゃんと働けば2時には仕事(勉強)が終わるような毎日でした。

こういう生活って一見楽そうですが、やっている本人は大変に苦しいものです。

本来はやれる仕事のフィールドがあり、そこではお客様の役に立ち必要とされていたのに、その仕事はやってはいけない。そして、目の前にある業務には興味も感じられない。

こういう環境だと人は自信がなくなり、気持ちに張りがなくなり、毎月のように風邪をひくようになります。人間の体は不思議なものです。10年分の風邪を半年でひいてしまいました。

そんなもどかしい生活でしたが、ある雑誌を眺めていたら「これからインターネットが今後普及してきて、マーケティングにも活かされるようになる。」ということを読みました。その中で、米国のVote Links というサイトで、世の中の話題や問題についてインターネットで世論調査の投票をして、結果を公開しているという記事が面白いと思いました。

インターネット上で一般の生活者の意見が取れるのかあ・・・

でも本当にまともに答えてくれるのだろうか?、回答者は何が目的で答えてくれるのだろうか?、母集団が明確でない代表性のない回答に意味があるのだろうか?

そんな疑問は感じましたが、「インターネット上で一般の人の意見が聞ける。回答してくれる。」ということがとても不思議で、新鮮な印象を覚えました。

2011年8月14日 (日)

ビジネスプランコンテスト97

これまでの自分は色々なリサーチの課題に取組み、郵送調査、訪問調査、ヒアリング調査、グループインタビュー調査、観察調査、文献調査、統計分析調査など、色々な調査手法も経験していました。

実査をしっかりやることはリサーチの基本ですが、郵送でも訪問でも実査は大変な力仕事で、人の労力も時間も費用も沢山かかります。それがインターネットで効率的にできたら素晴らしいと感じました。

また、この頃に色々なお客様のマーケティングをお手伝いしていて、企業と生活者が双方向性のやり取りをしながら両者で考えて行く、「情報共鳴型マーケティング」を創って行くことが大切で、インターネットでその様な環境が作れたら面白いと思いました。

毎日夕方の5時には仕事が終わる恵まれた環境にいましたので、インターネットは何で、米国で動き出したインターネットマーケティングについて少し調べてみることにしました。

そんな時に日経新聞の小さな記事で、社団法人ニュービジネス協議会が「ビジネスプランコンテスト97」のビジネスプランを公募していることを知り、丁度良いので今考えていることをプランにまとめて、このプランコンテストに出してみることにしました。

「ネットフォーカスグループの組織化による情報サービス事業~生活者と組織のコワークを促進するネットワークの形成を目指して~」

これがその時に考えたプランのタイトルです。

考えたサービス内容は今のネットリサーチそのものですが、97年の当時はネットリサーチも、インターネット調査や、インターネットリサーチという言葉もなかったので、こんな長いタイトルになりました。

このビジネスプランが書類審査と、7人の審査員の前でのプレゼンを経て、「優秀賞」を頂くことができました。「あれ、これはビジネスになるのかもしれないな。」、「新しいリサーチの形になるのかもしれないな。」、そんなことを具体的に考える切っ掛けになりました。

そういう意味で、この様なベンチャーを支援のイベントって大切だと思います。このプランコンテストは、私の人生にとって大変ありがたい存在でした。

この時に頂いた小さなトロフィは今でも大切にしています。

でも、副賞でいただいた20万円は1ヶ月ほどでほとんど友人と飲んでしまいました。

2011年8月15日 (月)

起業家の方々

「ビジネスプランコンテスト97」で有難かったのは、有楽町の東京国際フォーラムで受賞パーティまであり、色々なベンチャー起業家にお会いする機会があったことです。

こちらの受賞式はベンチャー企業を立ち上げてりっぱに経営している方の表彰がメインでしたが、そこには新聞や雑誌によく出てくる有名なベンチャー経営者の方々が目の前に沢山おられました。

日本マクドナルドの藤田社長、ユニチャームの高原社長、ドトールの鳥羽社長、CSKの大川社長など、いつも雑誌で拝見するきらびやかで有名な経営者が目の前におられます。

勇気を振り絞ってご挨拶に伺うと、皆さんとても明るく、エネルギッシュで、魅力的な方々ばかりでした。

藤田社長には学生部門で賞を取った慶應大の大学院生と2人でご挨拶に行きました。藤田社長が書かれていた「ユダヤの商法」等の本は何冊か読んでいたので、ドキドキしながら話を伺いに行きました。

すると藤田社長が彼女が慶應大の学生だと聞いた時に、「そうかあ君は慶應の学生かあ。私は東大法学部だったけど、回りは役所で働くことしか考えていない馬鹿な奴が多くてちっとも面白くなかった。自分も慶應の様な自由な学校に行っていれば、人生が変わっていたかもしれんな。」と仰いました。

それで私が「もし藤田社長が慶應に行っていたら、今頃は何をされていたと思いますか?」と質問をさせていただきました。

藤田社長はうーん、と5秒くらい考えてから、「結局は今と同じ商売をしていただろうな。この道しか考えられないなあ。君たちも商売の世界でしっかり頑張りたまえ。」と言って豪快に笑っておられたのを良く覚えています。

とても人間的に大きくて魅力的な方でした。話を伺ったのはおそらく5分ほどだったでしょうが、1時間くらい話をした様な興奮を覚えながら帰路に付きました。

藤田社長は2004年にお亡くなりになりましたが、今でもその時に頂いた名刺を大切にしています。

こんな素晴らしい出会いも「自分の好きな仕事を立ち上げてみたい・・・」という気持ちを強くしてくれました。

2011年8月17日 (水)

ヘッドハント

インターネットを使ったリサーチの事業をやってみたいなあ・・・

でも会社ってどうやって作るのだろう?

そもそも事業を始めるにはいくらお金が必要なのだろう?

急に会社を作ろうと思っても、普通は何をどうしたら良いか分からないですよね。こういうことは考えれば考えるほど不安になるもので、少し考え出しただけで直ぐに煮詰まりました。

そんな時に、会社に「実は私はXXXXというヘッドハント会社の者です。高井さんのキャリアを必要としている会社があります。是非、1度話を聞いてもらえませんか。」という電話がありました。

こういう電話って本当に突然会社にかかって来るんですね。どんな話か分かりませんでしたが、自分は仕事がなくなって中途半端な状況でしたので、「では、お話だけでも・・・」と小さな声で答えて指定の喫茶店に行きました。

そこには60歳過ぎの大柄で温和そうな紳士が待っていました。ある金融系シンクタンクのマネジャーのお話でした。なるほどそのポジションなら今までの経験も活かせそうです。「興味があるので具体的な話を聞かせて下さい。」と話を進めました。

先方の役員と3度ほど面談をして、是非来て欲しいということになりました。マーケティング分野を強化するために経験者のノウハウが必要で、私の経験はピッタリだと言って頂けました。そして、提示された条件も現職を上回るもので全然悪くありません。

この話に載れば自分が主体的に働けるリサーチの世界に戻れるんだなあ、とちょっと安心しました。

しかし、「インターネット上のフォーカスグループの構築による情報サービス事業」の構想と、少し前にお会いした起業家の皆さんの魅力的な表情や、藤田社長の「結局この道しかなかったなあ」という豪快な笑い声が頭から離れていませんでした。

生活者の声をインターネットで集めて、企業にお届けする。生活者と企業のインタラクティブな情報のやり取りの中で、情報共鳴型マーケティングのお手伝いする。そんなサービスを作ってみたいという気持ちだけが大きくなっていました。

それで、金融系シンクタンクの方には、「興味はあるのですが、しばらく考えさせて欲しい。」と最終返答を延ばしていました。

2011年8月19日 (金)

呼び出し

ヘッドハント会社の情報管理はしっかりしていると思ったのですが、私の様に3ヶ月ものらりくらりを続けていると色々あるみたいです。

ある時、経営企画部長のIさんから急に呼び出しがありました。行ってみると「高井さん、何か会社に隠していることないかな?」と言います。「何のことでしょうか?」と聞くと、「XXX総研から君が欲しい、という申し入れが来て、A社長が引き止めるように言っている。」というのでした。

もちろん会社には内緒でプライベートな時間に動いていたのに、突然、自分の転職話が経営企画部長から出たら焦りますよね。「何でばれたの?、誰がばらしたの?」と頭の中は一瞬で真っ白になりました。

私の態度が煮え切らないので、先方のシンクタンクかヘッドハントの会社が情報を流してしまったのです。(ヘッドハントもこういうこともあるので注意した方が良いですよ)

でもばれたのならしかたないと、言いたいことを言わせてもらいました。

「会社の方針や方向性と合わないで。だいたいA社長は酷いです・・、私はリサーチャーをやるためにこの会社に入って頑張ってきたつもりです。やっと築いたお客様の信頼に対して不義理をしなくてはいけない気持ちが分かりますか?、私にはITコンサルなんてできませんし、やる気もありません・・」

「この会社でやれることないのか?、できるだけ希望に沿った異動を考えるけど。」

「こんな会社にやりたい仕事なんてありません。リサーチの世界で生きて行きたいので、申し訳ないですが辞めさせて下さい。」

「今から銀行が作ったシンクタンクに行っても面白くないんじゃないか。」

「でも今よりはずっといいと思います。」

「あまり君にとって良い選択じゃないな。他には本当に君のやりたいことはないのか?」

・・・・・・

「実はインターネットを活用した情報サービスの構想で優秀賞を頂きました。その事業をやりたいという思いはあるのですが・・」

「優秀賞を取るなんてすごいじゃないか。その事業プラン、俺にも見せてくれよ。何か力になれるかもしれないからさあ・・」

という流れから、I部長との話しが始まりました。

2011年8月20日 (土)

社内ベンチャー制度って

「面白いプランじゃないか。応援するからCRCの新規事業でやってみろよ。」

「CRCのコストやスピード感覚では無理ですよ。」

「じゃ子会社を作ってやるのはどうだ。」

「もう親会社に振り回されるのは嫌なんですよ。」

「じゃ、会社でベンチャー制度を作ってやる。それで挑戦してみたらどうだ。」

「社内ベンチャー制度って何ですか??」

「丁度社内活性化のために必要だと思っていたんだ。俺がいい制度を作ってやるからやってみろよ!」

実際にはI部長と2人で4、5回やり取りをしたのですが、こんな話の流れで「社内ベンチャー制度」を作ってもらって、ネットリサーチ事業を始めることになりました。

ヘッドハンティング会社が意識的にリークしたのか、先方の総研が先走ったのかは分かりませんが、人生なんて本当に分からないものです。

どうやって会社を作ったら良いか分からない、会社を創る資金が十分にない、システムをどこに頼んだら良いか分からない、事務所も見つけなくてはいけない、そんな課題のほとんどが「社内ベンチャー制度」でやらせてもらうことで一気に対応方法が見えました。

I部長は、その後、伊藤忠商事の部長に戻って、ファミリーマートのUSA社長や常務をやって今年退任になりました。その後も懇意にさせていただいて、退任時にも会食をして、その時のお礼を申し上げることができました。

Iさんも私の人生の恩人です。普通は部門のリストラという事情はあっても、あんなに勝手なことを言う社員の話を粘り強く聞いてくれて、新しい制度まで作ってくれたことに心から感謝をしています。

こういうこともあるから、人生は面白いのだと思います。

2011年8月21日 (日)

事業化の準備

I部長が作ってくれた社内ベンチャー制度で、今で言う「インターネット調査事業」にチャレンジすることを決めました。

お誘いを受けていた金融系シンクタンクの経営企画部長に説明したら、「君は絶対に騙されているよ。会社はそんなに甘くはない。君1人のことで新しい制度を作ったり、新しい会社を作ったりすることはないよ。そんな危ない話に乗って、この話を断って本当に良いのですか??」と忠告されました。

でも、I部長は約束どおりに社内ベンチャー制度を作ってくれました。そして、その制度で会社を作るから、A社長と、K副社長に事業プランを直接説明するように言われました。

しかし、トップのお2人に事業プランを説明に行くと、思わぬ反応が寄せられました。

A社長は「高井君なあ、僕は真剣に君のプランを読んだけど、この事業プランが本当に商売になるのかどうか分からんかった。」と仰ります。

そして、K副社長は「高井君ねえ。この事業は絶対にうまく行かないよ。これは止めた方が良い。この事業がうまく行かない理由は4つある。」と言って、できない理由を論理的に説明してくれました。

1)インターネット上に人は個人情報など恐くて登録しない。

2)もし登録してもいい加減な人がいい加減な答えしか書かない。

3)いい加減な答えをいくら分析しても何も役に立つ情報にならない。

4)役に立たない情報に企業はお金を払わない。

だから商売にならない・・・というものでした。

K副社長は東大出で頭が良くカミソリと言われていて、IT業界にも精通した方でした。1997年のインターネット環境からするとこれが常識的な見方だったのだと思います。

社内ベンチャー制度はできたものの、それに私のプランを適応するのは時期尚早、1年間は準備をして、その結果を見てから判断するという流れになりました。

分が悪くなるのを見てI部長が援護射撃を打ってくれました。「社長、これからはインターネットの時代で、こういうビジネスは迅速に取組むことが必要なのだと思うのですか・・・」

「いや、I君、わしは彼のプランを真剣に何度も読んだが、本当に商売になるか分からんのだよ。この状況で進むのは危険なので、ちゃんとF/Sをやらせるべきなのとちゃうんか。」と A社長は引きません。

私は頭に血の上るのが分かりました。「これじゃ話が違うじゃないかあ!」と怒鳴ってしまいそうになりました。でもその時に、私の事業プランにA社長が沢山の赤線を引き、色々とコメントの書き込みまでしているのが見えました。

A社長はちゃんと自分のプランを読んでくれている。社長はちゃんと読んでくれているんだ・・・。そう何度も心の中で繰り返していううちに冷静になりました。

社長室を出るとI部長は私を会議室に招いて、「説得できなくてすまなかったな。でも2人とも悪い人ではない。お前のことを考えての判断なのだと思うよ。高井さんなあ、お前の力で爺さん達にちゃんとできることを見せてやれよ。」と仰りました。

A社長がちゃんとプランを読んでくれたという思いと、金融系シンクタンクの経営企画部長が言った「君は騙されているよ。」という言葉が頭の中で交錯していました。

2011年8月22日 (月)

ネットリサーチ会社の準備

A社長、K副社長との話し合いが終わり、4月からインターネット事業部に移り、机1つとPC1台と、300万円の予算を貰って、社内発注で簡単なシステムを作ってネットリサーチの準備を始めることになりました。

そして、しばらくしてA社長に呼ばれて1対1で話をさせていただく機会がありました。

A社長から「新しい部署はどうや、インターネット事業部長にはちゃんと説明してあるからしっかりやるように。」と仰って下さいました。

でも自分は焦っていました。ちゃんとインターネット調査のビジネスが立ち上げられるのか、ちゃんと社内ベンチャーとして認めてくれるのか、そして、本当に会社が作れるのか・・・

それで、私は「これから不休不眠で急いで準備を進めるので、3ヶ月で大丈夫です。7月には会社を作るかどうか審議をして下さい。」とお願いをしました。

でもA社長は「高井くんなあ。そんなに急ぐなよ、事業の準備には急いでも半年から1年はかかるものだ。その位は時間をかけてしっかり準備をしなさい。」と仰います。

でも、私は焦っていましたし、急げば3ヶ月でできると思い込んでいましたので、「いや、社長、寝ないで頑張りますので3ヶ月で線を引いて下さい。それまでには何とかやってみせますので。」と言うと、また「いやいや、半年から1年はしっかり準備をしなさい。」と言います。

「でも社長、私は・・・」と3度目に食い下がった時に、突然A社長が「お前なあ、商売をなめたらあかんでえ。自分は伊藤忠で長いこと繊維の商売をやり、何人も商売で失敗して夜逃げをしたり、家庭を崩壊させたり、自殺したりした人を見ているんだ!、君にそんなことをさせないために言っているのだから、黙って私の言うことを聞きなさい!!」と厳しく言われたのでした。

でもその時は全く納得できませんでした。本当にわからずやなオッサンだなあ。7月までにはしっかりしたF/Sをやってみせるから見ていろよ、という気持ちでした。

簡単なシステムを作ってもらって、モニター募集を開始したのが6月で、その翌月の1998年7月から、今も毎月実施している自主調査の「定期アンケート」を開始しました。

色々と工夫をすることで、モニターの登録者も徐々に増えてきました。そして、調査を依頼するとしっかりした回答が帰って来ました。回収したデータを大切に分析したらちゃんと傾向値も出てきます。コメントも8割以上ありリッチでしっかりした内容であることに驚きました。

そして、以前お取引していた企業の方々から、「高井さんが始めたのなら協力するよ」といってトライヤルの仕事も出してもらえました。

すごいなあ。モニターさんはちゃんと真面目に答えてくれるじゃないですか。そして、企業の皆さんも面白い、結構使えるかもと仰っていただけました。この頃は毎日が驚きと小さな感動の日々でした。

K副社長の仰る4つのできない理由が、1つ1つクリアできてきた思いで徐々に自信もできてきました。

でも、一通り準備が出来たのは1997年の12月でした。準備を初めて9ヶ月も経っていました。

A社長の言っていたことが正しかったこと、世の中には亀の甲より年の功ということがあることを知り、自分のいたならさを実感した9ヶ月でした。

2011年8月23日 (火)

会社設立

9ヶ月の準備期間を経て、K副社長が言っていたネガティブな要因を潰して行きました。

1)インターネット上に人は個人情報など登録しない。→ 色々と工夫をして1万人近く集まりました。

2)登録してもいい加減な人がいい加減な答えしか書かない。→ 色々と検証しましたがちゃんとした分析傾向が出ました。

3)いい加減な答えを分析しても何も役に立つ情報にならない。→ 沢山のお客様に調査結果を見てもらいましたが、面白い結果だとご評価いただけました。

4)役に立たない情報に企業はお金を払わない。→ 20社から小さなお取引をいただくことができました。

「K副社長、4つの課題とも何とかクリアできそうです。」そんな気持ちで事業計画を作り、社内ベンチャー制度で会社を作るかどうかの経営会議に臨みました。

その前に、I部長の後任のK経営企画部長との打ち合わせがありました。「経営会議の資料を用意した。君の計画通り資本金は3千万円で、CRCが7割、君が3割の出資で始める。

CRCがマジョリティだからCRCの名前の付いた社名で、社長はCRCの役員から出して、君は専務ということでいいよね?」、「やらせてくれるなら、何でもかまいません。」ということで原案も決まり、1999年2月の経営会議で20人ほどの役員の前で、事業計画を説明させていただきました。

この時までにはもう絶対にやりたい。ネットリサーチを事業にしてみたい、そして、良い会社を作りたいという思いが強くなっていました。流れによっては土下座をしてでも頼むつもりで経営会議に臨みました。

1人の常務が口火を切りました。以前の上司で、シンクタンク部門を所管していた常務です。「この事業は意義がある。社内活性化のためにも、是非、進めてもらいたい。」

別な常務も「私も賛成だ。インターネットへの取り組みは大切だ。是非、頑張ってほしい。」と言ってくれました。残りの2人の常務も賛成の意見を言ってくれました。

そして、あのカミソリと言われたK副社長も、賛成の意見を、論理的に述べて下さいました。

しかし最後に、A社長が「ちょっと待てよ。K部長、この計画はちょっとおかしいんとちゃうか?」と仰います。

「何故、この会社にCRCの名前を付けて、何故、高井君が社長をやらないんだ。この事業は誰が考えて、誰がここまでやってきたのや。社長は高井君がやり、社名も彼が考えて付けのが筋とはちゃうんかい。この点の修正をすれば自分も賛成です。高井君、しっかり頑張れよ。」そんなまとめでした。

A社長はしっかり約束を守ってくれました。K副社長もちゃんと認めてくれました。会議でA社長の話を聞いた時には、自分は胸が詰まり、涙を堪えるのがやっとでした。

そして、沢山の方々のご理解と応援のもとで、マイボイスコム(株)は1999年7月に設立しました。

どんな会社も設立までには色々な思いや、経緯、そして小さなドラマがあるのだと思います。

あれからもう13年が経ちました。

そして、会社は作るより続けることの方が何倍も大変なこと、会社経営はなかなか思う通りに行かないことを嫌というほど痛感している毎日です。

それでも多くの方々の理解とご支援があってでできた会社ですので、そのご恩に応えるためにも、しっかり頑張って、感謝の気持ちを持って、マイボイスコムを世の中に役立つ良い会社にしたいと思っています。

 

〇マイボイスコム http://www.myvoice.co.jp/

〇会社概要    http://www.myvoice.co.jp/profile/

 

 

2011年9月 3日 (土)

スタートアップ

会社のスタートアップや、社内ベンチャーのことってあまり経験している人が多くないと思いますので、いくつか紹介させて下さい。

当社がネットリサーチ事業を創業したのは1998年の4月で、マイボイスコム(株)になったのが1999年7月です。

伊藤忠インターネットという会社に出向していた岡島くん(現在の取締役)に出向で来てもらい、Iさんという20代の女性を契約社員として採用して3人の船出でした。

1999年6月までは1,000人を超える大会社だったのが、7月からは従業員3人の会社になりました。

やっていることは変わらず、サイトを構築してモニターを集め、ネットリサーチの説明をしてお客様を探し、リサーチ案件を受注して、調査設計を行って、実査、集計、分析、レポーティング、報告を行うことです。

でも1つの会社になると、色々な規定を作り、毎月の決算書を作り、毎月、経営会議や取締役会を開催して議事録も作り、税務申告もしなくてはいけません。また、会社の請求や支払いも自分達でやる必要があります。

初めての案件が終わった時に「請求書ってどうやって作るのだろう?」と思いました。これまでは会社の経理が立派な請求書を作ってくれていましたがもう誰もやってくれません。ワープロで見よう見まねの請求書を作り、新しく作った社印を押して送りました。

そして、次の月に会社の口座に、そのお取引先から請求どおりの金額が入金されているのを見て、「あんなワープロの請求書でもちゃんと振り込んでくれるんだ。」と不思議な感じがしました。

また、支払いは会社の1階にあったATMから自分で振り込んでいました。これは5年間ほど続けていたのですが、25日の給与日には絶対に入金を忘れてはいけないと緊張しました。

会社の1階に2台の専用ATMがありました。本社にいた約6百人が給与を下ろしたりするために設置されていたものです。そこで毎月月末になると40枚、50枚の請求書を手作業で振込みをしているのですから迷惑な話です。後ろに5人くらい並ぶと「すみません。」と言って最後尾に並んで入金しました。

しかし、25日に社員全員の給与を振り込んで、月末にすべての請求書の振込みを終わると、ああ今月もちゃんと約束どおりに支払いができたんだ、と妙な充実感を覚えました。

1つの会社になると雑用が山ほど出てきます。

でも、本当にあの請求書で入金してくれたんだ、今月もちゃんと全ての支払いが約束どおりにできた、今月は小さいけど黒字になったなど、社員だった時には分からなかった色々な喜びもあるのがスタートアップなのだと思います。

2011年9月10日 (土)

システム投資

社内ベンチャー制度で会社を作り、3千万円の資本金ができました。

3千万円というと個人では結構使いでのある金額に思えるかもしれません。良い車が買えるし、かなり旅行や豪華な食事をしてもだいぶ持つお金です。

でもビジネスの資金で、この中から設備投資や家賃、社員や自分の給与も賄うとなると、けっこうすぐになくなる金額です。そして、社内ベンチャー制度の規定には、この資本金がなくなったら会社は閉めるという条項もありました。

出向できてくれた岡島君が伊藤忠インターネットに出向していた経験から、「ちゃんとしたサーバーやデータベースを入れたらそれだけで資本金の半分はなくなるよ。できるだけ設備投資は抑えないといけないから。」ということで30万円のPC1台と、フリーウェアのデータベースでシステムを準備しました。

それでもCRCへの社内発注でシステム開発に3百万円かかりました。私はシステムのことは分かりませんので、あんなことやりたい、こんなことが必要とシステム担当者のF君に頼んだら、「何を作るのか全く分からん!」と言って机を叩いて怒ってしまいました。(そのF君は今も当社のシステム担当で頑張ってくれてます)

システムの開発費用がハードが30万円、システム開発費用が300万円、とミニマムでスタートしたことは、その後のキャッシュフローの面で助かりました。どんなビジネスでもスタートアップの設備投資は必要最低限のケチケチに徹するのが良いと思います。

安くてチープなシステムでしたが、これができて本当に助かりました。

2011年9月11日 (日)

メルアドチェック

データベースのシステムが出来る前は、テキストベースでモニター情報を管理していました。そのため、モニターへの調査依頼メールも、エクセルで属性別に何度もソートして、必要な人数を抽出して、それをメールのBCCに入れて一斉に送信していました。

この方法だとメルアドの形式チェックが出来ていないので、すべてモニターさんが打ち込んだ状態でメルアドが入っています。

そのためピリオッドがカンマやコロンになっているだけで、メール送信が途中で止まってしまいます。

最初は数百人に送る程度でしたので、目で見ても10分くらいで形式ミスのメルアドを見つけて直せましたが、これが数千人規模になると本当に大変でした。

数千件のメルアドを目で見て間違いを探す、昼間は営業で、夕方から調査票を準備していたので、メール送信のメルアドチェックをしていたのは、いつも夜中の10時、11時で、早く見つけないと終電に間に合わなくなるので焦っていました。

でも不思議なもので、たかがメール送信なのですが、BCCに入れた数千件のメルアドから1時間も2時間もかけてメルアドのミスを見つけて、終電前にメールが送り終わると、それだけですごい仕事をしたような充実感と達成感を持って帰宅することができました。

数千人のモニターさんに調査の依頼をすることができる。そして明日にはかなりの方が答えてくれる、それはこれまでの実査の環境と比較するととんでもなく凄く、ウキウキすることで、1時間や2時間のメルアドミスを見つけるくらい何でもないことだとでした。

1998年の準備期間はこんな状態でしたので、30万円のPCサーバーが入り、300万円でデータベースのシステムが完成すると、とても便利になり、もう目視でメルアドチェックをしなくて良いことがとても大きな前進に思えたのでした。

こういうところもスタートアップの面白いところです。

2011年9月17日 (土)

PCシステムダウン

チープでもシステムができて大変に便利になったのですが、ある時に大変なことが起きてしまいました。

まだパネルが数千人しかいなかった時です。その頃としては大規模な3千人ほどにお願いをする案件でした。いつもの様に夕刻から実査の準備をして、10時過ぎに依頼メールを送信して帰宅をしました。

翌日会社に行くとシステムがダウンしていました。その頃は夜中の11時過ぎがインターネット利用のピークで、10時過ぎに送ったメールでかなりの人が回答に来てくれたため、PC1台のシステムが音を上げてしまったようです。

恐る恐るメールを開きました。約600人からメールが入っていました。

「システムが繋がらなくて答えられません。」というものが大多数でしたが、「どうなっているんだ。」、「折角来てやったのにふざけるな。」と怒っておられる方も沢山いました。

一緒にやっていたO君が「やばいね。この事業もここまでかもしれないね。」とぼそっと言いました。

メールの文面は1人1人違います。心配してくれている人もいれば、戸惑っている人もいます。そして、本当に怒っている人もいます。これは一斉メールで済むことではないと思いました。それで、1人、1人の文面を読んで、自分なりにお詫びのメールを送ることにしました。

昼間から夜中までかけて約600人にメールを送りました。「マイボイスコムの高井です。この度はご迷惑をおかけしてしまって大変申し訳ありません・・・・・。」、1人1人のメールを読んで、感じたことをお伝えしながらお詫びをしました。

「確かにこれで終わってしまったかもしれないな。」そんな失望の中でこの日は帰宅をしました。

でも次の日にメールを開いて驚きました。送ったメールの半数以上の400人位から返事が来ていたのです。

「そんな事情ならしかなたいですね。」、「ちゃんと返事をもらえるとは思っていませんでした。」、「そんなに怒ってはいませんから大丈夫ですよ。」、「1人で頑張っているんですね。これからも応援します。」そんな凄く温かいメッセージに驚くとともに、本当に嬉しくてまたウルウルしてしまいました。

インターネットって無味乾燥な世界ではない。ちゃんと気持ちや誠実さが伝わるコミュニティなんだ。そんなことを実感することができました。

そして、私がやろうとしているネットリサーチ事業は、こんな善意のモニターによって支えられているのであって、そのことを大切にすることが重要なんだと確信しました。

そのため、当社の行動指標に「モニターと顧客に誠実に対応して、信頼される会社を目指す。」という項目を入れて、社内では常に「モニターを大切に!」と話すようにしています。

モニターとの信頼関係こそが、良いネットリサーチを提供するための根っこだと私は思っています。

2011年9月24日 (土)

初期のインターネット調査営業

小さな会社のスタートアップで1番大切なことは何だと思いますか。それは間違いなく販売力があるかどうかだと思います。

マイボイスコムは資本金3千万円でスタートしましたが、会社設立にかかるもろもろの費用やシステム投資で700万円位は直ぐになくなりました。人件費やオフィス代などの固定費を考えると半年ちょっとで残りの資本金はなくなります。

その間で仕事を取って納品し、売上を立てて、入金しないと半年後には確実にキャッシュがなくなります。会社のスタートアップって大体こんな感じで、いきなり追い込まれた状態で始まるものなのでしょう。

私が営業で懸念したのは、「マイボイスコム」という誰も知らない会社で、「インターネット調査」という訳の分からない商品で果たしてアポが取れるのか、果たして真面目に話を聞いてくれるのかということでした。

これまで働いていたCRC総合研究所は社歴が40年以上もあって、社員が千人もいる会社でしたが、知名度が低くてなかなか新しいお客様のアポが取れませんでした。そのためいつも「伊藤忠商事や第一勧業銀行系列のシンクタンクです。」と親会社の信用で営業をせざるを得ませんでした。

それが先ほど出来たばかりの会社です。社員は3人です。まだ実績はありませんが、インターネットでマーケティングリサーチができる様になりました。貴社のマーケティングのお役に立つと思うのでお時間を下さい。と言ってもアポなんて取れないだとうな、と考えていました。

でも色々なつてで紹介をもらったり、電話での新規開拓もやってみたら、意外に皆さん会ってくれるし、ちゃんと話も聞いてくれました。日本社会はビジネスに関してはそんなに閉鎖的ではなく、新しい価値を作って、熱意を持ってお願いすれば、意外に皆さん真面目に聞いてくれるようです。

「伊藤忠商事や第一勧業銀行系列のシンクタンクです。」と言っていた時よりも、「インターネットでリサーチをする会社のマイボイスコムと申します。」という方がアポはずっとスムーズで、新しいお客様も開拓できました。

1999年というとインターネット人口は1千万人ほどで、まだ「ネットリサーチ」という言葉もありませんでした。でもインターネットで生活者の声が集められる、迅速に市場分析ができることに対する興味、関心は高かったのかもしれません。

2011年10月22日 (土)

ベンチャーキャピタル

会社がスタートアップして成長を目指すとやはり資金が必要になります。人を増やす、システムを増強する、パネルを強化する、そのすべてに資金が必要です。

そして、ネットリサーチの黎明期には、設立して数年の小さな会社に色々なベンチャーキャピタル(VC)が来て出資をすると言ってくれました。それは資金不足のベンチャー会社にとっては、とても魅力的な蜜の様な話しです。

当社は上場企業のグループ会社として堅実経営でやっていましたし、人的サービスの専門性と情報クオリティを訴求する方針でしたので、大きな資金は必要ないと断っていました。

それでも他社が資本強化をして事業拡大のスピードを速めると、当社も追随せざるを得なくなり、2005年に伊藤忠テクノロジーベンチャーさんと、ジャフコさんの2社に若干の出資をお願いしました。

VCは資金面と情報面、経営アドバイスの面でスタートアップ時にはとても有難い存在です。

しかし、VCは投資先を上場させてキャピタルゲインを得るのがビジネスですので、投資先の経営状況が芳しくなくなると両者のベクトルがずれてしまうことも多々あるようです。

当社に出資いただいた2社は紳士的なVCでしたので、当社の立場や考えも重視してくれましたし、出資比率も小さかったので、強権が発動されることもありませんでした。

でも多数のVCから多額の出資を受けていたネットリサーチ会社は、市場環境が悪くなって上場が難しくなると、資金豊富なIT企業に売却せざるを得なかったようです。

あるネットリサーチ会社の社長から、「思った以上の良い条件で〇社への売却が決りました。これでやっとVCにも納得してもらえると思うので、ホッとしましたよ。」と安堵の声を聞きました。

2006~2007年にネットリサーチ会社の大きな再編がありましたが、それは創業社長の個人的な利殖のために売却したのではなく、VCからの多額の出資が影響したのだと私は理解しています。

2011年11月 5日 (土)

インターネット調査会社の機能

ネットリサーチが出てくる前までは、リサーチ市場は各社が得意な専門領域(業界や調査手法)を持って棲み分けをしている、どちらかというと競争の少ない市場でした。

また、それぞれの得意領域で人的な専門サービスを提供する業態であるため、比較的小さな専門会社が多い業界でもありました。

日本マーケティング・リサーチ協会の「第36回経営業務実態調査」を見ると、現時点でも会員であるリサーチ会社の平均従業員数は49人で、調査業務従事者は37人となっています。

特定の分野や手法に絞ると、この位の業務量しか確保できなかったこともあるでしょうが、これ以上の規模になると、人的サービスの「質」が保ち難かったこともあったのだと思います。

しかし、2010年のマクロミルさんのヤフーバリューインサイト社の吸収によって、従業員が500人を超える巨大なネットリサーチ会社が出来ました。

また、この合併でマクロミルさんの筆頭株主がヤフーさんになったので、システムやパネルのリサーチインフラを提供する「インターネットビジネス」の性格が強くなるのではないでしょうか。

ネットリサーチは「インターネットビジネス」と「リサーチビジネス」の両方の機能を持ったサービスです。このどちらも求められているのがネットリサーチ業界であり、各社がどちらに軸足を置いてサービスを展開するかで会社の特色は大きく異なります。

当社は設立当初から「専門性の高いサービス」と、「クオリティの高いデータ」でお役に立つリサーチ会社を目指して来ましたので、これからもその方向で頑張って行くつもりです。

また、お客様の中には「インターネットビジネス」のリサーチインフラではなく、「リサーチビジネス」の専門サービスを求めている方が意外に沢山おられるようにも感じています。

 

〇マイボイスコムの経営理念

「生活者と企業のコミュニケーションメディア」として、クオリティの高い生活者情報と、 専門性の高いサービスで、企業のマーケティングを支援し、豊かな消費生活に貢献する。

http://www.myvoice.co.jp/profile/philosophy.html

〇第36回経営業務実態調査(2011.6)」

http://www.jmra-net.or.jp/trend/investigation/pdf/realities_36/gyoumujitai2011.pdf

2011年11月12日 (土)

インターネット調査会社の収益

ネットリサーチには、「インターネットビジネス」と「リサーチビジネス」の2つの顔があると申し上げましたが、収益を出すには「インターネットビジネス型」が圧倒的に有利です。

リサーチの経費は固定費である人件費の割合が大きく、リサーチ会社は人手間をかければかけるほど収益が下がる収益構造となっています。

ネットリサーチによって実査の効率は大幅に向上しましたが、調査設計や調査票作成、分析や考察、提案は「人」にしかできません。それも色々と経験を積んだ専門性のあるスタッフでないと、お客様に喜んでいただくことはできません。

この専門性の高いスタッフを育成することと、お客様にご満足頂くリサーチをするために十分な作業時間をかけることがコストを引き上げてしまいます。そして、現在のネットリサーチの市場価格では、なかなか十分な作業時間がかけられないのが頭の痛いところです。

ネットリサーチによって、マーケティングリサーチの価格は大幅に低減しました。しかし、それによって、今までの様な作業時間がかけられないところに、お客様のリサーチ会社に対する満足度低下の原因があるようにも感じています。

ネットリサーチ会社で高い利益を確保するには、専門スタッフに頼らない、パネルサプライや、データ回収と自動集計ツールの提供といったビジネスモデルにするべきなのでしょう。

でも、ネットリサーチは色々なお客様が必要としています。すべてのお客様がご自身で調査設計ができ、正しい調査票が作れて、集計や分析やレポート作成に対応することはできないと思います。

リサーチの経験もなく作業を行う時間もないので、専門の会社に任せたいというお客様の課題解決に向けて、頭からお尻まで、専門性と責任感を持って、親切丁寧に対応できるネットリサーチ会社も必要ではないでしょうか。

当社はそんな「リサーチビジネス型のネットリサーチ会社」になりたいと考えています。

 

2011年11月13日 (日)

インターネット調査会社の起業目的

私は15年ほどシンクタンクで従来型のリサーチに係わってきて、新しいリサーチサービスを作りたいという思いでマイボイスコムを設立しました。

しかし、同じネットリサーチ会社の創業者でも、色々な目的や思いで起業される方がいるのだなあ強く感じることがありました。

もう5年も前になりますが、あるネットリサーチ会社の社長と飲みに行く機会がありました。彼と飲みに行くのは初めてで、先方から情報交換をしようというお誘いを受けて伺ったものです。

その時にお互いの会社の状況や、ネットリサーチ業界や市場の動向などについて、をざっくばらんに意見交換をしましたが、何となく話のベクトルが違うのを感じました。

私はネットリサーチをどうすればもっと良いサービスにできるのか、どうやればスタッフの技術力が向上し、どうやればモニターの裾野が広がり回収率が高められるのか等に興味があり、その様な意見交換を求めていました。

しかし、彼から「私はリサーチをやったことにありませんし、リサーチそのものには興味がありません。私の興味はどうやって事業を大きくし、会社を大きくするかです。その目的でネットリサーチの分野を選んだのであって、ラーメンチェーンの方が事業の可能性が大きければ、ラーメンチェーンでも良いんです。」と聞いて大変驚いたのを覚えています。

そして、その会社は彼の狙い通り大きく成長して行きました。

起業の動機や目的は人それぞれです。そして、その考え方によってそれぞれの会社が何を大切にして、どの様なサービス提供や会社運営をするのかが決るのでしょう。

従来型のリサーチ会社であれば、そこの社長や経営者はリサーチの経験者であり、リサーチの職人的なところを持っていたと思います。

でも、現在のネットリサーチ会社にはその様な共通の経験値はありません。色々な価値観や基準で運営されている世界であることは間違いないと思います。

 

〇マイボイスコム http://www.myvoice.co.jp/

 

2011年12月 3日 (土)

リサーチ会社のインプット

良いリサーチサービスを提供するには、社員が主体的に学習して、新しい情報を収集し、付加価値を付けることがとても大事だと思います。

私はもう自分では案件を担当しなくなりましたが、こちらでもご紹介したIBM(SPSS)の「Business Analytics Forum Japan 」や、JMRAの「アニュアルカンファレンス」、それに、消費者行動研究学会のカンファレンス、日本マーケティング協会(JMA)のセミナー、JMRX勉強会等にできるだけ参加するようにしています。

そして、当社の社員にもこれらのイベントやセミナーには、できるだけ参加するように勧めています。それでも案件が忙しいため、大きなイベントでも10人位が参加するのがやっとという状態です。

しかし、それぞれのイベントやセミナーに行って感じるのは、ネットリサーチ会社の社員が非常に少ないことです。

アドホック調査の4割もネットリサーチが占める様になり、その役割が大きくなっているのに、勉強会や研究発表のイベントでは、従来型のリサーチ会社さんからの出席者の方が圧倒的に目立つのはどうしてなのでしょう?

1つには、ネットリサーチ会社には、リサーチビジネスというより、リサーチインフラを提供する「インターネットビジネス型」の会社が多いこともあると思います。

調査の設計や分析、レポーティング、提案は、従来型のリサーチ会社さんや、広告代理店さん、シンクタンクさんが行って、そこのデータ回収やパネルサプライをネットリサーチ会社が担当するという構造です。

そして、もう1つはネットリサーチ会社がスピード対応の中で、今日の明日のという短い納期に追われているため、なかなか半日、1日のインプットの時間が確保できないのが影響しているようにも思います。

学習して新しい技術や情報インプットしなければお客様に喜ばれる良いサービスは提供できないのに、学習する時間が確保できない、インプットしてもそれが活かせる業務でない、というあたりがネットリサーチ業界の矛盾なのかもしれません。

あるネットリサーチ会社では、今でも100時間近い残業をしているという話を聞いています。これでは忙しすぎて勉強しようと思ってもできないでしょう。

当社の残業時間はこの3年間で10時間ほど減少して平均35時間になりました。そして、リサーチのノウハウを提供する「リサーチビジネス」で生きて行きたいので、できるだけ社員に勉強する機会を設けて、技術対応で評価頂ける会社にしたいと考えています。

なかなか思うようには行きませんが、「勉強会やイベントには、参加しろ、参加しろ・・・」と言い続けるつもりです。

〇日本消費者行動研究学会 コンファレンス

http://www.jacs.gr.jp/conference/index.htm

〇JMRX勉強会

http://kokucheese.com/main/host/JMRX%E5%8B%89%E5%BC%B7%E4%BC%9A

2011年12月10日 (土)

インテージさんとの提携

当社は2009年11月にリサーチ会社トップのインテージさんと若干の資本提携をして、ネットリサーチの分野などでの協業をさせていただいています。

インテージさんは社歴が51年もあり、東証1部に上場し、従業員はグループで2,000人もいる日本で1番大きなリサーチ会社です。そして、日本マーケティング・リサーチ協会の会長も同社の田下会長が務めているなど、日本のリサーチ業界のリーダーであることは間違いありません。

インテージさんもマクロミルさんと同様に巨大なリサーチ会社で、ネットリサーチにも積極的に取組んでいますが、同社は間違いなく「リサーチビジネス」に軸足をおいた会社です。

インテージさんの方と話をしていると、リサーチのことが良く分かっていて、リサーチの技術がしっかりしていて技術者としての拘りのある社員が沢山おられることが分かります。

そして、長年リサーチに係わってきた方々が経営をしているので、リサーチの現場感覚が経営層まで浸透していることが分かりますし、そのことが同社の強みなのだと思います。

ネットリサーチのパネルやデータの品質に関しても色々な研究をしていますし、品質の良いネットリサーチをどうやって提供したら良いかも真剣に考えていて、ネットリサーチに対する価値観にも共通するとこがあると感じています。

そのため、あることを切っ掛けに資本提携をお願いしました。当社はインテージさんとも連携をしながら、ネットリサーチ市場が少しでも良い方向に動くように、「リサーチビジネス」の視点で微力を尽くしたいと考えています。

〇インテージ http://www.intage.co.jp/

 

2011年12月28日 (水)

消費意識調査2011

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最近の調査結果から「消費意識に関するアンケート調査」
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2011年9月に「消費意識」の自主調査を行いました。同じテーマの調査は2年前にも実施していますので、その比較の中で特徴的なことを紹介します。

1年前と比べた収入は、減少が35%で増加の15%を大きく上回っています。
また、1年前と比べた購買意欲も減少が34%、増加15%で、収入減→購買意欲の低下、という悪循環が続いている結果でした。
しかし、2年前の調査結果と比べると、消費意欲の低下は45%→34%(11%減)で、支出額の減少も38%→25%(13%減)と改善しています。

まだ不況が続いて収入の減少が続き、震災や原発問題の影響で社会不安も続いているため、消費マインドは冷えた状態ですが、この調査結果を見る限り消費マインドの冷え込みは昨年度で底を打ったのかもしれません。

1年前と比べてお金をかけていることは、1)食品・飲料、2)旅行・レジャー、3)外食・グルメで、お金をかけるのを我慢しているのは、1)旅行・レジャー、2)衣料品・アクセサリー、3)外食・グルメとなっています。

不況と収入減少の中で「節約しつつ、ちょっと贅沢を楽しむ(38%)」という消費行動スタイルの生活者が増えているようです。

調査結果は下記で公開しています。また、詳細なレポートも作っていますので、ご興味がありましたらご覧下さい。

○消費意識に関するアンケート調査(第2回)2011.9
http://myel.myvoice.jp/products/detail.php?product_id=15817

○消費意識に関するアンケート調査(第1回)2009.9
http://myel.myvoice.jp/products/detail.php?product_id=13411

〇マイボイスコム http://www.myvoice.co.jp/

 

 

本日で2011年の業務は終了しました。

来年もよろしくお願いいたします。

 

2011年12月29日 (木)

2011年のヒット番付調査

年末は日経MJさんが毎年ヒット番付を行ったり、日本漢字能力検定協会が今年の漢字を発表したりしていますので、当社でも12月の定期アンケート調査で「2011年のヒット番付調査」を行いました。

調査時期は2011年の12月1日~5日で、マイボイスのモニターから11,686人の回答を集めました。

2011年が「良い年であった」という意見は44%で、昨年の54%と比べて10ポイント下がっています。3月の東日本大震災や原発問題等で日本社会の不安が増幅していることが反映した結果といえます。

今年の漢字は「絆」であると協会から発表されましたが、当社の調査で「2011年を1文字で現すと?」という質問(FA)で1番多かったのは、「忍」、で、次いで、「災」、「苦」、「絶」、「震」と続き、「絆」は6位という結果でした。

最も印象に残った出来事は「東日本大震災」がトップで、「なでしこJAPANのワールドカップ優勝」が2位、最も流行したと思う言葉は「なでしこジャパン」がトップ。その他は「絆」、「がんばれ・がんばろう東日本/日本」、「ポポポポ~ン」、「節電」など震災関連が多くなっています。

また、2011年に最もヒットした/来年ヒットすると思う商品・サービスのいずれも「スマートフォン関連」がトップ。節電・エコ関連商品や、電気自動車などもヒットと予測に入っていました。

確かに2011年はそんな1年だったなと納得できる調査結果でした。来年の2012年は飛竜のごとく成長できる良い1年になるよう頑張って行きたいですね。

来年もよろしくお願いいたします。

〇「2011年のヒット番付」の調査結果はこちらでご覧いただけます。

http://www.myvoice.co.jp/biz/surveys/16117/index.html

6.2011年で最もヒットしたと思う商品・サービス
〔2011年の1年間で、最もヒットしたと思う「商品・サービス」を1つだけお答えください〕
 

2011年ヒット番付

〇マイボイスコム http://www.myvoice.co.jp/

 

プロフィール

フォトアルバム

Takai kazuhisa

伊藤忠系シンクタンクの社内ベンチャーで、1999年にネットリサーチ会社のマイボイスコムを立ち上げて社長をやっています。会社を作ることより続けること、良い会社を目指して経営することの難しさ日々感じながら奮闘している毎日です。夜は神田や神保町あたりの居酒屋に出没し、休日は自然散策やアウトドアを楽しんでいます!