不安を感じる出来事
日本の給与水準が20年も横這いなのは、それだけ長く日本経済の低迷が続いているからでしょう。
確かに20~30年前の日本経済は強かったですが、今よりハードに働いていたようにも思います。
私が出身母体のンクタンクで勤務していた時は21時、22時までの残業は当たり前で、年度末の忙しい時期には徹夜でレポートを書くこともよくありました。
「36協定では、、」ということも聞いたことはなく、「24時間戦えますか。ビジネスマン、ビジネスマン、ジャパニーズビジネスマン」というテレビCMがありましたが、特に違和感もなかったのでそんな時代だったのでしょうね。
そんな働き方には無理があったと思うし、働きやすさという面では日本は良くなったと思います。
しかし、国土が狭く資源のない日本が経済成長し、国民の給与も上げて豊かな生活を送るには、人が精力的に働くことで価値を生み出すしかないのも事実なんだと思います。
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日本人は勤勉で礼儀正しい国民性だと言われてきましたし、それは日本の長い歴史の中で培われた日本人の美徳なのだと思います。
最近この日本人の美徳が変わってしまったのかと感じる出来事がありました。
それはこの春に当社がリサーチャーと企画営業の求人をした時のことです。
2つの求人サイトに掲載したところ300人もの応募者があり、条件に合いそうな15人の方に面接の連絡をして来社やWEB面接の約束をしました。
しかし、約束をした15人のうち6人もの方が、事前に何の連絡もなく来ませんでした。
こちらは3人の面接官が時間をかけて応募資料に目を通して待っているのに、なぜメールの1本も打てないのかと空しい気持ちになりました。
こんなことは初めてでしたが、この6人の全員が25才以下の若者でした。
彼らは生まれてからずっと経済が低迷し、雇用も不安定で社会保障にも不安がある環境で育って来た世代なので、日本の社会や企業に対する信頼が薄れているのでしょうか?
その原因は分かりませんし、今回はたまたまなのかもしれませんが、自分達の世代では考えられない無責任な行動に不安を感じました。