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2011年6月

2011年6月30日 (木)

優位性4) 音声や動画の活用

調査に音声や動画や、サイト情報を使えるのも調査の対象範囲を広げることになりました。

動画はテレビCMの事前のクリエイティブ評価や、事後の純粋想起の後に動画をストリーミングで出して助成想起でもう1度答えてもらう様な場面でよく使っています。

また、ある回答をいただくのでサイト上に出ている説明や動画を見ていただいたり、その流れで、特定のサイトを見て使ってからサイトの評価や改善要望を聞かせてもらう「WEBサイト評価」の様な調査もメニュー化しています。

この様な動画を見て頂くテレビCMの評価や、実際のWEBサイトを見て頂く調査などは、以前であれば銀座や赤坂の会場に集まってもらって回答する、会場テスト(CLT)でしかできませんでした。

静止画だけでなく、動画や音声を調査票に埋め込むことができ、その画像や音声を聞いてからでないと設問に答えられないような設定もできますので、わざわざ集まっていただかなくてもテレビCMやWEBサイトの調査をすることもできます。

こんな音声や、動画、サイトの活用もインターネット調査の特長だと思います。

〇広告調査

http://www.myvoice.co.jp/menu/ad.html

〇WEBサイト評価調査

http://www.myvoice.co.jp/menu/web.html

2011年6月23日 (木)

優位性3) 大規模回収とレアサンプル回収

大規模回収や、レアサンプル回収ができるのもインターネット調査の特徴です。

当社では1998年7月から、毎月、自主調査を実施していますが、こちらは毎月5万人の回収を行っています。こんなに大規模なアンケートデータベースを、弊社の様な小さな企業が作れたのも、ネットリサーチが安価にできるからです。

また、お客様から依頼された調査でも、3ヶ月に1回、継続して全国から1万件のサンプルを取って、9ブロックの地域別×性別×年齢階層別に、四半期ごとにブランドの変化を見る調査を、3年間お手伝いしたこともあります。

こちらは3年間で12万件の回収を行いました。これを郵送調査でやったら、回収率が10%としても120万件の発送が必要です。印刷と発送費とラベル代、回答謝礼と郵送費、人件費も入れるとざっと3億5千万円もかかることになります。

こちらのクライアント様はとても大きな企業でしたが、年間で1億円の予算がかかったら絶対に実現できなかったと思います。

また、大規模回収によってレアサンプルの調査もできるようになりました。

Aという緑茶飲料の飲用者をターゲットにBという商品を提案したいので、Aの主飲用者を5歳刻みの年齢層×性別で、各セル100人づつ回収して、どの階層に一番ニーズがあり、どの特性がどの階層に1番響くか分析したいという様なリサーチもできます。

5年以内にAブランドのPCから、BブランドのPCに買い換えた人から500人の調査を行い、ブランドスィッチの実態を分析したいというリサーチも沢山やっています。

ただ、インターネット調査ではかなりのレアサンプルでも回収できるため、お客様から「XXXを持っていて、XXXを行っていて、XXX業界で働いている人から500人のデータを取りたい」という様な、レアな条件を3つも4つも掛け合わせたご要望が来ることもあります。

この様な出現率が1%にも満たないようなケースでは正しい調査ができませんが、レアサンプル調査もインターネット調査の優位性だといえます。

2011年6月20日 (月)

優位性2) インタラクティブ性

インターネット調査はインタラクティブ性(双方向性)にも優れています。

これまでの郵送調査や訪問調査は、数ヶ月の時間と数百万円以上のコストがかかりましたので、1度調査を実施したら、追加で聞くことの難しい世界でした。

そのため実査の前には、クライアントさんと何度も話し合って検討し、できるだけしっかりした調査設計と調査票を準備してから開始しました。

そして、あとはちゃんと課題解決に向けた調査結果が得られるのか、発送から回収、パンチが終わり、集計結果が出るまでの3、4週間は祈るような気持ちで毎日の調査票を待ち続けていました。

今から考えると、この何度も話し合って決めることと、やり直しは聞かないという気持ちと、結果が出るまで祈るように待つ時間はリサーチにとって大切なことだったように思います。

この様な環境だと、どれだけ調査の前に仮説を考えても、調査結果を見て「それが何故なのか?」ということが分からなくても、それを確かめる手段がなく、「おそらく原因はAAなのでしょう、きっとBBの影響なのだと思います。」で終わっていました。

それが、インターネット調査では原因や方向性に仮説外の結果が出ても、想像や推察で判断するのではなく、その該当者に直接聞くことで判断できるようになりました。

これも調査手法としての前進だと感じています。

2011年6月15日 (水)

優位性1) 早さと安さ

私はシンクタンクで色々なマーケティング調査や社会調査を経験しました。調査手法も、郵送調査、訪問調査、電話調査、ディプスインタビュー、グループインタビュー、会場テスト、文献調査、統計分析調査など、色々とやらせてもらいました。

これらの従来型調査をやった経験から、やはりインターネット調査の「早さと、安さ」は大きな魅力だと思います。

例えば「郵送調査」では、調査票を作り、調査票等の印刷を行って、発送ラベルを作成し、調査票の発送、回収、回収票のチェック、督促状ハガキの送付、回収票のパンチ入力、集計、分析、レポート作成と進めて行くと、どうしても2ヵ月から3ヵ月の期間がかかります。

また、例えば500件の回収でも回収率は5~10%しか期待できないので、5,000~10,000件の印刷・発送と、ラベル代やパンチ代、回答謝礼(500円のテレカや図書券)の発送などで、どうしても400~500万円の費用になります。

それが、インターネット調査だと調査設計からレポート作成までで14営業日、費用も20問で90万円、30問で120万円ほどです。また、回収~集計であれば、4営業日、費用は20問で35万円、30問で45万円ほどで出来てしまいます。

郵送調査との比較で、スピードも費用も1/4か、1/5になった感じです。

そのため、インターネット調査は従来型調査を代替するとともに、これまで費用が大きくて取組めなかった企業のリサーチニーズを掘り起こしました。

早く、安く、生活者の声が聞けるのはインターネット調査の大きな特徴ですし、企業が情報共鳴型マーケティングを進める上での重要なツールになっていると思います。

2011年6月13日 (月)

インターネット調査の優位性

私は1980年代から28年ほどリサーチの世界に携わってきました。

前半の14年間は、伊藤忠系シンクタンクのCRC総合研究所(現在の伊藤忠テクノソリューションズ(CTC))で、色々な従来型調査に携わり、後半の14年間は社内ベンチャーでマイボイスコムを立ち上げて、インターネット調査の世界に係わっています。

そのため、従来型調査とインターネット調査の違いや、以前のリサーチ業界と現在のインターネット調査業界の違いも、両方の実務経験から肌で感じています。

従来型調査と比べて、インターネット調査は、早くて、安くて、インターラクティブ性に優れ、画像や音声も使えるし、レアサンプルの意見も聞くことができるし、とっても便利で多機能な調査手法です。

そして、経営判断にスピードが求められる現在に、とても合致している調査手法だと思います。

この特性を正しく活用していけば、リサーチ業界にも、マーケティング業界にも貢献できる有力な調査手法であり、「生活者の意見や要望を企業や社会に伝える」というリサーチのミッションにとって、大変有効な武器になることは間違いありません。

そして、この10年ほどで、だいぶその役割は果たせるようになりました。

インターネット調査市場で色々な問題が生じていることをご紹介しましたが、これからインターネット調査業界がクオリティの改善を進めれば、必ず社会に役に立つサービスとしてより発展できると信じています。

ここからはインターネット調査の優位性についても、最近の出来事や、当社の考え方なども入れて紹介させていただきます。

 

〇マイボイスコム http://www.myvoice.co.jp/

2011年6月 6日 (月)

インターネット調査会社の競争と品質

リサーチ会社はサービス業ですので、お客様により高い利便性を提供することは重要なことです。

これまでは、比較的効率的な郵送調査でも、調査設計からレポート作成までに2ヶ月はかかりましたし、400万円とか500万円の大きな費用も必要でした。

調査票等の印刷をする、発送ラベルを作る、郵送での発送をする、回収を持つ、回収票の確認を行う、パンチ入力をすると、どうしてもそれだけの日数と費用がかかります。

一方、インターネット調査は調査設計からレポート作成まで約2週間でできますし、費用も郵送調査の1/4~1/5でできますので、大きな利便性が提供できていると思います。

しかし、その早さと安さの行き過ぎた競争が、リサーチ会社として当然担保すべき、データのクオリティも保ちにくい市場環境を作ってしまったと感じています。

何故、早くできるのか?

それは、印刷がいらない、回収期間が短い、パンチがいらない、という要因があります。

一方、競合先よりも1日早い、半日早い、というレベルまでスピード競争が進んだために、リサーチャーがお客様の課題を共有できない、調査票をしっかり作る時間がない、数時間でデータを回収してしまう、データクリーニングをしない、というのは問題です。

何故、安くできるのか?

それは、印刷費がいらない、郵送費や調査員の経費がいらない、回答負担が少ないので謝礼が減らせる、謝礼送付の経費がかからない、パンチ代がいらない、という要因があります。

一方、お客様と打合せもしない、調査設計や調査票作成に時間をかけない、回答者への謝礼を極端に減らす、データクリーニングを省略して納品する、というのは大きな問題です。

安さや早さも大きな価値ですが、そのために必要なクオリティが担保できないと、本末転倒になってしまいます。

当社は「サービスとデータのクオリティ重視」を経営理念に入れてしっかり対応しようとしていますが、データの品質は目に見えないため、その違いがお客様にうまく伝えられない、証明できないのが難しいと痛感しています。

打ち合わせと調査設計にあと1~2日、実査期間にあと1日を増やし、ご予算もあと1、2割いただくことができれば、もっとご満足頂けるリサーチサービスが提供できると思うのですが・・・

このあたりはお客様と、リサーチ会社の双方が改善して行くべき課題だと思います。

 

2011年6月 1日 (水)

お客様のベクトルの変化

以前の様に数百万円の費用と2、3ヵ月の時間がかかれば、お客様も慎重になり、リサーチ会社とも十分な調整を行ってから実査を行っていました。

しかし、今のインターネット調査の早さと安さだと、「取り合えず、早くやってみようという調査」が増えてしまうのかもしれません。

そして、お客様の方で「取り合えず早くやってみた調査」に対して、「何となく意思決定には使えない結果だなあ」、「何となく満足できないサービスだなあ」、と感じてきているようです。

この3年ほどはリーマンショック後の不況で、MR予算が大幅にカットされた企業が沢山ありました。調査予算は減っても調べたいテーマはなかなか減らせませんので、リサーチ会社の選定で「まずはコスト削減」になったのは当然の流れだったと思います。

「マーケティングリサーチの現状調査」ではリサーチ会社選定の重視項目も聞いています。

2008年度の調査では、「コストの低減」が06年36%→08年55%(19%↑)と大幅に上がってトップになり、それまで1位だったリサーチャーの優秀さ」が06年46%→08年36%(12%↓)、「調査結果の分析力」が06年40%→08年28%(12%↓)、と質より価格に大きく振れました。

それが、今回の2010年の調査では、「コストの低減」、「リサーチャーの優秀さ」、「調査結果の分析力」の3項目が62~67%でほぼ横並びになりました。

2010年から設問形式が変わったため、2008年の調査結果と単純に比較はできませんが、2008年は「コストの低減」が「リサーチャーの優秀さ」の1.53倍もありましたので、「コスト重視」から「クオリティ重視」にクライアント様のベクトルが戻ってきたと推察できます。

この様なお客様のニーズの変化に、インターネット調査会社がどう応えていくか、そのことがMRとインターネット調査の今後に大きく影響してくるでしょう。

お客様のベクトルがクオリティ重視に動いて来た今こそが、インターネット調査業界としてクオリティ改善に動くチャンスのようにも感じています。

プロフィール

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Takai kazuhisa

伊藤忠系シンクタンクの社内ベンチャーで、1999年にネットリサーチ会社のマイボイスコムを立ち上げて社長をやっています。会社を作ることより続けること、良い会社を目指して経営することの難しさ日々感じながら奮闘している毎日です。夜は神田や神保町あたりの居酒屋に出没し、休日は自然散策やアウトドアを楽しんでいます!