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2024年12月 5日 (木)

「MyEL×生成AI」の開発

生成AIの出現と普及によって、リサーチ業界は大きく変わると思います。

それは26年前の当社が創業した頃に、インターネット調査が出現した時の様な大きな変化をこの市場と業界にもたらすでしょう。

当社が創業した1998年では、「インターネットを活用してリサーチをする。」というとそんな邪道なことはするな、そのデータに何の代表性もなく、間違った意思決定をすることに繋がるからやるべきでない、とリサーチ業界の皆さんから強い批判を受けました。

でも結果的にはインターネット調査は急速に普及をして、今ではアドホック調査の6割近くを占める1番シェアの大きな調査手法に育っています。

そして、インターネット調査に順応出来なかった多くのリサーチ会社が消滅しました。

その中には専門性や技術力が高く、長い社歴を持った信頼性の高い会社もありました。

この様な業界の地殻変動が生成AIによって再度起こるのかもしれません。

当社もこの変化にどう対応すべきかを考えて、以下の様な整理をしました。

「強み(Strength)」:当社には日本で最大のインサイトデータがあることです。これらの大量のインサイトデータを生成AIに学習させたら有益な施策が導き出せるのではないかと考えました。

「弱み(Weakness)」:ITの技術とか、AI技術を取り入れるシステム力がないことでした。ただし、ここは伊藤忠グループに協力してもらえば対応できることでした。

「機会(Opportunity)」:マーケティング関係者の生成AIの関心は高く、早い段階で独自のAI分析サービスを実現すれば、新たな市場を開拓できるチャンスがある。

「脅威(Threat)」:まだ明確には想像できません。クライアントがリサーチ会社の頼まず生成AIで簡易的なリサーチは内製化するのは明らかに脅威と言えるでしょう。これだけの変化に対して何も行動を起こさないのが一番の脅威かもしれません。

そのため、当社の「アンケートデータベース(MyEL)」に蓄積した約3,700件の1万人調査データ(インサイトデータ)を、生成AIに学習させてマーケティング施策を提示する新たなAI分析ツールの構築に取り組むことにしました。

「MyEL×生成AI」の分析ツールは、10月にPOCシステムが完成して、色々と試してみましたがかなり面白い示唆が出て来ました。

数社の「アンケートデータベース(MyEL)」の契約会社にデモを見てもらいましたが、皆さん面白く使って見たいという評価でした。

それなので本格的なシステムを作ることを決めて、現在本番のシステムを開発しています。

年明けの1月後半には皆さんにも紹介できると思うので、楽しみにして下さい。

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Takai kazuhisa

伊藤忠系シンクタンクの社内ベンチャーで、1999年にネットリサーチ会社のマイボイスコムを立ち上げて社長をやっています。会社を作ることより続けること、良い会社を目指して経営することの難しさ日々感じながら奮闘している毎日です。夜は神田や神保町あたりの居酒屋に出没し、休日は自然散策やアウトドアを楽しんでいます!