リサーチ業務細分化の弊害
当社は調査設計や考察・提案のできるリサーチ会社にしたいと考えています。
しかし、リサーチの技術者(リサーチャー)を育てるにはかなりの時間や経験が必要です。
そこを少しでも早めるため大手リサーチ会社に勤務していた経験者を数名採用したことがあります。
いずれも大手で5年以上も勤務していた方でしたが、彼らは調査設計の基本的な考え方や、リサーチ全体の流れが理解できていませんでした。
それは、勤務していたリサーチ会社が生産性向上のために、リサーチ業務を細分化した分業体制にしていたからだと思います。
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現在のインターネット調査の早さと安さに対応するには、リサーチ業務を細分化して複数の部署で流れ作業の様に対応して生産性を高めることが必要だったのだと思います。
業務を細分化すればしれぞれの担当者は1部の業務を収得すれば良いので、早く戦力化することができます。
それも収益を高めるための1つの経営方針ではあると思います。
しかし、それでは適切な調査設計や考察提案の出来るリサーチャーは育たないし、リサーチの仕事の意義や面白さも実感できないと思います。
最近はリサーチ会社を退社して事業会社に移る人が増えています。
リサーチ会社の仕事の意義や面白さが実感できなくなり、一方で事業会社でもデータを扱う仕事が増えているためリサーチ業界の地盤沈下が起きていると感じます。
リサーチャーが課題のヒアリングからレポート作成と提案まで一貫したサービスを提供することが、お客様の意思決定には不可欠です。
当社は若干生産性が下がっても、リサーチャーによる一貫サービスを目指して行きたいと思います。