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2025年1月 1日 (水)

2025年 新年挨拶

明けましておめでとうございます。

お陰様でマイボイスコムは26回目の新年を迎えました。

日本マーケティング・リサーチ協会の「第49回 経営業務実態調査」によると、2023年度のアドホック調査市場は前期比99.9%の1,437億円で、インターネット調査は前期比98.8%の787億円でそれぞれ減少しています。これは生成AIの出現によってリサーチの内製化が始まったためかもしれません。この傾向は2024年度により強くなりリサーチ会社の事業環境は益々厳しくなるものと推察されます。そして、最大手のインテージがNTTドコモの子会社になり、マクロミルも2度目の外資系ファンドへの売却が発表されました。これからリサーチ業界も大きく変貌すると思われます。

インターネット調査は当社が創業した1998年頃から始まりました。その頃はリサーチ関係者からインターネット調査は代表性がなく邪道だと強く批判されました。そのため、当初は郵送調査等の既存の調査手法とインターネット調査で実施した調査結果を比較してもらい、テーマによっては大きな傾向は変わらないという検証をしながら提案を進めていました。そのインターネット調査が現在ではアドホック調査の6割弱を占める主要な調査手法になっています。

インターネットの出現がリサーチ市場を大きく変化させましたが、生成AIの出現はそれと同じような大きな影響を与えるかもしれません。社内での打合せや営業提案のための簡易な調査や、事業の仮説やアイディア出しのための調査は生成AIで良いという流れになり、リサーチの内製化が進むのではないでしょうか。しかし、マーケティング施策の意思決定は、生成AIの出力では判断できませんから、これまで通りに仮説に基づいた調査設計によるリサーチの役割は残ると思います。

当社は数年前から「マーケティングツールで固定収益を創り、付加価値の高いコンサル型リサーチを実現する」という基本方針で事業を進めて来ました。クライアントから課題や目的をヒアリングして、適切な調査設計を考えて調査企画を作り、調査票作成、データ分析、レポーティングと考察提案まで一貫した専門サービスを提供する「コンサル型リサーチ」は、システム化と分業により早さと安さを訴求する「装置型リサーチ」と比べて、人材の育成にも時間がかかるし、業務工数も多くなるのでコスト競争に勝てないという課題がありました。それを補うために「アンケートデータベース(MyEL)」と「テキストマイニング(TextVoice)」を構築・運営してきました。

また、生成AIの優れた機能を活用するため、「アンケートデータベース(MyEL)」に蓄積した大量のインサイトデータを生成AIに学習させて、実際の回答データをもとにマーケティングの仮説やアイディア出しを行い、施策案まで答えることが出来る「MyEL×生成AIサービス」の開発に取組んでいて、2月にリリース予定です。

当社は創業時からデータの品質と技術対応を重視する方針でやって来ました。今年もConsultancy & StoryTellerと言われる「コンサル型リサーチ」の実現に向けて前進し、技術力と対応力でお客様の意思決定に寄与できるリサーチ会社を目指して尽力いたします。

新年も変わらぬご愛顧を賜りますようよろしくお願いいたします。

2025年1月

マイボイスコム株式会社

代表取締役社長 高井和久

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Takai kazuhisa

伊藤忠系シンクタンクの社内ベンチャーで、1999年にネットリサーチ会社のマイボイスコムを立ち上げて社長をやっています。会社を作ることより続けること、良い会社を目指して経営することの難しさ日々感じながら奮闘している毎日です。夜は神田や神保町あたりの居酒屋に出没し、休日は自然散策やアウトドアを楽しんでいます!