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2025年10月

2025年10月24日 (金)

シンセティックデータ

リサーチのAIの活用は、1)効率化→2)高度化→3)代替化、と進展するという説明をカンファレンスで聞きました。

生産効率化は、調査票の叩き台や、レポートの叩き台をAIにさせることで作業時間の短縮が図れるから実現可能だと思います。

また、リサーチの効率化も大量のデータを把握して客観的に分析するという面では人間よりAIの方が強いのかもしれませんから、ビッグデータの解析から人間が気付かない仮説やアイディア出しが出来るのかもしれません。

ここまでは何となく実現のイメージが浮かびます。

では、「リサーチの代替化」とはどんなものなのでしょう?

それはK社の説明で何となくイメージは出来たのですが、ある分野のパネルをAIで構築して、そのAIパネルに調査票を提示して回答させることのようです。

例えば外食関係のAIパネルを構築するには、一定の人数のパネルに外食に関するアンケートに回答をさせて、その回答データと外食に関わる統計や市場データや、外食企業のデータも学習させて、そのAIパネル環境に調査票を提示して回答を聴取するようです。

ここから出るアンケートデータは、シンセティックデータ(=合成データ)と呼ぶのだそうです。

これって本当に出来るのでしょうか?

私としてはあまり実現のイメージが浮かんでいないのですが、北米では72%のユーザーが「使いたい」と答えているそうです。

その背景は北米ではモニターがアンケートに回答してくれない傾向が強く、シンセティックデータでないと分析が出来にくい環境にあるからのようです。

日本でも確かにインターネット調査のパネル問題が若年層を中心に進行しているから、5年後、10年後にはAIパネルに頼らざるを得ない状態になるかもしれませんね。

私はシンセティックデータの精度には懐疑的ですが、そうせざるを得ない環境が日本にも訪れるのでしょうかね。

2025年10月10日 (金)

JMRAアニュアルカンファレンス 2025

Jmra_3

10/2(木)に日本マーケティング・リサーチ協会が主催する「JMRAアニュアルカンファレンス」に参加しました。

このカンファレンスはリサーチ市場の現状や新しい動きを知るのに有用なので、私は20年以上前から毎年足を運んでいます。

昨年もAIがテーマに取り上げられていましたが、今年のカンファレンスはほぼAIテーマ一色という感じでした。

生成AIが出現して約3年が経ち、リサーチ業界やリサーチ会社に与える影響も出て来ていて、各社ともそれにどう対応したら良いか模索しているようでした。

私は4つのAIに関するセッションを聴講しましたが、ある事業会社でAI活用を進めている方の講演と、4社のご担当者によるパネルディスカッションがとても参考になりました。

リサーチのAIの活用は、1)効率化→2)高度化→3)代替化、と進展するもので、現在は1)の効率化が進んでいるようです。

定型化されたテーマの調査票案や、集計、レポート案の作成はAIに任せることで、業務の効率化が進んでいて、その事業会社の例では1つの調査案件で13~14時間の工数削減が出来ているという報告がありました。

作業ベースの仕事はAIに任せることで業務を効率化し、リサーチャーはAIエージェントにどんなデータを読ませて、何を考えさせて、どんなアウトプットを作成させるのかの指示出しをすることと、出てて来たアウトプットのレビューと、そこから何が言えるのかを考える仕事に特化して行くようです。

でもAIが適切なアウトプットを出すには、適切なデータを参照させることが必要だし、1つの事例を見せてもらいましたが数百行のプロンプトを書いて指示を出さないと実務には使えないようです。

また、AIには限界がありAIに頼り過ぎるのは問題で、消費者の潜在意識やヒューリスティックな要因を踏まえた考察と提案は人間でないと出来ないとのことでした。

そう考えるとAIの活用で1部の業務で効率化は進むでしょうが、それを正しく使って、その結果を正しく使うにはかなりのノウハウと考察力を要することだと分かりました。

AI活用で作業からの手離れはできますが、決して楽にリサーチができることではないようです。

AIで良い分析をするには、適切なデータを参照させることが必要です。

その面では当社には1998年7月から毎月実施してきた、多ジャンルの1万人調査が約3,800件の蓄積があります。

そして、自社のモニターIDでそれらの調査データ(インサイトデータ)がニューロの様に繋がっているので、AI時代のマーケティングに役立つと確信することができました。

〇AI分析ツール(CotoEL) ※2,400件の1万人調査データ×AIの分析ツール

 https://cotoel.myvoice.jp/info

プロフィール

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Takai kazuhisa

伊藤忠系シンクタンクの社内ベンチャーで、1999年にネットリサーチ会社のマイボイスコムを立ち上げて社長をやっています。会社を作ることより続けること、良い会社を目指して経営することの難しさ日々感じながら奮闘している毎日です。夜は神田や神保町あたりの居酒屋に出没し、休日は自然散策やアウトドアを楽しんでいます!