JMRAアニュアルカンファレンス 2025
10/2(木)に日本マーケティング・リサーチ協会が主催する「JMRAアニュアルカンファレンス」に参加しました。
このカンファレンスはリサーチ市場の現状や新しい動きを知るのに有用なので、私は20年以上前から毎年足を運んでいます。
昨年もAIがテーマに取り上げられていましたが、今年のカンファレンスはほぼAIテーマ一色という感じでした。
生成AIが出現して約3年が経ち、リサーチ業界やリサーチ会社に与える影響も出て来ていて、各社ともそれにどう対応したら良いか模索しているようでした。
私は4つのAIに関するセッションを聴講しましたが、ある事業会社でAI活用を進めている方の講演と、4社のご担当者によるパネルディスカッションがとても参考になりました。
リサーチのAIの活用は、1)効率化→2)高度化→3)代替化、と進展するもので、現在は1)の効率化が進んでいるようです。
定型化されたテーマの調査票案や、集計、レポート案の作成はAIに任せることで、業務の効率化が進んでいて、その事業会社の例では1つの調査案件で13~14時間の工数削減が出来ているという報告がありました。
作業ベースの仕事はAIに任せることで業務を効率化し、リサーチャーはAIエージェントにどんなデータを読ませて、何を考えさせて、どんなアウトプットを作成させるのかの指示出しをすることと、出てて来たアウトプットのレビューと、そこから何が言えるのかを考える仕事に特化して行くようです。
でもAIが適切なアウトプットを出すには、適切なデータを参照させることが必要だし、1つの事例を見せてもらいましたが数百行のプロンプトを書いて指示を出さないと実務には使えないようです。
また、AIには限界がありAIに頼り過ぎるのは問題で、消費者の潜在意識やヒューリスティックな要因を踏まえた考察と提案は人間でないと出来ないとのことでした。
そう考えるとAIの活用で1部の業務で効率化は進むでしょうが、それを正しく使って、その結果を正しく使うにはかなりのノウハウと考察力を要することだと分かりました。
AI活用で作業からの手離れはできますが、決して楽にリサーチができることではないようです。
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AIで良い分析をするには、適切なデータを参照させることが必要です。
その面では当社には1998年7月から毎月実施してきた、多ジャンルの1万人調査が約3,800件の蓄積があります。
そして、自社のモニターIDでそれらの調査データ(インサイトデータ)がニューロの様に繋がっているので、AI時代のマーケティングに役立つと確信することができました。
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〇AI分析ツール(CotoEL) ※2,400件の1万人調査データ×AIの分析ツール
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