シンセティックデータ
リサーチのAIの活用は、1)効率化→2)高度化→3)代替化、と進展するという説明をカンファレンスで聞きました。
生産効率化は、調査票の叩き台や、レポートの叩き台をAIにさせることで作業時間の短縮が図れるから実現可能だと思います。
また、リサーチの効率化も大量のデータを把握して客観的に分析するという面では人間よりAIの方が強いのかもしれませんから、ビッグデータの解析から人間が気付かない仮説やアイディア出しが出来るのかもしれません。
ここまでは何となく実現のイメージが浮かびます。
では、「リサーチの代替化」とはどんなものなのでしょう?
それはK社の説明で何となくイメージは出来たのですが、ある分野のパネルをAIで構築して、そのAIパネルに調査票を提示して回答させることのようです。
例えば外食関係のAIパネルを構築するには、一定の人数のパネルに外食に関するアンケートに回答をさせて、その回答データと外食に関わる統計や市場データや、外食企業のデータも学習させて、そのAIパネル環境に調査票を提示して回答を聴取するようです。
ここから出るアンケートデータは、シンセティックデータ(=合成データ)と呼ぶのだそうです。
これって本当に出来るのでしょうか?
私としてはあまり実現のイメージが浮かんでいないのですが、北米では72%のユーザーが「使いたい」と答えているそうです。
その背景は北米ではモニターがアンケートに回答してくれない傾向が強く、シンセティックデータでないと分析が出来にくい環境にあるからのようです。
日本でも確かにインターネット調査のパネル問題が若年層を中心に進行しているから、5年後、10年後にはAIパネルに頼らざるを得ない状態になるかもしれませんね。
私はシンセティックデータの精度には懐疑的ですが、そうせざるを得ない環境が日本にも訪れるのでしょうかね。
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