パネル環境の悪化
しっかりしたインターネット調査をお客様に提供するには、しっかり考えて答えていただけるモニター組織の調査パネルが不可欠です。
しかし、20年前にはインターネットでアンケートに回答するというのも興味を持って参加してくれましたが、今はSNSやオンラインゲームなどネット上の楽しいサービスが増えて、ネットモニターの魅力が相対的に下がり各社ともモニターの確保や維持に苦慮しています。
特に10代は壊滅的ですが、20代のモニターも大幅に改修力が下がっていて、それは各インターネット調査会社の問題に収まらず、リサーチ業界全体の問題になっています。
その1つの原因には日本のインターネット調査が早さと安さの過度な競争に陥り、謝礼ポイントを下げ過ぎたのも影響していると感じています。
当社や多くのインターネット調査会社は1設問2ポイント(2円)で、1設問1ポイント(1円)という会社も沢山あります。
そして、予備調査ではそこそこの設問に答えて2ポイント(2円)というのを、大手のシステム型のリサーチ会社では毎日10件近く送っているようです。
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一生懸命にログインして5問、6問に堪えて「謝礼は2円です」とか、本調査で時間をかけて考えながら10分で30問に答えて「謝礼は30円です。60円です。」ではモニターに対する誠意が無さすぎるように思います。
それでも今の日本のインターネット調査市場では、ここの原価を1社だけ2倍、3倍に出来る余裕がないのでどんどん他のネットサービスに流れてしまい、パネルの裾野が縮小しているように思います。
今はもうアドホック調査の半分以上がインターネット調査で実施されています。
ここのパネル環境が崩れるということは、日本のマーケティング調査の基盤が崩れるということであり、日本のマーケティング活動の質的低下を招くことにもなります。
今から各社でどんな改善が出来るか分かりませんが、当社は自社で出来る範囲でモニターを大切にして、モニターの信頼と参加の意思が保てるように引き続き尽力します。
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