数字選択くじ調査
マーケティングリサーチを始めて5年目位に「数字選択式くじ」の企画コンペがありました。今はもう定着していますが、米国で行われていたナンバーズを日本でも始めようという構想で、その受容性や商品設計、売上予測を検討するための調査の引合いです。こちらを6社位のシンクタンクで企画コンペをすることになりました。非常に大規模な調査で予算もン千万円ということで気合が入りました。
気合と根性で企画を作成して、何とか受注することができました。その当時は日本で数字選択くじの概念がなかったので、その特徴をどう伝えて評価してもらうかに工夫をしました。全く今まで身近にないような商品コンセプトの場合、良く特徴が伝わらないとネガティブな意見に振れるので、如何に商品性を伝えるかが重要です。そのため米国の事例を参照するとともに、漫画的なシナリオを作成して説明資料に加えました。
調査手法は全国10ヶ所位で大規模な訪問調査をやり、数千件の調査票を回収するという設計でした。大規模な訪問調査を仕切るのは初めてでしたので、調査票案が出来た時にはちゃんと答えられるか検証するため、自分達で訪問テストをやることにしました。実査の外注費用だけでン千万円かかりますので絶対に失敗は許されません。私がリーダーでスタッフ5人を率いて3チームを作り、1チーム50票獲得をノルマにして都内某所を回りました。
訪問調査ってやってみると本当に大変な作業です。車の飛び込み営業と一緒です。インターフォンを押しても空けてくれませんし、断られてばかりでへこみます。公園で子供を遊ばせているお母さんにも協力をお願いしました。こちらは意外にうまく行きました。人が沢山集まる某有名な神社でお願いしていたら、神主さんにこっぴどく怒られてしまいました。本当に調査員さんて大変な仕事なのだと痛感できました。
実査が始まれば実査会社に任せるしかないのですが、クライアントを連れて札幌や仙台などの調査員さんの説明会にも立ち会いました。こうして集まった数千票の調査票でしたので、調査票の1つ1つに調査員さんの苦労が見えて、ちゃんと良い報告書を作らないと申し訳ないよなあという責任をひしひし感じました。
調査の仕事は途中までは大勢のスタッフが関わりますが、最後は1人で考えながら孤独にまとめる作業が必要になります。集計データが出来てしばらくはこの仕事に集中し、商品設計や需要予測、他の宝くじへのカニバリの影響分析などをやりました。最後はまた徹夜でした。こちらの報告書はとても評判がよく、3年後に聞いたら売上もほぼ予測値にピッタリだったそうで褒められました。そしてこの実績が買われて「ロト」が導入される時の調査も、コンペで勝つことができました。
苦労した調査のことは今でも良く覚えているものです。また具体的な商品になったものを見ると嬉しくなります。もちろん私の提案通りに商品ができた訳ではありませんが、ナンバーズやロトを見るとなんか懐かしくなります。皆さん、私が少しだけ関わったナンバーズとロトを是非買ってやってください。
昔は大変だったのですね。ネット万歳!
投稿: okamoto | 2007年4月13日 (金) 11:00
自分もCRC時代に調査員を体験した事、懐かしく思い出しました。薄暗くなってきたひと気の無い住宅街、不在(含居留守)続きの対象者宅の中で出迎えてくれる人にたどりつけた時のありがたさといったら(笑)
懐古主義に走るのはいただけませんし、バーチャルなネット世界も好きですが、「一票の重み」を実感できる体験は貴重なものかも知れませんね。
投稿: 服部理絵 | 2007年4月12日 (木) 13:53