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2007年5月 7日 (月)

スタートアップ

マイボイスコムは99年7月に設立しました。CRC総合研究所で準備を始めた98年4月が創業になります。この頃がネットリサーチの黎明期でまだビジネスが成り立っている会社はありませんでした。こういう事業が成り立つのか各社が模索を始めた頃でした。

CRCの社長から自由に社名を決めていいと言われて、マイボイスコムという社名を考えました。これからずっと使っていく社名ですのでこだわりを持った名前にしたいと思い何週間も迷って決めました。マイボイスはそのまま「私の声」ですが、個人の価値観にもとづいて主体的な消費生活を送る「生活者」1人1人の意見や要望を企業や社会に伝え、情報共鳴型マーケティングを支援する役割を果たしたいという思いで付けました。コムにはそんな役割を新しいコミュニケーションツールであるインターネットで実現するという意味を込めました。それから会社の理念として「生活者と企業のコミュニケーションメディア」というコンセプトも考えました。この時の考えや理念は今でも全く変わっていません。

会社といっても社員は私と出向で来てもらった岡島君と、契約社員で採用した五十嵐さんの3人だけでした。今までと同じ事業企画室の一角に机があるだけで会社の囲いもありません。まだCRCの1部署という感じでした。私が仕事を取って五十嵐さんに手伝ってもらいながら生産して納品する。岡島君にシステムの企画と運用を任せて、経理や給与計算等はCRCの子会社に委託しました。

大きな会社にいると分からないことが沢山あります。まずどうやってお金が入金してどうやって経費が支払われるのかが分かりませんでした。自分の仕事をすれば、あとは請求書や入金の確認は「誰かが」やってくれるものだと思っていました。でも「誰か」はもういません。営業から生産、人事や経理や総務も自分達でやる必要があります。

見よう見まねでワープロの請求書を作って送り、翌月にちゃんと入金が確認できた時にはちょっと感動しました。始めて働いて初任給をもらったような感じです。また、会社が出来て5年間はすべての請求書をATMから自分で振り込んでいました。社員の給与と月末の経費の入金がすべて終わると、今月もちゃんと義務が果たせたことに安堵しました。会社のお金の流れが分かって1万円、2万円という経費までちゃんと把握できないと、中小企業の経営は成り立たないことが良く分かりました。

お金は資本金の3千万円しかありません。CRCからシステムとモニターを原価で譲渡してもらい、会社設立のもろもろの経費も支払うと2500万円しか残りませんでした。これがなくなったら原則として会社は解散する約束でしたから、すべて倹約してやるしかありませんでした。1万円でも無駄な経費は使えません。色々と工夫をして費用を倹約しましたが、特にシステムは岡島君が藤井君と相談して30万円のパソコン1台とフリーウェアのデータベースで開発してくれたので助かりました。システムを知らない私がどこかに外注していたら1千万円以上はかかっていたでしょう。

別会社になっても何とか仕事は取れました。私と五十嵐さんだけでは人手が足りなくなり、CRCを辞めて家庭に入っていた服部さんに週3日の約束で来てもらい、藤井さんや明石さん永森さん鍛冶さんにも参加してもらって何とか小さな会社の形ができてきました。そして、1期目は9ヶ月間での決算でしたが、売上が4500万円で、小さいながら350万円の経常利益も出すことができました。

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