走り回る調査
皆さんは工務店や水工店を首都圏と大阪圏で400件、アポを取って訪問して調査票を回収するとともにヒアリングする。というお引合いが来たら取組みますか。
これは私が35歳の頃に対応した案件で、クライアントは従業員が3万人もいる有名な住宅設備メーカーでした。
この会社にはその4年ほど前に知人の紹介で営業訪問をして、小さなリサーチ案件から取り組ませていただき、徐々に色々な部署から色々なリサーチのご相談をいただけるようになりました。
そこの販売促進課長から「高井さん、折り入って相談があるので来てくれる。」という連絡があり、「自社の流通チャネルの変更を検討していて社内の意見が割れている。そこで末端の工務店や水工店の実態や希望を確認したいので、東販で400件の訪問ヒアリングって出来るかな?時間も4ヶ月しかなんだけど。」という相談をいただきいました。
その課長は非常に自分を信頼してくれていて、その会社の重要なマーケティング施策の意思決定に関わるご相談をいただいたのでもうやるしかありません。
「〇〇さんの依頼ならベストを尽くしてやってみますよ」と答えて提案書を作り、4千万円ほどの予算も取ってもらってチャレンジを始めました。
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私がリーダーでCRC総研のスタッフが4人と、その会社のスタッフも4人の8人のチームで、プロジェクトルームも用意してもらい始めたのですが、400件の訪問調査はとても大変な仕事でした。
調査設計は関係者で何度も協議をして、仮説と何を明らかにすれば良いかも頭に入れて動き出したのですが、忙しい工務店や水工店のアポを取るのが大変で、朝から夕方まで全員で電話を続けて、アポが取れ次第2人で訪問して1票、1票集めて回ります。
大阪でもビジネスホテルに泊まり、大阪支社に専用ルームを作ってもらって昼間は実査に飛び回り、夜は毎日全員でストレスを取るために酒を飲んで話し合いました。
そんな大変な活動で集めた400票を集計し、考察して、現場の調査からはこんな方向性が明らかになったという提案もまとめるため、最後は3日間会社に泊まって徹夜でレポートを書きました。
そして、その調査結果が高く評価をされて、最後は「高井さんから全役員が参加する経営会議で報告してくれ」と言われて、吐きそうになるほどの緊張感で調査結果のプレゼンを大会社の会長、社長以下の役員に報告しました。
その時に責任者の専務が会議を抜け出して「良くやってくれました。これで会社の方向性もまとまると思います。」と言われた時には涙が出るくらい嬉しかったです。
これは自分の自慢のプロジェクトでしたが、世の中にはこんな走り回る重要なリサーチもあるんです。
死ぬほど大変でしたが、今でもその時の達成感は覚えています。
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