マーケティング Feed

2007年6月22日 (金)

競合企業の合併

同業のインフォプラントとインタースコープがの2社がヤフーに買収され7月に合併します。新しい社名が昨日発表されましたが「ヤフーバリューインサイト」という名称だそうです。ちょっと前から2社ともヤフーの子会社でしたが、社名が変わることで確かにヤフーの会社になったんだなあと実感しました。

これまで8年間も競合企業として認識していたインフォプラントとインタースコープの社名がなくなるのは個人的にはすごく寂しい気がします。両社の創業社長である大谷さん、平石さんとは面識があり何度か飲みに行ったりした仲なので複雑な思いもあります。彼らとはビジネス的には競争相手でしたが、まだネットリサーチがビジネスになるかどうか分からない時期に一緒に市場を作って来た仲間でもありました。

お2人はネットリサーチがやっと育ってきた2002年頃に、この業界の健全な成長のために協力し合おうと言って「インターネットリサーチ研究会」を設立して、平石さんが会長、大谷さんが幹事長を務められました。その頃はネットリサーチは調査手法として邪道という見方までありましたが、社会のお役に立てるサービスだということを証明しようと頑張っていました。

そんなお2人の作ったベンチャー会社が合併して、ヤフーの子会社になるということは想像も付きませんでした。個性や特徴の全く異なる2社が一緒になってどういう会社になるのかよく見ていきたいと思います。今回の2社合併は私にとって時の流れを感じる出来事でした。

2007年6月15日 (金)

従来型調査会社

先日ある大手調査会社の役員と食事をしながら情報交換をしました。この会社はリサーチの技術力がありネットリサーチへの対応もかなり進んでいて業績も順調のようです。ただ多くの従来型調査会社はネットリサーチ会社に押されて経営環境は厳しくなっていて、中堅はもとより大手の1部でも経営が苦しくなっているところがあるとお聞きしました。調査会社は人件費の固定費部分が大きく、資本のストックも小さい企業が多いので、売上が1割減るだけで決算が厳しくなり経営に響いてしまうようです。

私もちょっと前に当社とうまく組める従来型の調査会社がないかと思って、日本マーケティングリサーチ協会加入の調査会社の財務状況を20社ほど調べてみました。調査会社は労働集約産業ですので、そんなに収益性が高いとは思っていませんでしたが、大半の会社がほとんど利益が出ていないのを見て少し驚きました。特にこの数年は売上が下がっている会社もかなりありましたが、これもネットリサーチが急速に増えた影響なのかもしれません。

同社はネットリサーチにも取組んでいますので、ネットリサーチが今後どうなっていくのかについても色々と意見交換をしました。その中で、リサーチの経験もなくリサーチのセオリーも理解していない企業が乱暴な情報の取り扱いをしていることを危惧していて、ノウハウのある従来型調査会社がしっかりしたネットリサーチができる環境を作ることが大切ではないかと話をしました。同じネットリサーチを扱う企業として、しっかりしたサービスを提要することと、ネットリサーチ市場を健全に発展させるためにの協業について、継続的に話し合うことにしました。

長らく同じリサーチワークに携わった者同士だと、話の共通項が沢山あるので自然と楽しいお酒になってしまい、この日もついつい飲みすぎました。リサーチ業界全体が動いていますので、当社の方向性を見誤らないよう色々な関係者と情報交換をするのは私の大切な仕事です。ただ、どうしても食事をしながら話す機会が多く、飲みすぎ食べ過ぎになってしまうのが私の悪いところです。

情報交換と私の体重は正比例するようで、最近は恐くて体重計に乗れません。メタボリックを恐れていては会社の経営なんてできません! なんてね。酒好き社長の言い訳と偏見に満ちた意見でした。

2007年6月14日 (木)

銀行への提案

先週はあるメガバンクのブランド関連の部署に秋野さん長谷川さんと営業訪問しました。当社の取引支店の紹介でアポをいただきましたので、何か参考になる材料をお持ちした方が良いと思って「広告評価とブランドイメージに関する調査」という簡単な提案書を持参しました。こちらのメガバンクも沢山のTVCMや新聞広告を展開していますので、広告やコーポレートイメージの定点評価は必ず役に立つと思って、一般的なスペックでお持ちしました。

これまでの銀行は大蔵省主導の護送船団方式で差別化のできにくい環境にありました。そして、各社があまり独自のマーケティング戦略を考えて展開することができなかったため、一般生活者との接点がこれだけ大きいのにほとんどマーケティングリサーチをやってこなかった業種でもあります。また大きくて伝統のある強固な組織であるため、なかなか新しいことや前例のないことをやるのが難しいということもあったと思います。

私も会社の設立当初から何年かは大銀行には何度もアプローチしましたが、仕事が取れたのはたった1行だけでした。もう1行は7~8回は通って色々な提案をし続けいい線まで行ったのですが、最後は上が認めてくれなかったと断られてしまいました。訳の分からないベンチャーに頼むより、大手代理店に頼んだ方が失敗がなくてよい判断もあったのかもしれません。いづれにしても銀行は私が攻め切れなかった業種です。今回もうまく進むかどうか懐疑的な印象を持ちながら訪問しました。

しかし、実際に訪問して提案内容を説明するととても関心を示してくれました。丁度3ヶ月ほど前に初めてTVCMの評価を始めて、その時はある従来型の調査会社に頼んでネットリサーチをやったのだそうです。ネットリサーチに関しては当社の方が経験が豊富ですから、おそらくその時の彼らの提案よりも、当社の提案の方が良かったのかもしれません。後からメールでお礼を送ったら、近いうちに具体的な相談をしたいとの連絡をもらいました。また自分達は2~3年位のローテーションで全く違う部署に動いてしまうので、当社の様な専門会社が継続的にフォローしてくれると助かるとも言われました。

銀行も私が5年前に攻めていたころとはだいぶ環境が変わっているようです。かなり厳しい競争を繰り返す中でマーケティング分析の必要性が認識されたのかもしれません。うちは大手の生命保険会社や証券会社から継続的にお仕事をいただいている実績があります。銀行に対してもお役に立てるサービスは必ず提供できると思いますし、銀行さんの環境が変化していることは、当社にとって大きなチャンスだと思います。どんどん前向きに提案して行きましょう!

2007年5月23日 (水)

マイボイス通信

先週からお客様を訪問する時に「マイボイス通信」をお持ちするようにしています。もう7社ほど提出しましたがとても評判が良いようです。

当社は高品質のリサーチサービスを提供することを目指して来ましたし、これからもその方針は変わりません。モニターのクオリティや、調査設計や分析、レポーティングのクオリティをしっかり担保し、自主調査のデータやネット以外の調査手法にも対応することで、お客様に満足いただけるサービスを提供して行きたいと思います。

当社のお客様は日本を代表するような会社で、マーケティングに強い会社が沢山あります。その様な大きな企業のマーケティングのお手伝いをさせていただき、ほとんどのお客様からリピートでお仕事をいただけていることは誇れることですし、自信を持って良いことだと思います。サービス業ではリピートを頂けるかどうかがお客様の満足度を測る尺度になります。そして、沢山のお客様からリピートの仕事を頂けていることは、皆が責任感とサービス精神を持って仕事に取組んでくれているお陰です。

私達のサービスは1度使っていただいたお客様には喜ばれていますが、最初にどうやってその価値をお伝えするかが大きな課題です。「私達のサービスのクオリティは高く、多くのお客様にご評価いただいています。」と言っても、他社の営業も同じようなことを言っていますので分かり難くなってしまいます。

それをM大学の教授や、A社やS社、T社の様な大企業のマーケティング担当者のご意見を提示できることで、私達の価値をしっかりとお伝えすることができるでしょう。営業の皆さんは是非、このマイボイス通信を有効に活用して、まだご縁のないお客様に積極的にコンタクトしてみて下さい。きっと良い成果が出るでしょう。

マイボイス通信の企画と制作に関わった皆さん、大変ご苦労様でした。

2007年4月18日 (水)

ミャンマー国連調査

CRC総合研究所で10年以上マーケティング調査や産業調査をやりましたので、まだまだ紹介したい事例が沢山あります。ただいつまでも過去の話していても始まらないので、もう1件で終わりにしたいと思います。

これは私の自慢なんですが、1度だけ国連パスポートで海外調査に行ったことがあります。調査国は軍事政権下のミャンマーで、経済開発のマスタープランを作るという仕事でした。その当時にCRCの社長だった高原さんは陸軍士官学校卒の元軍人で、ミャンマーで終戦を迎えた方でした。高原社長は山崎豊子の不毛地帯にも出てくる偉い方で、何とかミャンマーの力になりたいという思いから始まったプロジェクトでした。

それが何故国連工業開発機構(UNIDO)の案件になったかは良く分かりませんが、自分も調査団の1員としてミャンマーに行くことになりました。アジア経済研究所でミャンマーが専門の桐生先生が団長で、広島大学の開発経済の山下教授、竹内教授と、何故かCRCにいたケビン・ショート博士というとっても優しい米国人が主なメンバーでした。私ともう1名の社員が事務局で、フライトや現地での車や食事の手配などの雑用をやりました。ミャンマー経済をどうやって発展させるなんて私には全く分かりませんので、鞄持ちに徹して、先生たちが働きやすいように気を配って段取りするコンパの幹事みたいな仕事でした。ああそれで幹事が得意な自分がこのプロジェクトに入れられたのかと、現地に行ってから分かりました。

この調査ではミャンマーに3回行き、それぞれ10日ほど滞在しました。ある時は先生がどうしてもトンボにある自動車工場が見たいと言います。「トンボってどこ?」現地の担当者に話をしたら、車で8時間かかると言います。それでもどうしても行くと言うので、しかたがないので翌日先生2人と私と現地担当者の4人で出発しました。ほとんど舗装されていない道路を延々8時間、それも温度が42度もある熱帯ですのでクーラーも利きません。窓を開けるとドライヤーのような風が入ってきて、車の揺れと暑さでクタクタでした。何でこんな思いまでして工場に行くのかなあ、先生は本当に我侭だなあ、と思いつつ車に揺られていました。

自動車工場といっても本当に小さな工場でしたが、それらの設備を熱心に見て回り、現地の担当者と真剣に話をして、先生は何かが分かったと言います。こんな現地調査もあるんだなあ、やっぱり先生達は開発経済のプロなんだなあと感心しました。その夜はトンボの村人が歓迎の宴を開いてくれました。ミャンマー族、モン族、カレン族、カチン族、ミャンマーは多民族国家です。それぞれの民族ごとにそれぞれの踊りを披露してくれました。その時の「水の舞」という踊りの美しさは今でも良く覚えています。この仕事で沢山のミャンマー人と知り合って、実直で穏やかで、仏教の信心深い人の多いこの国が好きになりました。

3回目の訪問では調査報告書の進呈を行いました。高原社長がミャンマーのエイベル経済省大臣に報告書をお渡しする儀式がありました。その中でエイベル大臣が「彼のように若い日本人がミャンマーに来て、ミャンマーのために働いてくれたことが嬉しい」というようなことを、末席に座っていた自分に向かって言ってくれました。私は車の手配と食事のオーダーをしていただけでしたが、すっかり開発調査の調査団の1員という顔をしていたのかもしれません。ミャンマーはまだ軍事政権下で最貧国に指定されていますが、あの国の誠実さや美しさがずっと続いてほしいと願っています。

調査の仕事にも沢山の種類あります。私達のように企業のマーケティング活動をサポートする調査から、途上国の経済発展を支援する調査、行政の政策決定を支援するような調査、調査の目的や内容は異なりますが、文献調査、統計調査、ヒアリング調査、現地視察調査、アンケート調査と調査手法や、調査の流れはあまり変わりません。そして、何のために実施する調査であるかを常に意識して、自分の技術と経験で責任を持って調査を遂行し、その調査結果がお客様の役に立ち、お客様に喜んでいただくことを遣り甲斐と感じて頑張れるかどうかが重要になると思います。専門性とプロ意識、サービス精神求められる仕事です。

マイボイスの社員には、クライアントの課題解決に役立つため、専門性とサービス精神を持って一生懸命に頑張ってほしいと思います。まだまだ会社も未熟で、経験の浅い社員が多いですが、皆がプロ意識を持って仕事に取組んでいけば、サービスの付加価値と信頼性が高い魅力的な会社に発展できると確信しています。

2007年4月17日 (火)

チャネル戦略調査

私の印象の深い仕事に、住宅関連メーカーの「チャネル戦略調査」があります。前述したようにCRCのマーケティングリサーチは実績も少なく弱小組織でしたので、グループ以外の企業からはほとんど仕事が取れませんでした。そんな中でたまたまこの会社のマーケティング部長をご紹介いただき営業に行きました。「何ができるの」と聞かれたので、「汗をかく大変な仕事でも頑張ってやります」と答えたのが気に入られてたのか、お取引を始めることができました。

最初は小さな案件をいただき、それができると次は中位の案件をいただきました。そんなこんなで1年位やっていたら、毎月の様に案件のご相談をいただくようになりました。このクライアントには非常に誠実で魅力的な方が多く、住宅業界ということもあり義理人情を大切にする社風でした。仕事を通じて私もこの会社が好きになり、先方の担当者も信頼してくれて、社内の会議にも「高井さんだからいいよね」といってよく同席させてもらいました。

ある時、今度非常に重要な調査をやるけどCRCでできるかな、との相談を受けました。これがチャネル戦略調査でした。歴史のある大会社ですから販売チャネルが複雑で、時代の変化に対応できていないのではという問題意識があったようです。チャネル戦略というとカッコいいですが、やることは東京と大阪で工務店や販売店を300件回って、川下の実態を調べるというものです。プロジェクト責任者は同社の専務さんで、全国から5人の社員が招集されて、うちの5人のリサーチャーと10名でチームを組みました。信頼して選んでいただいたからには頑張るしかありません。キックオフから気合が入りました。

ただここからが非常に大変でした。工務店や販売店は忙しく、電話で「第一勧銀系シンクタンクのCRC総研と申します。実は今度住宅関係の調査を・・」と話すだけで、「忙しいからお断り!」、「間に合ってます!」という感じで、がっちゃんがっちゃん切られます。ヒアリングのアポが全く取れません。「大丈夫ですか?」クライアントが不安そうに見ています。なんとかしなくてはいけません。テレマ会社も動員してかたっぱしから電話を入れて何とかアポが取れだしました。大阪ではビジネスホテルに10日間泊まりこんで、知らない街を走り回りました。そして夜は毎日お客様と飲みました。

工務店の社長は個性的で面白い方が多かったです。ビールを飲んだら答えてやるという社長には「飲んだら答えてくれるのですね。ありがとうございます」と言って飲みました。アポを取って訪問したのに社長が不在で恐縮する自分に、同行した担当者に「きっと現場で何かあったんだよ。待ちましょうよ」と言われて雨の中を2時間近く待ったこともありました。本当に社長が泥だらけで帰ってきて「すまんすまん現場で事故があり戻れんかった」といって、知り合いの社長まで紹介してくれました。同社の社員といい工務店の社長といい、建設業界の義理と人情を感じました。

結局300票を集めるのに大人10人が1ヶ月半もかかりました。ネットリサーチに慣れている皆さんからするとたった300票の回収で15人月かかったというのは驚きかもしれませんね。私もリサーチキャリア7年目でしたがこんなに大変な実査は初めてでした。このデータで何が言えるのか、本当に良い分析ができるのか、不安をかかえながら作業を初めて、最後はまた徹夜でレポートを書いていました。

幸いにして非常に良い調査結果が出て、「これを経営会議でも報告してくれ」と言われました。1部上場企業の経営会議で報告なんて初めてでしたので極度に緊張しましたが、夢中で30分のプレゼンをやりました。「ありがとうございました」と言って会議室を出ると、責任者の専務が中座して来てくれて「短い時間に良くまとめてくれてありがとうございました」とお礼を言ってくれました。すごく嬉しかったのと、ますますこのクライアントが好きになりました。翌年にこの専務が社長になった時に妙に私も喜んだのと、やはり人間的に素晴らしい方が上に行くんだなあ、と妙に納得した出来事でした。

こちらの会社は、今も当社の大切なクライアントです。CRCの時にお仕事をいただいてからもう15年以上も経っているのに、まだお取引が続いていることを大変ありがたく思っています。当社のクライアントは800社ほどありますが、その1社、1社に色々なお取引の経緯があり、関係者が一生懸命に仕事をやることでやtっと築いた信頼であることは覚えておいて下さい。信頼を築くのは本当に大変ですが、壊すのはあっけないほど簡単です。社員の皆さんには、そのことを心に留めて仕事に取組んでほしいと思います。

2007年4月16日 (月)

不動産開発のニーズ調査

某商社からは毎年10件位のお仕事をいただきまっした。商社はメーカーではありませんので商品開発やブランド戦略というより、こんなアイディアが事業になるのかといったニーズ調査や、どんな事業採算が見込まれるかという事業化調査(F/S調査)が多かったです。

私が沢山お手伝いしたのは不動産開発のニーズ調査です。八ヶ岳のこんな場所にこんなリゾートを開発したら売れるだろうか、大磯に大規模な研修施設を作ったら企業は使ってくれるのか、北海道のこの地域にこんなコンセプトの工場団地ができたらどうだろう、ハワイで大規模なホテルを開発したら、三田のある大使館の跡地に経営者専用の会員制医療施設を建設したら・・・、商社には本当に沢山のビジネス情報が集まり、皆良く色々なアイディアを考えるなあと関心しました。

調査のプロセスは、まず関連情報を集めることから入ります。会員制医療施設がテーマであれば医療施設関連の情報を日経テレコムの検索情報や関連団体の資料で調べて、だいたいの市場構造や競合サービスを理解して調査設計を行い、その後は対象者への郵送アンケート、そして必要であれば20件程度の訪問ヒアリングを行うというのが流れです。それを2~3ヶ月で遂行して300~500万円位の費用をいただきました。この手の調査はある程度頭の中でパターン化できていたので、はいはいまいどありーという感じで対応できました。

今の当社のネットリサーチであれば3週間、150万円位でほとんどやれる内容かもしれませんね。郵送アンケートでは、調査票印刷とラベル作成で1週間、発送と回収で3週間、コーディングとデータ入力(パンチ)で1週間と、実査だけで1ヶ月以上かかりますので、どんなに急いでも2ヶ月はかかります。また、インターネットがなかったらめ関連情報を集めるのも本屋や刊行物センター、関連団体などを回って資料を集めるのにも結構時間がかかっていたように思います。

回収数は200~500件の案件が多かったですが、回収率が500円のテレカが謝礼で8~12%程度でしたので、2,000~5,000件の発送が必要になります。このラベル代、印刷と郵送費、発送代行費が@200円、回収後のパンチ代と謝礼発送費が@800円位ですので、実査の経費だけで55~140万円が発生します。またこれを管理する人の人件費もありましたので、郵送アンケートは実費だけでどうしても100~200万円はかかるという構造です。

最近は個人情報保護法の制定や住民基本台帳の改正によって、郵送調査の発送ラベルを作ること自体が難しくなっていますので、官公庁の調査も含めて益々ネットリサーチの役割が高まってくるでしょう。ただ、調査の目的によっては郵送調査が必要なケースもあると思います。当社はネットリサーチが中心ですが、顧客対応力を高めるため必要に応じて郵送調査も対応できるようにしたいと思います。服部さんや永森さんも腐るほど郵送調査を経験していますので、会社としては十分にノウハウがありますのでいつでも相談して下さい。

2007年4月13日 (金)

国別投資環境調査

CRC総合研究所は第一勧銀からも出資を受けていて、ある時は伊藤忠系のシンクタンク、ある時は第一勧銀系のシンクタンクと言って仕事をしていました。そして、第一勧銀からはグループ会社の支援として、毎年3カ国位の「海外投資環境調査」という調査をいただいていました。

こちらは第一勧銀の取引先が海外に進出する時に渡すガイドブックを作成する仕事で、その国の外資政策や優遇税制、産業構造、労働環境やインフラなどを調べて200頁位の原稿を書き上げます。調査手法は文献調査と、現地調査、現地でのヒアリング調査です。こちらは5~6年担当して、第一勧銀の出向者とトータルで10カ国位回りました。

色々な国に行けるのは良いのですが、進出企業や大使館、現地の投資機関などを1週間の出張で20ヶ所以上回ります。知らない国で1日に4~5件をヒアリングで回り、知らない人と面談するのは結構大変です。よく話をしてくれる人は良いのですが、無口で無愛想な人が出てくると、話の切っ掛けをつくるだけでも一苦労でした。移動と人疲れのため、ホテルに戻ってヒアリングメモをまとめて、ビールを飲んだらバタンキューという日も沢山ありました。

ヒアリング調査というのは調査結果をまとめるのが難しい手法です。皆が「この国は採用環境が悪い」といえばそれで間違いないでしょうが、数社が「悪いと言い」、数社は「問題ない」と言って色々な事例をお聞きします。その場合どんな風に報告するのが客観的なのか迷います。このあたりは定性分析の側面が強い調査手法の難しいところです。最後は適切な表現を探してウンウンうなりながら何度も書き直すような作業になります。

海外投資環境調査は、最後はきちんと編集されてガイドブックとして千部位は印刷されました。自分が苦労して書いた原稿が本になるのは結構嬉しいもので、今でも自分で書いた国の投資ガイドブックは大切に取ってあります。

マイボイスコムはネットを通じた情報収集が主であるため、直接人に会って情報をいただくことはほとんどありません。ヒアリング調査はアポを取るだけでも大変ですし、色々な人から話を引き出すのも苦労します。その面では行動力とコミュニケーション力の求められる手法といえます。非常に効率は悪いですが、ピンポイントで深い情報を取る時には必要な調査手法といえます。

2007年4月12日 (木)

数字選択くじ調査

マーケティングリサーチを始めて5年目位に「数字選択式くじ」の企画コンペがありました。今はもう定着していますが、米国で行われていたナンバーズを日本でも始めようという構想で、その受容性や商品設計、売上予測を検討するための調査の引合いです。こちらを6社位のシンクタンクで企画コンペをすることになりました。非常に大規模な調査で予算もン千万円ということで気合が入りました。

気合と根性で企画を作成して、何とか受注することができました。その当時は日本で数字選択くじの概念がなかったので、その特徴をどう伝えて評価してもらうかに工夫をしました。全く今まで身近にないような商品コンセプトの場合、良く特徴が伝わらないとネガティブな意見に振れるので、如何に商品性を伝えるかが重要です。そのため米国の事例を参照するとともに、漫画的なシナリオを作成して説明資料に加えました。

調査手法は全国10ヶ所位で大規模な訪問調査をやり、数千件の調査票を回収するという設計でした。大規模な訪問調査を仕切るのは初めてでしたので、調査票案が出来た時にはちゃんと答えられるか検証するため、自分達で訪問テストをやることにしました。実査の外注費用だけでン千万円かかりますので絶対に失敗は許されません。私がリーダーでスタッフ5人を率いて3チームを作り、1チーム50票獲得をノルマにして都内某所を回りました。

訪問調査ってやってみると本当に大変な作業です。車の飛び込み営業と一緒です。インターフォンを押しても空けてくれませんし、断られてばかりでへこみます。公園で子供を遊ばせているお母さんにも協力をお願いしました。こちらは意外にうまく行きました。人が沢山集まる某有名な神社でお願いしていたら、神主さんにこっぴどく怒られてしまいました。本当に調査員さんて大変な仕事なのだと痛感できました。

実査が始まれば実査会社に任せるしかないのですが、クライアントを連れて札幌や仙台などの調査員さんの説明会にも立ち会いました。こうして集まった数千票の調査票でしたので、調査票の1つ1つに調査員さんの苦労が見えて、ちゃんと良い報告書を作らないと申し訳ないよなあという責任をひしひし感じました。

調査の仕事は途中までは大勢のスタッフが関わりますが、最後は1人で考えながら孤独にまとめる作業が必要になります。集計データが出来てしばらくはこの仕事に集中し、商品設計や需要予測、他の宝くじへのカニバリの影響分析などをやりました。最後はまた徹夜でした。こちらの報告書はとても評判がよく、3年後に聞いたら売上もほぼ予測値にピッタリだったそうで褒められました。そしてこの実績が買われて「ロト」が導入される時の調査も、コンペで勝つことができました。

苦労した調査のことは今でも良く覚えているものです。また具体的な商品になったものを見ると嬉しくなります。もちろん私の提案通りに商品ができた訳ではありませんが、ナンバーズやロトを見るとなんか懐かしくなります。皆さん、私が少しだけ関わったナンバーズとロトを是非買ってやってください。

2007年4月11日 (水)

米国レジャーランド調査

CRC総合研究所の頃はまだネットリサーチがありませんでしたので、1件の調査案件に2~6ヶ月はかかっていました。自分がメインで携わるテーマは年間20本位だったと思います。価格は300万円から800万円位で、時々数千万円という案件もありましたが、平均単価は400~500万円という感じです。ネットリサーチになって期間は1/4、単価は1/5位に下がったというのが私の実感です。

これはもう時効ですし、没になった企画なので話せますが今から20年ほど前に某商社が東京ディズニーランドの成功を見て、もう1つ首都圏に大型レジャー施設がつくれないか、そのため何か良いアイディアがないか米国を調査したいという話をいただきました。何か良く分かりませんが、某商社のご担当者と2人で米国に行って、毎日遊園地に行く仕事といいます。私にとっては初めての海外調査で、それも遊園地ですからすごくラッキーだと思い手を上げました。

最初は西海岸に行きディズニーランドやナッツベリーハウス、ユニバーサルスタジオなどを回り、その後にヒューストン、フロリダ、ニューヨーク、カナダのオンタリオ、エドモントンなどを2週間で回る計画を立てました。それぞれの施設の概要を集め、何か面白いアイディアはないか、どんな施設にどの位の人が乗っていて、どの位の収益が予想されるかなんかを調べていました。毎日昼間はレジャー施設に行って調査をして、夕方フライトで別な都市に行き、翌日はまた別な遊園地を訪問する毎日です。

最初は楽しかったのですが、しばらくすると毎日男2人で遊園地に行くのが苦痛になってきました。おそらく一緒にいったその人も同じように感じていたのか、ニューヨークに着いたら「急用ができたので悪いが後は1人で行ってくれ」といって帰ってしまいました。何も恐いニューヨークで捨てなくても・・・と思いましたが、仕事ですし相手はクライアントなので文句は言えません。その後は毎日1人で遊園地に行きました。約2週間、毎日のように飛行機に乗って10ヶ所位の遊園地を回り、大変に疲れました。

この調査で分かったことは、米国にもあまり目新しいアイディアはないということ、シュミレーションマシンを沢山揃えたレジャーランドは面白いのではというアイディアも出ましたが、首都圏で大規模な土地を確保するだjけで採算が回らないという結論でした。せっかく2週間も遊園地を調べましたが、1ヶ月でこの企画は無理だなあという結論になりあの辛かった2週間は何だったのかと空しく感じたのでした。

遊園地はプライベートで仲の良いメンバーで行く場所でした。仕事は仕事です。調査対象が楽しいものでも、仕事自体が楽しいとは限らないということを学びました。こういうような現地調査中心のリサーチもあります。ネットリサーチだとなかなかこういう経験はできませんが、当社も手法の幅を広げて、現場を見て提案するような仕事がもう少しあっても良いのかもしれませんね。こういう調査はその時は辛いですが、ちょっとだけ度胸は付くかもしれません。