マーケティング Feed

2007年4月16日 (月)

不動産開発のニーズ調査

某商社からは毎年10件位のお仕事をいただきまっした。商社はメーカーではありませんので商品開発やブランド戦略というより、こんなアイディアが事業になるのかといったニーズ調査や、どんな事業採算が見込まれるかという事業化調査(F/S調査)が多かったです。

私が沢山お手伝いしたのは不動産開発のニーズ調査です。八ヶ岳のこんな場所にこんなリゾートを開発したら売れるだろうか、大磯に大規模な研修施設を作ったら企業は使ってくれるのか、北海道のこの地域にこんなコンセプトの工場団地ができたらどうだろう、ハワイで大規模なホテルを開発したら、三田のある大使館の跡地に経営者専用の会員制医療施設を建設したら・・・、商社には本当に沢山のビジネス情報が集まり、皆良く色々なアイディアを考えるなあと関心しました。

調査のプロセスは、まず関連情報を集めることから入ります。会員制医療施設がテーマであれば医療施設関連の情報を日経テレコムの検索情報や関連団体の資料で調べて、だいたいの市場構造や競合サービスを理解して調査設計を行い、その後は対象者への郵送アンケート、そして必要であれば20件程度の訪問ヒアリングを行うというのが流れです。それを2~3ヶ月で遂行して300~500万円位の費用をいただきました。この手の調査はある程度頭の中でパターン化できていたので、はいはいまいどありーという感じで対応できました。

今の当社のネットリサーチであれば3週間、150万円位でほとんどやれる内容かもしれませんね。郵送アンケートでは、調査票印刷とラベル作成で1週間、発送と回収で3週間、コーディングとデータ入力(パンチ)で1週間と、実査だけで1ヶ月以上かかりますので、どんなに急いでも2ヶ月はかかります。また、インターネットがなかったらめ関連情報を集めるのも本屋や刊行物センター、関連団体などを回って資料を集めるのにも結構時間がかかっていたように思います。

回収数は200~500件の案件が多かったですが、回収率が500円のテレカが謝礼で8~12%程度でしたので、2,000~5,000件の発送が必要になります。このラベル代、印刷と郵送費、発送代行費が@200円、回収後のパンチ代と謝礼発送費が@800円位ですので、実査の経費だけで55~140万円が発生します。またこれを管理する人の人件費もありましたので、郵送アンケートは実費だけでどうしても100~200万円はかかるという構造です。

最近は個人情報保護法の制定や住民基本台帳の改正によって、郵送調査の発送ラベルを作ること自体が難しくなっていますので、官公庁の調査も含めて益々ネットリサーチの役割が高まってくるでしょう。ただ、調査の目的によっては郵送調査が必要なケースもあると思います。当社はネットリサーチが中心ですが、顧客対応力を高めるため必要に応じて郵送調査も対応できるようにしたいと思います。服部さんや永森さんも腐るほど郵送調査を経験していますので、会社としては十分にノウハウがありますのでいつでも相談して下さい。

2007年4月13日 (金)

国別投資環境調査

CRC総合研究所は第一勧銀からも出資を受けていて、ある時は伊藤忠系のシンクタンク、ある時は第一勧銀系のシンクタンクと言って仕事をしていました。そして、第一勧銀からはグループ会社の支援として、毎年3カ国位の「海外投資環境調査」という調査をいただいていました。

こちらは第一勧銀の取引先が海外に進出する時に渡すガイドブックを作成する仕事で、その国の外資政策や優遇税制、産業構造、労働環境やインフラなどを調べて200頁位の原稿を書き上げます。調査手法は文献調査と、現地調査、現地でのヒアリング調査です。こちらは5~6年担当して、第一勧銀の出向者とトータルで10カ国位回りました。

色々な国に行けるのは良いのですが、進出企業や大使館、現地の投資機関などを1週間の出張で20ヶ所以上回ります。知らない国で1日に4~5件をヒアリングで回り、知らない人と面談するのは結構大変です。よく話をしてくれる人は良いのですが、無口で無愛想な人が出てくると、話の切っ掛けをつくるだけでも一苦労でした。移動と人疲れのため、ホテルに戻ってヒアリングメモをまとめて、ビールを飲んだらバタンキューという日も沢山ありました。

ヒアリング調査というのは調査結果をまとめるのが難しい手法です。皆が「この国は採用環境が悪い」といえばそれで間違いないでしょうが、数社が「悪いと言い」、数社は「問題ない」と言って色々な事例をお聞きします。その場合どんな風に報告するのが客観的なのか迷います。このあたりは定性分析の側面が強い調査手法の難しいところです。最後は適切な表現を探してウンウンうなりながら何度も書き直すような作業になります。

海外投資環境調査は、最後はきちんと編集されてガイドブックとして千部位は印刷されました。自分が苦労して書いた原稿が本になるのは結構嬉しいもので、今でも自分で書いた国の投資ガイドブックは大切に取ってあります。

マイボイスコムはネットを通じた情報収集が主であるため、直接人に会って情報をいただくことはほとんどありません。ヒアリング調査はアポを取るだけでも大変ですし、色々な人から話を引き出すのも苦労します。その面では行動力とコミュニケーション力の求められる手法といえます。非常に効率は悪いですが、ピンポイントで深い情報を取る時には必要な調査手法といえます。

2007年4月12日 (木)

数字選択くじ調査

マーケティングリサーチを始めて5年目位に「数字選択式くじ」の企画コンペがありました。今はもう定着していますが、米国で行われていたナンバーズを日本でも始めようという構想で、その受容性や商品設計、売上予測を検討するための調査の引合いです。こちらを6社位のシンクタンクで企画コンペをすることになりました。非常に大規模な調査で予算もン千万円ということで気合が入りました。

気合と根性で企画を作成して、何とか受注することができました。その当時は日本で数字選択くじの概念がなかったので、その特徴をどう伝えて評価してもらうかに工夫をしました。全く今まで身近にないような商品コンセプトの場合、良く特徴が伝わらないとネガティブな意見に振れるので、如何に商品性を伝えるかが重要です。そのため米国の事例を参照するとともに、漫画的なシナリオを作成して説明資料に加えました。

調査手法は全国10ヶ所位で大規模な訪問調査をやり、数千件の調査票を回収するという設計でした。大規模な訪問調査を仕切るのは初めてでしたので、調査票案が出来た時にはちゃんと答えられるか検証するため、自分達で訪問テストをやることにしました。実査の外注費用だけでン千万円かかりますので絶対に失敗は許されません。私がリーダーでスタッフ5人を率いて3チームを作り、1チーム50票獲得をノルマにして都内某所を回りました。

訪問調査ってやってみると本当に大変な作業です。車の飛び込み営業と一緒です。インターフォンを押しても空けてくれませんし、断られてばかりでへこみます。公園で子供を遊ばせているお母さんにも協力をお願いしました。こちらは意外にうまく行きました。人が沢山集まる某有名な神社でお願いしていたら、神主さんにこっぴどく怒られてしまいました。本当に調査員さんて大変な仕事なのだと痛感できました。

実査が始まれば実査会社に任せるしかないのですが、クライアントを連れて札幌や仙台などの調査員さんの説明会にも立ち会いました。こうして集まった数千票の調査票でしたので、調査票の1つ1つに調査員さんの苦労が見えて、ちゃんと良い報告書を作らないと申し訳ないよなあという責任をひしひし感じました。

調査の仕事は途中までは大勢のスタッフが関わりますが、最後は1人で考えながら孤独にまとめる作業が必要になります。集計データが出来てしばらくはこの仕事に集中し、商品設計や需要予測、他の宝くじへのカニバリの影響分析などをやりました。最後はまた徹夜でした。こちらの報告書はとても評判がよく、3年後に聞いたら売上もほぼ予測値にピッタリだったそうで褒められました。そしてこの実績が買われて「ロト」が導入される時の調査も、コンペで勝つことができました。

苦労した調査のことは今でも良く覚えているものです。また具体的な商品になったものを見ると嬉しくなります。もちろん私の提案通りに商品ができた訳ではありませんが、ナンバーズやロトを見るとなんか懐かしくなります。皆さん、私が少しだけ関わったナンバーズとロトを是非買ってやってください。

2007年4月11日 (水)

米国レジャーランド調査

CRC総合研究所の頃はまだネットリサーチがありませんでしたので、1件の調査案件に2~6ヶ月はかかっていました。自分がメインで携わるテーマは年間20本位だったと思います。価格は300万円から800万円位で、時々数千万円という案件もありましたが、平均単価は400~500万円という感じです。ネットリサーチになって期間は1/4、単価は1/5位に下がったというのが私の実感です。

これはもう時効ですし、没になった企画なので話せますが今から20年ほど前に某商社が東京ディズニーランドの成功を見て、もう1つ首都圏に大型レジャー施設がつくれないか、そのため何か良いアイディアがないか米国を調査したいという話をいただきました。何か良く分かりませんが、某商社のご担当者と2人で米国に行って、毎日遊園地に行く仕事といいます。私にとっては初めての海外調査で、それも遊園地ですからすごくラッキーだと思い手を上げました。

最初は西海岸に行きディズニーランドやナッツベリーハウス、ユニバーサルスタジオなどを回り、その後にヒューストン、フロリダ、ニューヨーク、カナダのオンタリオ、エドモントンなどを2週間で回る計画を立てました。それぞれの施設の概要を集め、何か面白いアイディアはないか、どんな施設にどの位の人が乗っていて、どの位の収益が予想されるかなんかを調べていました。毎日昼間はレジャー施設に行って調査をして、夕方フライトで別な都市に行き、翌日はまた別な遊園地を訪問する毎日です。

最初は楽しかったのですが、しばらくすると毎日男2人で遊園地に行くのが苦痛になってきました。おそらく一緒にいったその人も同じように感じていたのか、ニューヨークに着いたら「急用ができたので悪いが後は1人で行ってくれ」といって帰ってしまいました。何も恐いニューヨークで捨てなくても・・・と思いましたが、仕事ですし相手はクライアントなので文句は言えません。その後は毎日1人で遊園地に行きました。約2週間、毎日のように飛行機に乗って10ヶ所位の遊園地を回り、大変に疲れました。

この調査で分かったことは、米国にもあまり目新しいアイディアはないということ、シュミレーションマシンを沢山揃えたレジャーランドは面白いのではというアイディアも出ましたが、首都圏で大規模な土地を確保するだjけで採算が回らないという結論でした。せっかく2週間も遊園地を調べましたが、1ヶ月でこの企画は無理だなあという結論になりあの辛かった2週間は何だったのかと空しく感じたのでした。

遊園地はプライベートで仲の良いメンバーで行く場所でした。仕事は仕事です。調査対象が楽しいものでも、仕事自体が楽しいとは限らないということを学びました。こういうような現地調査中心のリサーチもあります。ネットリサーチだとなかなかこういう経験はできませんが、当社も手法の幅を広げて、現場を見て提案するような仕事がもう少しあっても良いのかもしれませんね。こういう調査はその時は辛いですが、ちょっとだけ度胸は付くかもしれません。