業界情報 Feed

2021年7月19日 (月)

2020年度のリサーチ市場

日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)から経営業務実態調査が公表されました。

こちらの数字はJMRAの会員企業からの報告をもとに、協会が市場規模等を推計しているものなので、必ずしも正確な数字でないものもありますが、リサーチ市場の統計などはないからこの市場を理解するのには1番良い資料だと考えています。

今回の調査は会員企業109社のうち90社が回答した結果です。

これによると2020年度の日本の市場調査(マーケティング・リサーチ)の市場規模の推計値は2,202億円で、そのうちのアドホック調査(個別調査)は1,350億円ということでした。

前期比ではマーケティング・リサーチ全体が96.1%で▲3.9%の減少で、アドホック調査は93.1%で▲6.9%の減少でした。

日本の名目GDPが▲4.6%で、リーマンショックの時より大きな減少でしたので、もしかすると10%近い減少になるかもしれないと思っていましたが、やはり約7%もの減少になっていました。

この調査では「当面の経営上の問題点」も聞いていますが、以下が上位の問題となっています。

 1位 新型コロナ感染症における影響  66%

 2位 売上不振            43%

 2位 中堅リサーチャー不足      43%

 4位 残業問題、働き方改革      39%

 5位 社員の調査スキル不足      29%

 6位 調査の価格安          28%

 6位 コンサルティング力不足     28%

新型コロナによって売上が不振になり、価格低下や、スキル不足、残業や働き方改革の課題もあって、リサーチ会社が厳しい経営環境にあることが分かります。

当社は伊藤忠さんのDX案件や大学案件の増加で、昨年度は125%の伸びが実現できましたが、上記のような市場環境ですから、気を引き締めて事業に取組むことが必要です。

リサーチ会社はサーベイが出来るだけでは生き残れず、「Consultancy & Storry teller」のコンサル提案が出来る会社になるか、「New Research」の新しいテクノロジーサービスを提供できる会社になるかが求められています。

当社は6年前からTextVoiceへの開発投資を進めて来ましたが、アドホック調査以外の収益源を作ることが不可欠だと改めて実感しました。

2021年7月 6日 (火)

ネット調査品質ガイドライン

「マーケティング・リサーチ綱領」はMR全体の業界ガイドラインですが、インターネット調査に関しても協会から「品質ガイドライン」が出ています。

2020年5月に出来たもので、その時には皆さんにも紹介しましたが、新しい方もおられるのでリマインドします。

すべてインターネット調査の基本だと思われる内容ですが、

「調査協力者あってのインターネット調査であることを理解する」、「回答負荷と謝礼とのバランスを考える」、「回答所要時間は10分以内を推奨する」、「スクリーニング調査では抽出に使わない質問を控える」、「マトリクス形式や自由回答を多用しない」

など、皆さんが日常の業務の中で守られているか、もう1度考えてみて下さい。

こちらの全文ももう1度回覧します。

この機会に再度目を通して下さい。

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インターネット調査品質ガイドライン  2020年5月
一般社団法人日本マーケティング・リサーチ協会
http://www.jmra-net.or.jp/Portals/0/rule/guideline/20200525_internet_guideline.pdf

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インターネット調査を取り巻く環境の変化
1. インターネット調査はスマホ回答が過半数の時代に
2. モニターのアクティブ率の低下と担い手不足の懸念


インターネット調査の基本方針
1. 調査協力者を大切にする
1.1. 調査協力者あってのインターネット調査であることを理解する
1.2. 調査協力者のプライバシーに配慮する
1.3. 回答負荷と謝礼とのバランスを考える


2. 時代にあったインターネット調査を実施する
2.1. マルチデバイス回答できるようにする
2.2. 生活者のデジタルライフの変化に適応していく


3. 調査協力者の回答負荷を意識した調査票を設計する
3.1. 回答所要時間は10分以内を推奨する
3.2. スクリーニング調査では抽出に使わない質問を控える
3.3. マトリクス形式や自由回答を多用しない


4. どんなデバイスでも回答しやすい調査票を設計する
4.1. 質問文は短く、そしてわかりやすく
4.2. 選択肢は増やしすぎない
4.3. 巨大マトリクスは使わない
4.4. まずは自分で回答してみる


インターネット調査品質ガイドライン準拠のチェックリスト

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2021年7月 5日 (月)

マーケティング・リサーチ綱領

皆さんは、JMRAが公開している「マーケティング・リサーチ綱領」を読んだことありますか。

皆さんがリサーチの仕事をしていて、これはそうなんだろう、やっていいのかな、何を注意しなくてはいけないのだろう。

と迷うこともあると思います。

そんな時の判断のガイドラインですので、全員が目を通しておいて下さい。

内容をすべて覚えてなくても、こんなガイドラインがあることは業界の常識として覚えておいて、判断に迷ったらこの綱領を思い出して確認するようにして下さい。

朝会でも話した通り、もう1度全文も回覧しますから再度目を通して下さい。

〇マーケティング・リサーチ綱領

http://www.jmra-net.or.jp/Portals/0/rule/JMRA-Code-170526.pdf

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●職業上の責任

第1条(法令遵守、公明正大さ)
リサーチャーは、関係するすべての国内および国際法規を遵守しなければならない。リサーチプ
ロジェクトは、適法、公明正大、誠実、客観的でなければならず、かつ、適切な科学的諸原則に
基づいて実施されなければならない。


第2条(差別の禁止)
リサーチャーは、人種、信条、性別、社会的身分または門地等により、何人に対しても不当な差
別的取扱いをしてはならない。


第3条(不正行為の禁止)
リサーチャーは、収集したデータまたはリサーチの結果を、恣意的に改ざん、捏造、加工または
削除してはならない。リサーチの品質を確保するため、やむをえずデータを加工または削除する
必要がある場合は、その目的と手順を記録し、クライアントから要請があった場合には開示しな
ければならない。


第4条(個人情報の管理、保護、移転)
リサーチャーは、調査対象者の個人情報の漏えい、滅失またはき損の防止その他の個人情報の安
全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。調査対象者の個人情報を第三者に
提供する場合には、あらかじめ調査対象者の同意を得ているか、または適切な法的根拠に基づか
なければならない。これには国境をまたぐ個人情報の移転も含まれる。


第5条(リサーチとプロモーションの区別)
リサーチプロジェクトは、個々の調査対象者に向けられた一切の商業的活動(例えば広告、セー
ルス・プロモーション、ダイレクト・マーケティング、ダイレクト販売など)を含む、リサーチ
以外の諸活動と明確に区別して実施されなければならない。

第6条(クライアントへの説明責任)
リサーチャーは、リサーチプロジェクトについて、クライアントに適切、かつ詳細な技術情報を
提供しなければならない。また、クライアントからの要請があった場合、データの収集および加
工についての品質チェックの機会を提供するよう努めなければならない。

第7条(事実と解釈の区別)
リサーチャーは、調査結果とその解釈が、データによって明確かつ十分に裏付けられていること
を保証しなければならない。また、リサーチプロジェクトの結果を報告する際は、調査結果と、
解釈および導き出された結論や提言を明確に区別しなければならない。


第8条(結果公表時の注意点)
リサーチャーは、クライアントがリサーチプロジェクトの結果を、その一部でも公表しようとす
る場合、公表の形式および内容について、リサーチャーに事前に相談するようクライアントに要
請しなければならない。公表された結果が誤解を招かないよう配慮することは、リサーチャーお
よびクライアント双方の責任である。


第9条(透明性等)
リサーチャーは、リサーチプロジェクトを正確、透明かつ客観的に実施しなければならない。


第10条(秘密情報の管理)
リサーチプロジェクトに関連する秘密情報(営業情報、技術情報、知的財産権等)の漏えい、滅
失、き損を防止するため、リサーチャーおよびクライアントは、相互に必要かつ適切な措置を講
じなければならない。


第11条(啓発、普及)
リサーチャーは、マーケティング・リサーチの社会的意義について啓発、普及に努めなければな
らない。また、リサーチャーは、クライアントおよびその他の関係者に対して、本綱領の要求事
項を遵守するよう要請しなければならない。

●調査対象者の保護
第12条(自由意思の尊重)
リサーチプロジェクトへの協力は、調査対象者の自由意思によるものである。調査対象者にリサ
ーチプロジェクトへの参加と協力を求めるにあたっては、十分かつ誤解を招かないよう、リサー
チャーは、リサーチプロジェクトの概要(調査主体、調査の目的、調査方法、個人情報の利用目
的等)について誠実に説明しなければならない。


第13条(目的の通知、目的外利用の禁止)
リサーチャーは、リサーチの目的で調査対象者から個人情報を取得しようとする場合は、あらか
じめ調査対象者に自らの身元を明らかにし、取得の目的を明確に伝えなければならない。また、
調査対象者の同意または適切な法的根拠がないまま、調査対象者の個人情報が当初の目的以外に
使用されることを認めてはならない。

第14条(個人情報取得の制限)
リサーチャーは、調査対象者の個人情報の取得を、リサーチプロジェクトの目的に照らして、必
要最小限の項目にとどめなければならない。

第15条(負荷の軽減)
リサーチャーおよびクライアントは、調査対象者への負荷を軽減するため、質問数、質問形式、
回答デバイス等を考慮した最適な設計が実現できるよう、相互に努力しなければならない。


第16条(提供先に関する説明・同意の取得)
リサーチャーは、調査対象者の個人情報を第三者(クライアントを含む)に開示してはならない。
ただし、事前に第三者に提供する目的等を明示し、調査対象者本人の同意を得ている場合はその
限りではない。


第17条(子供、若年者等の保護)
リサーチャーは、子供や若年者からデータを収集するにあたっては、特別な配慮をしなければな
らない。調査対象者が疾患や障がい等により本人の意思決定や意思表示が困難な場合も同様に、
特別な配慮が必要である。調査対象者が中学生以下の子供の場合は、事前にその親またはその親
に代わる親権者等の同意を得なければならない。


第18条(個人の権利の尊重)
リサーチャーは、調査対象者の個人としての権利を尊重しなければならない。調査対象者がリサ
ーチプロジェクトに協力したことの直接的結果によって、身体的、精神的、経済的、その他一切
の被害を受けたり、不利益を被ることがあってはならない。


第19条(受動的データ収集)
受動的データ収集は、調査対象者の同意に基づいて行われなければならない。調査対象者の同意
を得ることが不可能な場合、リサーチャーは受動的データ収集が法的に許容される根拠を持たな
ければならない。


第20条(二次取得データの適法性)
二次取得データを使用する場合、リサーチャーはあらかじめそのデータが適法に収集されたもの
であることを確認するとともに、調査対象者に対する通知および同意の必要性を判断しなければ
ならない。


第21条(個人情報の再構成の禁止)
リサーチャーは、調査対象者に関するデータを他のデータ(クライアントまたは第三者が保有す
るデータ、パブリックドメインの記録)と組み合わせる等の方法によって、調査対象者の身元が
特定されることがないよう配慮しなければならない。

2021年6月29日 (火)

リサーチ市場への取組み

リサーチ市場に対する取組みについては以下の様な説明をしています。

これらの内容もいつも皆さんに説明していることです。

「専門サービスやデータ品質の強みが活かせる、事業会社と大学を対象にオフライン調査も含めたサービスの提供に努めること」、「DX事業の推進にも顧客ニーズの把握が必要であることから、DX事業に役立つリサーチにも取り組むこと」「自社パネルの補強にも注力すること」

これらも当社が意識して行動すべき課題だと認識しています。

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1.インターネット調査市場の変化

 インターネット調査市場は2012年度まで2桁の成長を続けて来ましたが、その後は年2~3%の成長になり厳しい市場競争が続いています。また、パネル力やシステム力が重視される広告代理店の業務には大規模な競合会社(マクロミル、楽天インサイト、クロス・マーケティング等)が組織力での営業を続けており、この市場での優位性は確保できません。

そのため、当社は専門サービスやデータ品質の強みが活かせる、事業会社と大学を対象にオフライン調査も含めたサービスの提供に努めます。また、DX事業の推進にも顧客ニーズの把握が必要であることから、DX事業に役立つリサーチにも取り組みます。

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3.モニター環境の悪化

SNSやスマホゲーム等のインターネットサービスとの競合や、スマートフォンの普及等の影響もあって、モニターの減少と回収力の低下が業界全体の課題になっています。

回収力の低下は直接競争力にも影響するため、当社は協業パネルとの連携を強化してきました。ただし、協業パネルの利用拡大は外注費の増大に繋がり、収益を圧迫する大きな原因となりますので、引き続き自社パネルの補強にも注力します。

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4.個人情報管理に対する取組

当社では2002年8月に一般財団法人日本情報経済社会推進協会が運営するプライバシーマークを取得し、社内規程やシステムの整備、社員教育などを継続的に実施してまいりました。

2019年8月に8度目のプライバシーマークの更新審査を受けて合格しましたが、個人情報流出は事業への影響が非常に大きいため、今後も個人情報管理は徹底します。

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2021年6月14日 (月)

怖い日本の財政状況

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2021年5月25日 (火)

専門性と仕事力

ドゥ・ハウスもクロス・マーケティングの子会社になり、同グループのプロモーション会社になって行くのでしょう。

そして、電通リサーチや、東京サーベイリサーチ、リサーチアンドデベロップメント、といった技術力と専門性のあった会社がマクロミルやクロス・マーケティングの傘下に入ることで、装置化したオペレーション中心の会社になっています。

実は4月に上記の1社である東京サーベイリサーチで、20年以上もリサーチャーとして働いている40代後半の方から履歴書が送られてきました。

当社のリサーチャーとして働きたいということでした。

その理由を聞いてみると、マクロミルの傘下になったことで体制や業務が大きく変わり、残業もかなり多くなり、オペレーションに徹する業務に疑問を感じて、もっとお客様と並走するリサーチをしたいとのことでした。

石田さんとも検討して、当社が求めている技術や経験と異なるのでお断りしましたが、彼が求めていることはよく分かります。

自分達はインターネット調査の装置や技術は保有しながらも、それによる早さと安さのリサーチオペレーションではなく、企業や大学のリサーチニーズに、専門性や知見やノウハウで貢献できるリサーチ会社を目指します。

そのため、営業の皆さんにも、リサーチの皆さんにも、しっかり関連する専門や技術を勉強してもらい、色々なリサーチも経験しながら、クライアントから頼りにされる専門家としての「個人の力」を強めてほしいと思います。

まずは皆さん自身が専門性と対応力を身に付けることですので、主体的な学習と新たな分野での挑戦を続けて下さい。

それが当社の強みを作ることだから、会社としてもできるだけのサポートをします。

2021年5月24日 (月)

ドゥ・ハウス社

ドゥ・ハウス社がクロス・マーケティングの子会社になりました。

ドゥ・ハウスは「ドゥさん」という主婦を組織したユニークなリサーチを提供していました。

稲垣さんという社長がアイディアマンで、こんな定性分析に取り組んでいるというセミナーを聞きに行ったこともありました。

そして、稲垣さんが引退した2015年頃からは、リサーチからもらって試しての「モラタメ」や、店頭購入型のサンプリングの「テンタメ」等のプローションサービスに軸足を移していました。

1980年設立で120人の従業員もいますが、クロス・マーケティングの傘下に入ることでリサーチ機能は徐々に親会社に移して、ドゥ・ハウスはプロモーション会社になるのだと思われます。

同社には当社の元社員もいて、彼とは時々食事をしながら同社の話も聞いていましたが、会社は時代とともに変化するということですね。

ドゥ・ハウスも技術力と独自性を持ったリサーチ会社でしたが、そんな会社がまた1社リサーチ業界からなくなります。

クロス・マーケティングの子会社になったリサーチアンドデベロップメント(R&D)社も技術力で定評がありましたが、今は吸収されてその特色は残っていません。

あの電通リサーチも東京サーベイリサーチも、マクロミル傘下になって社名もサービス機能も人も全く変わってしまいました。

リサーチ会社の多くが自動化したオペレーション中心の会社になっていることが、今のリサーチ業界の大きな流れに見えます。

それだけに、マーケティングリサーチと、データ分析の技術と知見を持った技術者が、しっかり調査設計からレポーティングと提案まで行う「Consultancy & Storyteller」の分野を、当社が目指して行く価値があるのだと確信しています。

2021年5月20日 (木)

GDPはマイナス4.6%

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内閣府が18日発表した昨年度・2020年度のGDP=国内総生産は、新型コロナウイルスの影響で実質の伸び率がマイナス4.6%となり、比較可能な1995年度以降で最大の下落となりました。合わせて発表したことし1月から3月までのGDPは、前の3か月と比べた実質の伸び率が、年率に換算してマイナス5.1%と、3期ぶりのマイナスとなりました。

新型コロナウイルスの影響で、個人消費や輸出、それに企業の設備投資が大きく落ち込んだことが要因で、リーマンショックが起きた2008年度のマイナス3.6%を超えて、比較可能な1995年度以降で最大の下落となりました。(日経新聞)
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コロナ禍で何度も繰り返される非常事態宣言で、企業活動も消費行動も大きく制限されていますが、昨年度のGDPが▲4.6%という発表がありました。
 
あのリーマンショックの時でも▲3.6%でそれを上回る落ち込みですから、かなりの経済停滞で事業にも大きな影響が出ると考えるべきでしょう。
 
リーマンショックが起きたのは2008年で、その翌年の2009年度のマーケティングリサーチ市場は前年比92.6%まで大きく落ち込みました。
 
売上利益率が5%位の企業であれば、売上が7%も下がれば赤字に転落してしまいます。
 
当社も2009年度は案件がぴたっと無くなり、決算が大きく落ち込みとても苦しみました。
 
今期はリサーチ売上を111%で伸ばす計画ですが、市場が急に冷え込む可能性もあるからかなり積極的な攻めの営業をしないと実現できません。
 
経済が落ち込んで市場が冷えても計画は達成しないといけないし、毎年の計画を達成させて適切な成長と利益を生むことが企業継続の条件であり、社員の皆さんがハッピーになるための条件でもありますから、前のめりになって乗り越えるしかありません。
 
営業の皆さんは待ちの姿勢になることなく、攻めの営業活動を進めて下さい!
 

2021年4月22日 (木)

リサーチ市場の変化2

日本のインターネット調査は世界で1番安いといわれています。

それは、マクロミルが仕掛けたインターネット調査の自動化による、早さと安さの競争の結果でした。

そして、安さを訴求するため、回答者への謝礼も3ポイントとか、5ポイントという、それまでのリサーチ業界の常識では考えられなかった水準まで下げたことが、モニターの裾野が広がらない原因になっています。

お客様に早くて安価なサービスを提供することは良いことですが、これまでの1/4の水準まで下げて、世界で1番安くしてしまったのは、リサーチの品質を考えると間違いだったと思います。

インターネットの活用で効率性が大幅に進むこと、これまで出来なかった大量のデータの回収や、双方向性の回収や、動画やサイトの活用、回答導線の制御、リッチなテキスト等の改善も素晴らしいことです。

ただし、早さと安さと自動化の競争でなく、お客様の意思決定に役立つリサーチが提供できるもう少し余裕のある市場環境を作ることが必要だと感じています。

それは当社だけでも数社のリサーチ会社だけでも変えられません。

マクロミルやクロス・マーケティング、楽天インサイト等がこの条件を続けていると、それが市場の基準になって変えられないのが辛いところです。

今の条件ではお客様にご満足いただけるサービスが提供できないなら、リサーチ業界全体でより良い品質のサービスが提供できる環境に改善すべきで、3年ほど前にJMRAがその基準作りをするという話しもありましたが全く進んでおりません。

市場環境は当社1社で変えられるものではありませんが、自社でやれることもあります。

当社は当社が出来ることで、リサーチサービスの質的改善に取り組んで行きましょう!

2021年4月21日 (水)

リサーチ市場の変化

インターネット調査がなかった1990年代までは、色々なオフラインの調査手法を組み合わせながらお客様のリサーチ課題に対応していました。

その頃とインターネット調査が過半数の現在とで大きく異なる環境は、それを遂行するための時間と費用です。

以前の郵送調査であれば、まずは関連文献を集めて、日経テレコンで関連する記事も収集して、お客様とも何度も直接会って打ち合わせをしながら調査票を設計し、印刷に出し、ラベル作成、発送、回収、チェック、パンチ、集計、レポート作成という手順で進めていました。

そのため、標準的なケースでも時間は3ヵ月はあり、300件回収でも4,000件ほどの発送も必要でしたから予算も4~500万円はありました。

それがインターネット調査では調査票設計からレポート作成で、30問で1,000件回収しても約100万円で3週間という感じになっています。

時間も費用も以前の4分の1位です。

それはお客様にとっては、より安い経費で、早く、大量のデータで調査結果を見ることができるので利便性は4倍も良くなったといえます。

しかし、リサーチ会社の立場は、お客様と課題や調査内容を打ち合わせる時間も経費もなく、とにかく沢山の数のリサーチを効率的に回さないと会社が成り立たない。という厳しい環境で慌ただしく動かざるを得ないのが今のリサーチ市場のように思います。

お客様からはリサーチ会社の技術力が低下したとか、リサーチしたけど意思決定に役立たなかったという評価が増えています。

これはリサーチの経験も愛着もない方がネットリサーチ会社を起業し、時間と費用を1/4まで極端に下げてしまったのが原因ですが、お客様とリサーチ会社の両方にとって不幸なことだったように感じています。

2021年4月12日 (月)

街頭調査の経験

先週の続きですが、私もCRC総研の時に色々なオフライン調査を経験しました。

その中でも街頭調査や訪問調査は大変な仕事だった様に思います。

ある時には宝くじの団体から「新しい宝くじ(ナンバーズ)を作る」という大型案件を受注しました。

6社のシンクタンクでの企画コンペで、野村総研や三菱総研などもいたのですが、かなり根気をつめて提案書を書いて、必死にプレゼンをして数千万円の大型調査を受注しました。

全国で3,000人もの個別訪問調査を実施する計画でしたから、これは失敗できないということで調査票の叩き台が出来た時に、そのテストのため3人の部下を連れて、府中の町で1日街頭調査をやったことがあります。

この時に無許可で由緒ある神社で声をかけていたら、神主さんからこっぴどく叱られて、取引先の銀行を通じて依頼主までクレームが行って大変な目にあいました。

また、東京都の「写真美術館調査」では10人ほどの調査員に1週間、恵比寿ガーデンに立ってもらって調査票を回収する現場監督もしました。

国際通信会社の「香港通信事情調査」では、香港空港で日本人旅行者から調査票を回収するために同僚と2人で1日中声をかけて酷い目にも会いました。

そんなに多くの機会ではないですが、何度かの経験で個人の方と直接対面する街頭調査は本当に大変なものなのだな、という実感だけは持ち続けています。

そんな実体験をすると調査員の皆さんが、汗水たらして集めていただいた1票1票の調査票がどれだけ貴重で大切なものか分かりますし、その結果をしっかり導き出す責任があると感じるものです。

インターネット調査とはまた異なる対面での調査票聴取もリサーチの実務として有益です。

私は当社の社員の皆さんにも、この様な調査の現場を経験してもらうことも必要だと感じています。

何事も自分の経験が1番の知見ですから、機会があれば積極的にやってみてください。

2021年4月 6日 (火)

在宅勤務について

あるリサーチ会社の役員と情報交換をしました。

最近どんなことが起きているのか、時々同業の経営者と話をするのも大切な情報になります。

この会社では昨年4月の非常事態宣伝から9割もの在宅勤務を続けて来たのだそうです。

最初は在宅ワークでリサーチの仕事ができるのか不安だったそうですが、それなりに慣れてきたため昨年度の業績も悪くないとのことでした。

でも2つの大きな課題が出てきたと話してくれました。

1つは残業時間が平均で10時間以上も増えていることです。

どうしてもオンラインでの情報連絡だと伝わり難いこともあるし、自宅作業になるとどうしてもオンとオフの切り替えが難しくて、長時間労働になるみたいです。

リサーチ会社は原価に占める人件費の割合が高いので、残業時間が増えることはかなりのインパクトになるので何らかの対策を検討しているそうです。

そして、もう1つの問題は、在宅が半年続いた秋口頃から若手社員を中心にこれまでにないほどの大量退社が続いているのだそうです。

人が財産であるべきリサーチ会社では、これは致命的な欠陥に思います。

会社は仕事をする場所ですが、殆ど同僚や上司と直接会って話すことなく、相談も雑談もし難くくなると、「いったい会社って何なんだろう?、私はずっとこんな働き方がしたいのだろうか?」と不安になるのかもしれません。

人はコミュニケーションが必要な感情の生き物なので、作業ができればそれで良いとはならないのだと思います。

また感染者が増えて第4波が来れば、当社も在宅勤務を復活させるつもりですが、その課題も踏まえて判断します。

2021年2月 4日 (木)

メディア掲載で日本一

Yahoo!ニュースには毎月10件ほど、当社の自主調査が掲載されています。

おそらく日本で1番メディアに調査結果が掲載されているリサーチ会社になっていると思います。

こんな情報発信も社会のためになっていると思うので、これからも続けて行きたいと思います。

毎月沢山の自主調査を実施してくれている永森さん、そして、毎月沢山のニュースリリースを書いて配信してくれている明石さん、平さん、いつも地道な作業ありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。

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ここのYahoo!ニュースの検索に「マイボイスコム」と入れると掲載記事が沢山出て来るので、時間のある時に見て下さい。

https://news.yahoo.co.jp/

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自宅での除菌・消毒って気にしてる? MyVoice調査

マイボイスコムは、「除菌・消毒」に関するインターネット調査を11月1~5日に実施した。調査では、1万225件の回答を集めた。  

自宅内の除菌・消毒を気にする人は、「気にする」「やや気にする」を合わせて46.9%。気にしない人は、「気にしない」「あまり気にしない」を合わせて34.2%、男性10・20代で5割強となっている。

自宅内で除菌・消毒をしている場所・物を直近1年について聞いたところ(複数回答)、「トイレ」が56.4%、「まな板、スポンジ、ふきんなど」が47.9%、「キッチンのシンク、排水溝」が35.8%という。「おもちゃ、ぬいぐるみなど」「収納」「カーテンやソファ、家具などのインテリア」「壁、床」などは1割未満。キッチン周りや「トイレ」が女性、「スマートフォン、携帯電話」が女性の若年層で高いとのことだ。  

直近1年間に自宅内の除菌・消毒をしている人の、除菌対策実施理由(複数回答)は、「家族や自分の健康のため」が54.0%、「新型コロナウイルス予防・対策」が46.2%、「食中毒やノロウイルス対策」「カビ対策」「インフルエンザなどウイルス性疾患予防・対策(新型コロナウイルス以外)」が各30%台。「清潔でないと気になる」が女性10・20代、「乳幼児や高齢者などがいる」が30代で比率が高くなっているという。

2021年1月18日 (月)

非常事態宣言下のリサーチ

ある実査専門会社が、日本マーケティングリサーチ協会に非常事態宣言でのリサーチ会社の活動状況について問い合わせたところ、以下の様な回答があったそうです。

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日本マーケティングリサーチ協会に緊急事態宣言下の調査について、他社様の対応状況について1/14に問い合わせたところ、以下の回答がありました。

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直近で非公式に会員社さんにヒアリングを試みた範囲ですが、皆さん、昨年末と変わらぬ状況で、訪問面接調査も街頭リクルートのCLTも、従来通り(昨年8月くらいから後の、感染防止対策を施した上で)、実施されている、とのことでした。ランダムウォークによる調査員対面式の面接調査においても、マスク着用の上、問題なく調査が実施できているそうです。

これから緊急事態宣言に伴う規制事項が強化されるようなことが出てくるとわかりませんが、今回は飲食店の午後8時以降の営業制限がメインであり、常識的な市場調査活動に対する拒否反応が出るとは考えにくいと思われます。

クライアント様には、「市場調査に関する新たな規制事項はなく、他の調査会社でも従来通りに実査ができている」旨をお伝えいただくことでよろしいと思われます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「市場調査に関する新たな規制事項はなく、従来通りに実査ができている」というのがリサーチ会社の実態のようです。

4月の緊急事態宣言の時とは規制の内容も異なるし、この時期はリサーチ会社にとって最繁忙期なので業務を止められないという事情もあるのだと思います。

うちもこれから大規模な行動付随調査や、オフライン調査の計画もありますが、感染防止に努めながら実施して行きましょう。

これからのリサーチの提案や、お客様からお問い合わせには、こちらのJMRAの返答も参考に答えて下さい。

2020年11月27日 (金)

海外ヒアリング調査

私が勤務していたCRC総合研究所は、伊藤忠商事さんが筆頭株主で、2番目の株主が第一勧業銀行(現在のみずほ銀行)でした。

そのため、その両社から何人かの出向者もいて商社や銀行の人達とも一緒に働き、よく神田で飲みにも行きました。

第一勧業銀行の仕事の1つは、毎年、国別の投資環境調査を行い、それをまとめて「投資環境ガイドブック」を作成するというものがありました。

1年間で3か国ほどの「投資環境ガイドブック」を作成する仕事で、それを銀行の出向者とリサーチャー社員の3名で1か国づつ担当し、2名1組で海外出張をして原稿をまとめる仕事です。

各対象国に1週間ほど現地調査に行って、関連文献を集めるとともに、それぞれの都市で毎日4~5社、5日間で合計20社ほど進出企業からヒアリングを行い、外資環境や、採用や人事労務、インフラ等の現状や課題の情報を集めました。

そのため、5年間ほど毎年2か国の海外調査に2週間ほど出ていたので、この仕事で10か国は行けて良い経験でした。

ただし、2日ごとに都市から都市に異動してヒアリングをする仕事が2週間も続くと、かなりの体力を使うので、夜中にホテルに着いてそのまま泥の様にベッドで寝たことも多くありました。

イタリアのローマに行った時には、銀行のミラノ駐在事務所の方がどんな説明をしたのか分かりませんが、日本の最大銀行の投資ミッションが来ると勘違いされて、各省庁から10人近い役人が大会議室に集まっていました。

イタリア語の通訳も雇いましたが観光通訳なのでビジネスの通訳が全く出来ず、「この通訳は何を言ってるか分からない。もう直接英語でやらせてくれ。」という流れになりました。

その時は同行の同僚が英語が堪能でしたので何とか切り抜けましたが、本当に冷や汗を掻きました。

皆さんもこんなハードな現地調査やってみたいですか?

当社でもこんな海外調査まで出来るようになると、ハードだけど面白いかもしれませんね。

2020年11月20日 (金)

海外街頭調査

これはある国際通信会社から受託した調査の事例です。

もう25年以上も前の話しですが、その頃は日本に携帯電話(移動体通信)はなく、それが進んでいたのが香港でした。

そのため、香港の通信事情を調べたいというコンペがあり、それを何とか提案力で勝ち取りました。

主には香港の調査会社に委託をして、香港企業を対象に郵送調査を行うとともに、日本から日系の進出企業に郵送調査を行うことと、同社の担当者をお連れして香港で20社ほどの日系企業のヒアリング調査を行うのがメインでした。

そこまでは順調に進みアテンドしたご担当者も満足していただいたのですが、もう1つの提案内容が香港で日本人観光客から100件のアンケートを取るというものでした。

日本と比べて香港の通信はどうでしたかとか、日本に国際電話をかけましたか、的な簡単な調査でしたがこれは私と同僚の2人でやることにしました。

どこに日本人観光客が集まるかを考えたら、香港空港が良いんじゃないか、ということになって2人で空港まで行って街頭調査を始めました。

もちろん空港の許可もなく、日本人同士だから100人位なら何とかなるだろうと思って出かけたのですが、これが思った以上に大変でした。

香港旅行を終えて帰国しようとロビーでくつろいでいる時に「ちょっと良いですか。貴方は日本人ですか。私は日本のCRC総研という伊藤忠系シンクタンクのもので決して怪しいものではありません。すみませんがアンケートに、、」とやるのですが、これって凄く怪しいじゃないですか。

かなりの頻度で拒否されて、約束した100票を取るのにかなりの時間と労力を注ぎ込みました。

最後はすべての調査データをまとめてレポートを書いて、クライアントにも喜んでいただけましたが、この空港での街頭調査の苦戦も良い経験でした。

そして、これも「どんあリサーチでもやれば出来る。」という自信にはなったと思います。

リサーチは決して定型的なものではありません。

その時の課題やテーマに対してどんな方法でどんなデータを取得して、どんな分析とまとめを作ればクライアントの意思決定に役立って喜んでいただけるかを創造して実行する仕事です。

そのために未経験のことでも、色々と手探りで工夫をしてやることが大切だし、そのあたりがリサーチの仕事の面白さなのだと思います。

2020年11月13日 (金)

リゾート作りハンドブック

いつだったかは忘れましたが「リゾート法」ができて、それを推進するためのハンドブックを作りたいという仕事がありました。

発注元は当時の自治省で、そこの外郭団体に話しが行ったのを、その団体に営業をしていた私に相談が来た流れでした。

リゾート法というのは関連する官公庁が5、6省庁あったようで、自治省としてはどこよりも早くその分野を取り込みたかったらしく、急いでハンドブックを作り全国の書店で広めたいとのことでした。

本来はそこの財団法人がやるべき仕事ですが、彼らが実際に動く能力も気力もなかったので、それを丸投げしてきた仕事でした。

最近でもオリンピック関係で業務丸投げの話しがありましたが、こんなことは今も昔も沢山あるのかもしれませんね。

これはリゾートに関する情報を沢山集めて、それをリゾート開発を行う関係者が分かり易く使えるハンドブックにまとめる仕事なので、文献調査とも言えますが9割は編集の仕事です。

それを1ヵ月で原稿をまとめて、2ヵ月で書籍を出版するというかなりスケジュールが厳しい、無理のある仕事でした。

それでも受注したからにはやり切らないといけませんから、毎日、9時から20時頃までオフィスで作業をして、その原稿を持って21時過ぎから自治省で編集会議をやり、22時過ぎに霞が関から帰宅する生活を1ヵ月ほど続けました。

時間がなくて土日もかなり出たから、おそらく150時間近い残業もしたと思います。

そんなギリギリのハードワークで、どの省庁よりも早く「リゾート作りハンドブック」という書籍を全国の書店に並べることができました。

出版元は自治省と何もしなかった某財団で、CRC総研は協力会社として出ただけで、かなり自分が書いたのにうなあ、、、との思いで書店でその本を手に取りました。

リサーチというより出版編集の仕事でかなり無理もしましたが、今から考えると良い経験でした。

これを勧める訳ではありませんが、若い時に限界に近い仕事をやると、どんな仕事でも自分はできるという自信だけは付くようです。

2020年11月 5日 (木)

リサーチの仕事について

私がCRC総合研究所にリサーチャーとして入社したのは25歳でした。

最初の配属チームでは経済分析みたいなことをやり、来る日も来る日も朝から晩まで統計データを整備して、決定係数と睨めっこをしながら重回帰分析で関係式を作り、連立方程式のシミュレーションを繰り返す仕事でした。

これは自分にはかなり辛い仕事でしたので、上司や先輩に掛け合って2年目からは産業調査やマーケティング調査を行うチームに移してもらい、そこからずっとこのリサーチの世界にいます。

しかし、13年ほど業務を続けてこの仕事の知見も積んで、信頼してくれるお客様も沢山できた時に会社がリサーチ事業を止めることになり、私はITコンサルティング事業室の部長補佐になったのですが、システムには知見も興味もなくて無力を痛感しました。

そんな環境の変化があり、自分はリサーチの仕事が好きで、この分野なら渡り合える自信もあったのでマイボイスコムを起業する道を選びました。

そこから22年も経って自分自身ではリサーチそのものに関わる機会も減り、経営というややこしい仕事になりましたが、それでも扱う商品の本質は分かるし、興味と関心は今でも持っているので何とか長く取り組めたのだと思います。

私も最初の頃はリサーチのことは何も分からず、お客様から期待も信頼もされてなかったので、面白い仕事だとは思えませんでした。

しかし、だんだんと流れも分かり、自分が経験した業務や、学んだ知識や技術がお客様のお役に立ち、喜んでもらえて、信頼される様になってから、リサーチの仕事が好きになりました。

そして、何とかもっと役に立てる様になろう、もっと喜んでもらえる様になろうと思って、熱意と主体性と責任感は忘れずに働いて来ました。

リサーチは個人の実力がモノをいい、自分の実力を自分が積み重ねると、それが直接自分の役割や満足度や遣り甲斐に繋がる仕事であります。

リサーチという仕事を面白いと思うか、つまらないと思うかは、その方の能力と適性もありますが、1番大きな要因は仕事への取り組み姿勢のように思います。

どうせやるなら面白いと思って、お客様に役立ち喜んでもらおうと思って、主体的に熱意を持って取組むことではないでしょうか。

2020年10月23日 (金)

街頭調査の実例

私は街頭調査の経験は少なかったです。

簡易的な街頭調査は専門の会社があり、よく広告代理店が使っていました。

今はインターネット調査でコンペ提案用の簡易調査も早く、安くできますが、インターネット調査がない時代では1番早く安くできたのは街頭調査でした。

「渋谷の街で20代の女性100人に聞きました」みたいな調査結果を、企画コンペの提案材料に使っていたようです。

大きな広告やSPの企画コンペは、5~6社の広告代理店が参加することが多いようで、そこにかけられる費用の上限は20万円で、提案書作成の期間も10日ほどしかないから、調査結果は2、3日で集める必要があったようです。

その時間と予算で調査できたのが簡易的な「街頭調査」でありました。

この広告代理店の企画コンペ用の調査は、街頭調査からインターネット調査に移行しました。

私が経験した街頭調査の1つは東京都から委託を受けたもので、恵比寿にある「東京都写真美術館」に関する調査があります。

これは「東京都写真美術館」の利用者が芳しくないため、恵比寿のこの施設を歩いている人たちから月曜日から日曜日まで1週間、アンケートを取ってレポートをまとめるものでした。

これも私が受注した案件でしたので、街頭調査は未経験でしたが派遣の方を5、6人ほど雇って、恵比寿ガーデンプレイスの幾つかのポイントに立ってもらって個票を集めました。

自分はその調査の責任者として7日間立ち会い、派遣の方々の間を回って、何かトラブルがあった場合に備えていました。

そして、彼女たちが毎日通行人に声をかけて一票、一票集めてくれた調査票を入力し、集計し、レポートにまとめて印刷し、東京都に納品させてもらいました。

こんな未経験の調査手法も何とか自分で工夫をして出来たということが、大抵のリサーチはやれば出来るという自信になったと思います。

2020年10月16日 (金)

訪問調査の事例

「リサーチ&コンサルの提供できるリサーチ会社」になるには、インターネット調査を設計からレポートと提案までしっかり出来ることから始める必要がありますが、オフライン調査も柔軟に対応できることも必要です。

そのため、皆さんにオフライン調査のイメージを持ってもらうため、これからしばらく週に1本のペースで私がやった「オフライン調査」の実例を紹介します。

今でも思い出せる案件だけでも40~50本はありますが、そのうちの10本位を紹介してみます。

これらを通じてリサーチワークの奥行と、大変さと、面白さを皆さんに伝えられたらと思います。

初回の今日は「訪問調査」でやった「数字選択式宝くじの導入調査」の事例を紹介します。

その当時は日本に数字選択式宝くじはなく、米国にあった数字選択式宝くじを日本に導入したらどうか、という計画があり、その調査の提案コンペに呼ばれました。

確か野村総研や三菱総研等のメジャーなシンクタンクが6社ほど呼ばれて、全国で2,000件の訪問調査をやって、数字選択式宝くじ(今のナンバーズですが)のニーズと、商品設計、需要予測と、どの既存宝くじにどの程度のカニバリがあるのか提案するというものでした。

これはかなり大きな調査でしたので、3日ほど集中して20ページ位の分厚い提案書を作り、全力でプレゼンをしたところ、私の提案が採用されました。

確か訪問調査の実費だけで2,000万円もかかったので、もろもろ入れて4,000万円位の大規模な調査だったと記憶しています。

明らかにすべき課題も多岐にわたるため、お客様と何度も打ち合わせをして、よく相談しながら調査票案を作ったのですが、それでちゃんと答えてもらえるかが分かりません。

そのため私をヘッドに2人1組の6名で府中市に行き、実際に戸別訪問と街頭キャッチで1日回って調査票を回収することにしました。

これが思った以上に大変で、私は格式の高い大国魂神社で参拝者をキャッチしていたら神主さんに「君たちは神聖な場所で一体何をしているんだ!」とこっぴどく叱られました。

こんな経験をしてみて、調査員の人達はこんな苦労をしながら1票、1票の個票を回収しているんだと身に染みて理解できました。

その後、全国での訪問調査も無事終わり、そのデータ分析から商品設計や需要予測も行ってレポートを納品したのですが、結果としてはとても良い評価をいただけて、私が考えた商品設計案が今のナンバーズの基本になっています。

今も宝くじ関係のお仕事をさせていただいていますが、その最初の切っ掛けは私がもう25年も前にやったこの調査なんですよね。

最初にこのお客様を営業訪問した時にご担当者から、私が書いた「数字選択式宝くじ」の調査報告書を見せられた時は嬉しかったですし、何かのご縁を感じました。

1つ1つの案件を丁寧にやって行くことが、次に繋がるのがリサーチの仕事です。