業界情報 Feed

2020年10月 8日 (木)

日本マーケティング学会

日本マーケティング学会の「カンファレンス2020」が10月18日(日)にオンラインで開催されます。

この学会は個人会員だけで年会費も必要ですが、私も3回ほど参加しましたが、マーケティングの最新動向を勉強するのには良い機会だと思います。

当社は以前は「消費者行動研究学会」の法人会員になり、毎年の秋のカンファレンスに費用は持つので勉強しに行く様に奨励していました。

しかし、以前はSPSS社が後援で事務局をやっていたので、かなり盛大で民間企業の方も沢山参加していたのですが、SPSS社がIBMに買収されてからは後援がなくなり、学者先生達の集まりの学究的な研究発表になってしまいました。

このカンファレンスには私も7、8年は毎年参加していましたが、内容にギャップを感じて4年前に法人会員も辞めました。

日本マーケティング学会はまだ出来て8年の新しい組織で、半分は学者先生、半分は民間企業の会員なので、皆さんも個人会員となって、この様なカンファレンスやリサーチプロジェクトに出てみるのも良いと思います。

皆さんの技術力と専門性を高めるには、この様な勉強の機会にも積極的に参加してみることです。

参考まで今年のカンファレンスを紹介します。

http://www.j-mac.or.jp/conference/

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カンファレンス2020(オンライン)

マーケティングカンファレンス2020の参加募集がはじまりました。今年度は、新型コロナウイルス感染症拡大により、10月18日(日)にオンライン開催になります。
好評のリサーチプロジェクト・セッション、オーラルセッション、ポスターセッション、基調講演を計画しています(昨年の様子)。
今年も学会員の皆さんとともに、「探求と創発」の大きな渦が生まれる場となることを期待しています。皆さま、ぜひご参加ください。
 
テーマ:いまマーケティングができること
 
日 程:2020年10月18日(日)
参加方法:オンライン開催
 

カンファレンス参加費
*即時入会後、参加申し込み可能。10月13日までキャンセル可能。
*9月30日まで早期価格で、翌日より500円アップ。10月13日までキャンセル可能。
*参加者(非会員を除く)は、11月18日まですべてのセッションの録画視聴が可能。
*オンライン懇親会の開催もします。追加参加費はかかりません。
*ポスターセッションに第一報告者としてエントリー予定の方は、「ポスターセッション・オーラルセッションの募集要項」よりお申し込みください。

カンファレンス参加費:2,000円 参加申し込みはこちら

非学会員の学部生・修士院生参加費:2,000円 参加申し込みはこちら

*学部生・修士院生(社会人を除く)は、学会員でなくてもカンファレンスに参加できます(単独報告・第1報告者は除く)

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2020年9月17日 (木)

郵送調査の事例

私が社内ベンチャーでインターネット調査の実験を始めたのは1998年4月で、その当時はまだインターネット調査そのものがありませんでした。

まだマクロミルもクロスマーケも、楽天インサイトもなくて、インテージもまだ取り組んでおらず、その翌年の1999年に会社を設立した頃に、今はもうなく無くなっているインフォプラント社や、インタースコープ社といったベンチャー会社が出来たのを認識した様な状況でした。

その面では当社はインターネット調査の老舗ではあります。

会社を起業する前に私はCRC総研で14年ほどリサーチャーをやっていて、本当に色々な調査手法を手探りで自分で勉強しながらやって来ました。

文献調査、統計調査、郵送調査、訪問調査、(国内外の)現地調査、ヒアリング調査、グルイン、会場調査、需要予測、委員会運営などです。

1番多かったのは、文献調査→郵送調査→ヒアリング調査、の流れでしたので、まずは郵送調査の流れを説明します。

郵送調査は毎年14,5本はやったので、170~180本は経験したと思います。

その頃はインターネットはなかったので、まずは刊行物センターや丸善などに行って関連文献や統計を探して、関連団体を訪問して資料を集めて、日経テレコンで関連記事を探します。

それらの情報も参考にしながら調査票を作り、印刷し、ラベルを作成し、発送して、回収して、データパンチングをして秀吉等で集計し、時には多変量もやってレポートをまとめる流れです。

約200~500件の回収が多く、回収率は民間企業の調査の場合で、謝礼が500円のテレカ等で8~12%でしたので、2,000~5,000件も郵送発送するものでした。

そして、回答者の中から10~15件のアポを取り、訪問でのヒアリングをするのが半分くらいありました。

ヒアリング謝礼は3,000円の金券で、30分から1時間話を聞くのを1日に4、5件は入れていまいた。

印刷と封入と発送で1件200円ほど経費がかかるので、それだけで40~100万円はかかるため、契約額は300~600万円、約2~4ヶ月でレポートまで作成する案件が多かったです。

どうでしょう、郵送調査→ヒアリング調査の参考になったでしょうか?

2020年9月11日 (金)

世論・選挙調査研究大会

8月6日にメールで案内しましたが、こちらの研究会が9月18日(金)の来週になりました。

参加希望の方は私のイントラスケジュールに追加をする形で予定を入れて下さい。

今のところの参加者は私と高見さんだけです。

第1部か第2部だけでも良いので、新しい情報もインプットして自分の知識や専門性を高める努力を続けることが大切です。

是非、積極的に学ぶ機会も作って下さい。

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10年前から埼玉大学の社会調査研究センターが主催する「世論・選挙調査研究大会」の案内が来ました。こちらは世論調査や社会調査系の話です。私も4回ほど聞きに行きましたが勉強になる内容だと思います。

2ヵ月ほど前に起きた「フジ・産経事件」やコロナ下での出口調査、今話題になっているオートコール調査の話も聞けるようです。

今年はZoomでの開催です。イントラに1部と2部に分けて予定を入れたので、参加したい方は参加者を追加して下さい。専門性の高い良いサービスを提供するには最新情報のインプットも重要です。特に若い方は積極的に参加して下さい。

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第10 回 世論・選挙調査研究大会
■大会テーマ ■
「世論・選挙調査の条件 」
日時:2020 年9月 18 日( 金 13 30 16 00
埼玉大学社会調査研究センターよりズーム(Zoom )でリアルタイム配信

■あいさつ( 13:3 0 13: 35
松本正生(埼玉大学社会調査研究センター長)
■第1部 発表( 13: 35 14 20
(1)フジ・産経事件の教訓 未定
(2)新型 コロナ 拡大下 での出口調査 川本 俊三 朝日新聞社

■第2部 発表&討論 14 30 16 00
1 「ノン・スポークン調査」の方法と品質
大隈慎吾(社会調査研究センター)発表
2 オートコール調査による世論観測
―代表性のないサンプル調査・その活用法の再確認―佐藤寧(日経リサーチ)

討論 「社会の変容と調査の転換」
司 会:堀江 浩(朝日新聞社)
討論者:鈴木 督久(日経リサーチ)
松本 正生(埼玉大学社会調査研究センター)
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2020年8月11日 (火)

GDP33%減の大不況

=====(日経新聞より)=====

米商務省が30日発表した4~6月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、前期比年率換算で32.9%減少した。新型コロナウイルスによる経済封鎖で、統計がある1947年以降で最大のマイナス幅となった。先行きはプラス成長に戻るものの、2020年は金融危機時を上回る景気悪化となりそうだ。

成長率は市場予測(マイナス34%程度)並みだった。マイナス成長は2四半期連続で、悪化幅は1947年以降で最大だった58年1~3月期(10.0%減)や、金融危機直後だった2008年10~12月期(8.4%減)を超えた。米議会予算局(CBO)は2020年7~9月期の成長率を年率換算でプラス21.5%と予測するが、20年通年ではマイナス5.6%と厳しく分析する。

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米国の4~6月のGDPが▲33%も減少していました。

あの2008年のリーマンショックの▲8%に比べても4倍も大きな落ち込みで、戦後最大の減少であり、これを取り戻すには3年はかかるとの見方が多いようです。

米国の経済停滞は日本にも当然影響しますし、日本経済自体も厳しいものがあり、日本を代表する自動車や家電、航空などの企業でも数千億円という赤字予測も出ています。

これからかなり厳しい大不況が続き、リサーチ市場はリーマンショック時には10%ほどの減少でしたが、20%以上の減少も覚悟して経営する必要がありそうです。

そして、体力のないリサーチ会社は、この不況に耐えられず淘汰されるでしょう。

リーマンショック時にも大企業の倒産がありましたが、予想もしなかった大企業までが倒産してしまい、日本も失業者が溢れる社会になるかもしれません。

しかし、どんな大不況が来て厳しい事業環境になっても、当社としては責任ある良い品質のリサーチサービスを誠実に提供して行く姿勢に変わりはありません。

常にお客様のお役に立ち、喜ばれ、評価される価値のあるリサーチの提供と、常に攻めの姿勢での提案営業を進めることで、大不況の波も必ず乗り越えて行きます。

そして、そのための第一歩が今期の計画達成であり、この2Qと上期の決算改善です。

それが社員の皆さんの将来の安定と幸福に繋がることなので、計画を達成するために全員がベストを尽くして下さい。

当社の関係者がハッピーになるために、全員が協力しながら事業を進めて参りましょう!

2020年7月21日 (火)

ネット調査のインフラ資源

電通リサーチ、東京サーベイリサーチ、スミス、R&D、そんな歴史も技術もあったリサーチ会社が消滅した背景には、インターネット調査の急激な普及がありました。

JMRAの経営実態調査によるとアドホック調査の52%がインターネット調査で、1番メジャーな調査手法になっています。

「うちはインターネット調査はやりません。」とお客様に言うことはできませんから、インターネット調査のインフラ(パネルとシステム)を持たない企業は、インターネット調査会社にその業務を委託するしかなくなります。

しかし、世界で1番安いと言われている日本のインターネット調査の価格で、パネル代をすべて外注に払っていては採算が取れません。

うちも1部のパネルは外注していますが、採算を取るためには外注パネルの比率を20%ほどに抑えないといけないコスト構造にあります。

そのため、リサーチ会社が定量分析を行うのであれば、一定の自社パネルとシステムを保有するために投資をすることが不可欠になります。

しかし、リサーチ業界は小さな企業も多く、それらの企業は数千万円という多額の投資をする体力がないため撤退を余儀なくされているのだと思いますし、上記の様な大規模なリサーチ会社でも人的サービスだけでは事業が成り立ち難くなったのかもしれません。

当社は十分ではないですが毎年投資を続けて自社パネルを構築していて、アンケートシステムも持っています。

そして、当社はこの様なインターネット調査のインフラ資源を確保しつつ、装置型ではない、専門サービスで評価されるリサーチ会社になることだと考えています。

そのためにも、TextVoiceのツールと、MyELのデータで、デジタル系の固定収益を加えることで、独自性と収益の向上を目指すというのが、6年前から進めている当社の戦略です。

アドホック調査だけではリサーチ会社は成り立ちにくい環境になっているので、デジタルマーケティングの拡大に合わせる形で自分達自身を変えて行ければと思います。

2020年7月17日 (金)

技術志向のリサーチ会社

老舗のリサーチ会社であるリサーチ・アンド・デベロップメント社(R&D社)が52年もの歴史を終えたことは先週紹介しました。

これ以外にも、元々技術力や専門性が強いと言われていたリサーチ会社が、実質的になくなってしまった事例がいくつもあります。

電通リサーチ、東京サーベイリサーチ、スミス等がそうですし、それ以外でも技術者しかいない中小のリサーチ会社は毎年姿を消しています。

それは日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)の会員企業が、毎年減少していることからも推測できます。

そして、1番象徴的なのが、電通グループの電通リサーチと、博報堂グループの東京サーベイリサーチの2社とも、マクロミル傘下になってしまったことがあります。

電通と博報堂は広告業界で、激しい競争を繰り広げてきた会社です。

そして、広告代理店にとってリサーチは重要な機能であるはずなのに、両社ともその機能をマクロミルに依存するという判断にどの様な経緯で至ったのかは分かりませんが、リサーチ業界の主要な担い手がどんどん無くなっている現実があります。

マクロミルもクロスマーケティングも装置型のリサーチ会社で、システム化、自動化、効率化、を進めてきた会社です。

もしかすると今の広告代理店では、その様な単機能のリサーチでも早くて安くデータが集まれば良いのかもしれません。

しかし、事業会社や大学等の研究機関では、リサーチの技術力や対応力、人的な専門サービスを必要としているお客様が間違いなくおられます。

そんなお客様に役立ち、喜ばれ、選んでいただける様なリサーチ会社になるのが、当社の目指すべき方向です。

2020年7月 8日 (水)

R&D社が消滅

皆さんはリサーチ・アンド・ディベロプメント(R&D社)といってもピンとこないかもしれませんね。

同社は1968年に設立した老舗のリサーチ会社で、リサーチの技術力には定評のある企業でした。

しかし、インターネット調査が進展する中でその対応に遅れたためか、理由は分かりませんが5年前にクロス・マーケティングの傘下になり、そして、今回クロス・マーケティングに吸収されて52年の歴史を終えました。

R&D社とクロス・マーケティングでは全く価値観もサービス形態も異なります。

そのため、クロス・マーケティングの傘下になって主な社員はかなり辞めているという噂は聞いていましたが、2つの価値観のリサーチ会社が同じグループ内で並走するのは難しかったのだと思います。

早さと安さとシステム化重視のリサーチ会社と、技術力や専門性や提案力重視のリサーチ会社では、やはり軋轢が出るのかもしれません。

いずれにしても52年も続いたリサーチ会社が無くなるのは寂しいことです。

この様な話が5、6年続いていて、リサーチ業界の技術力低下が進んでいます。

それだけに、技術力や専門性が求められるリサーチの分野で、当社が頑張らなくてはいけないと改めて感じています。

専門サービスに強いリサーチ会社を目指して頑張りましょう。

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クロス・マーケティングおよびリサーチ・アンド・ディベロプメントの合併について

https://www.cross-m.co.jp/news/other/20200612/

6月11日に開催された株式会社クロス・マーケティンググループ(代表取締役社長兼CEO 五十嵐幹、以下「クロス・マーケティンググループ」)の取締役会において、傘下の株式会社クロス・マーケティング(代表取締役社長 五十嵐幹、以下「クロス・マーケティング」)と株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント(代表取締役社長 松田武久、以下「リサーチ・アンド・ディベロプメント」)について、クロス・マーケティングを存続会社として合併することを決定いたしました。
令和2年10月1日の合併を予定し、準備を進めてまいります。
詳細につきましては、こちらのページをご覧ください。
https://www.cm-group.co.jp/ir/upload_file/tdnrelease/3675_20200611442583_P01_.pdf

2020年6月22日 (月)

データ改ざん事件

あってはいけない事件が起きてしまいました。

リサーチに携わる者として、データを扱う者として、データを捏造するということは到底許されることではありませんし、これだけ大きな問題に発展するものです。

今回はアダムスコミュニケーション(東京都品川区)というリサーチ会社が元請けで、それを日本テレネット(京都府京都市)というコールセンターの会社が下請けで実施し、そこの社員が「利益を増やしたかった」「オペレーターの人集めが難しかった」という酷い理由で不正をしたようです。

この人はリサーチの役割を何だと考えていたのでしょう。

その不正で集めたデータの結果が、日本の世論として産経新聞やフジテレビのニュースで大々的に発信される社会的な意義や影響をどう考えていたのでしょうか??

これは大変大きな問題になり、訴訟と多額の賠償請求と、社会的信頼の棄損から経営長利立たなくなり、おそらく倒産するように思います。

たった1人か2人の意識の甘さが、こんな社会的な大問題になるのが私達の仕事です。

当社にはそんな意識の低い社員はいませんが、他山の石としてもう1度データの大切さと、私達の仕事の役割をもう1度見つめ直しましょう。

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〇産経新聞のリリース

https://www.sankei.com/politics/news/200619/plt2006190008-n1.html

〇Yahoo!ニュース

https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20200619-00184159/

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「FNN・産経新聞 合同世論調査」における一部データの不正入力について


FNN(フジニュースネットワーク)と産経新聞社が合同で行う世論調査において、調査業務契約先による一部データの不正入力があったことが明らかになりましたのでお知らせいたします。
データの不正入力を行っていたのは、調査業務委託先の「株式会社アダムスコミュニケーション(本社;東京品川区)が業務の一部を再委託していた「日本テレネット株式会社」(本社;京都市中京区)のコールセンター現場責任者です。
FNN・産経新聞合同世論調査は、電話による質問に対する回答を集計する形で行いますが、問題のデータ不正入力は、実際には電話していないにも関わらず、架空の回答を入力する形で、2019 年 5 月から2020 年 5 月まで、計 14 回の実施分で行われていました。
上記期間中、調査 1 回約 1000 サンプルにつき、100 数十サンプルの不正が見つかり、14 回の不正な合計は約 2500 サンプルありました。
フジテレビは問題の期間の世論調査結果及びそれに関連する放送は取り消します。産経新聞は世論調査 14 回分の記事をすべて取り消します。視聴者・読者・関係者のみなさまの信頼を裏切ったことを、こころよりお詫び申し上げます。


フジテレビコメント
「今回、委託先からの不正なデータをチェックできず、誤った情報を放送してしまった責任を痛感して
おります。今後、継続して調査・検証を行い、その結果に沿って、然るべき処置を行ってまいります」


産経新聞社コメント
「報道機関の重要な役割である世論調査の報道で、読者の皆さまに誤った情報をお届けしたことを深く
おわび申し上げます」

2020年5月21日 (木)

Consultancy & Storytellerの経験

「Consultancy & Storyteller」というと考える仕事のイメージが強いですが、お客様の課題に対してコンサルやシナリオ提案するというのは、行動力とコミュニケーション力が求められる仕事です。

リサーチ業務は、もともともっと動き回る仕事でした。

市場のデータを集めるというのは大変な労力を要するもので、訪問調査で1件の調査票を集める苦労をした経験からは、今の様に数万人のデーターも2、3日もあれば集められるというのは想像もつかないことでした。

そして、「Consultancy & Storyteller」のサービスを提供するには、今の業務とは質的に異なる行動も必要になると思います。

私がある大手住設メーカーの流通戦略調査のお引合いを頂いた時は、時間は3ヵ月で、東京と大阪で400件の工務店や水工店を直接訪問して、面談調査で集めたデーターを分析して、市場の実態から提案するものでした。

皆さんは400件の工務店のアポを取って訪問ヒアリングをして、3ヵ月以内に提案してくれと言われたらその仕事を受けますか?

自分もできる自信はなかったし、かなり無理があるスケジュールだと思いました。

しかしその会社には数年前から毎月の様にお仕事をいただいていたお得意先で、担当の販促課長からは信頼もいただいていて、どうしても必要な調査で、貴方なら出来ると思ったのでと相談されれば断る選択はなく、何とか走りながら考えようと思って受けました。

自分の下に4人のスタッフを付けて、その会社からも5人の社員がも参加し、10名の専属プロジェクトで取組んだのですが、アポは取れないし、訪問してもいないし、時には自分の酒を飲んだら答えてやるみたいな変な社長もいて、それこそ地獄の様に大変な仕事になりました。

それでも工夫をしながら走って、何とか約束の3ヵ月で400票のデータを回収し、入力し、集計し、分析して、最後は3日間会社に泊まり込んでレポートを書いて納品して、その2週間後に東証1部の大企業の経営会議での説明会もやらせてもらいました。

調査結果は非常に喜んでもらえて、その発経営会議の後で責任者の専務さんが会議室から抜けて来て「高井さん、本当に良くやってくれました。これで社内の方針がまとまりますよ。」と言って頂けたときは涙が出るくらい嬉しかったのを覚えています。

その時の販促課長はその後この会社の社長になり今は会長で、一緒にヒアリングに回っていた私より3歳年下だった担当者は副社長になっています。

プロジェクト後も年に1、2度は食事をして、マイボイスコムになってからも応援してくれていたので、いつでもお会いできる関係性はできています。

とても大変なお仕事でしたが、こんな人のご縁が作れるのも「Consultancy & Storyteller」なんだと思います。

2020年5月16日 (土)

専門サービスを提供する

良質なリサーチはお客様の意思決定に寄与するものでないといけません。

そして、当社はこれから事業会社と大学の先生方をターゲットにリサーチを提供して行く方針です。

お客様が広告代理店やコンサル会社であれば、お客様の課題に対して調査設計するのは彼らであり、リサーチ会社はその方針にもとづいてきちっと実査をやることが求められます。

しかし、事業会社や大学の先生方は、こんなことをやりたい、知りたい、判断したいという目的はあるし、その分野の専門知識もありますが、それをどんな設計でどんな手法でやればうまくできるのかというノウハウなり経験が少ない方も沢山おられます。

そこのニーズに対して、適切な調査設計と、適切な調査票の作成、そして、適切な集計分析と、考察提案をするのが本来のリサーチ会社の仕事であります。

インターネット調査が普及する中で、リサーチ会社は早くて安い実査と、手間をかけない集計ツールの提供を求められる立ち位置に振れ過ぎています。

早くて安くて、大量のデータを集められるのは1つの価値ではありますが、ちゃんとした仮説や設定をもとにしたリサーチでないと、これで何が分かるの??という雑多で役に立たないサービスになってしまうことも多々あると思われます。

そして、事業会社や大学の先生方は、早く安く大量のデータを集められれば良いではなく、しっかりしたデータでちゃんと判断が出来るリサーチを頼みたい方も多くいるはずです。

そんなお客様に、Consultancy & StollyTeller の専門サービスが提供できて、役に立ち、喜ばれるリサーチ会社になるのが、自分達の目指す方針であります。

そのためにも、皆さんにはプロ意識を持って学び、リサーチの仕事に取り組んで欲しいと思います。

それが皆さんの遣り甲斐にも繋がり、社会的価値を高めることでもあります。

頑張って下さい。

2020年5月15日 (金)

まずは正しいことをやる

在宅の方も多いし、新しい方もおられるので、もう少し良質なリサーチについて話をしたいと思います。

良いリサーチというのはやはりお客様のお役に立つものでないといけません。

お客様の意思決定に寄与する情報の提供に全力を尽くすことが求められる仕事です。

でもお客様の役に立つサービスとは言っても、不正をしてでも喜んでもらうことでは決してありません。

正しくやるということと、できるだけ市場を反映できるデータをもとに、論理的に判断の出来る情報を提供するということです。

マイボイスコムが出来て3、4年目の頃だと思います。

スタッフの1人から相談がありました。

「お客様がこんなソートをして何割のデータを削除して再度集計をしてくれと言っています。これって対応した方が良いですか?」というものでした。

内容を聞くとお客様はある準大手の広告代理店で、テーマはTVCMの広告評価でした。

私も意図が分からなかったので話を引き取ってお客様に事情を伺うと、その担当者は「調査結果が悪すぎてこれでは営業に提出できないので再集計をお願いしたものです。」との返答に驚いて、

「それはデータを改ざんすることではないですか。そんなことは出来ませんよ。」と返事をすると、「同業者のXXXXXはやってくれている。なぜマイボイスコムはできないのか?」と強く言われて、

「いやそれはリサーチ会社としてやってはいけないことだし、当社のスタッフにやれとは絶対に言えません」と答えたら、その会社とは取引停止になりました。

彼が社内でどんな説明をしたのかは分かりませんが、とても嫌な経験でした。

しかし、彼を喜ばせて仕事を増やすためにデータ改ざんをすることは絶対にすべきではなく、事業的にはマイナスでも正しい判断だったと思います。

同業者のXXXXX社はその後急成長しているので複雑ですが、当社は正しいことをやる。という基本中の基本はこれまでも、これからも、当然のこととして守って行きましょう。

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PS: 昨日の政府方針で残念ながら首都圏は緊急事態が解除されませんでした。来週の21日(木)に解除されるかもしれませんが、それまでは今の勤務体制を続けて下さい。

この不便な勤務状態ももう少しの辛抱だと思うので、皆さんもリフレッシュしながら心と体の健康を保てるように気をつけて下さい。

このブログは明日も続けます。

2020年4月28日 (火)

リサーチ業界の変遷2

マクロミル社はリサーチの知見のないリクルート出身者の数名で始めた会社で、自動化による早さと安さでリサーチ市場を席巻して行きました。

そして、他のリサーチ会社もその低価格と短納期に合わせざるを得なくなり、従来型リサーチ会社の多くは市場の変化に追いつけずになくなったのが実情でした。

マクロミルはその後ヤフーの傘下になり、そして、米国ベインキャピタルに売却されて、今は投資会社が主要な株主のオランダ人が社長の会社になっています。

成長期には平均90時間の残業とも噂されたほどハードに働いていた社員は、もう殆ど残っていないと聞いています。

創業者も、ヤフーも、ベインキャピタルも多額のキャピタルゲインを得ましたが、それによってネットリサーチの価格が先進国で1番安くなり、多くの技術力のあったリサーチ会社が撤退せざるを得なくなったのは、日本のリサーチ業界と日本の産業にとってどうだったのでしょう。

それでもお客様に役立つ良質なリサーチが提供できて、この業界で働く若者が自信と誇りを持って働ければ良いのですが、今のリサーチ業界は多くの歪みを抱えてしまったように感じます。

毎日7、8件もの調査の依頼を行う多頻度回答や、数時間で回収を行う短時間回収、予備調査は2~3ポイント(円)、本調査でも1問が1~2ポイント(円)という極端に安い謝礼で、リサーチャーも調査設計に必要な時間が取れない状態では、良いリサーチもパネルの維持もできません。

しかし、市場がどうとか、あの会社がどうとか言っていても何も生まれません。

当社は経営理念にある様に、専門的で高品質のリサーチサービスの提供を目指し、事業会社と大学の先生方から「しっかりしたリサーチならマイボイスコムに頼むのが良い。」と思ってもらえるようになることです。

そのためにも受託生産のリサーチだけでなく、デジタルマーケティング分野で安定した固定収益を作って、それによってリサーチワークにもう少し余裕を持たせる環境を作りたいと考えて、藻掻いてきた5年間でした。

この構想も少しづつは動いているので、自分達の足元を良く見ながら、決算改善と技術力向上に努めて行きたいと思います。

新型コロナによる緊急事態もあと9日間で終わる予定です。

そして、今はとにかく社員の安全と健康第一で対応して、コロナ終息後はリーマンショック以上の大不況になるとも言われていますので、今期の事業をどう乗り越えるかはそれ以降で真剣に考えて行きましょう。

予想される大不況の中で体力にないリサーチ会社は淘汰されて、またリサーチ業界は大きく変わる様に感じています。

当社が淘汰される側になる訳には行きませんから、しっかり知恵を絞りながら、積極的に攻めの姿勢で行動して行きましょう!

2020年4月27日 (月)

リサーチ業界の変遷1

在宅の方も多いので私が経験してきたネットリサーチ業界の変遷について少し書いてみます。

当社が創業した22年前からインターネット調査が始まりましたが、良かった面と悪かった面があったように感じています。

良い面はやはり手軽に早く安く大量の生活者情報が聴取できるようになり、動画や音声などの活用や、インタラクティブ性を活かした色々な調査が可能になったことがあります。

一方で悪くなった面はリサーチの価格や納期が1/4~1/5まで急激に下がり、それを実現するための行き過ぎた自動化や効率化によって、専門サービスとしての技術力やノウハウが低下して、意思決定に役立たない形式的なリサーチが増えてしまったように思うことです。

自分達がもっと時間をかけてクライアントと相談し、もっとよく考えてお客様に役に立つ調査結果を提供しようとしても、今の市場価格と短納期ではそれが許されません。

そして、そんな20年の市場の変化によって、インターネット調査の環境を持たない歴史と技術のあったリサーチ会社が沢山なくなったのも不幸なことだったと思います。

電通リサーチも、リサーチアンドデベロップメントも、スミスも、東京サーベイリサーチも、その他の多くのリサーチ会社が実質的になくなりました。

法人はあってもマクロミル等の傘下になって、価値観の違いから殆どの社員が抜けてしまい、サービスも変わって実質的にはなくなってしまったような会社もあります。

この様な早さと安さの急激な変化は、マクロミルの影響が大きかったです。

そして、電通リサーチは「電通マクロミルインサイト」になり、博報堂のリサーチ会社であった東京サーベイも「H.M.マーケティングリサーチ」になりました。

2社とも技術力で定評のある会社でしたし、電通と博報堂の両方のリサーチ会社がマクロミル傘下になるとは、10年前には想像もできませんでした。

それだけこの10年でリサーチ業界は大きく変わったということです。

2020年4月15日 (水)

固定収益ケース2

固定収益を作りたいと考えたもう1つの事例は、私が勤務していたCRC総研でした。

CRC総合研究所は兄弟会社の伊藤忠テクノサイエンスと合併して、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)になっていますが、その当時は科学計算と、情報システムと、シンクタンクの3つの事業がありました。

でもいずれも案件を1つ1つ受託開発する様な仕事で、私が入社したころはあまり決算も良くなく1000人近くいた会社でしたが利益は1億円ほどしか出ていませんでした。

数字が良くなったのはデータセンター等の固定収益事業を増やしたからだったように思います。

そして、そのデータセンター事業の立ち上げの責任者が、2年前まで当社の監査役をお願いしていた大西さんでした。

大西さんはもともど伊藤忠商事の情報システム部長で、その後、CRC総研の常務やCTCの専務もされていた偉い方でしたが、データセンターの立ち上げをした時は何年も利益が出なくて、経営会議で厳しく非難されることが多くて大変だったと伺いました。

ただ社長、副社長だけはそんな時にも支持を続けてくれて、そのお蔭で粘って利益の出る事業にすることができて、それがCRC総研の次の成長の基盤になったようです。

CRC総研の例も、インテージの例も、当事者は苦しみながらも、責任感を持って何とか成功させようと諦めずに頑張ったから花が開いたのだと思います。

特に今の様な大きな不景気が予想される時に、受注生産のリサーチだけだと会社は厳しくなります。

それが売上の3割でも景気に左右されない固定収益があれば、安定した経営になって、会社の存続と成長と、皆さんの生活を守れると考えています。

だから苦しくても何でも、安定した固定収益ビジネスを作ることに注力して行きます。

2020年4月14日 (火)

固定収益ケース1

「安定した固定収益をNew Researchで作り、その上でConsultancy & Storyteller の付加価値の高いリサーチが提供できる会社にする。」

これがこの5年間で私達が進めている戦略方針です。

私がどうしても独自性のある固定収益を作りたい、と考えているのには2つほど模範となる事例がありました。

その1つはインテージ社のSCIやSLIのパネル事業です。

インテージはもう60年も続いているリサーチ会社です。

しかし、30年ほど前はかなり業績が悪くて倒産しそうだった話しを、ある役員から聞いたことがあります。

その状態を救ったのが前の社長であった田下さんが始めた「パネル事業」でした。

田下元社長とは当社に出資をしてくれた時に、担当役員と3人で食事をしましたが、当時は「そんなレベルの低い仕事を何故やらなくてはいけないのか?」と周りから批判をされたのだそうです。

でもそれは会社を立て直すためには必要だと考えて何とか粘って対応して、その成功が同社を救い、同社の安定収益になって成長の基盤になったということでした。

やはり会社は同じ事業を同じようにやっていては続かないし、発展することはできません。

それだけに5、6年前からインターネット調査の成長が難しくなり、社員の皆さんからも何か差別化できるサービスが必要だという意見が強まった時に、取組みを始めたのが「テキストマイニング(TextVoice)」でした。

その多額の投資が決算と財務悪化の原因にもなりましたが、やはり安定した固定収益を作るということは必要なことだと考えています。

2020年3月19日 (木)

調査結果のCM活用

先日メールでもお知らせしましたが、3/4から放映されている楽天さんのTVCMに当社がお手伝いした調査が使われています。

過去にも楽天さんやマイナビさん等でも、当社が受託した調査結果がTVCMに使われています。

これはこれで嬉しいことなのですが、広告に使われる調査を行う時には、いくつかリサーチ会社として注意すべきことがあります。

その1つは当然のことですが、調査は正しくやることです。

誘導型や意図的にクライアント様の結果を良くするような調査をしてはいけません。

それから、受託調査で実施した時の広告表示は、「調査機関:マイボイスコム株式会社」、「実施機関:マイボイスコム株式会社」の表記でなくてはなりません。

ここはもう広告代理店もクライアントもしっかり認識をしているから大丈夫と思いますが、受託調査をさも当社の自主調査と思わせるような「マイボイスコム調べ」と表示すると、これはステルスマーケティングに該当しますので注意が必要です。

5年ほど前まではこのあたりが不明確でしたが、今はリサーチ業界、マーケティング関係者でも常識になっています。

ここは間違った顧客対応にならないようにして下さい。

〇楽天スーパーセール2020 CM
https://www.youtube.com/watch?v=phf8tF8SVXM

2020年1月 8日 (水)

Consultancy & StoryTeller

当社が創業した1998年頃はインターネット調査やネットリサーチという言葉もなく、自分が1997年のビジネスプランコンテストに事業企画を出した時には、「ネットフォーカスグループの構築によるマーケティング情報サービス」というタイトルで書きました。

そして、その頃はマクロミルも、クロスマーケも、楽天リサーチもまだなく、インテージもまだインターネット調査を始めていませんでした。

1998年4月から事業準備を始めて1年ほどした時に、同じベンチャーのインフォプラント(大谷社長)や、インタースコープ(平石社長)もインターネットでリサーチを始めていることを知り、早く動かさないとと焦ったものです。

その後、インフォプラントもインタースコープもヤフーに買収されて、ヤフーがマクロミルも子会社化して3社を合併させたので、その頃の競争会社がすべてマクロミルになってしまった訳で、少々寂しい気もしいています。

今はアドホック調査の約5割がインターネット調査になり、1番メジャーな調査手法になっています。

インターネット調査は、早いし、安いし、大規模な回収もできるし、双方向のやり取りもでき、動画や音声も使えるため、リサーチユーザーにとっては多くのメリットがあります。

しかし、過剰な速さと安さの競争によって、リサーチ会社は応用力とか、考えて調査を組み立てる力が弱ってしまいました。

そこにクライアントの不満がありますので、そんなウォンツに対応できる「Consultancy & StoryTeller」の提供できるリサーチ会社を目指すということです。

TextVoiceで安定した固定収益で足場を固めてるため2、3年の赤字は覚悟をして多額の投資をして来ましたが、それが思った以上に負担が重くなり組織の体力を消耗してしまいました。

しかし、この春の増資で財務は強化できましたので、TextVoiceやMyELに更なる事業投資を行うことで、売上の2~3割がこれらの固定収益で作れるようになれば会社の収益基盤は安定して、コンサル型リサーチに向かって対応できると考えています。

21年目の今期は当社にとって大きな変わり目の年でした。

そして、まずは4Qの計画達成と今期で黒字に戻すことが来期以降の発展の条件になります。

今期も残り3カ月弱ですので、3月末まで全員でベストを尽くしましょう!

2019年12月25日 (水)

サービス業態の変化

7年ほど前に退社したUさんと1年ぶりに食事をしました。

彼はドゥハウスさんで営業マネジャーをやっているので、色々と情報交換をしました。

ドゥハウスさんは1980年に設立したリサーチ会社で、今はVOYAGE GROUP、インプレスホールディングス、トランスコスモス等が主要な株主になっていました。

私の知っているドゥハウスは、ドゥさんという主婦のパネルを組織化していて、このドゥさんを活用した定性調査の強いリサーチ会社でした。

Uさんが転職した時にもそんなリサーチが中心だったと聞いています。

しかし、今の売上の半分くらいは「モラタメ(もらって試して)」というプロモーションサービスになっていて、リサーチの仕事はどんどん減っているそうです。

具体的には在庫が増え過ぎた商品や、廃版になりそうな商品をメーカーから引き取って、登録しているモニターに郵送費だけで送るサンプリングの仕事です。

そして数年前まで売上も減少して苦しかったのが、この3年ほどは「モラタメ」の売上が伸びてきたために、業績が大きく回復していると聞きました。

会社も変わる。サービスも変わる。仕事も変わる。

環境に合わせて柔軟に変わって行くことが生物が生き延びる条件だと言われていますが、法人も同じことだと思います。

私達も「テキストマイニング(TextVoice)」や、MyELでのビジネスを伸ばして、コンサル型リサーチも提供できる会社に脱皮して行くことです。

〇モラタメ

https://www.dohouse.co.jp/promotion/

2019年10月29日 (火)

コンサル型リサーチ2

調査設計と調査票作成、データ分析とレポーティングと考察ができれば良いかというと、それだけだと「Consultancy & StoryTeller」とは言えません。

そこにもう1つの機能を加えるのが、コンサル型のリサーチ会社の様に思うんです。

それが考察の先にある「プランニング力」です。

リサーチの結果を踏まえて、クライアントが「ではどんな企画で進めて行こうか。」を考えて、そのプランで進めるかどうかを社内で検討し、判断をされる訳ですが、そこの企画案も考えるのが「プランニング力」です。

第三者の立場で、リサーチの結果と、事業環境(市場の実態、競合の動き、クライアントの資源等)を考えると、こんな対策と計画が適切だと思います。

というシナリオを、色々なデータをもとに客観的に組み立てて、クライアントの検討を後押しする様な役割まで担うということです。

私もCRC総研の時には、こんな仕事も手探りで沢山やりました。

例えば今販売されている「ナンバーズ」と「ロト」が日本に導入される時の商品設計や、販売方針、市場規模の推定、他の既存くじに対するカニバリズムの影響度などをまとめて提案をしました。これがどの程度反映されて「ナンバーズ」や「ロト」が作られたかは分かりませんが、この調査がスタートでしたので大きく影響したのは確かだと思います。

ちなみにこの調査は「ナンバーズ」と「ロト」でそれぞれやりましたが、自分が5社コンペで勝って、それぞれ3千万円位の予算を頂いたと記憶しています。

また、伊藤忠さんが新しい事業を考える時の事業化調査(F/S調査)も色々やりました。リサーチの結果から市場規模はこの位と推計して、そのうちの〇〇%が取れるとすると〇〇億円で、それを5年後に達成するという条件でコストを踏まえて事業計画を作ると、楽観ケースでは内部収益率(IRR)が15%で、悲観ケースでも8%だから事業性は比較的高いと思われます。という様な流れです。

こんな事業性を評価するような調査も伊藤忠さんには沢山あり、自分は7~8百万円でやっていましたが、外資系コンサルだと2千万円は取るのではないでしょうか。

あとマイボイスコムになってからも、ファミリーマートさんがEC会社を検討した時に、どんな事業性があり、コンビニがEC会社を作るとしたらどんなサービスが適切で、どの程度の売上が見込めるのかという調査をしました。これが今のファミマデジタルワンのスタートになっています。

こんなのが「Consultancy & StoryTeller」で、コンサル型のリサーチの私の経験からのイメージになります。

こんな仕事を誰にも教わることなく、自分で営業提案して取って、何本もやらせてもらいました。

これらの仕事はとても難しく、時には眠れないほど大変な仕事でしたが、遣り甲斐もあって面白い仕事でしたので、うちの社員の皆さんにも挑戦して欲しいと思います。

そして、マイボイスコムが伊藤忠グループに戻ったことで、そんな立ち位置の会社になれる可能性も高まったのではないかと考えています。

野口さん、こんな事例でイメージできたでしょうか。

2019年10月28日 (月)

コンサル型リサーチ

先週水曜日の「上期決算説明会」に出席いただきありがとうございます。

これで経営会議メンバーも含めて、全員が上期の決算状況と、現在の課題と対応について理解いただけたと思います。

売上は前期比112%で、粗利も13M改善しましたが、連結経営等での販管費の増加もあり経常は約5Mの改善に留まり、大きな累損をかかえての下期突入になりました。

当社が健全な決算に戻るには、経営計画の通り前期比125%の売上が必要です。

リサーチ市場が本格化するこの下期で、受注のスピードを上げて経営計画を達成し、経営の安定と次の成長に向けた基盤づくりを進めましょう!

決算説明会で野口さんから「コンサル型リサーチとはどんなものを想定しているのですか?」という質問をいただきました。

その時にも自分が経験し、考えている業務のイメージをお話ししましたが、もう少し補足します。

リサーチは何かの課題解決や事業の方向性を決めるためにやるものです。

そして、クライアントはリサーチの結果を踏まえて、計画や対応策を考えて、組織としての判断をして、リスクを取って事業行動に移します。

リサーチの結果が常に正しくて、その通りに進めれば必ずうまく行くものではありません。

しかし、やるやらないの判断や、右左の方向性をリサーチの結果から判断することで、事業リスクを減らし、成功する可能性を高めていることは明らかだと思います。

インターネット調査の普及で、リサーチ会社は早く安く自動的にデータを回収し、回収データや集計結果を提供する役割が大きくなりました。

リサーチの時間や経費が1/4まで小さくなったので、失敗したり、分からなかったら、また調査をすれば良いという認識がクライアントに広がったのかもしれません。

しかし、役立つリサーチの結果を導くには、どの様な調査設計で、どの様な調査票を作り、どれだけのデータで、どんな分析をして考察するかが重要で、いい加減な調査はクライアントの判断を間違わせることにもなり、やってはいけないことなんです。

でも今はこの様な技術や拘りが抜けてしまったリサーチ会社が増えています。

そのため、まずはこの様な調査の考え方なり技術をしっかり持って、ちゃんとしたリサーチの設計から提案までできることが「Consultancy & StoryTeller」の第一歩であると考えます。

調査手法もインターネット調査+アルファの対応が必要ですが、これはそんなに難しいことではありません。

初めてでも能力と適性のある人が良く考えながらやれば、大抵のことはできるものです。

必要なのはやればできると自分を信じて、前に踏み出すことだと思います。

(続く)