業界情報 Feed

2024年7月18日 (木)

リサーチ会社の技術低下

これは少し前の朝礼でも紹介した話ですが、もう1度紹介します。

日本マーケティング協会(JMA)で10年程前まで、隔年で「マーケティングリサーチの現状」という調査レポートを作成してその説明会を開催していました。

マーケティングリサーチのユーザー企業にアンケートを行い、どんな調査をどんな頻度で行っているのかや、どんな業務をリサーチ会社に委託しているのかといった現状把握と、リサーチ会社のサービスに対する評価を聞いて時系列で比較分析をしていました。

これはリサーチ業界の現状を知るにも良い情報でしたから、私は毎回この説明会には出席して10年間で5回ほど情報収集に出掛けていました。

この調査結果で印象に残っていて、自分としてはショックだったのが、年々ユーザーのリサーチ会社に対する満足度が下がり、「リサーチ会社の技術力が低下している」という意見が増えていたことです。

そして、最後に行われた調査では、「実施した調査が意思決定に寄与しましたか?」という設問に、20%以上が「寄与していない(=役に立たなかった)」と答えていました。

それは10年前の調査では1桁でしたから、この間で役に立たない、早くて、安くて、いい加減な調査が増えたことになります。

1つにはインターネット調査の普及と、早さと安さの過剰な競争が、出来るだけシステム化と自動化を進めて、とにかく効率的で安く調査を実施するという方向に動いたためでした。

その動きを牽引したのが、リサーチ業界外から参入したマクロミル社でした。

残念ながら10年程前にこの調査はなくなり、現状がどうなっているのか分かりません。

10年前よりはインターネット調査市場も落ち着いて来ましたが、それでも以前より「意思決定に寄与出来ないいい加減な調査」が増えている様に感じています。

私はそれで良いと思わないし、当社は「お客様の意思決定に寄与できる、お客様に役立つまともなリサーチの提供できるリサーチ会社」でありたいと考えています。

当社は大学の先生方からもその対応や収集したデータについてご評価いただいています。

それはお客様対応や実査や集計に関しては一定のレベルに来ているからだと思います。

しかし、当社のレポートに関しては昨年度3社からご不満の指摘を受けており、調査の企画提案や調査票設計、レポーティング、考察・提案の技術がまだまだ不足しています。

これらの技術を高めることで、事業会社にもご評価いただけて、技術力と品質で選ばれるリサーチ会社にして行きましょう!

2024年6月18日 (火)

ESOMAR 2024

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皆さんにも参加をお勧めした「ESOMAR 2024」には、高井、石田、田井、吉田の4人は会場で、野口、石橋、菅原、日置、橋元、高木の6人はオンラインで聴講しました。

(※ESOMAR:ヨーロッパ世論・市場調査協会)

私の印象はイプソスのAI活用の取組みは凄く参考になり、ヴァリューズの事例紹介もこんな風な検索キーワードでカスタマージャーニーの分析と改善提案をしているのか、と参考になりました。

ただ、3番目の「インバウンドの紹介」は、この内容を何故リサーチ業界の集まりであるESOMARでやるのか理解できなかったし、4番目の「AIで市場調査は不要になるのか」は分析の前提条件も曖昧な低レベルの内容だと思いました。

私は懇親会にも出て業界の動きを仕入れようと思っていましたが、旧知の友人であるインテージの役員から「高井さん、もう飲みに出ちゃいましょうよ」と誘われて渋谷の居酒屋でビールを飲みながら情報交換をしました。

彼も私と同じ印象で「ESOMARの発表があれではダメだね。リサーチ業界の技術力が下がっていることを実感する内容だったな。」というものでした。

それでも、市場の動きがどうなっているのか、業界の動向がどうなのかは、こんな会合にも出てインプットしないと分かりません。

オフィスで業務をするだけでは見えないことや学べないことが沢山あります。

当社の方向性を間違えないためにも、新しいビジネス機会を捉えるためにも、私はこの様な場には出来るだけ行くようにしてました。

皆さんも新しい知識を吸収して自分の視野を広げて、仕事力を高めるため、外部の会合にも積極的に参加するようにして下さい。

井の中の蛙になってはビジネスの先端を行くべき、マーケティングリサーチの仕事でプロの力を身に付けることは出来ません。

営業もリサーチャーも出来るだけ外に出て、生きたビジネス情報をインプットして下さい。

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開催概要

- 日時:2024年6月12日(水) 15:30開場 16:00開会 19:30閉会予定

   オンライン配信時間 16:00~18:25

講演内容

①リサーチとAI、リサーチャーとAI「IpsosにおけるAI活用のケース共有」

 井出 成博氏 イプソス株式会社 Social Intelligence Analyticsチーム・サービスラインリーダー 兼 AIイニシアティブ・AIリサーチリード

②まだ見ぬ顧客の「真実の瞬間」とは?行動ログデータを活用した顧客分析と広告への活用

 子安 亜紀子氏 株式会社ヴァリューズ 執行役員

③インバウンド誘客におけるトレンドとターゲット特性理解のヒント

 深谷 圭美氏 株式会社 Vivid Creations Japan Business Development Manager

④AIで市場調査は不要になるのか

 安藤 健一郎氏 GMOリサーチ&AI株式会社 CTO

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2024年6月10日 (月)

アドホック調査市場

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こちらが日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)が毎年公表している「経営業務統計実態調査」から作成したアドホック調査の市場推移です。

2022年度の市場規模は1,439億円で、そのうちインターネット調査が796億円というのがJMRAの推計値ですが、従来型リサーチ会社がインタネット調査会社に委託した金額がダブルカウントされているので実際には500憶円位と言われてます。

過去5年間の平均成長率はアドホック調査1.6%、インターネット調査3.5%です。

2020年、2021年が新型コロナで減少した影響もありますが急成長市場とはいえません。

8年程前にJMRAのカンファレンスで米国のオピニオンリーダーが、リサーチ会社はサーベイだけをやっていては先はない、1)コンサル型への展開、2)NeW Researchの開発、3)ビッグデータ解析、の取組みが不可欠だと警告していました。

装置化と自動化のサービスと営業力で急成長してきたマクロミル社が、2023年6月期の決算で▲8億円もの赤字になったのを見るとこの警告は正しかったのでしょう。

当社が創業した1998年頃から始まったインターネット調査は革新的なサービスでしたが、今はもう当たり前の手法になり3~4%の成長市場になりました。

115%の計画を実現するには、コンサル型対応での差別化を図り、伊藤忠グループの開拓もしながら、新しいサービスの構築にも取り組むことが必要だと考えています。

2024年3月 7日 (木)

不正なNo1調査に処置命令

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「満足度No.1」とうたった広告には合理的な根拠がなく景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして、消費者庁は1日、Wi-Fiレンタルサービス「イモトのWi-Fi」をてがけるエクスコムグローバル(東京・渋谷)など6社に再発防止や消費者への周知を求める措置命令を出したと発表した。

消費者庁によると、エクスコムグローバルは自社ウェブサイトや旅行ガイドブック「地球の歩き方」の裏表紙の広告で、「お客様満足度No.1」「顧客対応満足度No.1」などと表示していた。

しかし、同社に委託されたリサーチ会社がおこなったアンケート調査ではサービスを利用したことがない人も対象に含まれており、ウェブサイトの印象によって満足度が高そうな会社を選ばせていた。消費者庁は客観的な調査とはいえず、表示には合理的な根拠がないと認定した。(出所)日本経済新聞

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石橋さんからも記事の共有がありましたが、ついに不正な「No1調査」に対して消費者庁から再発防止の処置命令が出ました。

処置命令が出たのは、エクスコムグローバル、飯田グループホールディングス、住宅情報館、一建設、飯田産業、アーネストワンの6社です。

〇消費者庁の処置命令 2024年3月1日

https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_240301_01_01.pdf

https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_240301_02_01.pdf

消費者があまり関与度のない商品やサービスを選ぶ際には、実際に使った経験のある方が満足されているのか、どんな評価なのかも大きな影響がある情報と言えます。

これらの商品、サービスの広告等で「顧客満足度No1」と表示されていれば、そのことを信じて購入している消費者も少なからずいると思います。

それが正しい手法で実施された調査でなく、合理的な根拠のない調査結果だとしたら大きな問題だと言えるでしょう。

この様な間違った「NO1調査」については業界団体である日本マーケティング・リサーチ協会からも2022年1月に「非公正なNo.1 調査への抗議状」が出されて、関係する調査会社等に改善要望が出されたと聞いていましたが、その後も続いていることは大きな問題です。

〇非公正な「No.1 調査」への抗議状 2022年1月18日

https://www.jmra-net.or.jp/rule/20220118.html

リサーチに携わっている立場から見ると、こんな調査は出現率からみて出来る訳がない、と思われるNo1調査が掲載されている広告を良く見かけます。

納骨堂満足度No1とか、水道工事さいたま市の満足度No1、みたいな広告を見るたびに嫌な気持ちになっていました。

リサーチ会社は正しい市場情報を提供するのが社会的役割であって、データの信頼性に担保する義務があります。

また、当社にも「No1調査をしたいのですが、、」という問い合わせがありますが、最初からNo1を出すような調査には当社は加担してはいけません。

その様なお引き合いはすべてお断りすることを今後も徹底して下さい。

2023年11月29日 (水)

リサーチ市場のプレゼンス

12月中旬に来期の経営計画を提出します。

そのタイミングで5年先の当社のあるべき姿を明確にするために、中長期事業計画も作成しているところです。

そのためにこの2週間ほど色々な情報を集めて分析し色々なシミュレーションもしています。

その中で感じていることは、やはり当社の事業規模を着実に拡大させることの必要性です。

上場しているリサーチ会社は6社あり、そこの財務諸表を過去5年間に亘って収集して、現在の当社との比較もしてみました。

それを眺めているとリサーチ市場の変化も見えてきます。

これは前にも紹介していることですが、昨年度の当社の経常利益率(18.5%)は6社と比べて1番高い水準でした。

大手のインテージも6.6%で、クロスマーケも7.5%、マクロミルは▲3.5%、ですから圧倒的に当社の利益率が高くなっています。

しかし、事業規模の売上ではインテージは100倍も大きいので当社は比較になりませんし、1人当たりの利益が3倍あるわけでもありません。

当社がこの市場でのプレゼンスを高めて、お客様が「どこかにリサーチをお願いしたいけど、、どこが良いのだろう??」と思った時に、相談したいと思う3社に入ることが必要です。

そのために今の当社の事業規模で、「売上が前期比で96%の減収」なんてありえない状況だと認識して、全力で取り返して行かないといけません。

今期の経営計画の売上は前期比114%ですが、過去4年間の伸び率は118%で伸びて来ました。

少なくともあと5、6年間は115%以上の成長をすることが今の当社には必要です。

そういう強い意識も持って営業に、リサーチに取り組んで下さい。

2023年11月16日 (木)

各社の経常利益率

今回、競合分析として上場各社の2022年度の計算書類を精査してみました。

当社の経常利益率が1番高くなったと伝えましたが、各社の経常利益率は下記のようになっています。

 1位 マイボイスコム    18.5%

 2位 ネオマーケティング  12.5%

 3位 GMOリサーチ     8.8%

 4位 クロスマーケG     7.5%

 5位 アスマーク       7.3%

 6位 インテージG      6.6%

 7位 マクロミル      ▲3.5% 

2期前からTextVoiceの収益化が進んだため、利益率だけは1番になりました。

この固定収益がなければ利益率も1位は取れませんでした。

それから、トップラインの売上規模が小さいため、1人当たりの利益学がこの比率に比例して高い訳ではありません。

インテージの3倍の利益率でしたが、1人当たりの利益が3倍ではないです。

やはりツールでの固定収益をもっと増やすとともに、主事業であるリサーチの売上も毎年2桁で引き上げることが必要だと、競合分析をしながら改めて実感しました。

今期の上期は売上が前期比96%の減収で、経常も▲8Mの赤字に終わり、10月末でもまだ▲3.5Mの赤字が残っています。

当社は売上や利益が横ばいではダメで、2桁での増収増益を続けないとリサーチ市場でのポジションを確保できません。

▲3.5Mの借金を早急に返して、年度末までに114%の増収と、100M(昨年度は91M)の経常利益の計画を達成すべく全力を挙げて参りましょう。

今期ももう残り4カ月半しかありませんから、各自気を引き締めて取り組んで下さい。

よろしくお願いします。

2023年11月15日 (水)

人的な付加価値が必要

マクロミルの赤字転落はインターネット調査の転換期を表していると思います。

彼らはグローバル拠点を増やしたり、電通や博報堂との合弁会社を作ったりしてますから、連結決算を重視した経営を行っているのかもしれません。

それでもマクロミル社の個別決算が年々悪くなり、赤字に転落は意外です。

この数年はお客様からマクロミルのサービスについて悪い評価も聞いていました。

リサーチを依頼しても開始するのが2か月先になるとか、かなり高い価格の提示があるとか、それで当社に切り替えてくれたお客様もありました。

キャパ不足を解消するため大量の新卒採用をしているとも聞いています。

そして、結果的には業績の悪化が続いて赤字になった訳で、何か問題があるのでしょう。

おそらくこれは、広告代理店等の業務に対して、「システム投資での装置化と自動化を進めて、早く安くリサーチのデータを提供する」という事業モデルの市場環境が悪化しているのだと思います。

インターネット調査の昨年度の成長率は101%でした。

広告代理店の定量調査離れの動きがあるという情報もあります。

リサーチをシステム化、自動化するというモデルはある意味で革新的で分かり易く、リサーチ市場で彼らの事業は急拡大しました。

でもここからは装置化だけではなく、そこに専門性や対応力の知恵を入れないと価値は生み出せない時代に入ったと見るべきでしょう。

そもそものリサーチはそういう仕事でしたし、当社は事業会社と大学の先生方に喜ばれて評価される付加価値のあるサービスの提供を目指します。

そのためにも社員の皆さんには主体的に学び、色々なタイプの仕事にも挑戦しながら、専門性と対応力を磨いて成長して欲しいと思います。

2023年11月14日 (火)

マクロミルが赤字決算

6月決算等の競合企業の決算も出たタイミングで、毎年上場6社の有価証券報告書を調べています。

こちらはどこの企業の業績か分かりますか?

5年間の売上の伸び率は101%と横ばいで、経常利益は年々減少してついに昨年度は赤字に転落しました。

タイトルに社名入れちゃったからクイズにもなりませんね。

こちらはマクロミルの単体決算の推移です。

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先週の朝礼でも話しましたが、装置化と分業の自動サービスで、早さと安さを訴求して急成長してきたマクロミルですが、この5年間は厳しい経営になっています。

電通や博報堂等との合弁会社や、海外事業会社、デジタルマーケ会社の収益を入れた連結決算では大きな利益を出していますから連結経営は問題ないですが、マクロミル単体は赤字です。

マクロミルの業績が年々下がっているのは分かっていましたが、赤字転落は予想外でした。

装置化と自動化で早く安くリサーチを提供するモデルで事業を伸ばせる時代は終わりました。

サーベイ型リサーチだけでは成り立たない時代が来ると、7年前のJMRAコンファレンスで米国のオピニオンリーダーから聞きましたが、それが現実化したようです。

当社は付加価値の高いConsultancy & Storytellerの「コンサル型リサーチ」と、新技術を使った「ニューリサーチ」を選択しました。

その結果、昨年度の経常利益率は18.5%まで増えて、インテージや、マクロミル、クロスマーケ等の上場6社と比べても1番高い利益率は確保できています。

しかし、当社の事業規模は狭小で、リサーチ市場におけるポジションはまだまだ不足しています。

固定収益を増やしながら高品質なリサーチサービスを提供して、利益率も維持しながら事業規模の拡大を進めるのが当社の課題です。

少なくともサービスの品質と、技術力、対応力、顧客満足、利益率では、どこにも負けないように頑張って参りましょう!

2023年11月13日 (月)

スマホ回答を意識した設計

4. どんなデバイスからも回答できる調査票を設計する
4.1. 質問文は短く、そしてわかりやすく
4.2. 選択肢は増やしすぎない
4.3. 巨大マトリクスはつくらない
4.4. まずは自分で回答してみる

既に、インターネット調査を回答する人の過半数がスマートフォンから回答する時代となっている。
PCで調査画面を表示したときには、すべての選択肢が一覧できていたとしても、実際にスマートフォ
ンで調査画面を表示すると半分以下の選択肢しか表示されていないこともある。回答しにくい調査画
面は、調査協力者に大きなストレスを与えて、回答意欲を低下させている。


アンケートモニターに回答意欲を損なう調査票を聞いたところ、「マトリクス設問が多い」や「自由回答設問が多い」よりも「選択肢の数が多すぎる」や「質問文が長すぎる」を挙げた人のほうが多かった。調査ボリュームや回答所要時間ばかりに留意するのではなく、回答者の回答意欲を損なわせないようにするかが重要である。そのために調査設計者は、一つ一つの設問を、わかりやすいものにする必要がある。
そして、わかりやすい調査票を設計するために、以下の4項目を心がけていただきたい。

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この4項目も当たり前ですが、とても重要なことですよね。

調査票を分かり易く、答えやすく、目的に対して適切な項目で設計することはリサーチャーとして必須の基本的な技術です。

お客様が作った調査票案を見て、これでは分かり難く正しく答えられない、この目的の調査であればこんな項目を付け加えたら良い、回答の順番はこうした方が答えやすい、等の気付きがあれば、クライアントより実査の知見は私達の方が上のはずですから、ちゃんと提案すべきです。

そして、それが当社がお客様から評価されて、技術力や専門性で選ばれる1つの要因です。

「巨大マトリクスはつくらない」も注意して欲しい重要点です。

マトリクスにすると設問数が減らせて安く出来るので、、、ということからマトリクスを重宝がるお客様がいると聞いていますが、それでは正しい回答が得られない危険なことなので、ここはこんな風な設問にしませんか、という提案が必要です。

特にスマホ回答者が半数という現状からも、「巨大マトリクスは危険なことなので極力つくらない」ようにクライアントと調整することは重要です。

そして、最後の「まずは自分で回答してみる」も皆さんやっていると思いますが、自分が回答者になってこれでは答えられないな、負担が重すぎるな、と思った調査をモニターに頼むのは、顧客視点から見て大きな問題があります。

ここのプロセスは必ず実施して下さい。

すべてお客様ありきですから、調整が難しいことも分かります。

しかし、良いデータをお客様にお届けするためですから、お客様(クライアントとモニター)のためにプロとして出来るだけの努力はすべきです。

2023年11月 6日 (月)

回答負荷を意識した設計

3.  調査協力者の回答負荷を意識した調査票を設計する
3.1. 回答所要時間は10分以内を推奨する
3.2. スクリーニング調査では抽出に使わない質問を控える
3.3. マトリクス形式や自由回答を多用しない


PCとスマートフォンの大きな違いを挙げるとしたら、画面の大きさとキーボード操作とタッチ操作の違いがある。
画面の大きさが違うことは明らかであるが、一度に表示できる情報量が全く違う。PCでは一覧表示できていた調査画面であっても、スマートフォンでは何回かスクロールしないとすべての選択肢を確認できない。スマートフォンで一覧できない調査画面を回答するときには画面には表示されていない領域を動かす必要がある。


また、文字入力においても両手を使える物理的なキーボードに比べると、どうしてもタッチパネルの操作は分が悪い。一部の若年層はスマートフォンでの文字入力も苦にならないかもしれないが、相対的にみて、PCと同じくらいの文字数を入力することは難しい。
同じ調査票であったとしても、調査協力者が感じる回答負荷は変化し続けている。調査協力者に過度な回答負荷を与えて、二度と協力してくれなくなるようなことを避けるために、常に回答負荷を意識した調査票を設計すべきである

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この3項目ともとても重要な基準です。

回答所要時間は以前は15分と言われてましたが、スマホ回答が増えたので時間が10分に減ってしまったようです。

これも協会の委員会で実験で脱落率を計測して決めたのだと思うので、「この調査票は10分で答えられる内容だろうか?」という基準で考えるようにしましょう。

それからスクリーニング調査で「本調査の対象者抽出に使わない項目は入れない」も重要です。

対象者の抽出のためという前提で予備調査の謝礼は1問、1ポイントに抑えて、モニター費も人件費も入れないで謝礼ポイント経費のみで提供しています。

それを「予備調査の方が安いから、、、」で利用されてはモニター対応でも当社の収益でも困りますので、こちらの基準も必ず守るようにして下さい。

そして、マトリクスや自由回答が多い調査票も回答者の負担が増えてしまいます。

特に表頭、表側の項目が多いマトリクス設問をスマホで見ると、ハチの巣の様な状態ですから、負担も重いし、適切な回答データも取れません。

何れもお客様との調整が必要になるので、すべてが改善できるとは思いませんが、良いデータを聴取するには、、業界のルールとしては、、という説明をして出来るだけ調整して下さい。

それが大切なモニターを守り、お客様に良い品質のデータを提供することです。

ここはリサーチのプロとして、皆さんに拘って欲しいところです。

2023年10月30日 (月)

回答負荷と謝礼

先日もアナウンスしたから、皆さん日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)の「インターネット調査ガイドライン」は読んでくれたと思います。

やはり当社がクライアントからもモニターからも信頼されるには、この様な原理、原則を全員がしっかり認識して守ることが大切です。

それなので、主要な内容を何回かに分けてここでも共有します。

〇インターネット調査品質ガイドライン

https://www.jmra-net.or.jp/Portals/0/rule/guideline/20200525_internet_guideline.pdf

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1.3. 回答負荷と謝礼とのバランスを考える
インターネット調査では、アンケートに回答していただいたモニターに対して、調査協力していた
だいたことへの心付けとして謝礼(ポイント)を進呈している。この額は、決してアルバイトの時給
に匹敵するものではないが、貴重な時間を使って回答していただくためには、こうしたインセンティ
ブが回答のモチベーションに繋がっているが、近年は回答労力に対する謝礼額の安さに対する不満が
高まっている。


■回答負荷に見合った謝礼を支払う
多くの日本の調査会社は、質問数に応じて謝礼額が決定される場合が多い。このため、すべての質
問がマトリクスで構成されている調査票は回答負荷が大きく、労力に対して支払われる謝礼が少ない
と感じてしまっている。このことが調査モニターの不満を高めてしまっている。
あらかじめ回答負荷が大きいとわかっている調査を実施する場合には、それに見合うように謝礼を
増額すべきである。逆に謝礼を増額できない場合は、回答負荷を抑制するように調査ボリュームの削
減に努めるべきである。


■謝礼以外の動機付けをする
調査協力者の中にはアンケートを回答することが「企業や社会に役立つ」「回答することが楽し
い」 「回答したときの達成感が心地よい」といった理由で協力してくださっている方も少なからず
いる。回答協力の対価としての謝礼だけでなく、アンケート参加による楽しみやメリット、世の中へ
の貢献等を感じていただくことで、モニターとの間に継続的にアンケートに協力していただける関係
性を築いていく方策を検討すべきである。

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「回答負荷と謝礼のバランス」と聞いて皆さんはどう思いますか?

私は今のインターネット調査の謝礼は、その負荷と比べて低すぎると思っています。

当社は1問、2ポイント(2円)を基準にしていて、多くのリサーチ会社がこの基準を採用していて、1部の会社(GMOリサーチ等)はこの半分の1問、1ポイントです。

20問のアンケートに答えて40円、30問に答えて60円ですか、、、

そして、予備調査になると3問で3ポイント(3円)、5問で5ポイント(5円)ですよね、、、

やっぱり低すぎてこれではモニターの納得感は得られないんじゃないかと思います。

以前の郵送調査では謝礼の相場は「500円の図書券かテレカ」でした。

その比較で見ると謝礼の水準は1/10に下がっています。

しかし、モニター謝礼はインターネット調査の売上の12%ほどですから、当社だけ1問5ポイントに引き上げると売上の30%の原価になり、完全に赤字になるので出来ません。

こんなに謝礼水準を下げたのは、リサーチ経験のないマクロミルの創業経営者が「装置型の自動化で早さと安さを追及」した結果です。

当社も含むリサーチ会社から参入した会社はもっと高い謝礼で設定していましたが、マクロミルの対応に合わせて、各社とも大幅に引き下げざるを得ませんでした。

しかし、そのことが現状のパネルの裾野を広げられない大きな原因になっています。

以前、JMRAの会合に出た時に業界団体として必要最低限の謝礼水準を出す。と言っていたのですがその後全く動きがありません。

当社だけで適切な水準に引き上げられないのは辛いですが、常に「この調査票の負担でこの謝礼で良いだろうか?」という認識を持って対応するようにして下さい。

回答負荷と謝礼のバランスが崩れているのは、リサーチ業界の大きな問題だと思います。

サービスの品質よりも利益に偏重した企業に負けたくない、そんな気持ちもあります。

2023年10月 6日 (金)

マネックス証券

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NTTドコモは10月4日、マネックスグループ、マネックスグループの子会社であるマネックス証券と、資本業務提携契約を結んだと発表した。資産形成サービスを中心とした新たな金融サービスモデルの構築を目指す。

今回の契約締結により、ドコモは、マネックス証券が株式移転にて設立する中間持株会社の株式の譲渡および第三者割当増資にて、中間株式会社の株式および議決権割合の約49%を保有することに加え、取締役の過半数を指名する権利を持つことなどから、中間持株会社および中間持株会社の子会社であるマネックス証券は、実質支配力基準に基づきドコモの連結子会社となる。(10/5 Yahoo!ニュース)

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Company_logo


ネット証券3位のマネックス証券がNTTドコモの子会社になるそうです。

マネックス証券はゴールドマンサックスの最年少パートナーだった松本社長が、ネット証券の将来性にかけて独立して出来た会社です。

ネット証券をリードしていた会社でしたが、最近は楽天証券やSBI証券に押されていたようです。

実は当社の自主調査でかなり前から「ネット証券調査」をやっていて、どんな流れかは忘れましたが2度ほど松本社長とお会いしたことがありました。

とても穏やかそうで、頭が良くて、ベンチャー精神も持ち合わせた方という印象でした。

それでも楽天GやソフトバンクGといった大資本の攻勢には贖えなかったのかもしれませんね。

インテージも先日、NTTドコモの子会社になることが発表されました。

NTTドコモも通信事業ではもう成長の限界があるため、以下の様なスマートライフ事業を強化するという戦略方針を出しています。

私達が取り組んでいるマーケティングリサーチや、データサプライ、データ分析の事業と、携帯会社のNTTドコモは遠い存在だと思っていましたが、どんどんクロスオーバーして来るようです。

自分達の競合はもうリサーチ会社だけではなく、この様な巨大グループを含めた世界の中で新たな価値の創出が求められています。

しっかり社会や市場の動きを見て変化し、新しい世界にもチャレンジして行きましょう。

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NTTドコモ スマートライフ事業

会員基盤とデータ活用、サービスと多様な端末とのシームレスな連携により、パートナーとともに新たな生活価値・ライフスタイルを創出します。そのために、事業の柱である「金融・決済」や「映像・エンタメ」など既存領域のさらなる強化はもちろんのこと、「電力」「メディカル」「XR」などの新規領域の拡大にチャレンジします。そして、2025年度には新ドコモグループ収益の過半をスマートライフと法人事業で創出します。

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2023年10月 3日 (火)

調査品質ガイドライン

JMRAのガイドラインの18ページに「スクリーニング調査では抽出に使わない質問を控える」と記載があるので参考までに共有します。
JMRAのガイドラインに準じてNGと伝えるとクライアントも納得しやすいですし、ちゃんとやってる調査会社というイメージアップにも繋がるので良いです。

先日、野口さんからSGに上記の様なメールがありました。

お客様との仕様の調整をするときに、私がこう思うとか、当社としてはこういう基準で対応している、というより、業界団体からこんなガイドラインが示されているので、こんな風に対応させていただけませんか。

というご説明をした方が効果的というメッセージでした。

これって良い情報だと思ったので、私からRGの皆さんにも共有しましたが、皆さんはJMRAから出された「インターネット調査品質ガイドライン」は読んでますよね。

というより、その内容を理解して、その基準の遵守に努めてください。

この内容は読んでみれば基本的で当然のことばかりなのですが、なかなか守れていないこともあると思います。

お客様からのご依頼やご要望もあるので調整が難しいことも多いと思いますが、リサーチ会社として出来るだけ正しいリサーチを行い、良いデータをお客様に提供するとともに、モニターを大切にして、過度な負荷をかけないように対応する姿勢は重要です。

下期に入りましたので、改めて下記のガイドラインに目を通して下さい。

クライアントからもモニターからも信頼されるには、この様な基本をしっかり守ることが大切です。

〇インターネット調査品質ガイドライン

https://www.jmra-net.or.jp/Portals/0/rule/guideline/20200525_internet_guideline.pdf

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はじめに
インターネット調査を取り巻く環境の変化
1. インターネット調査はスマホ回答が過半数の時代に
2. モニターのアクティブ率の低下と担い手不足の懸念


インターネット調査の基本方針
1. 調査協力者を大切にする
1.1. 調査協力者あってのインターネット調査であることを理解する
1.2. 調査協力者のプライバシーに配慮する
1.3. 回答負荷と謝礼とのバランスを考える


2. 時代にあったインターネット調査を実施する
2.1. マルチデバイス回答できるようにする
2.2. 生活者のデジタルライフの変化に適応していく


3. 調査協力者の回答負荷を意識した調査票を設計する
3.1. 回答所要時間は10分以内を推奨する
3.2. スクリーニング調査では抽出に使わない質問を控える
3.3. マトリクス形式や自由回答を多用しない


4. どんなデバイスでも回答しやすい調査票を設計する
4.1. 質問文は短く、そしてわかりやすく
4.2. 選択肢は増やしすぎない
4.3. 巨大マトリクスは使わない
4.4. まずは自分で回答してみる


インターネット調査品質ガイドライン準拠のチェックリスト

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2023年9月 7日 (木)

インテージがドコモに買収

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NTTドコモは6日、調査会社大手のインテージホールディングス(HD)に対するTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。同社の発行済み株式の最大51%を取得し、連結子会社にする。ドコモの「dポイント」の会員基盤にデータ収集や分析のノウハウを組み合わせ、法人向けのマーケティング支援事業の強化につなげる。(9/6 日経新聞)

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インテージがTOBでNTTドコモの子会社になることが決まりました。

社歴が63年もある業界最大手のインテージでもグループ化されるということに驚きました。

それも、リサーチとかデータを扱う業務の重要性が高まったことと、リサーチもシステムとかネットワークといったデジタル技術が不可欠になったからだと思います。

これもNTTドコモのマーケティング事業や、DX事業を推進するための布石なのでしょうね。

リサーチ業界も大きく変わってきています。

当社もその新しい流れを取り込んで成長できるように、常に新しいサービスにも挑戦し、事業モデルも変革して行くことが必要なのだと思います。

そんな意識で当社の経営を考えて行きますので、皆さんも今出来ている業務に留まることなく、変化し発展することを意識して新しい業務にも挑戦して下さい。

丁度、明日インテージのマネジャーと会食予定も入っていたから、あまりマネジャークラスに情報はないと思うけど話を聞いてみます。

2023年9月 4日 (月)

インサイト産業8セグメント

JMRAの経営実態調査でもう1つのレポートも出ています。

ESOMARが提唱した「インサイト産業8セグメント」の定義がどうなのか良く分かりませんが、「経営コンサルティング/シンクタンク」が大きなプレゼンスを持つところに日本市場の特徴があるそうです。

インターネット調査のサーベイ型市場の成長は終わり、「経営コンサルティング/シンクタンク」のプレゼンスや成長に可能性があるなら、やはり市場は設計力や分析力、考察提案力のニーズが高いということだと読みました。

そこが当社が目指す「コンサル型リサーチ」なんです。

当社が考えて来た方向に間違いがないと、このレポートも読んで改めて感じました。

お客様の課題に適切な調査設計と提案出来て、リサーチの結果から考察提案もしてお客様の意思決定に寄与できる専門性と技術力を身に付けること、

それがマイボイスコムと皆さんの社会的価値を高めて、当社の関係者がハッピーになる条件なんです。

サービスの質的向上を目指して頑張って参りましょう。

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JMRAでは今回初めて公式に、ESOMARが提唱した「インサイト産業8セグメント」への拡大推計を試みました。同定義に準拠した日本の市場規模は4,315億円(従来型調査市場比1.67倍、前年比111.3%)と推計されています。従来型市場調査(2,590億円)のシェアは6割にとどまり、成長率は109.9%と堅調であるものの、インサイト市場全体と比べるとやや見劣りする結果となっています。しかし、これは私たちの考え方、土俵の広げ方いかんで、今後の成長余地が大きくなることを意味しています。「小さな100%のパイをめぐって争うよりも、新たに広がったパイの数%を獲得する*」ことを検討すべきときではないでしょうか。
*“GMR レポート2022” の特集記事の表現を参考にしている。

拡大推計の方法

読者の皆さんの多くが、どのような方法で今回の推計が行われたのか、ご興味をお持ちと思います。紙面の都合上、詳細は説明しきれませんが、概要は以下になります。

  1. ESOMAR事務局の担当チームへの質問を通じ、日本でも行われている産業調査と同様の手順を踏んでいることを確認。また、MarTechや経営コンサルティング企業の総売上に占めるインサイト売上比率について意見交換。
  2. 1年目はESOMAR定義の8セグメントに属するとみられる日本市場でのプレイヤーをピックアップし、それらの企業の公開情報(IR情報など)を収集(帝国データバンクからのデータ購入を含む)するとともに、JMRA理事等の協力を得てヒアリング調査を実施。市場概況を推定した。 (上場企業のIR情報の収集はそれ以降も継続)。
  3. 2年目には産業調査を主体としている会員社の協力を得て、協会内に「産業統計委員会」を設置。キーとなる「経営コンサルティング/シンクタンク」領域の重点調査を実施。主要企業のヒアリング結果と、それに続く企業群の推計値を得た。
    他のセグメントについては、公開IR情報のある代表的な企業、及びJMRA会員企業の当該分野の伸び率をもとに、当該セグメントの伸び率を推計した。
推計上の留意点
  1. 日本市場の顕著な特徴の1つとして、「e. 経営コンサルティング/シンクタンク」が大きなプレゼンスを持っていることを指摘できる。日本ではこのセグメントに属する企業の多くが「d. デジタルデータ分析(MarTech)」領域の業務をも担っていると考えられているが、その分解は極めて困難である。そのため、ESOMARの国際的な推計値よりも「e.」がより大きく、「d.」がより小さく出ていることに注意されたい。
  2. 長年の経験に基づき、「h.(従来型の)確立された市場調査」及び「g. サンプルパネル提供」、「f. 業界特化型調査レポート」の精度については相応の自信を有している。ただし、これらのセグメントから「a. b. c. d. e.」の各セグメントに移行した数値もあり、それらの境界線は今後も流動する可能性がある。
  3. 外資系企業については、詳細な情報収集がきわめて困難であり、本拡大推計はいまだ発展途上にある。特に、「d.」をはじめとするテクノロジー主導分野の精緻化が今後の課題となっている。
  4. 電通、博報堂など大手広告代理店の関与が大きいのも日本市場の特徴であるが、少なくとも現段階では、JMRA会員社(広告代理店のグループ会社を含む)に大多数の業務が発注されているものと判断し、ダブルカウントを避けるために上記推計には含めていない。ただし、「c. d.」のセグメントなどでは今後の動向注視が必要と考えている。

今回の拡大推計を通じて、中期的な成長機会が見直される一方で、伝統的な市場調査会社が新セグメントの分野で存在感を示すには至っていないことも明らかになっています。成長エンジンが新分野に移りつつある今、日本においてもこの領域へのさらなる注力が必要であると考えます。

https://www.jmra-net.or.jp/activities/trend/investigation/20230822.html

2023年9月 1日 (金)

インターネット調査の減速

皆さんにもメールでお知らせしましたが、JMRAから毎年の「経営実態調査」が発表されました。

その中で注目すべき動きも起きているので、皆さんも目を通して下さい。

1つはアドホック調査は前期比105%の堅調な成長でしたが、インターネット調査は101%と横ばいで、従来型調査が112%と拡大している点です。

これまでリサーチ市場を牽引してきたインターネット調査の時代が終わったと分析しています。

当社にもオフライン調査の引き合いが増えていますが、市場全体がリアル調査に動いてきているのでここも強化して行きたいと思います。

この分析者は私も良く知っている元インテージ役員の一ノ瀬さんですので、近いうちに食事でも誘って話を聞いてみます。

======(以下、JMRAサイトより)======

2022年の日本の従来型調査市場規模は2,590億円で、前年比109.9%となりました。2022年通年のインフレ率*が2.5%(IMF調べ)でしたので、実質107.4%となります。2021年が107.0%(実質107.2%)であったことから、コロナ禍を克服し、堅調に推移したものと考えられます。

今回の大きな特徴は、コロナ下でも成長を牽引していたインターネット調査が前年比100.5%と伸び悩み、一方で既存手法によるアドホック調査が112.1%と復調を維持したことです。グループインタビュー等でもオンラインから対面式への回帰が報告されており、リアルな調査への揺り戻しが起きたものとみられます。アドホック調査全体としては105.4%で、パネル調査(107.1%)とその他(115.3%)の伸びを下回りました。

https://www.jmra-net.or.jp/activities/trend/investigation/20230718.html

2023年6月 7日 (水)

ブルーオーシャン

当社がConsultancy & Storryteller と言われる「コンサル型リサーチ」を目指すのは、もともと経営理念にも

「クオリティの高い生活者情報と専門性の高いサービスで企業のマーケティングを支援し、豊かな消費生活に貢献する。」

で専門性の高いサービスを明記していて、リサーチのトータルサービスを当社のビジネススタイルであり、当社の強みにしたいと考えているからです。

また、7年前にJMRAのカンファレンスで米国リサーチ業界のオピニオンリーダーが、「今後はサーベイ型リサーチだけをやっていては成長できないし、企業が継続できなくなる。リサーチ会社は以下の3つのどれかに取り組む必要がある。」と説明していました。

 1)コンサル型の付加価値の高いサービスの提供

 2)New Researchの創出

 3)ビッグデータ分析の技術強化

装置型リサーチでサーベイを提供してきたマクロミルは、この5年間で減益を続けていることからこのオピニオンリーダーの警告は正しかったと実感しています。

私も前職では自分でお客様を開拓し、お客様から課題を聞いて、提案書を出して、調査設計からレポーティングと考察提案までやっていて、それがリサーチのコア価値だと感じています。

そして、もう1つの狙いは今のリサーチ業界にはコンサル型リサーチの出来るリサーチ会社がかなりなくなり、そこがブルーオーシャンだと考えているからです。

技術力があった電通リサーチも、リサーチ&デベロップメントも、東京サーベイリサーチも、スミスももうみんななくなりました。

インターネット調査の普及に対応できず消滅しました。

事業会社の皆さんが何かリサーチをしたいと思った時に、それならあのリサーチ会社なら安心して任せられる。というリサーチ会社が本当に少ない状態です。

当社が専門性と技術力を高めて「コンサル型リサーチ」の提供できる会社になれば、リサーチ市場の中で良いポジショニングが取れると考えています。

このセグメントで3社に入れるように努力を続けて参りましょう。

それがマイボイスコムらしい未来になります。

2023年4月 6日 (木)

地方の生産拠点

以前当社に勤務していたGMOリサーチのSさんから「しばらく下関オフィスに単身赴任することになりました。」という連絡をいただきました。

同社が下関にオフィスがあることも知りませんでしたし、下関にオフィスを構える目的もいまいち分かりませんでしたので検索したら、

「GMOインターネットグループでインターネットリサーチ事業を展開するGMOリサーチ株式会社(代表取 締役社長:細川 慎一 以下、GMOリサーチ)は、山口県下関市(市長:前田 晋太郎)にある事業所の増設を決定し、本日2020年 4月17日に、山口県下関市と「事業所増設に関する協定」を 締結しました。」

という記載があり、2021年から下関でオペレーション業務を行っていることを知りました。

Sさんはこの事業所のテコ入れのために派遣されたようです。

おそらく東京ではスタッフが集まりにくい現状と、人件費を抑える目的で地方に生産拠点を構えたのだと思います。

定型的なオペレーション業務であればネットワークとオンラインで出来るのかもしれません。

他社はどうなのかを調べたら、アスマークも八戸に、ネオマーケティングも沖縄に生産拠点を作っていました。

こんな地方拠点の動きもありますが、当社は定型的なオペレーションではなく、1つ1つのお客様の課題に専門サービスを提供するコンサル型リサーチを目指しているので、地方に生産拠点を設けるメリットは感じません。

当社が地方拠点を設けて、地方転勤する可能性は今のところないから安心して下さい。

この様な地方の生産拠点がうまく機能しているのかどうか、彼が夏に戻ってきたらビールでも飲みながら聞いてみます。

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GMOリサーチ サテライトオフィス 

山口県下関市細江町1丁目2-7 住友生命下関ビル 2F

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アスマーク 【八戸事業所】実査部

青森県八戸市大字三日町2 明治安田生命八戸ビル8F

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ネオマーケティング 沖縄なはマーケティングラボ

沖縄県那覇市安里381-1 沖縄ゼネラルビル安里第1 3F

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2023年3月10日 (金)

マレーシア赴任

当社もパネルでお世話になっているGMOリサーチさんは、調査会社に対するパネルとアンケートシステムの提供を主業務にしておられます。

そして、時々同社の役員やマネジャーと会食をしながら情報交換をしていますが、彼らは上場もしていて、GMOグループの方針が毎年2桁の成長が求められています。

でも日本のリサーチ市場はこの5年間で1.4%しか伸びていないし、ここだけに対応していては必要な成長は実現できません。

そのため彼らは5、6年前から海外事業を伸ばす戦略を推進しています。

彼らのサイトのトップページには、

「アジア最大級のパネルネットワークと技術力を背景に、ネットリサーチで日本とアジアの市場調査・マーケティングリサーチに新しい価値を提供しビジネス拡大を支援する 」

とのメッセージが記載されていました。

社長は2年前からシンガポールで勤務していて、次の役員のH常務も12月にシンガポールに赴任しました。

そして、以前、当社の営業だったIマネジャーも2月からマレーシア勤務になったと連絡をいただきました。

彼は英語も得意ではなく、数年前まで自分が海外赴任するとは思ってもいなかったそうです。

この他にも中国、インド、台湾にも事務所を設けていて担当者が赴任したようです。

そういえばインテージさんも海外展開を強化していて、管理職の昇進試験に英語のテストが加わったとも聞いています。

リサーチ業界での働き方も大きく変化しているようです。

2023年3月 6日 (月)

マクロミル社の業績

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当社の中長期の戦略を考えるために上場しているリサーチ会社の過去5年分の有価証券報告書を整理してみました。

ここから見えてきたことですが、自動化と分業化で早さと安さを追求する「装置型リサーチ会社」だと成長も収益確保も難しいようです。

こちらは「装置型リサーチ」で急成長してきたマクロミル社の業績推移です。

5年間の売上成長率は103%で、経常利益は年率79%で年▲21%で下がり続けていました。

マクロミルは電通のリサーチ会社(電通リサーチ)と、博報堂のリサーチ会社(東京サーベイリサーチ)の2社を傘下に置くことで、両社のインターネット調査をほぼ独占して伸ばしました。

しかし、これだと広告代理店さんとのカニバリもあるから、付加価値を上げる上流や下流のリサーチに移行できないこともあると思います。

また、広告代理店さんがお客様の課題や目的をヒアリングして、プロの彼らが調査設計した調査票が来るから、それに対して意見も言えないし、言われた内容をそのまま展開する業務を細かい分業で遂行しても、リサーチの技術力も対応力も上がりません。

装置化と分業化で効率を追求して成長してきた同社は壁に突き当たっているようです。

当社は広告代理店やコンサル会社ではなく、事業会社と大学を対象に付加価値の高い「コンサル型リサーチ」を提供する方針です。

当社はマクロミル社とは逆張りで、高い利益率と事業拡大の両立を目指します!