「サーベイML」というメーリングリストを知っていますか。ニールセン・オンラインの萩原社長が10年前から主催しているリサーチ等に関するメーリングリストです。(萩原社長は元日経リサーチのリサーチャーで、私とも10年来の友人です)
こちらで気になる記事がありましたので紹介します。発信者は萩原さんで、日本マーケティングリサーチ協会誌で紹介された「クライアント座談会」についてです。クライアントが現在の調査会社をどう見ているかという内容で、なかなか厳しい意見ですが参考になります。
この中で「シンクタンク系の企業をパートナーと認識している」という発言がありました。当社は今年の基本方針でネットリサーチを中心手法としつつ、これまでシンクタンクが対応していた業務にも展開して「ネット・シンクタンク」を目指すことをうたっています。この方針を裏付けるような発言だと感じました。
クライアントに信頼される「マーケティング・パートナー」になるにはどうしたらよいか、皆も良く考えながら毎日の仕事に取組んで下さい。
以下、萩原さん投稿の抜粋です。=====
◆特集「今、調査会社に求められる役割」データサプライヤーからパートナーへ(JMRA「マーケティングリサーチャー」No.105、2008.4)
経験豊富な部長級の調査担当者による座談会。失礼ながら特集タイトルが凡庸であまり期待しなかったのですが、これまでみたことないほど調査会社やリサーチャーの現状について遠慮なく厳しい発言が飛び交ってます。
総括にあるようにクライアントが直面している環境の大変化に調査会社が追いついていないということでしょう。いや調査会社も頑張っている、やることはやっていると反論したくなりますが、それはクライアントに伝わってないし、認められていない。結果的にデータサプライヤーとしてしか期待されてないのが今の調査会社だと。
一方、パートナーとして認識されているのは、シンクタンク系の企業やら、専門領域に特化した企業やら、長く付き合ってきた個人になっている。特集のサブタイトルはそれを意識したものですが、ギャップは大きいように思えます。
<クライアント側の変化>
マネジメントに「結果はいつ出るのか」と聞かれたときに、企画に1週間かかるとか、そういう話は全然通じないんですね。インターネットの時代に何いってんのという感じで。訪問面接だとかっていえない。
今は、これまでのように、とにかく住民基本台帳からサンプル抽出とかっていうような時代ではないと思っているんです。時間もかかり、お金もかかるというのは、私どもの会社では評価されない。
何か聞きたいことがあれば、社内のシステム上で簡単に調査を行うことができます。サンプリング上の問題はあるにせよ、聞きたいことがすく聞けるということで、利用が高まっています。
<今の調査会社に抱いている印象>
(15年位前には)リサーチ会社のなかに特殊なスキルや専門性に対するプライドを持った人がいた。ところが、最近、そういうオリジナリティを持ったリサーチ会社が少なくなってしまって。
スキルとかツールとかということを考えると、あまり特徴のあるところがない気がするんですね。実はリサーチ会社に求めるリソースがフィールドワーク以外ではあまりないっていうのが現状かもしれません。
アウトソーシングされる立場のリサーチ会社は、そのようなフィールド中心のやり方が、一番ありがたいと判断されているのではないかと思われるんです。つまり、とにかくデータだけ出せればいいでしょ、と。
考え方を言ってほしいんですよ。そのテーマに関してどのようなマーケティング状況が起こっているのかという話を。だけど残念ながら、そういうことには関心を持っておられないというのが僕の印象ですね。
<実際に起こっていること>
(複数指標の分析や戦略への示唆などは)心配なくお願いできる日本のリサーチ会社は、今のところ、あまりみつけられなくて、結果、シンクタンク系の企業にお願いすることが多い。
ウェブリサーチを専業にしている会社というのは、リサーチにはあまり関心がない。ですが、スピードとコストの面で従来のリサーチ会社よりも勝っているので、調査案件がどんどんそちらに流れていくわけです。
(出所)サーベイML
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