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2025年12月16日 (火)

急成長企業での勤務

ある国立大学でマーケティングを専攻されていた方の応募がありました。

卒業後は「ITコンサル」の会社に入り1年9ヶ月の勤務でした。

その会社は設立してまだ12年なのに急成長をしていて、従業員が1,000人超の大会社になっているということでした。

「ITコンサル」分野が伸びていることもあるのでしょうが、その会社が非常に挑戦的な目標達成に向けてかなりハードに働いていることも成長の要因のようです。

彼も土日はITコンサルに必要な技術学習に費やすことが求められ、殆どの月で100時間近い残業をして目標達成を目指していたそうです。

彼自身はそんな社風と残業に耐えられず、大学時代に学んだマーケティングの知識を活かせて、無理のない残業で勤務できる会社への転職を決意したとのことでした。

会社の成長は嬉しい事ですが、毎月100時間近い残業で、残業代も上限がある勤務に耐えられず、毎年大量の社員が入り、1、2年で半数以上が退社しているとも聞きました。

この方とは残念ながらご縁がありませんでしたが、いまもこんな働き方で急成長している会社があることに驚きました。

私が20代、30代の頃は「24時間戦えますか、、」というキャッチフレーズのCMが違和感なく受け入れられていて、かなりハードに働いている会社も沢山ありました。

自分達(服部さんや永森さん)もCRC総研では、かなりの残業もしてハードに働いていました。

そして、そんな働き方が支えていた日本経済の強さだったのかもしれません。

企業も産業も経済も成長がないと関係者が豊かになれないから、この30年間の日本の産業と経済の低迷と、世界の中での存在の急低下を見ると悲しくなります。

上記の様な会社は正しいと思いませんが、少なくとも健全な決算と、適切な成長がなければ関係者がハッピーになれないのが企業の現実です。

36協定やコンプライアンスを守ることが前提ですが、企業である以上、毎年の計画を達成して適正な利益と成長を実現することは必須の条件です。

当社は残念ながら前期から減収減益の状態に陥っています。

この悪い流れを一刻も早く止めて、脆弱化したRG体制も早期に補強して、新しい収益事業のCotoELも成功させて、再び成長軌道に戻すために全力で取り組みます。

社員の皆さんの理解と協力をお願いします。

2025年12月15日 (月)

消費者意識の定点調査

こちらは11月のビジネスメールで配信した原稿の1部です。

近年の物価高で生活全般の支出が増えたと感じてる人は57%もいて、一方、収入が増えたと感じている人は17%しかいませんでした。

出が増えたと感じている人は2021年の22%から年々増えていて、収入が増えたという認識の人は増えていないので、それが購買意欲の低下に繋がっていると推察されます。

収入と支出の実態はこの意識調査とズレているかもしれませんが、購買意欲は消費者の心理から生まれるものだから、この意識のギャップが企業業績や経済に影響することになります。

経済状態や生活環境が変わると、この様に消費者意識の回答は明らかに変わります。

この様な傾向が見えるのが、定点調査の意義であり面白さだと思います。

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【1】消費者意識に関するアンケート調査(第11回)
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今回は9月に実施した「消費者意識調査」を紹介します。このテーマは2009年9月から実施していて今回で11回目です。近年物価上昇が社会問題になっていますが、消費者の収入、支出、購買意欲や購買行動の意識はどうなのでしょう。

1年前と比べ生活全体の支出額が増えたと答えた人は57%で、減ったという人は8%でした。支出額が増えたという回答は、2021年22%、2022年が38%、2023年50%、2024年51%でしたから年々増えていることが分かります。そして、支出額が増えたの57%に対して、収入額が増えたと答えた人は17%に留まっています。

多くの消費者が生活の支出が収入を上回って増えていると感じているため、1年前より購買意欲が高いと感じている人は10%で、低いと感じている人の33%を大きく下回っています。
1年前よりお金をかけていることは「食品・飲料」が35%で1番多く、「旅行、レジャー」22%、「外食、グルメ」17%です。逆にお金をかけるのを我慢しているのは「旅行、レジャー」30%、「外食、グルメ」22%、「衣料品」17%という結果でした。

節約に関する消費行動は「節約はしつつちょっとした贅沢も楽しむ」が37%で1番多く、「常に節約を意識」21%、「必要なもの以外はなるべく買わないよう我慢」17%、「購入したいものは我慢せず、他を節約してメリハリをつける」9%となっていました。

デフレからインフレに変わり、政府からは物価上昇を上回る賃上げの掛け声がかかっていますが、一般の消費者の認識はかなり厳しく節約志向が高まっているようです。

この調査結果にご関心があれば、下記の調査結果をご覧下さい。
集計データや調査レポートも安価にお求めいただけます。

〇消費者意識アンケート調査(第11回)
  https://myel.myvoice.jp/products/detail/32611

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2025年12月 9日 (火)

CotoELへの期待

インターネット調査は市場成長率2~3%の成熟期に入っています。

そして、これから生成AIの影響が大きく表れることは確実だと考えています。

それが、効率化までなのか、高度化まで行くのか、今は想像できない代替化まで行くのかは正しく予想できませんが、この動きはこれから急速に進みます。

この2つの現象を考えた時に、当社としてインターネット調査を中心としたアドホック調査に8~9割を依存する事業構造では将来経営が厳しくなると考えています。

「固定収益事業を拡大」し、その上で付加価値の高い「コンサル型リサーチ」の実現に向けて動くというのは当社は6年前から掲げている基本戦略です。

そのために無理な1億円もの開発投資をして「テキストマイニング(TextVoice)」を導入して、それがこの5年前からの決算改善の下支えになっていました。

「テキストマイニング(TextVoice)」は生成AIに押されて昨年度から減収ですが、それでも一定の粗利を生み出しています。

ただし、これからも「テキストマイニング(TextVoice)」や「アンケートデータベース(MyEL)」の売上を伸ばして、当社を支える収益源にすることは難しくなっています。

そのために昨年度から日本最大の生活者情報、インサイト情報である「アンケートデータベース(MyEL)」の約3,800件の1万人調査データを生成AIが参照して、定量分析(集計、要約、示唆出し)と、定性分析(実在する個人の促成と回答データによるペルソナを構築したインタビュー)が出来る「AI分析ツール(CoCoEL)」を作り、お客様の意見や要望に合わせた追加投資も行っています。

「AI分析ツール(CoCoEL)」は約100社にデモ紹介を行い、高い評価をいただいてはいます。

しかし、まだ契約や契約見込みはわずかで、月100万円ほどの事業赤字が出ている状態ですが、この様な時流に乗り、当社しか出来ない差別化サービスを作ることが、当社の将来にとって不可欠な取り組みなのだと考えています。

今期の決算にマイナスの影響にはなっていますが、来期以降では必ず安定した固定収益を生む事業に成長すると確信しています。

時流に載った新しい事業を創出することが、企業の成長と発展には不可欠だから足元は厳しくとも必ず粘って成功させます。

https://cotoel.myvoice.jp/info

2025年12月 3日 (水)

テレビ業界の勤務

今期に入ってSGに中島さん、RGに澤向さん、石井さん、岩立さんの4人が入社をしてくれましたが、RGの生産体制を強化するため採用活動を続けています。

4つの求人媒体とスカウトサービスで、毎週20人ほどの応募者はあるものの、こちらが求める基準を満たす方は20人に1人ほどで、週1、2名ペースで面接を行っています。

先週あるテレビ番組の制作会社で働く社会人3年目の女性の1次面接をしました。

その方は有名私大の新聞学科でジャーナリズムを専攻し、テレビ業界を目指していたそうです。

ただテレビ局の入社は叶わなかったみたいで、テレビ番組の制作会社に入社をして、自分も良く知っているチコちゃんい叱られる等の番組制作にADとして2年半携わっていました。

以前にも番組制作会社の方の応募があり、華やかな世界のようで働く環境はかなり厳しいと聞いていました。

この方もかなりハードな働き方をされていて、土日出勤や徹夜作業も多くて、月に100時間を超える残業も頻繁にあるということでした。

これだけ残業をしているのに残業代には上限があり、年収は300万円の登録でした。

そして、120時間超えの残業が2ヵ月続いた時に体に変調が生じてしまい、仕事は好きでしたが退職することにしたそうです。

私もCRC総研時代に大変な案件で100時間を超える残業を3ヵ月続けたことがありましたが、かなり精神的、肉体的に厳しかったのを覚えています。

この方の勤務は労働基準法に違反していますが、華やかそうなテレビ業界では未だに下請け構造の労働環境が続いているのですね。

この方の知見は当社の業務とは関連性が少なく、なぜリサーチ会社という理由も明確ではないため不採用にしましたが、頑張って勉強して目指していたテレビ業界の仕事に就けたのに、方向性を変えざるを得なかった彼女が気の毒に思いました。

当社の昨年度の社員の平均残業は30時間で、今期上期の平均残業は25時間です。

会社全体では過剰な残業にはなっていませんが、季節や個人によって大きなバラツキがあります。

特定の個人に過度な残業が生じないように留意しながら、業務量に見合った生産体制で、適切な業務遂行が出来るような体制を整備していくつもりです。

そして、AIの活用で生産性の向上と、労働時間の削減をどう実現するかもこれからの課題です。

2025年11月26日 (水)

ゴーイングコンサーン

企業経営で1番難しくて重要なのは「ゴーイングコンサーン」だと言われています。

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「ゴーイングコンサーン」とは、企業が将来にわたって事業を継続するという前提を意味します。これは、財務諸表を作成する上で大前提となる考え方です。もし、企業の事業継続に重大な疑義が生じた場合(例:債務超過、深刻な赤字など)、その旨を財務諸表に注記する必要があり、投資家などに注意を促すことになります。 

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どれだけ良い事業を行って社会的役割を果たしていても、赤字が続いて債務超過になるか、黒字でも資金がショートすると企業は事業を継続できなくなります。

そして、社会的な役割を果たせなくなるだけでなく、そこで働く従業員の生活や人生にも大きな影響を与えてしまいますから、成長や発展の前に、まずは「ゴーイングコンサーン」の環境を確保することが必要です。

当社は紆余曲折がありながらも27年間、色々な方の協力や頑張りで、リサーチの世界で事業を続けて来ました。

そして、利益は配当をせずに内部留保にしてきたことと、6年前の伊藤忠商事からの出資もあり現在は約700Mの現預金があり財務は盤石の状態ですが、そこに安心して経費増や、収益性を意識しなくなると、企業の財務はあっという間に悪くなります。

当社も設立してから10~12年は増収増益の決算を続けて、3.5億円の現預金を蓄積しました。

しかし、取り組んだ幾つかの新規事業(サイト解析事業、コンビニ集客事業)が失敗し、最後に取組んだTextVoiceでは3年間で1億円ものキャッシュアウトがあり、その多額の経費も決算に影響して赤字に転落して、3.5億円あった現預金は1.3億円まで減少していました。

個人にとって2億円は大金ですが、事業ではあっという間になくなる資金でした。

現預金がかなりあるから少しくらい業績が悪くても大丈夫、事業投資が失敗しても計画が未達でも大丈夫、そんな気持ちの経営が財務を急速に悪化させたのだとその時に猛省しました。

伊藤忠グループでの赤字企業は22社(全体の8%)しかなく、赤字は絶対に許されませんし、投資した資金に見合った事業収益が強く求められます。

自分達が伊藤忠グループ内で主体的な事業を続けるには、適切な利益と成長が必要です。

下期最初の10月は月次で+7Mの黒字を出すことが出来ました。

また、今期になってSGに中島さん、RGに澤向さん、岩立さん、石井さんの4人が入社をしてくれて徐々に体制補強も進んできました。

上期に▲42Mの大きな赤字(昨年度は▲25M)を出しましたが、3月までには増益の決算が作れるように引き続き頑張って参りましょう。

皆さん、引き続きどうぞよろしくお願いします。

2025年11月25日 (火)

IICがパズル社を傘下に

伊藤忠商事が伊藤忠インタラクティブ社を通じて、ウェブサイトや映像、グラフィック、イベントなど広告企画や制作・運用を中心に、コンテンツ制作を行うプロダクションの「株式会社パズル」の全事業の譲渡を受けました。

今後もデジタルマーケティング分野の事業強化を進めるようです。

これまでの総合商社の事業領域を超えて、広告代理店に近い事業です。

同じ体制で同じ業務を続けていると企業は衰退してしまうから、当社も含めて企業は変化が求められています。

このあたりのグループの動きも踏まえて、伊藤忠商事やIICの関係者とのコミュニケーションを密にしながら当社事業の接点を見つけて行きます。

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当社は、株式会社パズル(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:岡田 行正、以下「パズル」)から、制作・プロダクション事業の譲受に関する事業譲渡契約を締結いたしました。本契約により、当社はクリエイティブ事業を中核とした事業基盤の一層の強化と、持続的な成長を目指します。

本契約に伴い、パズルのブランド、拠点およびチーム体制は継続され、従来と変わらないサービス提供を維持します。

パズルは、広告業界において、黎明期より先駆的にデジタルに取り組み、オンライン/オフラインの隔たり無く、高品質でインパクトのあるコミュニケーションの展開に実績を有する企業であり、生活者・消費者の心に響くコミュニケーションを開発してきた会社です。このパズルを迎え入れることで、伊藤忠グループと融合したシナジーにより、大きな事業の発展を目指してまいります。

https://www.itochu.co.jp/ja/news/press/2025/251112.html

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伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)は、100%子会社の伊藤忠インタラクティブ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:三輪 宗久、以下「IIC」)を通じて、国内外のクリエイティブ・アワードで高い評価を受け、数多くの受賞実績を有する株式会社パズル(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:岡田 行正、以下「パズル」)のプロダクションに関わる全事業を譲り受けること(以下「本事業譲受」)に合意しました。

パズルは、ウェブサイトや映像、グラフィック、イベントなど、広告企画や制作・運用を中心に、領域を問わずコンテンツ制作を行うプロダクションです。いち早くデジタル技術の活用を進め、世界三大広告賞である「カンヌライオンズ」のゴールドや、「クリオ賞」、「The One Show」、アジア地域最大級の広告祭である「Spikes Asia(スパイクスアジア)」のグランプリなど、国内外の広告やクリエイティブ関連の受賞歴を有し、高品質なデジタル表現に強みを持っています。高いデザイン力と豊富なプロジェクトマネジメント実績を活かすことで、コンテンツ制作に留まらず、イベントの企画・運用まで手掛け、消費者目線で顧客企業にとってより良い表現方法を追求し実現しています。

https://www.itochu.co.jp/ja/news/press/2025/251112.html

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2025年11月14日 (金)

良い事業循環を作る

当社はリサーチ会社として、お客様の意思決定に寄与できるしっかりしたリサーチサービスの提供できる会社を目指します。

そのためにはしっかりした技術力のある生産体制を作らなければなりません。

それは当社の信頼や価値を高める事であり、4Qの労働環境を改善することでもあります。

昨年度は3Qに2名の経験者が退社して、1名の休職者も出たため4QのRG社員は12名になり、かなり厳しい勤務になってしまいました。

上期と下期の売上の比率が3:7という極端な下期偏重が背景にありますが、4Qでの過度な勤務が生じる職場環境は会社として改善しなければなりません。

RGに竹井さん、澤向さん、岩立さん、石井さんの4名が加わり16名になりましたが、3名の休職者が出て13名という状態で、まだ生産体制が整ったとは言えません。

引き続き採用を続けて、休職者の復職にも期待をして、4Qには2023年度と同じ15名体制になる様に出来るだけの調整を行います。

人員を増やすと固定費の人件費が増えますが、その経費増を上回る売上を作ることと、CotoEL等で労力に頼らない固定収益を創ることで、成長軌道の良い循環を実現させます。

「お客様の意思決定に寄与できる高品質のリサーチサービスを提供する」

という基本方針を共有しながら、営業と生産の組織体制を強化して、新しい固定収益事業を作って行けば当社は必ず良くなります。

まだ色々な課題は残っていますが、生産体制を強化して、新規事業のCotoELの収益化と、AI分析からコンサルリサーチの新しい流れも作ることで、良い事業循環を実現したいと思います。

その様な方向性を共有しながら改善対応を進めます。

2025年11月13日 (木)

オクラホマ州副知事

CRC総合研究所は伊藤忠商事と第一勧業銀行が主な株主でした。

その関係で米国のオクラホマ州の日本事務所もやっていました。

その頃は日本の経済や企業は非常に強く、日本企業をオクラホマ州に誘致するのが主な目的で、そこの室長は伊藤忠商事から来た50代の方で、20代の英語が堪能な女性と2人の組織でした。

そんな仕事をしていたから、年に1回オクラホマから10人位の誘致ミッションが来て、3チーム位に分かれて企業回りをします。

そんな時にも2人ではどうにもならないから、シンクタンク部門の若手が2、3人駆り出されました。

そして、3、4人の米国人を連れてアポイントのある企業まで車で同行します。

こんな仕事は入社2、3年の若手が英語が出来るとか出来ない関係なく駆り出されました。

ある年に毎年のミッションとは異なり、オクラホマ州の副知事と開発部長が、姉妹都市の京都府に挨拶に来ることになりました。

そして、なぜ自分なのか分かりませんでしたが、その室長から「悪いけどこの日は自分が動けないから、高井君が2人を京都まで連れて行って下さい。」との話が舞い込みました。

「XX室長、私は英語も得意じゃないし、ちょっと荷が重い気がします」と言っても、「何を言ってるんだ。朝帝国ホテルに行って、Good Morning と言ってタクシーに乗せて、新幹線に乗せるだけだから何も難しい仕事じゃないし、君なら問題なくできるよ。もう君の上司の許可は取ったからやって下さい。」みたいな業務命令でした。

これが実際にはかなり大変な仕事で、新幹線の中では色々な質問はされるし、京都駅に着いたら京都府の副知事や秘書課長がホームで待っていて、片方の黒塗りの公用車に載せられたら通訳も求められるし、副知事同士の会談や会食の席にも座らされるし、国会議員の打合せや、裏千家のお茶会まで同席させられました。

それこそトラブルと緊張の連続で1日でくたくたになり、2人を帝国ホテルに送り届けてから、有楽町のガード下で死ぬほど酒を飲んで緊張とストレスを取りました。

そして、翌日オクラホマ室長に「XXさん酷いじゃないですか。死ぬほど大変な仕事でしたよ」とクレームをしたら、「2人は高井君が良くやってくてたと喜んでいたよ。君なら出来ると言っただろう、、」と何もなかったように言われました。

これってリサーチャーの仕事ではないですが、商社の若手社員はこんなことが日常茶飯事にやらされて鍛えられるのだと思います。

今となっては良い思い出ですし、一皮むけた仕事になりました。

やったことのない仕事でも、やれば出来ることは多いから、20代、30代で色々な業務に挑戦することはその後の職業人生にプラスに働きます。

私自身の経験からその様に感じています。

2025年11月12日 (水)

数字選択式くじ

いまはナンバーズやロトといった、自分で数字を選べる宝くじが普及しています。

テレビCMでもよく見る身近な商品になっています。

このナンバーズが初めて日本に導入される時に、「数字選択式くじ」の市場性と、商品設計と、需要予測を行うという案件がありました。

予算は5千万円もある企画コンペでしたから、三菱総研や野村総研等を含む7社位のシンクタンクがコンペに参加していましたが、大きな案件なのでこれは必ず受注する。という気持ちで3~4日間は朝から深夜までかけて気合を入れた提案書を書き上げました。

そして、企画コンペのプレゼンを行い、受注することができました。

訪問面接でかなり大規模なアンケートを回収し、その結果を用いてどの様な商品にすべきかや、どんな消費者がターゲットで、どんなどんなプロモーションをすれば良いかまでロジカルに考えて、数年後にどれだけの売上が期待できるかの需要予測も行いました。

現地調査を行う前には、本当にこの調査票で正しい回答が得られるのかを試すために、私がリーダーで4、5人の若手社員を連れてある郊外の街で街頭調査を自分達でやって、調査票の修正を行うこともやりました。

大規模な訪問調査は外部の調査員を使って全国の7、8地点で行い、幾つかの現地調査にはクライアントも連れて現場の確認もしました。

そして、その時に私が考えて提案した、何桁で選ぶ商品が良いとか、どんな人をターゲットにしたら良いかが今のナンバーズに反映されているんです。

需要予測は3年後に1,000~1,050億円の売上と予測したのが、実際には1,040億円になり、それらの結果も評価されてロトが導入される時にも、随意契約で大型案件を受注しました。

この他にも首都圏と大阪圏で400件の訪問調査や、衛星通信を使った新サービスの受容性調査、高級健診施設調査、北海道の企業誘致調査、建材産業のビジョン作成、建材流通効率化調査、電源開発地域の景観対策調査、米国レジャーランド現地調査、香港移動体通信の実態調査等、考えながら走り回る調査も沢山やりました。

こんな経験もリサーチの楽しさだったし、やり方によっては自分の力で色々なことが出来ることと、お客様に喜んでもらえるのが遣り甲斐でした。

自分はこんな難しい調査をやった、苦労しながらもやりきってお客様に喜んでもらえた案件は沢山あるし、それが自分の仕事の誇りにもなっています。

リサーチ業界全体として、インターネット調査の案件が中心になってリサーチの効率性は大幅に高まりましたが、ビジネスののリアリティを実感できる業務は減少してきた様に思います。

アドホック調査市場の過半数がインターネット調査なので、今後もそれが中心なのは変わりませんが、外向きに動くオフライン調査で、難しくて大変だったけどやりきった、と思えるような仕事にも前向きに挑戦してみて下さい。

そして、それらがAIが普及してもAIには出来ない価値を作ります。

それは人間にしかできない考える力であり、考察して提案できる力であり、お客様の意思決定に寄与できる力です。

リサーチは消費生活を豊かにし、社会をより良くするのに不可欠な仕事です。

そして、インターネット調査と異なる世界も沢山あるので、皆さんにリサーチ業務の深さや広がりを伝えたいから、自分の経験した仕事を少しづつ紹介してみます。

今とは環境も手法も変化してますが何かの参考になればと思います。

2025年11月11日 (火)

ミャンマー調査

昨日は第一勧業銀行の海外調査を紹介しましたが、伊藤忠商事関連の海外調査にも何回か携わりました。

その中で1番覚えているのは、ミャンマーの開発計画を作る仕事でした。

これはCRC総研の社長に来た高原友生さんがビルマ(現ミャンマー)で終戦を迎えた方で、終戦時に世話になった(迷惑をかけた)ミャンマーの役に立ちたいと考えて出来たプロジェクトでした。

伊藤忠商事が数千万円の費用を国連工業開発機構(UNIDO)に預託して、国連調査として6、7人の専門家でチームを作って現地調査をするものでした。

メンバーはアジア経済研究所の専門家がリーダーで、大学の先生を中心に構成して、10日ほどの現地調査を3回行って産業開発のマスタープランを作ってもらいました。

私は何の開発経済の知識もありませんが、雑用係として使えそうだから選ばれたようです。

現地では先生方の調査のお手伝いや、食事や車の手配等を伊藤忠商事の現地スタッフとやりました。

リサーチャーの仕事というより、若手商社マンのような仕事でした。

それでも国連調査なんてなかなかできない経験でしたし、ミャンマーの色々な場所に先生方とジープで出かけるのも貴重な経験でした。

そして、最後は社長が現地政府の大臣にレポートを贈呈する場にも同席させてもらい、大きな達成感を感じる仕事でした。

こんな30代での経験もあり、ミャンマーの人の優しさにも触れていたので、ミャンマーが軍事政権で内戦が起こり、沢山の人が苦しんでいるニュースを見ると本当に辛く感じます。

こんなイレギュラーな仕事にも好奇心を持って取り組むことも、自分の世界を広げて、自分の仕事の自信にもなりました。

頭で考えてそれは難しそうだと思っても、実際にやってみると1つ1つの課題がクリアになり、何とかゴールにたどり着けることは多いと思います。

リサーチという世界であれば、何事にも好奇心を持って「未経験で難しそうだけど面白そうだ、、」という気持ちでチャレンジするのが良い様に思います。

自分の知見と技術力や対応力といった個の力の影響が大きいことも、リサーチの仕事の面白さではないでしょうか。

2025年11月10日 (月)

国別投資環境調査

今週は私が不在なので、私がCRC総研時代に経験したリサーチをいくつか紹介します。

今回のフランスは久しぶりの海外になりましたが、CRC総合研究所の時には年に1回ペースで海外調査に行っていた時期が7、8年ほどありました。

調査テーマは色々でしたが、1番多くの国を訪問できたのは、株主であった第一勧業銀行(現 みずほ銀行)の国別投資環境調査での訪問でした。

その頃は日本の企業は非常に強くて、多くの企業が海外に直接投資をしていて、その様な企業に銀行として直接投資関連の情報をまとめた「投資ガイド」を配っていました。

この国別の投資ガイドを作るための調査を数年担当しました。

だいたいはCRCの社員(リサーチャー)と銀行からの出向者の2名で、2か国を2週間かけて回るというものでした。

自分が担当した国は、台湾、マレーシア、シンガポール、香港、メキシコ、スペイン、イタリア、ドイツ、ベルギー、あたりでした。

外資政策は関連機関で資料をもらい、会計や税制、知的所有権は海外に強い公認会計士や弁理士に原稿を委託し、事業環境や、インフラ、労働環境等、直接投資に必要な情報はその国で事業を行っている企業を直接訪問して、ヒアリングをした結果をもとに原稿を書きました。

1か国に1週間ほど滞在して政府機関と日系企業を約20件、2か国で40件ほど訪問してヒアリングをするので、移動と様々なトラブルと人疲れで帰国する頃にはフラフラになるほど疲れる仕事でした。

でもそんな調査に30歳前後で携われたから得られた知見もあったし、難しい仕事でも何とか乗り越えられる、という自信が付いたように思います。

CRC総研は社歴も長く従業員が千人以上いる会社でしたが、「やったことないから出来ません、、」とは言えない厳しさはありました。

海外調査も入社3、4年の社員には「1人で行って何とかやってこい、行けば何とかなるから大丈夫だ、」みたいな感じでしたから、胃が痛くなるようなトラブルも沢山ありました。

当社では海外調査はなくなりましたが、色々なお客様を直接訪問し、色々な方々と直接会って話して対応することは、仕事力を高めるのに必要なことだと思います。

インターネット調査が中心になり、オンライン面談も出来るようになって、お客様を直接訪問して話す機会が減っていますが、直接面談はオンライン面談より数倍の価値があります。

営業もリサーチャーもお客様を直接訪問して、直接話をする機会を大切にして下さい。

それがビジネス成果を高めるだけでなく、皆さん自身の仕事力の向上にも繋がると思います。

2025年10月21日 (火)

CotoELの事業投資

新規事業の立ち上げというのは難しいものです。

でも新しいサービスを時代の流れを先取りして構築しないと会社は衰退してしまいます。

企業の成長には大変でも難しくても、新しい価値を生む事業を開発することが必要だと考えています。

現在挑戦している事業開発が「AI分析ツール(CotoEL)」です。

生成AIの急速な発展に伴って企業のマーケティングでも生成AIの活用は増えるはずです。

まずは生成AIの分析で仮説やアイディア出しを効率的に行い、その情報をもとに調査設計をしたリサーチを実施して意思決定をするという流れが出来ると考えています。

その時に「AI分析ツール(CotoEL)」→意思決定に寄与できる「コンサル型リサーチ」、という事業の流れを作って行ければと考えています。

石田さんの頑張りと、IIC鈴木さん、優秀なAI開発会社の協力があって、魅力的な分析ツールが出来ました。

しかし、それは面白い分析の機能が出来たということで、まだお客様のニーズを満たしていないため、思う様に売れない状態が続いています。

これまでにS1の協力やオンライン展示会への参加で、約100社のお客様に紹介をして、お試し利用をしたお客様から色々とご意見やご要望をお聞きすることができました。

それらのご意見やご要望のニーズにも対応することで契約数を増やします。

「テキストマイニング(TextVoice)」の事業化の時も予想外の日数と費用がかかり、会社の屋台骨が危なくなるような3年間に苦しみました。

2人を選任にした開発で1億円もの資金の持ち出しになり、当社の様な体力の会社で独自の分析ツールを開発するのは無謀だったのか、、、と悩んだ時期も長くありました。

その時よりも遥かに反応は良いし、広がりがある事業だと感じています。

この事業を当社の安定した固定収益事業に育てて、その上でお客様の意思決定に寄与できる付加価値と技術力の高い「コンサル不型リサーチ」を構築して行くこと、

そして、安定した固定収益が作れる会社にして、RGの人員を増やして4Qの過度な負担を減らし、社員の皆さんの処遇も改善して、働きやすくて働き甲斐もある会社にして行くこと、、、

そんな理想の姿を目指して、引き続き「AI分析ツール(CotoEL)」への事業投資を続けます。

2025年10月20日 (月)

AIでの生産効率化

生成AIの普及によってリサーチの仕事も大きく変化するのは間違いありません。

リサーチにおけるAIの活用は、1)効率化→2)高度化→3)代替化、と進展するというのが先日のJMRAカンファレンスで聞いた内容です。

そして、今は調査票案や調査レポートの叩き台をAIに作成させるという動きが実務レベルで出てきていることも分かりました。

ファミマさんのプレゼンでは、定型化された調査については、1テーマで13~14時間の作業時間の削減が図れている、という実績の紹介もありました。

これがどの程度の設問であったのかや、どの程度定型化されたテーマなのか分かりませんが、月に50本の調査を行うとすると650時間もの作業時間の削減が期待できる計算です。

この様な生産効率がAIで実現できれば、リサーチの原価が下がり利益率が高まることが期待できるし、リサーチャーの残業時間の大幅な削減にも繋がるります。

これまで当社は「AI分析ツール(CotoEL)」という形で、AIで新たな固定収益を生む事業創出に取組んできました。

これはこれで当社の将来に向けて非常に重要なテーマだと考えています。

そして、もう1つのAI活用の目的である生産効率化についても、石田さん、永森さんで、MyELの調査票作りにAIを活用する実験を始めています。

この様な出来るところからの実験と試行錯誤を続けながら、リサーチ業務の生産効率の向上に向けての取組みも進めます。

リサーチは労働集約的な業務であり、上期と下期の業務量が大幅に異なる下期偏重、年度末偏重の市場であるために生じている「4Qの残業問題」もAIで解決できればと思います。

手探りではありますが、AI活用を積極的に進めて参りましょう。

2025年10月17日 (金)

Pマーク12回目の更新

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当社は多くのモニターの個人情報をお預かりしているので、その個人情報の管理を厳密に行うことが不可欠です。

これらが流出するような事故が起きたら当社は信用を毀損してしまい、事業の継続も出来なくなるほどのダメージを受けることになります。

その様な事故の補償に対応するため1億円の損害保険に契約をしてますが、それでも補えないほどの損失が出てしまうと思います。

この大切な多数の個人情報を守るために、システム的にもセキュリティ対策を徹底し、かつ適切な個人情報管理の運用がされているかを第三者の立場で検証してもらい、保障してもらうのがプライバシーマークの審査です。

こちらは2年に1回の審査で、今年がその審査の対象年になり小野さんの方で非常に複雑な審査資料を作成し、現地調査にも対応してくれて、12回目の更新をすることが出来ました。

小野さん、煩雑な申請手続き大変ご苦労さまでした。

12回目ということは、1回目は24年も前の会社が出来て3年目に審査を受けたことになります。

その頃はプライバシーマークの存在も知りませんでしたが、CRC総研からこれだけ多くの個人情報を預かっているのだからこの審査を必ず受ける様に指示されて対応しました。

多くのリサーチ会社がありますが、12回目の更新を行っているのは当社だけだと思います。

会社としても個人情報の管理には万全を期すつもりですが、それぞれの社員の皆さんもその重要性を認識して、適切な個人情報の管理に努めて下さい。

このことも当社にとって非常に大切なことですから遵守して下さい。

〇Pマークの画像は下記に保管しています

\\terafirst\information共有情報\11.Pマーク画像データ

2025年10月 9日 (木)

下期偏重のリサーチ市場

これはリサーチ市場の特徴であり、リサーチ会社の宿命でもあるのですが、市場の動きが極端に下期偏重になってしまいます。

お客様の立場で考えると、企業の事業も大学の研究も、4月~3月の事業年度で計画が進むので、春先に新しい組織や事業や役割が決まり、そこから新年度の事業が始まります。

そのため、1Qとかは新年度の事業や研究をどう進めるかの検討が多く、2Qあたりで具体化し、それを検証するリサーチは夏以降になるということでしょう。

自分がシンクタンクでリサーチャーをやっていた時も、1Qや2Qは客先回りをして案件開拓をしたり、入札の準備をしたりして、夏以降でリサーチを行っていて、4Qは毎週徹夜組も出る位に厳しい働き方をしていました。

官公庁の案件などは3月末は仮納品で良く、実際にはGW以降に監査が入るのでそれまでに最終納品をするような案件も多くありました。

当社の昨年度の売上を見ると、上期の売上はたった31%で、残りの69%は下期に集中しています。

そして、上期で▲25Mの赤字を出しましたが、下期で+74Mの利益を作って最終は+49Mの営業利益という決算でした。

この事業構造で困るのは、どこの水準に生産体制を合わせれば良いかです。

上期の水準に合わせると下期は回らないし、下期の水準に合わせると益々上期の赤字が大きくなる。

そして、4Qはスタッフの負担が過剰になり残業も過多になるという問題があります。

それは31:69という極端な下期偏重の市場環境による問題です。

この問題を解決するためにも、固定収益を生むマーケティングツール事業(MyEL、CotoEL、TextVoice)で一定の安定した売上と利益を作り、生産体制の人数を増やし、人件費の固定費を増やしてでも良い決算が出来るように事業構造を変えて行くことだと考えています。

昨年度でもMyELとTextVoiceの売上比率は13%に留まっています。

87%は主事業であり、下期偏重のリサーチ事業で成り立っている会社です。

それをCotoEL等の売上を増やし、売上の30%までこの固定収益事業で作れる様になれば、4Qの過度な負担と残業の問題が解決できると期待しています。

早くアドホック調査だけに頼る事業構造を変えたいと考えていて、CotoELの事業開拓に挑戦して行きます。

2025年10月 2日 (木)

企業に不可欠な利益

私のかなり昔の収益悪化によるリストラの経験をお話しさせていただきます。

自分や明石さん、服部さん、永森さんが勤務していたCRC総合研究所は、従業員が1,000名以上いて、店頭公開もしている大企業でした。

伊藤忠商事が筆頭株主で、その他は第一勧業銀行(今のみずほ銀行)と、同銀行をメインバンクにしている富士通や清水建設、古河電工等の企業グループが株主の会社でした。

主な事業は、1)原子力や構造物等の科学技術の解析事業、2)情報システムの構築・運用事業、3)各種リサーチを行うシンクタンク事業、の3分野がありました。

1番の強みは早い段階からスーパーコンピュータを入れて、そのマシンでないと計算できない原子力や構造物等の複雑な科学技術計算が出来るという技術集団の会社でした。

シンクタンク部門は1番小さな部門で、社会システム、福祉、環境、産業、経済等のチームがあって、50~60人ほどの組織でした。

そして、シンクタンク部門を強化するという全社方針のもとで、新たに伊藤忠商社の鉄鋼部門から来た役員が、急激に人を増やして3年程で100人以上の組織になりました。

しかし、集められた社員の多くはリサーチとは無関係な人も多く、株主の大企業からの転籍者も多くいて殆ど戦力にはなりませんでした。

そして、あっという間に数億もの赤字を出す事業部になっていました。

一般社員には事業部の業績は全く知らされていませんでしたし、現場はかなり頑張って徹夜も厭わずに働いていたので、酷い赤字になっているとは思ってもいませんでした。

業績は経営の問題であり、悪い決算だとしても素人の役員が無謀な組織拡大をしたからであって、自分達には責任はないし関係ないと思っていました。

しかし、実際には3年間も事業部の大赤字は続いていて、新しく来た社長が「なんだこの赤字の事業部は、、、」ということになり、シンクタンク部門はリストラになり、多くの社員はこれまでと全く異なる部署に異動になり、評価が悪かった社員は退職勧奨で解雇されました。

その時には酷い社長だと思ったし、酷い会社だとも思いましたが、後から思うと社長も会社の業績を立て直すために必死だったし、異動も退職勧奨も法人として適法な対応でした。

そして、こんなリストラはビジネスの世界では日常茶飯事に起きています。

最近の新聞記事でも、「三菱電機が1万人の人員削減」、「パナソニックが1万人の希望退職を募集」、「ブリジストンが数百人規模の希望退職を募集」、「日産自動車が2万人の人員削減」、、、という様な記事が沢山出ていました。

こんな著名な大企業でも業績悪化や、将来の悪化予測から凄いリストラが行われています。

企業は大小に係わらず、お客様から評価される良い仕事をして、適切な成長と利益を生み出すことがどうして必要な存在なんです。

経営の失敗などで業績が悪化して赤字になると、そこで働く社員が大きな不幸になることを、私は自分の組織でのリストラがあって初めて強く実感しました。

当社の社員が良い職業人生を歩むためには、経営者は良い経営を行い、社員は各自がしっかり役割を果たすことで経営計画を達成し、結果を出し続けることです。

伊藤忠グループにいても、社会に役立つ三方良しの事業を行っていて、適正な成長と利益が出せていれば自由な事業と経営が出来るし、社員の処遇を大幅に改善しても何も言われることはありません。

そんな環境を作り、社会に役立つ良いサービスが出来て、社員の皆さんが良い仕事と良い処遇でハッピーになれる会社にしたい、、それが私の1番の望みであります。

そのためにも、下期での巻き返しを頑張りましょう。

2025年9月18日 (木)

価格負けの失注増加

1Qレビューでは新規の引合案件が前期の50%以下に減少したのが課題でしたが、7月、8月の引合数は増えて来ていて、昨年度比で90%まで戻しています。

一方で新規引合の受注率が大幅に下がっているので、その原因を分析する様に田井さんに依頼しました。

その結果、価格負けでの失注が大幅に増えていることが分かりました。

昨年度は4月~8月の価格負けは10件でしたが、それが今期は32本も価格負けがありました。

昨年と比べると22本も見積価格での失注が増えたことになります。

おそらくこの価格負け失注で売上で10~15M、営業利益で7~10M、決算を押し下げたと見ています。

価格負けした相手はマクロミルとクロスマーケティングだそうです。

彼らが今期どんな理由で値引き対応をしているのかは定かでありません。

おそらくマクロミルはファンドに買収されているから、今期の決算を良くして企業価値を引上げることが強く求められているのかもしれません。

クロスマーケティングGはリサーチの売上は5割で、利益の6割強はプロモーション事業の会社になっていて、2023/6と2024/6の2期が減益だったから、値引きで新規を増やすことで2025/6の増益を実現したのかもしれません。

彼らが値引き対応で新規顧客の拡大を進めているなら、当社も不本意でも対抗しないと競争に勝てず、今期の業績不振を改善することが出来ません。

田井さんと野口さんには、新規顧客の引合に対しては、価格競争の実態に合わせて見積対応するように指示をしました。

ここ4、5年はインターネット調査の価格競争は落ち着いていましたが、またこの2社の動きによって価格競争が厳しくなると思われます。

うちもこのまま負けられないからしっかり戦って行きましょう!

上記の価格負けもあり、この上期はリサーチ受注不足で非常に厳しい決算を見込んでいます。

ここを3Qで改善するには、伊藤忠商事の岡藤会長が仰っているように、「営業成績が不振な時にはとにかくお客様の訪問を増やして、ご要望を伺って提案をする。」ことをまずはやることです。

その上で新規顧客の引合に対しては、出来るだけ直接訪問して面談を行い、価格対応も含めて案件を取り込むことです。

この2つを徹底すれば必ず受注は増やせます。

オフィスに良い営業情報はなく、良い案件はお客様との直接会話の中から生まれます。

受注計画が未達の方は、お客様との接点と提案を増やして3Qで挽回して下さい。

社員を始めとした当社の関係者を良くするためですから、3Qで必ず挽回するという強い気持ちを持って行動して下さい。

2025年9月17日 (水)

TextVoiceの変遷

当社が「テキストマイニング(TextVoice)」の開発に着手したのは2015年からです。

その当時も自社独自のサービスが必要、固定収益が作れるアービスが必要、という議論が進み、定性分析にマーケティング関係者の関心が進んでいることもあり開発を決めました。

本格的な取組みは2016年からで、優秀な社員2人を専任にして準備を進めました。

開発の当初は1年間で30Mの投資で完成するという予定でしたが、1年経っても、2年経ってもなかなか良いツールにならず、完成するのに3年間と約1億円の費用がかかり、会社の財務状況も急速に悪くなりました。

それでも差別化できる固定収益事業が当社にはどうしても必要という認識で、胃が痛い思いもしながら諦めないで続けていた3年間でした。

そして、4年後の2019年の売上が12Mになり、2020年が13Mで収益はトントンになり、2021年の31M、2022年の43Mと売上が増えて、2022年度の経常利益+92Mにも貢献できる事業になったんです。

しかし、その後の2023年は36Mと▲4M減少して、昨年度は更に▲4M下がった32Mという風に減少傾向が続いています。

その主な要因は生成AIの出現によって、ある目的のお客様はもうテキストマイニングでなく、生成AIで出来てしまうことが影響しているようです。

新しい技術が出来ると市場の構造が変わってしまいます。

3年の時間と1億円の資金を投じてやっと完成させたという強い想いはありますが、このトレンドは時代の変化だと認めざるを得ないのかもしれません。

当社の収益基盤を強化して、安定した成長軌道に乗せるには、やはり受注生産のリサーチ事業だけだと難しい面があるし、リサーチ事業も生成AIで侵食される可能性があります。

そのため、当社としては新たな技術を活用した「AI分析ツール(CotoEL)」を次の差別化できる固定収益事業として育成することが必要と考えています。

新しい事業を作るということは試行錯誤が必要な大変なことなんです。

私はインターネット調査、アンケートデータベース(MyEL)、テキストマイニング(TextVoice)の3つの事業を立ち上げた経験があります。

今後の当社の成長と発展のために、その可能性を信じて粘って粘って成功させます。

2025年9月10日 (水)

新規案件の受注率低下

過去3年間の上期決算と年度決算は以下の様に推移して来ました。

2022年度には経常利益は91Mまで増えて、2023年度は念願だった100M(1億円)の経常利益が出せると考えていましたが、売上が横ばいになり84Mの減益になりました。

そして、2024年度はそれまでの5年間の114%の増収がストップして、前期比91%(▲9%)の減収になり、▲35M減益の49Mの経常利益に終わりました。

         上期の経常利益   年度決算の経常利益

2022年度     +1M        +91M

2023年度     ▲8M        +84M

2024年度    ▲25M        +49M

2025年度見込  ▲40~45M?     ??

前にも説明しましたが、当社は人件費等の固定費用が大きいので、トップラインの売上を引上げられないと酷い決算になってしまいます。

逆に損益分岐を超える売上さえ作れれば、ぐんと利益を引上げることができますから、リサーチの受注を前期比10%増やせればこの下期でも十分にキャッチアップは出来ます。

1Qレビューでは新規の引合案件が前期の50%以下に減少したのが課題でした。

しかし、その後の7月、8月の引合数は増えて来ていて、昨年度比で90%(昨年度85件、本年度77件)まで戻しています。

一方でS1事業会社の新規受注率がこれまでの25~30%から6%まで極端に下がっているのが、今期の受注不足と業績悪化の原因になっています。

この原因がどこにあるのか、1件、1件の失注要因をヒアリングして、改善対策を考えるよう田井さんに指示しています。

また、大学関連の引合数はGMORとの連携もあって増えていて、その実施は10月以降になるから、3Qで巻き返しが出来ると考えています。

新しいお客様の新しい案件を創出できないと企業は発展できないから、新規の受注減少の原因を明確にして具体的な対策を取ることです。

まだ今期は6ヵ月半あり、これからがリサーチ市場の本番です。

まずは12月の3Q決算に向けて、S1、S2ともリサーチ案件の受注強化に注力して下さい。

2025年9月 9日 (火)

「かけふ」の考え方とは

当社は1999年に伊藤忠グループのCRC総合研究所(現在の伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)」から生まれて、2019年度から増資を受ける形でグループに戻りました。

岡藤会長が社長になる前の2009年度の純利益は約1,800億円でしたが、最近では約8,000憶円まで伸ばしていて、万年4位の総合商社だったのを三菱商事と1位、2位を争うところまで成長させたのですから凄い方です。

その岡藤会長が商売は「かけふ」が大切だという話をされるそうです。

これは「稼ぐ、削る、防ぐ」という商売の3原則を簡潔に表す言葉で、岡藤会長が作った造語です。

まずは営業を強化して受注を増やして稼ぎ、経費や無駄を出来るだけ削って効率化し、他社にビジネスを取られないように防ぐ方法を考える。

それを経営者も従業員も全員が意識しながら商売を推進することの大切さを示しています。

伊藤忠グループは景気変動に強い多様な事業基盤と、9割以上の黒字企業比率を持つことで、黒字を維持する事業体質が強みだと言われています。

試しにChatGPTで「伊藤忠商事の連結企業と赤字企業の数を教えて下さい」と聞いたら以下が出て来ました。

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最新の「赤字会社」の数(2024年度)

  • 連結対象企業の総数:263社

  • 赤字会社数:22社

  • 黒字会社数:241社

  • 黒字会社比率:91.6%(赤字会社比率=8.4%)

→ よって、2024年度(2025年3月期)の連結対象企業のうち、22社が赤字を計上している状況です。

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伊藤忠商事の連結対象の企業は263社ですが、赤字の企業はたった22社しかありません。

約92社が「かけふ」を徹底することで黒字決算を創り出していて、それがグループの黒字を維持する事業体質を作り上げています。

そして、伊藤忠の関係者からは「伊藤忠グループでは事業会社の赤字は絶対に許されない。」という話も頻繁に聞いています。

それが伊藤忠グループの基本的な事業の考え方であり、約11万人いるというグループの従業員が強く意識していることです。

当社はこの上期に▲40~45Mもの大きな赤字決算を見込んでいます。

2022年度の上期は+1Mの黒字でしたが、2023年度は▲8M、2024年度が▲25Mですから、▲45Mはかなり酷い数字です。

これは新規受注の減少等が影響していますが、このまま月次赤字が続いて最終赤字にでもなると大変なことなので、全員で気を引き締めて巻き返して行きましょう!

企業は毎年の増収増益で利益を増やし、その資金で高い昇給や賞与の増額で、従業員の頑張りに報いる循環を作ることが必要です。

私も当社の社長として適切な利益を出して、皆さんの処遇を改善したいと強く強く望んでいます。

減収減益では皆さんの処遇を良くすることが出来なくなります。

そのためにもまずは営業の皆さんの奮起と受注拡大に期待しています。

上期で計画未達なら3Qで取り戻す。

そんな気持ちで大切な営業に取り組んで下さい。

3月までには各自の受注予算がクリア出来るようにお願いします。